著者
坂崎 貴彦 久保田 正和 押田 芳治
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.321-324, 2007-10-25 (Released:2011-02-07)
参考文献数
6

1) 保健師・看護師と, 助産師・看護師のそれぞれの統合カリキュラムは, 1997年4月に同時に制定された. 2006年4月現在, 前者は10校開設されているが, 後者は1校も開設されていない.2) 助産師・看護師統合カリキュラムについては, 地域看護の単位数が少なく, 病気や高齢を伴うことが少ない助産師教育を統合させること自体に無理があったのではないだろうか.3) 助産師・看護師統合カリキュラムは, 実用性の検証が不十分なままに制定されたと考えることも可能であるが, 助産師不足が叫ばれている昨今, 制度を活用する学校が現れることを望みたい.
著者
鈴木 荘一 松村 幸司 永井 友二郎 藍澤 茂雄 青木 照明 橋本 信也
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.253-257, 1996

昭和61年3月, 阿部正和東京慈恵会医科大学学長 (当時) と実地医家のための会・永井友二郎 (会創設者) とが相談し, 同大4年または5年生に, エレクティブに春と夏の年2回家庭医実習の教育プログラムをスタートさせた. 学生に実地医家の医療を訪問見学させ, 将来の進路選択の中に, 家庭医機能の重要性を学ぶ機会を与えることが目的であった. 第1~20回までの実習学生は延121人 (1回平均6人) で, 最高11人, 最低3人であった。また, 本事業に参加した指導医は計37人で, 1人あたりの参加回数は1~18回 (平均3.3回) であった. 本実習は指導医にとっても, 教えることは学ぶことであり, 学生とともに有用性が高かった.

1 0 0 0 OA 序 文

著者
錦織 宏 道信 良子
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.273-273, 2013-10-25 (Released:2015-07-06)
著者
小田原 悦子
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.286-291, 2013-10-25 (Released:2015-07-06)
参考文献数
15

作業療法は1917年に設立され,作業を使って障害,病気の人が社会に復帰するように援助する専門職としてアメリカで教育が始まった.作業療法の設立者が専門職を人間の健康は日常の作業によって形成されるという包括的な見方に基礎づけたことを反映し,学生教育は幅広いものであった.その始まりから,臨床家の教育に影響する健康の概念に関する2度の大きな転機があった.1.リハビリテーション医療との密接な連携によって保護されたが,伝統的な医学モデルに影響を受け,医療診断に基づいた臨床を発展させた.2.健康のより広い概念,参加モデルへ再度移行した.作業療法研究者,教育者の視点から,第2の転機における文化人類学の貢献を述べる.
著者
内田 満夫 津田 洋子 塚原 照臣 多田 剛 櫻井 晃洋 福嶋 義光 野見山 哲生
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.181-187, 2012-06-25 (Released:2014-01-09)
参考文献数
20

信州大学医学部3年生を対象に,衛生学公衆衛生学の講義の際にプレテストとポストテストを実施した.本研究は,どちらのテスト結果が期末試験結果と強く関連するか検証することを目的とした.1)2010年の前期に,医学部3年生112名を対象としてプレテストとポストテストをそれぞれ合計7回行い,また前期末に期末試験を実施した.2)プレテスト,ポストテスト,プレ–ポストテストの差分,期末試験の得点の関連を調べた.またプレテストの結果別に学生を4分位に分け,群間のポストテストと期末試験の得点を比較した.3)プレテスト得点は,ポストテスト,期末試験の得点と有意に関連した.また4分位において,第4群(プレ高得点群)は第1群(プレ低得点群)より,ポストテストと期末試験得点が有意に高かった.4)ポストテスト得点は期末試験の得点と有意に相関しなかった.5)以上より,プレテスト得点はポストテスト得点より期末試験結果を予測するための指標として有用であると考えられた.
著者
菰田 孝行 阿部 幸恵 大滝 純司
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.259-263, 2009 (Released:2010-09-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

1) インターネット検索エンジンGoogleを用いて,「GIO」と「SBO」,「一般目標」と「行動目標」を,それぞれ検索語として入力し「and検索」を行った.2) 「GIO」と「SBO」を検索語として用いた場合に得られた上位100位までのサイトのほとんどが,日本の医学教育に関わるサイトであった.3) 「一般目標」と「行動目標」を検索語として用いた場合に得られた上位100位までのサイトのほとんどが,医学教育に関わるサイトであった.
著者
辻 琢己 吉田 侑矢 河野 武幸
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.121-131, 2013-06-25 (Released:2015-07-06)
参考文献数
13
被引用文献数
3

