著者
森 貴彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.432, pp.1-6, 2012-02-02

医療・福祉分野において,労働従事者,介護者および要介護者の負担軽減など動作支援を目的にパワーアシストシステムに関する研究が多く行われている.特に,上肢切断者のパワーアシストによる日常生活動作支援を行う際には,筋電位センサと力センサを併用した上肢動作の人間-筋電義手の協調制御に関する研究が活発化している.しかし,現状では環境や条件に応じて臨機応変に動作支援を行うことが難しいと考えられる.本研究では,上肢動作支援を対象に,手先トルクを入力するだけで人間の未来の手先トルクと未来の軌道をリアルタイムに予測し,さらに,安定で高いパワーアシスト率の実現が可能なモデル予測制御を用いた新たなパワーアシストシステムを提案する.
著者
上條 敦史 石川 勉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.439, pp.47-52, 2010-02-22

日本語による自然言語文を拡張型述語論理に変換する手法を提案する.この手法は,基本的には既存の自然言語処理ツールと電子化辞書の活用を前提に,述語の項のラベル付けを核とした意味解析を行うものである.この述語論理では,知識構成要素をすべて日常語とし,単文,複文ともに一つの文を一つの述語式で表現する.複文の場合には,主節を表す述語式中の述語部や項に従属節を埋め込んで表現する.従属節の表現には主節を表す述語式と同様の形式を用いる.変換対象は省略のない文法的に正しい文とし,平叙文以外の受身文や丁寧文も含む.
著者
金光 秀雄 今野 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.395, pp.41-46, 2012-01-16

閉区間上で目的関数の極小値が(下へ)単峰列となる一変数多峰関数の大域的最適化問題に対して,極大点・極小点および多峰関数の数理構造を与える,さらに,前報のアルゴリズムより広汎な多変数最適化問題に適用可能なアルゴリズムを検討・提案する.多変数のテスト関数に対するいくつかの数値実験の結果から,本手法が効率的かつ高信頼性で最小点を見い出せることを示す.
著者
キウェ ピュ ピュ 山本 寛 大木 聖子 山崎 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.170, pp.25-30, 2010-07-30

日本は、世界的にも最も地震が起こる国の一つであり、これまで何千年間も被害を受けてきている。しかし、地震の経験は、被害を受けた地域での知恵となるにとどまり、日本に暮らすあらゆる人々の共有知とはなっていない。地震の経験を多くの人で共有できれば、地震の知識が向上し、大きな災害に備えること、つまり防災リテラシーの向上が図れる。本研究の目的は、地震の経験を共有して、アーカイブにすることのできるウェブベースシステムを開発することである。他の人がどういう手段をとったか(家族の安否確認、帰宅ルートのチェック、など)を確認することで、自分のアクションを見直すことができ、大きな地震が発生した時のための備え(防災リテラシー)は格段に向上する。システムは地震研究所(ERI)のウェブサイト上で公開する予定である。
著者
蓮井 亮二 白石 善明 森井 昌克
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.199, pp.91-96, 2004-07-13
被引用文献数
2 1

ネットワークやシステムに対する不正アクセスを検知するシステムとしてIDS(不正侵入検知システム)がある.しかし,IDSは不正アクセスを検知するだけであり,事前に対処するものではない.そこで我々は,現在までに行われた不正アクセスから,その後に行われる不正アクセスを予想する方法としてイベント依存モデルを用いる方法を提案している.本稿ではイベント依存モデルを用いた被害予測システムを実装し,システムの有効性を示す.
著者
岩谷 智一 中泉 文孝 大須賀 美恵子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.65, pp.45-48, 2012-05-18

