著者
長谷部 佳世子 長谷川 明子 井口 敏子 大月 洋 渡邊 好政
出版者
JAPANESE ASSOCIATION OF CERTIFIED ORTHOPTISTS
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.115-118, 1994-12-31 (Released:2009-10-29)
参考文献数
3

眼精疲労の治療予後を左右すると思われる要因について検討するために,1990年1月から1992年12月の3年間に眼精疲労症状を主訴として当科を受診した215例を対象に,眼位ずれの有無で2群に分類し,初診時の年齢と他科領域の疾患を合併する割合を比較した.さらに,アンケートによる治療予後の追跡調査をおこなった.その結果,1.眼位ずれのない群では,眼位ずれのある群に比べて,40歳以上の者が有意に多く,他科領域の疾患を有する者も有意に多かった.2.眼位ずれのある群の方が,治療予後が良好であった.3.予後不良例では,肉体的・精神的ストレスを感じている例や,体調と眼の調子が関係あると感じている例が多かった.以上のことより,眼精疲労患者の治療においては,個々の症例の環境や他科領域の疾患に注意を払う必要があると思われる.
著者
畑 明美 南光 美子 長谷川 明子 AKEMI HATA YOSHIKO NANKO AKIKO HASEGAWA
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science and living science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63-71, 1986-11-15

キュウリ, ナス, キャベツを用いて塩漬け及び糠漬けを行い, 漬け込み後経日的にpHの変化並びに無機成分の挙動を調べた。1.塩漬け, 糠漬けのいずれの場合も, 漬け材料, 糠床及び漬け汁ともに経日的にpHは低下した。2.塩漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa含量は経日的に増加したが, キュウリ, キャベツ中のMg, Ca, K含量は減少するのに対し, ナス中では増加することが認められた。3.糠漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa及びMg含量は増加し, Ca含量は減少した。また, ナス中のK含量は漸増したが, キュウリ, キャベツ中では減少する傾向が認められた。
著者
長谷川 明紀
出版者
皇學館大学文学部 ; 2009-
雑誌
皇學館大学紀要 = Bulletin of Kogakkan University (ISSN:18836984)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.186-158, 2017-03

醍醐寺蔵『諸経中陀羅尼集』の最初に掲載されている法華経陀羅尼と『法華経山家本』の法華経陀羅尼は、慈覚大師点本に由来するとされているので、両本における漢字加点が比較検討された。仮名、声点に加えて、ダッシュ(-) 印が醍醐寺本における加点に含まれる。このダッシュ印は、悉曇文字一字が漢字二文字を用いて音訳される場合、この漢字間に導入されていると結論された。 陀羅尼では、上声および去声の声点は、悉曇字に従ってそれぞれ短音および長音を識別する記号として代用されることが知られている。これら両本での声点を比較して、『法華経山家本』の声点の幾つかは時代の経過につれて変化しているものの、両本は慈覚大師を源流とする事を示す多くの共通した特徴をもつことが明らかにされた。 Since Lotus Sutra dhāran・īs in the first set of "A Collection of Dhāra n・īsin Sutras " stored in Daigo-ji Temple and contained in "The Hokekyo Sangebon " are believed to have their origins in a text of Jikaku Daishi(Ennin), the guiding notes added beside the kanji of the dhāran・īs were compared between these two texts.In addition to kana and accent marks, dash (-) marks are involved in the guiding notes in the Daigo-ji text. Each of the dash marks was concluded to be introduced between the two kanji into which a single original siddham・ script was transliterated.In dhāran・īs, the accent marks of jyosho (high pitch) and kyosho (rising pitch) are known to be substituted for the marks distinguishing between short and long sounds, respectively, according to the siddham・ scripts. The comparison of the accent marks between the two texts leads us to the conclusion that both texts have many common characteristics suggesting the origin from Jikaku Daishi, while some of the accent marks in "The Hokekyo Sangebon " were subject to alteration in the process of time.
著者
畑 明美 南光 美子 長谷川 明子 AKEMI HATA YOSHIKO NANKO AKIKO HASEGAWA
出版者
京都府立大学学術報告委員会
雑誌
京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 = The scientific reports of the Kyoto Prefectural University. Natural science and living science (ISSN:0075739X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63-71, 1986-11-15
被引用文献数
1

