著者
杉田 馨 高橋 桂太 苗村 健 原島 博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.351, pp.25-30, 2003-09-29
被引用文献数
1

バーチャルリアリティなどのインタラクティブ性を必要とするアプリケーションでは,高速画像処理が重要な要素技術となる.本稿では,合焦判定を用いたLight fieldからの全焦点画像合成アルゴリズムをATI RADEON 9800 Pro GPU上に効率的に実装する手法を提案する.画像合成に必要となるすべての処理をGPU上で実行することで,システムバス上のデータの転送量を削減し,処理の高速化を実現できる.実験の結果,提案手法による実装は,合焦判定にIntel Pentium 4 3.06GHz CPUを用いる実装に比べ約7.7倍高速であることが確認できた.
著者
櫻田 大樹 田中 稜介 杉浦 陽介 相川 直幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.394, pp.109-112, 2015-01-15

布製のおしぼりを扱う再利用工場では,検品作業においておしぼりのよごれ,やぶれや金属,髪の毛の混入の検査が行われている.中でも髪の毛の混入に関する検品作業は現状,人が目視で行っており髪の毛の有無の見落としが問題となっている.この問題の解決に向け,本報告では画像処理を用いておしぼり表面に付着した髪の毛をリアルタイムに自動判別するシステムを提案する.本システムは,ラインセンサカメラで撮影した髪の毛の画像をリアルタイムに判別するためにFPGAを用いて処理する.髪の毛の有無判別処理は,まずエッジを抽出後にラベリングと面積処理を行い,最後に閾値処理により実現している.
著者
大塚 祐輔 毛利 公美 白石 善明 岩田 彰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.500, pp.1-6, 2015-02-26

地域限定クーポンなどのエリア限定コンテンツを受信するノードから構成される無線ネットワークでは,アクセスポイントに直接通信ができないノードはデータを受信することができない.また,同一のデータを取得するときに遠方のサーバにノードが独立にアクセスするとアクセスとトラフィックの重複が発生する.前者はデータの要求と応答の中継をするマルチホップ機能でノードは受信可能となり,後者は重複を削減するキャッシュ機能によりトラフィックを削減できる.本稿では,これら二つの機能を持つ無線マルチホップキャッシュネットワークを検討している.交通シミュレータと連携したシミュレーションによりトラフィックが削減されることを示している.
著者
瀧上 順也 加藤 禎篤 ブン チュンセン
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.147, pp.39-44, 2008-07-16
参考文献数
10

本稿では,実写の動画像を非実写化することにより,動画像の好ましさを向上する効果があるかについて検証を行った.まず,イラストレータによる理想的な手描きの非実写映像によって実写映像と異なる表現方法(画風)に変更することで,映像に対する総合的な好ましさを損なうことなく,個別の要素に対する印象の好ましさを向上させる効果があることを確認した.次に,動画像の動きの滑らかさに関して,非実写変換によって,低いフレームレートにおいても実写映像に比べて動きのギクシャクさを感じにくくなることを確認した.これらの結果を,それぞれの主観評価に用いた方法と合わせて報告する.
著者
堤 恒次 中島 健介 末松 憲治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.536, pp.45-49, 2004-12-13
被引用文献数
2

可変フィードバック容量形2.9GHz帯SiGe-MMIC VCO について報告する.フィードバックパスにMOSバラクタを挿入した可変フィードバック容量形の構成にすることにより,VCOの可変周波数レンジを拡大し,制御電圧一発振周波数特性のリニアリティを改善することができる.提案構成のVCOを2.9GHz帯において0.35μm SiGe-BiCMOSプロセスを用いて設計・試作した結果,中心周波数f_0に対して可変周波数レンジ21%が得られた.従来構成VCOと比較して約30%の周波数レンジ拡大に相当し,本構成の有効性が確認された.
著者
青木 直史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.487, pp.57-60, 2015-02-24

