著者
早川 勝
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.2101-2156, 2006-11

EU加盟国は、2004年に成立したEU第13会社指令を2006年5月までに国内法化する義務を負っている。本稿は、ドイツがどのように指令を国内法化しようとしているのか、公表された政府草案について検討する。ドイツは、指令が認める選択権を行使して、取締役の中立義務や透視ルール(ブレークスルー・ルール)についてはオプト・アウトし、国内企業にオプト・インすることを認めていることが大きな特徴である。わが国で参考になるものとしては、公開買付法でも残留株主に株式買受請求権を定めたこと、および新たに規定した商法上の開示規制であることを指摘している。
著者
太田 裕之
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1119-1168, 2005-11

本稿は、日本国憲法改正のための国民投票法について、検討するものである。2005年秋の時点において、与党側が国民投票法案の基礎とするものは、2001年のいわゆる「議連案」であると考えられる。本稿は、この議連案を対象に、国民主権の下で主権者国民が持つ表現の自由及び知る権利の観点から、国民投票法案の中で、主権者国民の表現の自由と知る権利の規制に直結する国民投票運動に関する規制部分を取り上げ、それを批判的に検討するものである。主権者である国民は、直接その主権的判断を下す機会である憲法改正国民投票において、憲法改正案についてのあらゆる情報を知り、賢明な判断を下すことが可能である必要がある。この観点からは、議連案はきわめて不十分なものでしかない、というのが結論である。
著者
宮木 康博
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.49-91, 2006-01

平成16年7月12日、おとり捜査に関する最高裁決定が出された。本決定では、おとり捜査の許容性や適法性の判断基準について、最高裁の考え方がある程度示された。しかしながら、本決定によってもおとり捜査が許容される範囲については、明確にされたとは言い難い。その意味で、おとり捜査の適法性の判断基準や判断方法を精緻することは、依然としてわが国の刑事訴訟法上の重要なテーマである。こうした検討にあたって有益と思われるのが、ドイツにおけるおとり捜査の考察である。ドイツでは、1970年代以降、国際的犯罪組織によって麻薬犯罪を始めとした組織犯罪が顕在化し、その対策の一環としておとり捜査が積極的に用いられるようになった。そうした中で、おとり捜査の許容範囲、要件、判断基準などについては、判例において幾度となく検討が加えられ、その中で興味深い変遷をたどってきた。また、学説においてもこうした判例の動向をふまえ、激しい議論が戦わされてきた。ドイツでは、こうした判例・学説の展開の中で、おとり捜査をめぐる議論が精緻化されてきたのである。 そこで、本稿では、わが国のおとり捜査の許容性や適法性の判断基準について検討する足がかりとして、同様の問題についてのドイツの対応につき考察を加えた。具体的には、まず、ドイツにおけるおとり捜査の基本的な枠組をおさえておくために、おとり捜査の担い手と投入類型を整理し、おとり自身の不可罰性について確認する。そのうえで、次に、おとり捜査の許容性についての判例と学説を概観する。そして最後に、以上の考察をふまえ、おとり捜査をめぐるわが国における今後の議論の方向性について、若干の考察を加えた。研究ノート
著者
樊 紀偉
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.1458-1428, 2011-07

研究ノート(Note)中国における裁判独立は、中国の特色がある。それは、裁判所と中国人民代表大会(その常務委員会)、政府、上級裁判所、共産党及び社会世論との外部関係に反映されている。また、裁判所内部における裁判官と院長・副院長・庭長、裁判委員会との内部関係は中国の裁判独立にある程度の影響を及ばしている。本稿は、2009年中国最高裁判所が公表した「裁判所改革網要」をめぐって、中国における裁判独立と判決書に関する改革を検討するものである。The judicial independence of china has its own characteristics. These characteristics are expressed by the relationship between the courts and the people's congress, the courts and the government, etc. And the judicial independence is partly influenced by the relationship among the interior of courts, such as the relationship between judges and the chief judge, judges and the court adjudication committees. The Supreme People's Court of China issued the "Third Five Year Reform Program for the People's Courts (2009-2013)" in 2009. The article examined the reforms of the indicial independence and judgment around the Reform Program.
著者
高橋 宏司 タカハシ コウジ Takahashi Koji
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.1128-1089, 2012-09

Article英国の裁判所は、民事事件において、判決後の財産(資産)開示命令とは別に、保全命令である財産凍結(資産凍結)命令の遵守を監視するために、判決前や提訴前にも財産開示命令を発する権限を有する。本稿では、財産凍結命令にも触れつつ、財産開示命令に関する制度を概説する。This article examines the law and practice of the asset disclosure order, an ancillary measure to police the freezing injunction (Mareva injunction). These interim measures of protection are available in the English courts but not in the Japanese courts. This article examines the threshold requirements for obtaining these measures as well as the steps to be followed to resist or vary the measures. The strengths and drawbacks of these measures are also considered.
著者
大谷 実
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.58-103, 1970-03-31

資料
著者
小出 輝章
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.1169-1194, 2005-11

56年度防衛分担金をめぐる日米交渉は、55年体制成立後の最初で最後の防衛分担金交渉となった。防衛予算全体の増額を強く望むアメリカと経済力の許す範囲でその増額を図ろうとする日本との交渉は、結局、アメリカの譲歩で決着を見る。アメリカの望んだ保守合同は日本の防衛努力(とりわけ憲法改正)の一層の強化に結びつかなかったのである。
著者
西澤 由隆
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.1-31, 1999-05

論説
著者
岩野 英夫
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.1151-1220, 2009-09

論説(Article)西洋中世初期の裁判文書を手掛かりにして、同時代に行われていた裁判のかたちの全体像を明らかにした。具体的には、同時代に特徴的に見られる裁判のかたちである欠席裁判や仮装裁判(Scheinprozeß)の事例にまず触れ、その後、一般的な裁判手続に従って進行する、訴えから判決までの裁判の流れの様々なかたちを重要な裁判記録を訳出しながら描き出した。
著者
山本 浩三
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.85-95, 1962-02-28

資料
著者
山本 浩三
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.139-161, 1962-03-20
著者
山本 浩三
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.72-85, 1960-02-20

資料
著者
西田 毅 ニシダ タケシ Nishida Takeshi
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.1-59, 2011-06-30

Article大正・昭和初期の政治学者中島重が影響を受けたイギリスの政治的多元論の実相を検討した。中島は20世紀初頭の英独両国で支配的であった対照的な国家学説を対比し、彼自身は自由主義と個人主義の立場に立つH・スペンサーの「国家株式会社説」を評価したこと、そして国家を団体の一種と捉え、国家の権能を限定的に解釈する国家観の正しさを弁証している。さらに、ギルド社会主義と多元論の関係について論及し、中島政治学が天皇制の支配原理と相容れない学説であることを確認した。This article examines that an influence of political pluralism on Nakajima Jyu, political scientist in Taisho period. Social and political pluralism is a theory of state that appeared in England during the early 20th century. The characteristic of the theory put a special emphasis on a limitation of political functions of the state : for the defense of one's country and keeping the order. Pluralism stressed the autonomy enjoyed by disparate groups within a society- such groups as religious groups, trade unions, professional organizations, ethnic minorities. Exponents of the theory are S.G.Hobson, H.J.Laski, G.D.H.Cole, R.M. MacIver etc. They are reacting against what they alleged to be the alienation of the individual under conditions of unrestrained power of the state as well as capitalism. This liberal democratic thought in Western nations attracted Nakajima who was against quasi-religious state, 天皇制 Tennosei.