キュウリ, ナス, キャベツを用いて塩漬け及び糠漬けを行い, 漬け込み後経日的にpHの変化並びに無機成分の挙動を調べた。1.塩漬け, 糠漬けのいずれの場合も, 漬け材料, 糠床及び漬け汁ともに経日的にpHは低下した。2.塩漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa含量は経日的に増加したが, キュウリ, キャベツ中のMg, Ca, K含量は減少するのに対し, ナス中では増加することが認められた。3.糠漬けのキュウリ, ナス及びキャベツ中のNa及びMg含量は増加し, Ca含量は減少した。また, ナス中のK含量は漸増したが, キュウリ, キャベツ中では減少する傾向が認められた。These studies were carried out to know the changes in mineral contents in cucumber, egg plant and cabbage as affected by soaking treatment. The vegetables were pickled using 5% or 2% salt and soaked in rice bran mash. The results obtained were as follows; 1. After soaking treatment, the pH values of vegetables, rice bran mash and eluted solution from vegetables were decreased during the soaking. 2. Sodium content in cucumber, egg plant and cabbage in salting was increased rapidly, and although magnesium, calcium and potassium contents in cucumber and cabbage were decreased, these elements contents in egg plant were contrary increased during the period of salting. 3. On the other hand, sodium, magnesium contents in cucumber, egg plant and cabbage soaked in rice bran mash were increased remarkably, but calcium content in them was decreased. In addition, potassium content in egg plant was increased sightly, but it was decreased in cucumber and cabbage during the soaking.
著者
信田 圭哉 長谷川 明生
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2014-IOT-24, no.17, pp.1-4, 2014-02-20

一般的な PC よも安価な Raspberry Pi を使用し,コンピュータクラスタを構成する.並列計算機環境の構築の一部を自動化するシステムを開発し,コストの面と扱いやすさの点から初学者向きの環境を目指す.
著者
郭 怡 内山 尚志 長谷川 明弘 史 学敏 中川 弥栄子 田中 政春 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.330, pp.23-29, 2000-09-22
被引用文献数
1

痴呆脳に脳容積の萎縮、神経細胞の脱落、脳血流量の低下などの変化が観察されている。そこで、我々はこれらの病理変化から考え、電気刺激が神経活動を誘発できる事実に基づき、末梢神経に電気刺激を加えることによって、低下した神経活動を活性化させ、痴呆症状の改善さらに痴呆のリハビリを目指している。痴呆患者20人を被験者にし、脳神経により近い眉間(睛明穴)に微弱な電流を1回つき30分間、週3回、一ヵ月間行った。その結果、刺激群はコントロール群に比べ、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)及び短期記憶検査の得点が有意に上昇した。したがって、末梢神経への電気刺激が導入神経を通して記憶などの高次脳機能関する中枢神経に伝達され、その活動を賦活したと推測される。
著者
長谷川 明洋 中山 俊憲
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.189-195, 2010 (Released:2010-08-31)
参考文献数
11
被引用文献数
7 7

CD69分子はc-type lectinファミリーに属するII型の膜分子で,早期活性化マーカー分子としてリンパ球の活性化の指標として広く用いられている.機能の詳細はこれまであまり明らかにされていないが,炎症局所に浸潤する炎症細胞のほとんどがCD69を発現していることから,さまざまな炎症反応の誘導・維持に重要な役割を果たしていると考えられる.著者らはこれまでに生体内でのCD69分子の役割を解析する目的でCD69ノックアウトマウスを作製し,疾患との関わりの解析を進めてきた.その結果,CD69ノックアウトマウスでは関節炎やアレルギー性喘息が起きないことを見出した.アレルギー性喘息は抗CD69抗体の投与でも抑制され,治療効果が認められた.CD69分子はその他の炎症性疾患の発症にも関与している可能性が高く,難治性の炎症性疾患に対する新規治療法の開発において新しいターゲット分子になる可能性が示唆された.
著者
大森 みさき 今井 理江 佐藤 修一 堀 玲子 長谷川 明
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.43-48, 2000-03-28 (Released:2010-08-25)
参考文献数
18
被引用文献数
6 5