リアリティのある仮想世界を作り出すには,その前提として,人間がどのようなものにリアリティを感じるのか理解することが重要である.本稿では,食をキーワードとして取り上げ,食からリアリティの本質について考察したい.
著者
宮崎 大 渡辺 澄夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.306, pp.213-218, 2014-11-10

LASSO (Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)回帰は回帰問題の罰則項としてパラメータの要素の絶対値の総和を用いる方法であり,推定されるパラメータがスパースである場合に有効であると考えられている.LASSO回帰は様々な統計的推測の問題への応用が試みられているが,罰則項の大きさの決定方法については未だに十分には確立されていない.本論文ではLASSO回帰の罰則項の決定問題をベイズ法の事前分布の最適化問題であると考え,事後分布が正規分布で近似できてもできなくても予測損失の漸近的な不偏推定を与える情報量規準WAICを用いて最適化する方法を提案し,その有効性を実験的に検討し,次の4点を明らかにする.(1)LASSO回帰の平均予測損失をWAICで推定することができる.(2)真のパラメータがスパースであるとき,LASSO回帰は有効であり,平均予測損失を最小にするハイパーパラメータをWAICの最小化により推測することができる.(3)真のパラメータがスパースでないときLASSO回帰は有効ではなく,有効でないことをWAICの値を観測することで知ることができる.(4)LASSO回帰においては周辺尤度を最大にするハイパーパラメータはWAICを最小にするハイパーパラメータと同じではなく,また周辺尤度の最大化は平均予測損失の最小化と等価ではない.
著者
宮崎 大 渡辺 澄夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.514, pp.331-336, 2015-03-09

LASSO (Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)回帰は,二乗損失にパラメータの要素の絶対値の総和で表される罰則項を付加する方法であり,推定されるパラメータにスパース性が見られるときに有用であると考えられている.LASSO回帰はニューラルネットワークの学習や統計的推測の問題へ適用されているが,罰則項の大きさの決定方法については不十分な点が残されていた.我々はこれまでに,ベイズ法の観点からLASSO回帰を扱うことで,罰則項の決定問題を事前分布の最適化問題であると考え,事後分布が正規分布で近似できるか否かに関わらず予測損失の漸近的な不偏推定を与える情報量規準WAICを用いて最適化する方法を提案し,その有効性を実験的に明らかにした.本論文ではこの方法をLASSO回帰による都市データ解析に適用し,次の3点を明らかにする.(1)都市データ解析において,LASSO回帰とridge回帰の両方について,WAICを用いて適切なハイパーパラメータを設定することにより,推測において不要な変数を削減することができる.(2)用いた都市データに対しては,LASSO回帰とridge回帰では最適なハイパーパラメータが異なったが,推測されたパラメータはほぼ同じであった.(3)最小二乗法により推測されたパラメータでは変数削減効果が見られず,推測されたパラメータは上記の2方法とは大きく異なるものであった.
著者
小坂谷 壽一 小玉 成人 川守田 礼子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.491, pp.37-42, 2009-03-20

八戸工業大学を取り巻く地域伝統音楽環境の特色として、津軽と南部伝統芸能の狭間に位置している為、この伝統音楽(特に津軽三味線、南部三味線)を次の時代を担う若年層演奏者に口伝ではなく、未来永劫譜面として正確に記録する技術が、特に地域伝統芸能継承者や市の地域伝統音楽保存会より強く望まれている。今回、三味線に弦単位のピックアップマイクロフォンを備えたいわゆる"エレクトリック三味線"と、この音源から譜面を自動的に作成する自動採譜装置を試作した。本研究では・音源の解析処理〜・採譜処理〜・譜面の記録処理に関する基礎技術を確立し、今後、他の伝統楽器や声楽等にも自動採譜の応用展開を図る予定である。
著者
瀬古 俊一 青木 良輔 宮田 章裕 橋本 遼 石田 達郎 伊勢崎 隆司 渡辺 昌洋 井原 雅行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.470, pp.19-24, 2014-02-27