高齢者のグループレクリエーションにおいて,多人数で遊びながら無理なく体を動かすための遊びリテーションシステムを開発した.加速度センサと圧力センサを用い,腿上げ運動と手を握る運動を検出し,運動を入力とし,高齢者にもなじみのある大縄跳びや綱引きといったゲームを用意した.3か所の高齢者施設で試用してもらい,受容性を確認した.簡便性を高めるため,加速度センサを無線化する改良を施し,高齢者施設で評価実験を行った.心の活性化を観察による笑顔評価で,身体活動の活性化を腿上げ角度で評価した.ゲーム中は真剣に取り組むため笑顔の表出が少なかったが,勝敗結果の発表のときに笑顔が増えた.腿上げ角度のゲームによる増加は見られなかった.大縄跳びでは腿上げのタイミングをとる必要があり迷いが生じたためと考えられる.継続的な実施による効果検証が今後の課題である.
著者
吉岡 大貴 横山 諒平 劉 傅軍 小野寺 武 内田 誠一 中野 幸二 林 健司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.409, pp.53-56, 2014-01-17

匂いは目に見えないが,危険信号として重要な情報を持つ.匂いは気体であるため,匂い情報として匂い物質の種類,濃度,空間分布が考えられる.本研究では匂い物質を可視化するために蛍光物質を混ぜたアガロースゲルフィルムを蛍光プローブとして用い,匂い情報を蛍光変化として取り出している.本稿では,蛍光物質を複数用いたマルチ蛍光プローブを用いてマルチスペクトルイメージングを行い,匂い物質の識別を行っている.また,混合匂いに対するマルチ蛍光プローブの反応は各匂い物質毎の各単一蛍光プローブの反応に分割できるため,混合匂いを含めた匂い濃度の空間分布を識別することができる.
著者
折橋 翔太 高田 涼生 松尾 康孝 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.459, pp.131-136, 2015-02-23

本稿では,8K動画におけるH.265/HEVCの符号化方式制御の手法を提案する.8K動画では,その解像度の高さに伴い,動き量が大きなものとなる.このような動画に対しては,画面間予測における動き探索の探索範囲を拡大する必要があるが,動き探索は計算コストが大きいため,必要以上の探索範囲の設定は望ましくない.そこで本手法では,外部処理によって動画の動き量を推定し,推定された動き量に合わせて探索範囲を設定することによって,高効率な符号化を行う.ここで,探索範囲を拡大する場合には,HMの動きベクトル内挿機能を活用して,GOP間隔毎の探索範囲の拡大を行う.また,動きがランダムな動画に対しては,画面内予測のみで符号化することにより,低負荷な符号化を行う.
著者
折橋 翔太 高田 涼生 松尾 康孝 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.459, pp.131-136, 2015-02-16

本稿では,8K動画におけるH.265/HEVCの符号化方式制御の手法を提案する.8K動画では,その解像度の高さに伴い,動き量が大きなものとなる.このような動画に対しては,画面間予測における動き探索の探索範囲を拡大する必要があるが,動き探索は計算コストが大きいため,必要以上の探索範囲の設定は望ましくない.そこで本手法では,外部処理によって動画の動き量を推定し,推定された動き量に合わせて探索範囲を設定することによって,高効率な符号化を行う.ここで,探索範囲を拡大する場合には,HMの動きベクトル内挿機能を活用して,GOP間隔毎の探索範囲の拡大を行う.また,動きがランダムな動画に対しては,画面内予測のみで符号化することにより,低負荷な符号化を行う.
著者
山口 拓人 渡邊 伸行 續木 大介 鈴木 竜太 天野 陽子 水沼 真弓 山田 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.734, pp.25-30, 2003-03-11
参考文献数
19
被引用文献数
6

現在,顔の感性情報処理の問題に対する関心か高まっている.我々はそのような問題の解明にかかわる実験またはシミュレーションに利用することができる,顔情報データベースの構築を目指したブロジェクトを立ち上げた.現段階において,このプロジェクトでは,統一-された撮影環境と撮影手続きを確立し,データベースに必要な顔および表情画像の取得を開始した.特に表情は,基本6表情(喜び,驚き,恐れ,悲しみ,怒り,嫌悪)をカバーするものである.また,単純な顔画像集ではなく,顔に付随する様々なデータを利便性高く扱えるデータベースの構築を目指した支援システムの開発も進めている.
著者
高橋 春菜 守屋 雅隆 徳山 貴斗 島田 宏 水柿 義直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.401, pp.13-18, 2014-01-23

