著者
小杉 毅
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.147-160, 1965-06-30
著者
荒井 政治
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.293-329, 1988-10-30
著者
春日 淳一
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.139-150, 1987-07-15
著者
北川 勝彦
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.309-358, 2020-09-20

本研究の目的は、アフリカニスト史家によるアフリカ経済史研究の「アフリカ化」と経済史研究におけるアフリカ経済史研究の「主流化」の可能性を探求しようと試みるところにある。具体的には、1960年代以降、世界のアフリカ史研究を牽引してきたテレンス・レンジャーの問題提起 : アフリカ史はどれほど「アフリカ化」し、歴史研究の「主流」となってきたのか に準拠しつつ、とりわけ20世紀後半から現在に至るUNESCOを中心としたアフリカ史の「アフリカ化」およびグローバル・ヒストリーにおけるアフリカ史の「主流化」の試みを検討し、さらに21世紀初頭に現れたアフリカ経済史研究の新展開をめぐる諸問題の考察を通して本研究の目的を追求した。以上の考察に基づいて、アフリカニストによるアフリカ史の記述とアフリカ経済の史的分析に当たっては、「アフラシア学」の先駆者アリ・マズルイが提起した4つの歴史的洞察の視点 : indigenization, domestication, diversification, horizontal interpenetration の重要性が認識されるにいたった。
著者
竹下 公視
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.209-236, 2020-03-20

現代中国の経済や社会をトータルに理解するために、金観涛・劉青峰 (1983) の「超安定システム」の理論を取り上げ、制度経済学と社会システム論の観点から現代中国と伝統中国とのつながりを考察した。明らかになった点は、次の6点である。①改革開放政策導入以降の高パフォーマンスは、標準的経済理論が提唱する移行経済の処方箋に沿う制度改革と政策を実施した結果であるが、他方ではそれと根本的に矛盾・対立する問題点が数多く存在する。②中国封建社会の基本形態は、一体化構造を形成する国家官僚組織と宗族制度によるシステムの維持と修復という二重の「調整メカニズム」を備える特異な社会システム(「超安定システム」)である。③中国伝統社会は西欧社会とはまったく異質の社会構造を持ち、まったく異質の歴史(「複製」と「進化」)を有する社会システムであり、その異質性は中国の伝統的学問体系に由来する。④完全な君主独裁制が確立するのは宋代以降、権力と民間が乖離し宗族や同郷同業団体等の中間組織が発達するのは17世紀以降の清朝以降のことである。⑤19世紀中葉、まったく性質の異なる西欧社会と出会った伝統中国の対応は、辛亥革命までは立憲主義に基づく漸進的な近代化、それ以降は革命による近代化が主導権を握り、共産党による新中国の建国につながる。⑥現代中国は「現代化(近代化)」の大きなプロセスの途上で、伝統中国の構造的特質を継承している面が大きい。いずれの特徴がより大きいのか、大きくなるのかについては、更なる考察・観察が必要とされる。
著者
杉原 四郎
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1-2, pp.1-19, 1963-06-20
著者
柏原 宏紀
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.695-710, 2018-03-10

本論文は、日本の近代化が速やかに達成された理由を探るべく、明治初年の洋行官僚について検討したものである。具体的には、明治零年代後半に時期を限定し、政府内各組織における洋行官僚を抽出して表として掲げ、それらを集計して、人数や割合の変化について考察した。結果として、当該期に洋行官僚は政府で高い価値を帯び、政府内に占める彼らの割合が、全体としても各組織単位でも増加していたことが判明し、西洋を念頭に置いた近代化政策を進める人材が確保されていたことが明らかになった。
著者
石田 浩
出版者
關西大学經済學會
雑誌
関西大学経済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.353-374, 2002-12

