著者
栗田 啓幸 小池 茂
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.43-46, 1981 (Released:2008-11-21)
参考文献数
6
被引用文献数
6 2

Antimicrobial effect of perilla was examined, using microorganisms from air and pure cultures of fungi and bacteria. Either 0.01% ether-extract of perilla leaves or 10% NaCl allowed considerable growth of microorganisms on usual agar media. However, it was found that in agar media containing more than 5% NaCl, the ether-extract of perilla leaves at a concentration of 0.01% completely inhibited growth of many kinds of microorganisms. This synergistic antimicrobial effect of perilla and NaCl concentrations may offer a useful tool for preserving some foods without applying any synthetic preservative.
著者
河野 泰久
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.1112-1116, 1988-07-15 (Released:2009-02-18)
参考文献数
29
被引用文献数
2 2
著者
松井 年行
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.663-668, 1977
被引用文献数
1

和三盆糖廃糖蜜中の非透析性色素から得られた褐変色素を精製して次の結果を得た.<br> 1) 透析,DEAE-celluloseカラムクロマトグラフィーで9分画の色素F1~F9に分画し,さらにSephadex G-75によってタンパク質,多糖類を除去して精製した.メラノイジンはSephadex G-75で再クロマトグラフィーの結果,フェノール-硫酸,Lowry-Folin,および440nmの比色の結果,ほぼ同一クロマドパダーンを示したことから精製は十分であると考えられた.なおF2~F8はレダクトン陰性であった.<br> 2) 和三盆糖廃糖蜜め各色素F1~F8を塩酸で加水分解するとグルコース,フラクトース,キシローズ,アラビノース,ガラククトースを得たが,廃糖蜜中の遊離糖はシュークロース,グルコース,フラクトースであった.和三盆糖廃糖蜜の各色素F1~F8の塩酸加水分解で得られたアミノ酸は含量の多い順にグルタミン,アンモニア,アスパラギン酸で,廃糖蜜中の遊離アミノ酸は,アスパラギン,アスパラギン酸,アラニンでそのパターンはアミノ酸,糖ともかなり相違したものとなった.<br> 3) FITC-Dextran 3, Dextran T-10, Dextran T-20を標準物質としてSephadex G-75により測定した廃糖蜜の各色素F1~F8の推定分子量は,F1=9000, F6=14,000, F2=16,000, F4=18,500, F5=19,500, F3, F8=24,000, F7=29,000,となった.<br> 4) IR, ESRの吸収パターンはF2~F.8ともよく似ていた.醤油等のメラノイジンパターンともほぼ同じであった.<br> 5) log moleculer wefightとlog 0.33%1cmE<sub>440</sub>nmの間にほぼ直線関係が見られたが,分子量の大きいものが必ずしも濃色とならなかった.
著者
奥山 治美
出版者
社団法人日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.583-585, 1995-05
参考文献数
9
被引用文献数
3
著者
小町谷 吉興
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.516-520, 1961

(1) α位にカルボキシル基を持つインドール誘導体のカルポキシル基の離脱反応は強酸を触媒として行なうときは,従来行われてきた高温度で加熱脱炭酸せしめる方法より極めてかんたんであり,インドール酢酸及びトリプトファンの製造に好都合であること,殊にトリプトファンの製造に際して好結果を与えることを認めた.<br> (2) 脱炭酸を行なう触媒としては,塩酸,硫酸が最もすぐれ,燐酸,氷酢酸,強酸性イオン交換樹脂は殆んど脱炭酸の触媒にならない.<br> (3) 脱炭酸の開始する温度は原料物質により異なるが,大体80~95°であって5N~6Nの希塩酸と加熱還流する方法が一般的な方法といえる. 2N程度の希塩酸と加熱するときは脱炭酸に長時間を要し,不必要な分解がおこるので好ましくない.
著者
近藤 金助 林 常孟 松下 〓
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.354-361, 1927

以上論述した事柄を要約すれば次のやうである<br> 1. 私等はRice-glutelin No. 1.及びNo. 2.に就て其の最適雪出點に及ぼすNaCH<sub>3</sub>COO, NaCl, KCl及びLiClの影響に就きて研究した<br> 2. 其の結果によれば是等の鹽類の存在はRice-glutelinの最適雪出點を等しく酸性の側に變移せしめるそして其の程度は鹽類の濃度によつて一定しない醋酸曹達に就ても同樣であるこのことはMichaelis氏の所論とは一致しないのみならず最適雪出は完全雪出を意味しない<br> 3. 私等はこの事實を此等鹽類より由来する正負兩イオンの蛋白質イオン化力の優劣の差によつて説明し得た但しこの力は鹽類の種類と濃度及び蛋白質の種類によつて特殊なものである<br> 4. 從つて難溶性蛋白質の見かけ上の等電點は試用する鹽類の種類及び濃度によつて不同でてると私等は思ふ
著者
辻 啓一
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.769-775, 1982
被引用文献数
1

