著者
桧垣 伸次 ヒガキ シンジ Higaki Shinji
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.231-287, 2010-03-31

研究ノート(Note)本稿は、ヘイト・スピーチの規制が憲法的に可能であるかにつき、アメリカの判例、学説を検討するものである。従来、日本では、批判的人種理論がヘイト・スピーチ規制に関するアメリカにおける議論、とくに合衆国最高裁に与えた影響を過小評価してきた感がある。そこで、本稿では、批判的人種理論が合衆国最高裁に与えた影響に注目し、アメリカの議論をみていく。また、批判的人種理論への批判への反論となりうる概念として、「無自覚性」を挙げ、同概念につき検討する。This Note intends to analyze cases and theories relating to hate speech regulations in the United States--especially Critical Race Theory-- . In Japan, the impact that Critical Race Theory has on the decisions of the Supreme Court of the United States has been disregarded. Therefore this Note will focus on the Critical Race Theory in the controversy of hate speech regulations. Then this Note intends to analyze the idea of 'transparency' as an argument against the criticism to the Critical Race Theory.
著者
益田 高成 Takanari Masuda
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.225-303, 2020-07-31

公職選挙法は、候補者が選挙運動を行うことのできる期間を法定しているが、日本ではこれまで、その期間が繰り返し短縮されてきた。本稿では、選挙運動期間を短縮する公選法改正を全て取り上げ、いかにして選挙運動期間が短縮されてきたかを検討している。分析の結果、選挙運動期間短縮は議員主導で進められてきたこと、また、期間短縮に関しては多くの事例で与野党が協調的であったことが確認された。本稿の分析結果は、選挙運動規制が、党派的対立を促す性質よりも、各党を現職議員の集合体として結びつける性質を有していることを示唆している。
著者
わが国における法史学の歩み研究会 岩野 英夫 Hideo Iwano
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.357-439, 2007-05-31

東洋法史学者である奥村郁三教授へのインタビューを原稿にしたものであり、内藤湖南以降の東洋史・東洋法制史の研究史、研究上の重要テーマが論じられている。
著者
佐藤 教人 Norihito Sato
出版者
同志社法學會
雑誌
同志社法學 = The Doshisha Hogaku (The Doshisha law review) (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.1288-1215, 2014-11-30

領海関連概念の歴史的背景を確認した上で、関係国際法条文の起草過程を分析することにより、根拠条文を踏まえた外国公船への執行措置要領を一定程度明らかにすることを目的とした論文である。
著者
阿部 千寿子
出版者
同志社大学
雑誌
同志社法學 (ISSN:03877612)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.1381-1396, 2010-11

判例研究(Case study)東京高判平成20年5月15日。信号無視の道路交通法違反罪の現行犯人として警察官に現行犯逮捕されたXが、本件現行犯逮捕は違法なものであったとして国家賠償請求をした事例。主に現行犯逮捕における逮捕の必要性が問題となった。