日常, 特に口臭を認めない日本歯科大学新潟歯学部の学生および職員30名の口臭の変動を口腔内の揮発性硫黄化合物の濃度を測定するポータブルサルファイドモニター (Halimeter RH17®Interscan社, アメリカ) を用いた揮発性硫黄化合物量測定と官能試験によって1日5回 (朝食前, 朝食後, 昼食前, 昼食後, 夕食前) 経時的に測定しその日内変動を調べた。また, そのうち8名に対し経時的に口腔内診査を行い, 安静時唾液量, 唾液pH, プラーク, 舌苔の付着などを調べ, 口臭と臨床的パラメータの関連についても検討を行った。その結果, 性別による口臭に差がないことが明らかになった。また, 朝食前では何らかの口臭を認めることが示され, 食事の摂取によって減少する傾向がみられた。臨床的パラメータと口臭との関係では朝食前において舌苔付着量とハリメーター値との間に有意な関係が認められたが, 他のパラメータとでは有意ではなかった。これらの結果から舌苔が生理的口臭に影響を与えていることが示唆された。
著者
大森 みさき 今井 理江 佐藤 修一 堀 玲子 長谷川 明
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.43-48, 2000-03-28
参考文献数
18
被引用文献数
11 5

日常, 特に口臭を認めない日本歯科大学新潟歯学部の学生および職員30名の口臭の変動を口腔内の揮発性硫黄化合物の濃度を測定するポータブルサルファイドモニター (Halimeter RH17&reg;Interscan社, アメリカ) を用いた揮発性硫黄化合物量測定と官能試験によって1日5回 (朝食前, 朝食後, 昼食前, 昼食後, 夕食前) 経時的に測定しその日内変動を調べた。また, そのうち8名に対し経時的に口腔内診査を行い, 安静時唾液量, 唾液pH, プラーク, 舌苔の付着などを調べ, 口臭と臨床的パラメータの関連についても検討を行った。<BR>その結果, 性別による口臭に差がないことが明らかになった。また, 朝食前では何らかの口臭を認めることが示され, 食事の摂取によって減少する傾向がみられた。臨床的パラメータと口臭との関係では朝食前において舌苔付着量とハリメーター値との間に有意な関係が認められたが, 他のパラメータとでは有意ではなかった。これらの結果から舌苔が生理的口臭に影響を与えていることが示唆された。
著者
都築 基弘 平野 正美 井野 晶夫 長谷川 明生 宮崎 仁 小島 博嗣 丸山 文夫 岡本 昌隆 松井 俊和 江崎 幸治
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.296-302, 2000

1984年8月から1998年1月までに受診した高齢者(60歳以上)AML全83例の特質を明らかにするために同時期に受診した若・壮年者(15&sim;59歳)114例と臨床像および検査所見の比較検討を行った。高齢者AMLは,白血病細胞側の特徴としてはMDS先行AMLが多く,<i>de novo</i> AMLのFAB分類ではM3が少なく,M0, M1の多い傾向がみられた。染色体検査では予後不良とされる5番,7番染色体の異常が多くみられ,予後良好な15;17転座,8;21転座,16逆位は少なかった。また白血病芽球のミエロペルオキシダーゼ陽性率50%未満の症例が多くみられた。宿主側の特徴としては,検査所見では末梢血芽球比率,総蛋白低値,フィブリノーゲン,クレアチニン高値を示した。performance status 3および4の症例が約40%を占めており,診断時肝障害,心疾患,明らかな感染巣を有する症例が多くみられた。高齢者AMLは若・壮年者に比し多くの予後不良因子をもつ集団であることが示された。
著者
長谷川 明紀
出版者
皇學館大学文学部 ; 2009-
雑誌
皇學館大学紀要 = Bulletin of Kogakkan University (ISSN:18836984)
巻号頁・発行日
no.55, pp.186-158, 2017-03

醍醐寺蔵『諸経中陀羅尼集』の最初に掲載されている法華経陀羅尼と『法華経山家本』の法華経陀羅尼は、慈覚大師点本に由来するとされているので、両本における漢字加点が比較検討された。仮名、声点に加えて、ダッシュ(-) 印が醍醐寺本における加点に含まれる。このダッシュ印は、悉曇文字一字が漢字二文字を用いて音訳される場合、この漢字間に導入されていると結論された。 陀羅尼では、上声および去声の声点は、悉曇字に従ってそれぞれ短音および長音を識別する記号として代用されることが知られている。これら両本での声点を比較して、『法華経山家本』の声点の幾つかは時代の経過につれて変化しているものの、両本は慈覚大師を源流とする事を示す多くの共通した特徴をもつことが明らかにされた。 Since Lotus Sutra dhāran・īs in the first set of "A Collection of Dhāra n・īsin Sutras " stored in Daigo-ji Temple and contained in "The Hokekyo Sangebon " are believed to have their origins in a text of Jikaku Daishi(Ennin), the guiding notes added beside the kanji of the dhāran・īs were compared between these two texts.In addition to kana and accent marks, dash (-) marks are involved in the guiding notes in the Daigo-ji text. Each of the dash marks was concluded to be introduced between the two kanji into which a single original siddham・ script was transliterated.In dhāran・īs, the accent marks of jyosho (high pitch) and kyosho (rising pitch) are known to be substituted for the marks distinguishing between short and long sounds, respectively, according to the siddham・ scripts. The comparison of the accent marks between the two texts leads us to the conclusion that both texts have many common characteristics suggesting the origin from Jikaku Daishi, while some of the accent marks in "The Hokekyo Sangebon " were subject to alteration in the process of time.
著者
星合 和基 金澤 毅 平沼 謙二 太田 功 福井 壽男 森 博史 長谷川 明
出版者
社団法人日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.494-500, 1995-06-01
参考文献数
21
被引用文献数
9 2