背景 : 薬剤師養成を目的とした6年制薬学部の多くでフィジカルアセスメント実習が行われている.方法 : 薬剤師の職能創成や学びのモチベーションの向上に対する本実習の有用性を明らかとするため,実習前後で生じた学生の意識変化をアンケート形式で調査し,自由記述内容をテキストマイニングで解析した.結果 : フィジカルアセスメントに関する技能を持たない学生に本実習を実施した結果,本実習で修得した知識や技能が薬剤師に必要であると考える学生が有意に増加し,学びのモチベーションも向上した.考察 : 本実習は,積極的に薬物治療に貢献することの重要性を認識させるだけでなく,学びのモチベーションの向上にも繋がると考えられた.
著者
大桑 良彰
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.181-193, 2000-06-25
被引用文献数
2

本学では平成2年度から, 5つの選抜区分によるユニークな入学試験を行って来た. この入試成績と学内成績との関連を調べ追跡調査を行った. 解析に際しては, 先入観にとらわれたり恣意的な調査にならないよう, 全ての組み合わせを網羅して解析するよう心がけた. 入試成績と学内成績の相関, 選抜区分別の学内成績, 留年者や退学者などについて考察した. 入学後の結果に対し, 全体的に最も信頼できる指標は平成2年を除く小論文と思われる. 平成2~9年のうち前半では, 理系と指定調書の成績が良く後期が悪いようである. 後半では, 小論文の成績が良く, 後期と指定調書が悪いように思われる. また, 最近の理系もあまり信頼できる指標でないと思われる. 文系は医学部に適応してストレートに進級する者の学内成績は高いが, 適応できず留年を繰り返したり退学になる者の割合が多いようである. なお面接は, 平成9年以外はおおむね有効のようである.
著者
藤本 博 池本 卯典 佐藤 直史 阿部 徳之助 吉野 啓子 青野 修 手塚 統夫
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.105-108, 1985-02-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
14

1. 高校調査書内容を数値化し, 大学教員による諸人物考査との相関を求めた. 扱い方により調査書は評価の資料としてすぐれていることが判明した.2. 学生と接する期間が長い程, 寮務主事の評価と調査書との一致度が増加する.
著者
依田 紀彦 川本 進也
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.281-284, 1988-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6
著者
松村 真司 大野 毎子 福原 俊一 加我 君孝
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.173-178, 2001-06-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
13

全国大学医学部・医科大学における卒前教育に関し, 1) EBM教育の必要性の認識, 2) EBM教育の導入状況, 3) EBM教育の施行時期および担当科, についてアンケート調査を行い, 64校 (有効回答率80%) から回答を得た. 回答校のほぼすべて (63校) がEBM教育は必要であると回答し, また多くが卒前・卒後ともEBM教育は重要であり, すべての科が担当すべきであると回答した. 調査時, 22校 (34%) にEBM教育が導入されており, 28校 (45%) が導入を検討中であった. すでに導入されているものは, 主として4年生が対象であり, その担当科は多様であった. 今後は, 教育効果に関する評価が必要であると考えられた.
著者
永島 幸枝
出版者
Japan Society for Medical Education
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.291-301, 2004-10-25

脳死, 臓器移植に関する医学部1年生および4年生の知識, 態度, 行動について, 臓器移植法の施行および初の臓器移植による影響をアンケート調査により検討した. 脳死判定法を含めた知識は法施行後に有意に増加した. 脳死および臓器移植への態度は法施行後に4年生で肯定的となったが1年生では異なった. 移植後に4年生ではほとんど変化しなかったが1年生では否定的となった. 自己ないし家族の臓器提供の行動は, 法施行後に4年生で増加したが1年生では不変だった. 移植後は4年生では両者ともに著しく減少した. 医学生の反応は単純でなく学年差も見られ, 知識の増加・態度の変化は行動の肯定的変化を引き起こさなかった.
著者
池崎 澄江
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.223-228, 2003-08-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
31
被引用文献数
1

慢性疾患の増加と患者の消費者としての主張により, 最近は相互参加型医療 (mutual participation model) が唱えられるようになってきた. これまでのパターナリスティックな医師と患者の関係から, 両者が相互に情報を共有し, 患者も治療に主体的に取り組む関係に転換しつつある. 相互参加のためには医師と患者の視点の違いをコミュニケーションによって緩和し, さらに患者の参加を促進するような情報提供を行う必要がある. コミュニケーションがもたらす影響を医師と患者の両者を対象にした実証研究で明らかにし, コミュニケーションスキルの医学教育に役立てていくべきである.
著者
安井 浩樹 網岡 克雄 青松 棟吉 阿部 恵子 平川 仁尚 倉田 洋子 野田 雄二 植村 和正
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.289-293, 2011-10-25 (Released:2013-03-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

1)地域の医療・介護現場における医師,薬剤師,看護師,介護士などの多職種連携推進を考えるワークショップを行った.2)「地域における多職種連携に必要なものとは?」,「地域における多職種連携を妨げている要因とは?」,「地域における多職種連携を妨げている要因への対策」についてディスカッションを行った.3)重要な課題として,コミュニケーション,情報共有,リーダーシップ,その他が抽出され,その他には,医療・介護の制度面の改善の他,多職種連携の意義の明確と共有が挙げられた.
著者
三谷 一裕
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.235-240, 1996-08-25
被引用文献数
7