著者
関根 道和
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.435-438, 2010 (Released:2012-03-27)
参考文献数
5

1) 医療の成熟度の高まりとともに,人材管理,技術管理,財務管理のバランスが求められるようになり,医師の生涯学習の一環として経営学習得の重要性は高まっている.2) 経営学は医学部の卒前・卒後教育のなかで学ぶ機会が少なく,多忙な生活の中で自身のキャリアパスを中断することなく学習する方法として,遠隔学習は有用な手段である.3) 中途退学等を防ぐためには,受講側の時間管理やモチベーションの維持とともに,提供側の管理運営システムの構築やリアリティを高める工夫が必要である.
著者
縣 俊彦 清水 英佑 芳賀 佐知子 桜井 美代子 林 和夫 橋田 ちせ 坂場 秀行 大井田 基
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.433-440, 1995

都内, 近県の2医科大学生1,470名, 4看護専門学校生692名に対し喫煙に関するアンケート調査を実施し, 次の結果を得た.<BR>1) 喫煙率は医学生全学年35.4%, 看学生12.5%, 医学生1~3年28.7%と差があり, 医学生高学年の喫煙率は高く, その要因は不安やストレスと推測した.<BR>2) 医学生は喫煙の有害性の知識が禁煙に結びつかないが, 看学生は, 知識を得ることにより禁煙を行った者が多い.<BR>3) ブリンクマン指数の重回帰分析の結果, 医学生の場合は, 年齢, 性, 母の喫煙が重要な要因となり, 禁煙運動の推進には, ストレスからの解放, 喫煙率の高い男子学生重点の指導, 母の禁煙が重要であると示唆された. 看学生の場合は決定係数も小さく取り上げられる要因も少なかった.
著者
北原 糺 久保 武
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.433-436, 2008

1) 2007年度に当大学・当科において実施行した臨床実習指導医に対する学生による評価, さらにその評価に基づく指導医への介入によって生じた効果について報告する.<BR>2) 2007年度臨床実習指導医評価の開始時期11月の学生評価点と, クリニカル・クラークシップ選択希望調査を前に指導医による指導法見直し時期1月の学生評価点を比較すると, 後者の評価点が有意に良好であった.<BR>3) 本評価法施行前の2007年度と施行後の2008年度における当大学クリニカル・クラークシップの当科選択状況を比較すると, 2008年度において当科選択枠に対する希望者数が増加する結果となった.
著者
實成 文彦
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.156-170, 2012-06-25 (Released:2014-01-09)
参考文献数
55
被引用文献数
2

我が国の公衆衛生学教育は,明治以後の近代化の過程では,新しい国づくりと共に行われた.第2次世界大戦後,アメリカから持ち込まれた公衆衛生と,新憲法の法体系に基づいた幅広い学問分野での公衆衛生学教育が行われたことは,わが国の公衆衛生の普及・発展に大きく貢献した.高度経済成長後は,規制緩和や地方分権の進行もあり,わが国の公衆衛生システムの基本構造はほぼ完成され,世界でも最高度の健康水準を達成した.しかしながら,残された課題と20世紀末からの日本社会の激変・流動化等から生じた諸問題もあり,公衆衛生学教育はより多要因で複雑系となった.21世紀においては,これまでの幅広い教育体制を維持しつつ,集学性の高い公衆衛生大学院等の発展を計り,時代の要請に応える必要がある.
著者
我妻 堯
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.169-172, 1994-06-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
西城 卓也
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.290-291, 2012-08-25 (Released:2014-01-09)
参考文献数
3
被引用文献数
4
著者
山口 恒夫
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.161-167, 2007-06-25 (Released:2011-02-07)
被引用文献数
3

1) 現代は専門職観の大きな転換期である.それは, 「反省的実践家」という新しい専門職増によって特徴づけられる.2) 専門職の養成は, 3つのモデル (理念型) に分類できる.すなわち, 「徒弟修業的自己形成モデル」「技術的熟達者育成モデル」「反省的実践家モデル」である.3) 徒弟関係は, 「師」と「弟子」の関係に近代的な意味での教育的な関係が存在せず, 「同一化」と「模倣」による自己形成を原理としている.4) 現代社会における問題状況の複雑さ, 不安定さ, 固有性, 価値の対立は, 技術的合理性の限界を露呈し, 専門職は「問題」の明確化 (問題状況の物語化) という新たな課題を担うことになった.5)「反省的実践家」の特徴は「省察」にある.「省察・省察的であること」は, 問題状況に捲き込まれている専門職自身を含む当事者間の協働的関係の構築を目指し, 専門職が内属するコミュニティ在り方の問いなおしを目指す.
著者
山本 容子 室田 昌子 岩脇 陽子 滝下 幸栄 柴田 明美 原田 清美 松岡 知子
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.491-495, 2015-12-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
12
被引用文献数
1

背景 : 手指衛生は医療関連感染防止の最も重要な対策である. 看護師を対象に手指の汚染状況を可視化する手指衛生教育を実践し検討した. 方法 : 看護師29名にATP拭き取り検査及び蛍光塗料とブラックライトを併用した教育を実践し調査した. 結果 : 手指衛生が重要であるとの認識は, 教育後に有意に高くなった. また, 研修目標の到達度では, 約8割の看護師が「自分自身の手洗い方法についての振り返り」, 「手袋を外した後の手指衛生の必要性の理解」, 「自分自身の洗い残し部位の確認」ができたとしていた. 考察 : 本手指衛生教育は, 看護師の手指衛生に対する重要性の認識を高めることが示唆された.
著者
駒沢 伸泰 飯塚 徳重 筒井 秀作 川崎 富夫 杉原 勝子 松澤 佑次 門田 守人
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.193-198, 2003-06-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
6

現在, 日本の医学教育においては, 医学部の学生を低年次の間に何らかの形で患者と接触させ現実の医療現場を観察させるという早期臨床体験実習が行われ始めている. 高年次における臨床実習では, 医師の視点から見る医療現場という側面が強くなってしまうが, 医学的知識も少ない低年次においては, 医療現場を, 医療者でもなく患者でもない第三者の立場から観察することができる. 今回, われわれは全国数か所の大学の医学生にコミュニケーションを中心とした早期臨床体験実習に関するアンケートを行い, 医学生たちが実習で何を感じたかを調査した. また, 大阪大学で見られた実習後の学生達の自発的な探求活動についても報告する. 早期臨床体験実習は学生達に医療の現場のさまざまな側面を認識させ, 医療における問題意識を与えることができると言えるのではないだろうか.