本稿は、福建省晋江市における「三資企業」の調査研究である。拙著『中国同族村落の社会経済構造研究一福建伝統農村と同族ネットワークー」(関西大学出版部、1996年)で明らかにしたように、本地域には三つの余剰、つまり華僑華人からの送金という余剰資金、土地改革で南洋に逃げた華僑華人の空き家、農村余剰労働力があり、この三者を結合させて、衣料や靴などの労働集約型工場を設立し、経済発展を遂げた地域である。これがいわゆる「晋江モデル」である。ところが、1990年代に入ると、地元資本は資本力や技術力のある台湾資本や香港資本との競争に破れ、経営が悪化し始めた。これを打開するために地元資本は外資と結びつき、いわゆる「外向型発展」を遂げるようになった。本地域への外資は圧倒的に香港資本が多い。ところが、本地域出身の華僑華人の多くはフィリピンであり、小学校や中学校等への寄付、道路・橋の修理、同族廟や村廟の再建などはフィリピン華僑華人に負っており、フィリピンとの結びつきが歴史的にも強い。にもかかわらず、中外合資企業の多くが香港資本である。調査で明らかになったことは、香港資本と考えられていたのは、実は地元資本であり、地元資本は外資向け優遇策を手に入れるために、兄弟や親戚を香港に送り出し、香港資本として地元に迎え入れるという形式を取り入れた。これが合作・合資・独資の「三資企業」と呼ばれるものであるが、その中身は香港資本ではなく地元資本であり、つまり「偽香港資本」であった。対中投資額と件数のトップは香港であるが、香港資本の中には「偽香港資本」、つまり「中中投資」が数多く含まれており、本稿はこの点についての分析を試みた。
著者
元木 久
出版者
關西大学經済學會
雑誌
関西大学経済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.503-519, 2004-11

金融市場の規制緩和と強化が同時に進行する、いわば、レジーム転換の経済の中で、金融市場に存在する各種の規制が相互にコンシステントでなければ、金融システムに機能不全が発生するであろう。預金金利の自由化を行うとき、銀行の破綻確率を低下させるために、支払準備率規制と業務分野規制の緩和が同時に行われることが必要であろう。自己資本規制の強化は銀行の貸出比率を低下させるが、破綻確率の低下に繋がらないだけでなく、臨界状況では起死回生のギャンブルに向かわせる銀行行動の変化を引き起こす可能性がある。また、破綻確率に対応した可変的預金保険料率制度は預金受入銀行の存立を困難にし、固定的保険料率制度の場合、単独で銀行経営の健全性を確保することができず、他の諸規制と組み合わせる必要がある。本稿全体で主張したいことは、競争制限的規制を緩和してレジーム転換を進めるとき、自己資本比率のような単一の指標に硬直的に依拠して銀行システムの健全化を目指すならば、マクロ経済ショックに対応できないので、可変的保険料率制度の創設、準備率規制の緩和、自己資本比率の弾力的運用を含む規制の組み合わせが重要であるということである。
著者
戸田 真紀子
出版者
關西大学經済學會
雑誌
関西大学経済論集 = Economic review of Kansai University (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.541-562, 2018-03

ケニア北東部のソマリ人は、植民地時代から現在に至るまで、政府による「集団懲罰」に苦しんできた。ソマリア南部を拠点とするアル・シャバブとの「テロとの戦い」に参戦したケニア政府は、治安部隊によるソマリ人住民への暴力を黙認している。テロ対策として貧困や格差の改善が広く認識されているが、個人レベルの貧困と格差、将来への絶望だけでは、若者がテロリスト予備軍となる理由を説明できない。ケニア北東部のソマリ人が集団として懲罰されてきた歴史を見ることにより、若者をテロリストにする押し出し要因として、個人を超えた、地域全体が持つ疎外感と絶望を明らかにする。
著者
髙田 晋史
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.441-467, 2021-03-10

本研究では、まず中国における若者を地方へ派遣する取り組みである地方就業プロジェクトの政策展開を整理し、国家政策としての位置付けや地方就業プロジェクトの全体像を明らかにした。次に、従事者に対して実施したアンケート調査から、①地方就業プロジェクト及び農村での就業に積極的な姿勢を示す若者の特徴、②任期終了後に地域での定住や起業、地域から出ても地域との関係保持意向を持つ従事者の特徴、③任期終了後の地域での定住や起業、地域との関係保持意向を促進させるための要点を考察した。その結果、政策展開を見ると、地方就業プロジェクトの国家政策としての重要性が高まっていること、各事業は互いに繋がりを持っており、人材を育成して、供給し合う仕組みが構築されていることなどが明らかとなった。従事者意識については、今後、より地方に若者を集めていくためには、農村に対するポジティブな印象や農業・農村に関する興味・関心の醸成が必要である。また、任期終了後の定住や起業、地域との関係保持を目指す上では、新卒者より一定程度の社会経験を有する人材をターゲットにすることが有効的であることが示唆された。さらに、従事者の地域との関係保持意向を促進するためには、生活及び労働環境の整備が重要であることも示唆された。
著者
小杉 毅
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2-3, pp.267-290, 1973-10-20
著者
角山 幸洋
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.1-69, 1985-05-25
著者
戸田 真紀子
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.541-562, 2018-03-10