災害から身の安全を確保できた後,避難者が必要としたのは災害に関する情報を得ることであった.しかし,インターネットが繋がらず,スマートフォンなどから情報を得ることが困難であった.そこで我々は,災害時にインターネットが繋がらない状況においても,周囲にいる人同士と災害関連情報を公衆無線LANとブラウザで共有可能な端末間連携技術を提案する.公衆無線LANを用いて検証した結果,インターネットの接続可否によらず,さらに専用アプリのインストールなしに情報流通が実現可能なことを示した.
著者
石井 壮介 力宗 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.310, pp.13-18, 2004-09-10
被引用文献数
1

本稿では、ユーザに単語の「意味」や「定義」を提供するために、検索エンジンでのWWW検索結果を係り受け解析を用いて絞り込む手法を実装したシステムの開発を行った。具体的には、調べたい単語を含む文をGoogleの検索結果を用いてWeb上から引っ張り、その文を係り受け解析し、どの程度の確率でその文が単語の意味を表しているのかを表示するようにした。その評価の結果から、一般的な国語辞典に比べて、俗語や専門用語の意味を検索するのが得意である、新語辞典よりも索早く新語に対応することが出来るといったことなどが明らかになった。
著者
永田 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.23, pp.1-6, 2008-05-02

デジタルシステムの高速・低消費電力化に向けて、低電圧動作、細粒度な電源ドメイン管理、動的な電圧・周波数制御の導入が進むが、その実装にはダイナミック電源ノイズの考慮が欠かせない。高精度・低電圧なアナログIPの開発においては、基板ノイズにさらされるSoC環境下で性能を発揮する設計が求められる。LSI搭載システムのEMC性能を高めるためには、チップとボードで連携した低ノイズ化設計が必須になる。本稿では「LSIにおけるノイズ問題」に焦点をあて、LSI設計に役立つノイズの知識獲得と、インテグリティを指向する設計技術に向けた取り組みについて紹介する。
著者
阿部 雅嗣 三輪 譲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.630, pp.7-12, 2005-01-20
被引用文献数
1

本論文では, ユビキタス社会における先進的マルチメディア処理を用いた統合型キャンパスシステムを構築するため, URLエンコードした任意の日本語テキストから規則音声合成を行うWeb対応型の音声合成サーバ・クライアントシステムを提案する.本システムは, サーバからクライアントへ, 合成音声波形の転送が必要という欠点があるが, 音声合成ソフトウェアを利用者がインストール不要のため, 利用者に扱いやすく, また, 携帯を含めたマルチプラットホームのクライアントで利用可能という長所を持つ.また, 本論文では, Web型電子メールや日本語Webページの音声読み上げ, 日本語漢字試験のヒント音声や日本語聴解試験の問題音声のe-Learning等への応用例について述べる.
著者
日野 泰守 尾留川 正博 石橋 謙三 上田 英司 松本 年男 小山 理 西川 幸一郎 穂積 靖 芦沼 孝昭 藤井 英一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.328, pp.25-31, 2002-09-13

本講演では、赤レーザを用いた2インチ3GBディスクについて述べる。トラック間のレーザアニールによる磁壁移動検出方式(DWDD)と、極性を交互反転させたサンプルサーボ方式との組み合わせにより、現行DVDと同じ波長660nm、NA0.6の光学ヘッドを用いながら、実にその4倍の記録密度を実現した。ビット密度は80nm/bit、トラックピッチは540nmで面記録密度は 15Gbit/inch^2である。さらに新開発した1-bit分散アドレスにより、冗長度23%を達成、僅か2インチの小径でありながら、3GBの大容量、24Mbpsの高転送レートのディスクシステムを実現した。このディスクシステムをムービーカメラに用いることにより、ビットレート6MbpsのMPEG2圧縮動画が1時間以上記録できることとなる。
著者
松井 健一 金田 昌樹 石井 啓之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.187, pp.41-46, 2001-07-09
被引用文献数
4