この研究は色調の安定性を改善した常温重合レジンについて検討したもので,レジン中の触媒にバルビツール酸誘導体と4級アンモニウム塩を用いたものである.このレジンの色調,物性,適合度について現在市販されている各種の常温重合レジンと比較検討したものである.その結果をみると,1.色調は安定し,変色はみられない,2.機械的強さはほぼ同程度である,3.適合性は優れていることが示されたので,臨床上有用な新しい常温重合レジンといえよう.
著者
澤村 良二 櫻井 映子 山本 美枝子 立川 真理子 長谷川 明
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.267-273, 1982-10-30 (Released:2008-05-30)
参考文献数
17
被引用文献数
2 3

In the reaction of hypochlorite with amino acids, chloramine is formed at the first stage, and then decarboxylation and oxidation occur. Thus, either corresponding aldehyde and ammonia or corresponding nitrile is formed from amino acids. In the present studies, the products in the reaction mixture of glycine with hypochlorite at neutral condition are determined quantitatively. When the molar ratio of hypochlorite to glycine was less than 1, the residual chlorine and glycine were stable in the reaction mixture ; thus no ammonia and no aldehyde were formed. At the molar ratio ranging from 1 to 3, cyanide and cyanogen chloride were produced. Maximum formation of cyanide was observed at the ratio of about 2, but its yield was only 20% of glycine. When hypochlorite reacted on glycine at the molar ratio of 3, cyanogen chloride was produced in a quantitative yield. Cyanogen chloride was degraded by subsequent addition of excess hypochlorite. From these results, it is concluded that the nitrile formation is a main reaction of glycine with hypochlorite.
著者
大塚 栄子 若林 利明 田中 正治 田中 俊樹 押柄 和幸 長谷川 明 池原 森男
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.318-324, 1981-02-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
25
被引用文献数
7 14

2'-and 3'-O-(o-Nitrobenzyl) derivatives of uridine, cytidine, adenosine and guanosine were synthesized by treatment of uridine, N-benzoylcytidine, N-benzoyladenosine and N-isobutyrylguanosine, respectively, with o-nitrophenyldiazomethane followed by isolation and deblocking. 3'-O-(o-Nitrobenzyl) guanosine is a novel compound. By using N-acylated nucleosides, separation of the 2'-and 3'-substituted isomers on silica gel became feasible and these compounds were useful intermediates for the synthesis of oligoribonucleotides. Some physical properties of these compounds were studied by ultraviolet, nuclear magnetic resonance, circular dichroism and the 2'-substituted isomers were found to have more stacked structures than the 3'-isomers.
著者
相模 健人 長谷川 明弘 石丸 雅貴 増尾 佐緒里
出版者
日本ブリーフサイコセラピー学会
雑誌
ブリーフサイコセラピー研究 (ISSN:18805132)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.35-41, 2018-03-31 (Released:2018-06-27)
参考文献数
6

本論文では,2人の指導者と,2人の学習者によってブリーフセラピーの学びがどのように発展されたのかを明らかにすることを目的とした。指導者の視点からは,「チームアプローチ」と「臨場感を伴った研修・訓練」を通してどのようにブリーフセラピーを教えているのかについて説明した。学習者の視点からは,現場でどう知識や技法を活かしているかについて説明した。まず,経験年数5年の臨床心理士が「クライアントが専門家」についての捉え方の変化を紹介した。更に経験年数10年の臨床心理士がチームの中でどのようにブリーフセラピーを活かしているのかを紹介した。指導者は必要に応じて様々な工夫を行っていること,そして,学習者には臨床活動の中で以下の4点が必要であることを議論した。①ブリーフセラピーを学んだ経験を活かすこと。②ブリーフセラピーの技法にとらわれないこと。③クライアントと創造的に関わること。④3つを臨床実践の中で応用すること。