著者
阿部 千寿子
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.1381-1396, 2010-11

判例研究(Case study)東京高判平成20年5月15日。信号無視の道路交通法違反罪の現行犯人として警察官に現行犯逮捕されたXが、本件現行犯逮捕は違法なものであったとして国家賠償請求をした事例。主に現行犯逮捕における逮捕の必要性が問題となった。
著者
コート マイクル 麻田 貞雄 Michael Kort Sadao Asada
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.471-491, 2009-01-31

This article provides an overview of the scholarly debate concerning bombing of Hiroshima by the United States, focusing mainly on American historians. It traces the rise and eventual decline of the so-called revisionist school of historiography on the subject, which in its various forms challenged the thesis that the atomic bomb was necessary to force a Japanese surrender in 1945 and that the United States used the bomb for that reason. In particular, the article describes how scholarly works published since the early 1990s have demolished the main pillars of the revisionist argument, including the baseless "atomic diplomacy" thesis that the bomb was used to intimidate the Soviet Union and limit its postwar gains in Eastern Europe and Asia.
著者
早川 勝 ハヤカワ マサル Hayakawa Masaru
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.60, no.7, pp.1-32, 2009-02-28

論説(article)2004年に発効したイタリア会社法の改正法は、会社法の現代化を目指して、企業グループに関する規制を導入した。これは、1965年のドイツ株式法コンツェルン法以来の画期的立法である。イタリア方式は、ドイツ法と異なり、企業グループを一律として捉え、従属会社に生ずる損害の補償の方式について独自性がある。
著者
辻野 功
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.758-783, 1996-09

論説
著者
小出 輝章
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.1515-1533, 2006-09

戦後日本の政軍関係の出発点は再軍備にはじまるが、その特色はアメリカによって規定されることになった。それは制服組を抑制するという日本独自のものであった。
著者
岩野 英夫 原田 俊彦 須藤 忠臣 イワノ ヒデオ Iwano Hideo
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法学 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.297-402, 2012-07

資料(Material)故人となられたローマ法学者・佐藤篤士先生(早稲田大学名誉教授)が、時代や学界の動向とどう向き合うなかで、学生時代以来、その研究を進めてきたのか、そしてまたその研究内容の個性的な特徴は何であるのかを明らかにした。代表:岩野英夫
著者
石田 信平
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.2227-2285, 2007-01

研究ノート(Note)営業秘密は退職後の労働者による競争会社への漏洩によってその財産的価値が滅失する場合がある。そのため、多くの企業が退職後の競業避止特約を締結することによって、その漏洩を防止しようとしている。しかしながら問題は、こうした退職後の競業避止特約が労働者の職業選択の自由と衝突する点にある。 本稿では、以上のような営業秘密保護と退職後の競業規制について、アメリカの不可避的開示論の形成と展開を踏まえた検討を行った。ここで不可避的開示論とは、あるときは、わが国の不正競争防止法と類似する統一営業秘密法から直接競業差止という法的効果を導出する機能を果たし、あるときは、競業避止特約と秘密保持特約の限界を問う機能を果たす法理論であり、以上の問題に考察を加えるにあたって非常に示唆に富む議論を含んでいる。 本稿では、こうした不可避的開示論に関する裁判例、学説を分析し、日本の競業避止義務の課題と方向性を抽出することを試みたところ、労働者の競業避止義務には、労働者の背信性を軸とした「公正競争」の原理から要請されるものと、代償と軸とした「契約」の原理から要請されるものがあるという仮説を得た。わが国の裁判例は競業避止特約について明確な要件、効果が設定しているとは言いがたく、本稿では、この二つの原理によって、要件、効果を精緻化していくべきであるということを示唆した。
著者
中谷 猛 ナカタニ タケシ Nakatani Takeshi
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.161-194, 2007-07-31

論文(Article)第一部(Part1)フランスの共和主義的伝統において,ジャコバン主義とデモクラシーとの間にはどのような論理的関連があり,またそこにはどんな特徴が見られるのか。フランス革命と革命後世紀で展開された革命擁護論とそれに対立する批判論に含まれたジャコバン的観念の特質,つまりジャコバン的パラダイムの明確化をめざす。この過程でジャコバン的観念がデモクラシーや共和制のイメージに及ぼした影響を検討して,共和主義言説におけるデモクラシーとジャコバン主義の複雑な関係を整理したい。How shall we think the relation the Jacobinism and democracy in the Frenchrepublicanism ? It seems to me that this problem, Sovereignty versus Democracy is the essential matter. We shall try to show complex a phenomen Jacobinism in French political thought, after national integration and scio-economic change. Therefore this monograph is a study of Jacobinism paradigm or characters in debate and action on wide spectrum of 19th-century critics.
著者
宮木 康博
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.2115-2174, 2006-02

わが国では、主に薬物犯罪に対する捜査方法として、おとり捜査が実施されてきた。薬物犯罪は、被害者が存在せず、秘密裡に行われることから犯罪の解明に困難を伴う。それゆえ、おとりが購入者を装って対象者と接触し、取引後に逮捕するといった捜査手法が用いられているのである。他方、おとり捜査はこうした犯罪類型に対して効果的であるとしても、対象者に働きかけて犯罪を実行させるという特質を有することから、無制限に許容されるわけではない。 では、おとり捜査が違法と判断された場合、被誘発者の刑事手続および刑事責任にいかなる影響を及ぼすのであろうか。おとり捜査のリーディングケースとされる昭和28年3月5日決定では、「犯罪実行者の犯罪構成要件該当性又は責任性若しくは違法性を阻却し又は公訴提起の手続規定に違反し若しくは公訴権を消滅せしめるものとすることはできない」と判示した。この判示からは、違法なおとり捜査の訴訟法的効果を及ぼすことに否定的であると解することもできる。しかし、本決定に対しては、「その後のデュー・プロセス思想の進展の中で最高裁が今日もなおこの立場に固執しているかは疑問であり、その判例は実質的拘束力を失っている」とも指摘され、学説は一般に、法的効果が生じることを肯定している。また、近時の平成16年7月12日の最高裁判決は、おとり捜査が違法となる余地を認めており、違法と判断された場合の法的帰結を検討しておく必要性は増しているように思われる。 こうした検討にあたって有益と思われるのがドイツの動向である。ドイツでは、1980年代以降、違法なおとり捜査の法的帰結について判例上興味深い変遷をたどっており、それに対する学説の議論も活発になされている。そこで、本稿では、わが国の違法なおとり捜査の法的帰結について検討する足がかりとしてドイツの判例・学説を整理し、若干の考察を加えた。