本稿では, GMN-CL(Connection less Technologies for Global Mega-media Network)においてトラヒックエンジニアリングにもとづいた経路制御を行うサーバ, TRES(Traffic and Reliability Engineering Server)の実装について報告する.TRESはGMN-CLのトラフィック情報と経路制御を一元管理し, 制約ベースルーティングおよびMIN-MAXアルゴリズムを用いて経路を計算し, 転送装置の経路ケーブルを設定することで経路制御を行う.TRESを導入することによって, オペレータのルーティングポリシを適切に反映し, かつトラヒックを効率よくネットワークリソースへマッピングする経路制御を行うことができる.
著者
田崎 三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.505, pp.41-46, 2002-12-06

シュンペーターはその代表作『経済発展の理論』において、『革新』(innovation)を景気循環モデルの核とし、「発展は決して連続的でなく、創造的破壊を伴うものである」ことを示した。ここ数年、国内メディアは、失われた十年といわれる景気の長期停滞ならびに現在の不良債権問題を脱して日本経済を再生させるには、「イノベーションの遂行」こそがそのカギを握るとの認識に立っているように見える.一方、「イノベーション」が「倫理」と関連づけて語られている論調は殆ど見かけない。しかしながら、われわれは情報社会においては、この両者は決して切り離して考えるべきではないとの立場に立っており、本文ではこの観点から「イノベーション遂行」のあり方について考察する。
著者
菅生 瑞稀 村上 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.466, pp.5-10, 2013-02-28

近年,アプリケーションサーバやDBMS(DataBase Management System)といったミドルウェアにおいて,オープンソースソフトウェア(OSS)を採用するシステムが増加しつつある.これらOSSミドルウェアでは,デフォルト設定での処理性能が低い場合においても,システム設定の最適化(パフォーマンス・チューニング)を行うことにより,処理性能が大きく向上することが知られている.しかしパフォーマンス・チューニングは,設定項目が多岐に渡り複雑である.システム管理者は試行錯誤や経験則から設定値を決めることが多く,手動でのパフォーマンス・チューニング作業は困難であった.本研究では,これら問題点を解決するために,遺伝的アルゴリズムを用いたOSSの自動パフォーマンス・チューニング手法について提案する.代表的なOSSであるApacheへ適用した上で評価実験を行い,提案手法の有用性について示す.
著者
鍋藤 悠 鹿嶋 雅之 佐藤 公則 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.374, pp.43-48, 2009-01-05

動画共有サイトが活発化しており,大量の動画をクラスタリングする技術が求められている.我々は複数の画像特徴を統合的に解析することによりカット点検出を行い,その後の時区間の画像を対応付け、比較することにより動画の一致性判定を行う手法に関する研究を行っている.本稿では,複数の特徴を用いたカット点検出とカット点の対応付けについて述べる.SIFT特徴,明度ヒストグラム,エッジ量を用いてカット点検出を行い,DPマッチングを用いてカット点の対応付けを行う.スポーツ,アニメ,音楽のライブ映像を用いた評価により,手法の有効性が示された.
著者
篠原 季次 宮下 直樹 平原 大地 吉本 引正 山川 史郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.88, pp.91-95, 2013-06-13

宇宙基本法が改訂になり、人工衛星を用いた海洋監視手法の研究開発が求められ、JAXAにおいても、排他的経済水域の保全管理、違法操業等の海上犯罪、不審船事案、重大海難事故等、あるいは、我が国に至る海上輸送路における海賊行為等の対処に資することを目的とした、外洋を含めた広い範囲のAIS信号を人工衛星で受信するシステムの検討を行ってきた。衛星AIS (AIS: Automatic Identification System)は、上記に貢献できる宇宙システムの一つであるため、小型衛星を利用した衛星搭載AIS受信システムに関する技術実証実験SPAISE1 (SPacebased AIS Experiment1)を実施した。今回は約1年間に及ぶSPAISE1の実験結果のサマリを報告する。