ケニア北東部のソマリ人は、植民地時代から現在に至るまで、政府による「集団懲罰」に苦しんできた。ソマリア南部を拠点とするアル・シャバブとの「テロとの戦い」に参戦したケニア政府は、治安部隊によるソマリ人住民への暴力を黙認している。テロ対策として貧困や格差の改善が広く認識されているが、個人レベルの貧困と格差、将来への絶望だけでは、若者がテロリスト予備軍となる理由を説明できない。ケニア北東部のソマリ人が集団として懲罰されてきた歴史を見ることにより、若者をテロリストにする押し出し要因として、個人を超えた、地域全体が持つ疎外感と絶望を明らかにする。
著者
植村 邦彦
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.45-60, 1999-12-15

ヨーロッパの歴史の中で「解放Emancipation」という言葉が一つの政治的スローガンとして普及するのは、18世紀末の啓蒙思想の中においてであり、実践的な政治的問題となるのは、フランス革命とナポレオン戦争によってである。全ヨーロッパに革命が波及していく中で社会的・政治的な課題として意識されたのは、社会と国家の《近代化》、すなわち封建的身分制社会から近代的市民社会への転化と国民国家の建設であり、従来の非特権身分の「自然な権利の回復」という表象であった。つまり、新たに「国民」というカテゴリーに含まれることになったすべての人に市民的・公民的同権を認めること、これが「解放」の具体的内容である。「ユダヤ教徒の解放」も例外ではない。彼らは、中世以来18世紀末に至るまで多かれ少なかれ「キリスト教国家」を国家原理とするヨーロッパ諸国の中で、その宗教的信条を理由として市民的・政治的権利を制限されていたが、「国民国家」という新しい国家原理は、国内の宗教的マイノリティを同じ「国民」と見なすことによって、法的差別から「解放」しようとしたのである。「信条の自由」を人間の基本的権利の一つとして掲げてヨーロッパではじめてユダヤ教徒の「解放」を実現したのはフランス革命であったが、ドイツにおける「ユダヤ教徒の解放」は、1812年のプロイセン王国の「ユダヤ教徒解放勅令」に始まり、1848年の三月革命を経て、1871年に成立したドイツ帝国が「信条の自由」原理を採用することによって最終的に達成された(1)。しかし、この「解放」の実現に向かう過程で、それに反対する勢力もまた「解放」という同じ言葉を借用するようになる。しかも「ユダヤ人からの解放」という、まったく逆方向のベクトルをもったスローガンとして。この反ユダヤ的スローガンが広く普及するのは1880年代以降であるが、この言葉自体はすでに 1848年革命の時点で使われていた。1848年から1860年代にかけて、この「ユダヤ人からの解放」という言説がいかにして構築されていったのか、そしてその中で従来の「ユダヤ教徒」像がいかに変容していくのか、それを今から明らかにしていきたい。
著者
佐藤 真人
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.251-281, 2015-12-10

近年長引く不況の下、景気回復が課題、又そのための政策が争点となっているが、企業の内部留保の扱いは有効需要の面における一つの焦点である。また企業経営のあり方の面からは、資金が有効に活用されていないのではないか、あるいは株主、被雇用者への報酬は十分かとの問題提起がある。本稿は、このような議論には直接は関らず、ただ戦後日本の内部留保の推移を資本蓄積との関係で観察する。内部留保は資本蓄積と順行しているか、逆行しているか?活発な資本蓄積は、必要な資金を考えると内部留保の余裕をなくす(逆は逆)、即ち両者は逆行との素朴な推論が成り立つ。他方、活発な資本蓄積は結果的に利潤、即ち内部留保の豊かな原資をもたらし、逆に豊かな内部留保は資本蓄積を促す、即ち順行も考えられる。本稿は、これらの仮説を念頭に置きながら統計との整合性を確かめる、あるいは統計間の整合的理解を試みる。観察の結果、企業の資本金規模による違いの大きさ(大、中規模クラス対小規模クラス)、及び資本蓄積との関係については観察する期間の長さによる違いの大きさ(長期における逆行、短期における順行)が明らかになる。