(1) 緩衝能曲線(β-PH曲線)の一つの応用として各種の調味料について予備実験を行った.<br> (2) 試料中の弱プロトン解離基のpKaにほぼ等しい値のpHにおいて緩衝能曲線にピークまたは肩を生ずることに基づき,調味料の緩衝能曲線をその形状を考慮してC,P,Nの3区に区分し,それぞれの区に該当する解離基のおよその当てはめを行った.<br> (3) 上記の区分においてC区(pH<5.7)は主に有機酸およびアミノ酸のカルボキシル基,N区(pH>7.5)はアミノ酸等のアミノ基によるピークまたは緩衝能帯を表す.中間のP区は無機,有機のリン酸化合物およびイミダゾール化合物を主とする成分によると考えられるが,試料によって高さと形状の変動が大きく,C区,N区に対してこの区がかなりの大きさを持っのはかっおぶし,にぼし,こぶ等の素材だしおよび培養基用牛肉エキス,酵母エキスであった.これに対し加工調味料(Table II)ではP区の緩衝能はおおむねきわめて小であり,同時にC,N区の形状はグルタミン酸のそれとよく一致した.<br> (4) みそ,しょう油についての「滴定酸度」,およびいわゆる食品の緩衝能と,緩衝能曲線との関係について考察を加えた.<br> (5) P区において緩衝能を示す調味料成分の本体について考察した.
著者
伊藤 均 久米 民和 武久 正昭 飯塚 廣
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.1081-1087, 1981 (Released:2008-11-21)
参考文献数
20
被引用文献数
6 3

各種配合飼料中の微生物分布と放射線殺菌効果について検討し次の結果を得た. (1) 粉末状飼料中の総菌数は1g当り5.3×104~2.2×106個,大腸菌群は5.1×103~6.8×105個,一般糸状菌は2.1×103~4.5×105個,好浸透圧性糸状菌は9.6×102~3.5×105個検出された. (2) ペレット状飼料中の総菌数は5.3×103~1.0×106個,大腸菌群は0~2.3×103個であり,ペレット加工後に汚染したと思われる糸状菌0~1.6×103個が検出された. (3) 飼料中の総菌数は主にBacillus, Micrococcus, Enterobacter, Klebsiellaで構成されており, StaphylococcusやPseudomonasも若干検出された.大腸菌群は主にEnterobacterとKlebsiellaで構成されており, Escherichia coliは全菌数の1%以下しか検出されなかった.しかし市販飼料の一部にはE. coliが1%近く検出されるものもあった. (4) 飼料中の一般糸状菌は主にFusarium, Cladosporium, Rhizopusで構成されており,好浸透圧性糸状菌はAspergillus glaucus群と A. gracilis, A. candidusが多く検出され, A. versicolorも若干検出された. (5) 放射線照射により飼料中の総菌数は0.5 Mradで101~103個まで減少したが,飼料によってはPseudomonas marginataなどが生残していた.大腸菌群は0.5~0.8 Mradで殺菌でき,貯蔵中の飼料変敗に関与すると思われる好浸透圧性糸状菌は0.2 Mradで著しく菌数が減少した. したがって飼料の菌数低減化および屎尿由来大腸菌群の殺菌を目的とする場合は0.5 Mradの線量が必要で,糸状菌変敗の防止には0.2 Mrad以上の照射が必要と思われる.
著者
北本 豊 葛西 善三郎
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.260-266, 1968
被引用文献数
14 2 3

アミスギタケの子実体形成に対する化学的環境条件一栄養について検討した.この菌は種々の基質に対し広範な適応性を示し,炭水化物および有機,無機態の窒素源を利用して子実体を形成した.チアミンは生長,子実体形成1こ必要であり,Ca<sup>2+</sup>,Mn<sup>2+</sup>,Cu<sup>2+</sup>がこの過程を促進した.<br> 子実体形成はC/N比に顕著に影響された.CIN比は30:1程度が適当であり,低C/N比では原基形成およびその後の発育が阻害された.窒素源濃度が一定のとき,炭素源濃度を高くすると収量が減少した.<br> 子実体形成は栄養条件のみでは誘導されず,光その他が関与するものと考えられる.
著者
中林 敏郎
出版者
Japan Society for Bioscience, Biotechnology, and Agrochemistry
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.813-818, 1953
被引用文献数
1 1

By the method of two-dimensional paper chromatography of the polyphenolic substances in apple fruit, three spots were detected, i.e., L-epi-catechin which was epimerized to L-cate-chin by heating, D-catechin which gave a small spot and was epimerized to D-epi-catechin, and chlorogenic acid which was hydrolized to caffeic acid (Fig. 1).<br> In these, L-epi-catechin and chlorogenic acid were isolated in crystalline form from fresh apple fruit (Kokko). These were expectedly oxidized by polyphenol oxidase of apple fruit (Fig. 2).<br> Catechins were estimated by nephelometry (Fig. 4), and chlorogenic acid was estimated by cdlorimetry (Fig. 4), and the relation was studied between the contents of these polyphenols and the quality of apple fruit, but no evidence was obtained (Table 2).