現在の直流電圧標準において,零バイアス電流軸を横切るシャピロ・ステップ(ゼロ・クロッシング・シャピロ・ステップ)は既に利用されており,電圧標準だけではなく高精度D/A変換器への応用も期待されている.我々は,ゼロ・クロッシング・シャピロ・ステップの生成方法として非対称2接合SQUIDを用いた方法を研究してきた.非対称2接合SQUIDによって得られる非対称な臨界電流-印加磁場特性を利用した方法である.そこで本報告では,非対称2接合SQUIDの代わりに,長いジョセフソン接合を用いて非対称な臨界電流-印加磁場特性を実現させ,それによってゼロ・クロッシング・シャピロ・ステップを生成する.産総研Nb STP2プロセスにより試作したNb接合と,バイクリスタルSrTiO_3基板上に作製したYBa_2Cu_3O_<7-δ>粒界ジョセフソン接合を用いて動作検証を行い,シミュレーション結果との比較を行った.
著者
森住 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.244, pp.5-10, 2014-10-07

振舞いの群れは<仮面>である.<私>の振舞いとは<私>の<仮面>である.世阿弥の「離見の見」は自他を意識する「進化的多元言語ゲーム」を<私>が解釈する概念と見做せる.振舞いの群れはまた<仮面>の裏側であり,振舞いの中核は<仮面>である.<仮面>の差異が「花」となる.そして<仮面>の裏を形成するもの,そして<仮面>の差異を形成せしめるものこそが「群知能」である.「言語的規則」と「感覚の論理」を使用する<私>とシステムのインタフェースの枠組みは,「客観の論理」,「受動的な<私>の「感覚の論理」」,「能動的な<私>の「感覚の論理」」である.<仮面>の差異に基づく緊張作用によって振舞いの群れが調和する必要条件は,それぞれの<私>が振舞いの群れとの相互作用を了解することである.振舞いの<仮面>の調和装置は哲学的原理ではなく,<仮面>の振舞いを見えるようにするパターンランゲージである.
著者
梶山 征央 児玉 賢史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.299, pp.57-60, 2013-11-19

一般的なARは画面上に2次元で投映されるため,距離感をつかむのが難しいことがある.そこで本提案手法では距離感を容易に得るために,一般的に利用されている3Dグラスを通して立体視を利用し,更にウェブカメラから手の位置を読み取ることでユーザインタフェースとして自分の手を使用する,というタンジブルの要素を取り込んだ.
著者
大槻 麻衣 大下 勉 木村 朝子 柴田 史久 田村 秀行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.381, pp.75-80, 2011-01-13
参考文献数
9

本研究では,立体視可能な複合現実空間において,多数のパーツから構成される仮想の3Dオブジェクトを分解し,その内部や個々のパーツ同士の接続関係,位置関係を至近距離で観察できるシステムを構築する.こうした分解・観察というタスクにおいて誤操作を回避し,操作の快適性,応答の心地よさを向上させるために,実世界で互いに接合・接着された物体の挙動や応答を模倣する3種類のメタファを導入する.本論文では,提案手法の基本概念,それを具現化するメタファとその物理計算モデル,ユーザ・インタフェースとしての実現に関して述ペ,実運用から得た知見や今後の発展させるペき方向性に関して論じる.
著者
藤本 正樹 石橋 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.20, pp.77-80, 2004-04-16

本報告では,分散仮想環境において,利用者が触覚メディアを用いて仮想空間内のオブジェクトを操作する作業を扱う.そして,仮想空間を立体視する場合としない場合について,実験によって作業効率の比較を行う.また,立体視の効果と,ネットワーク遅延やその揺らぎなどによる作業効率の劣化との関係も明らかにする.更に,得られた実験結果から,立体視の利得を計算する.
著者
中村 匡秀 下條 彰 井垣 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.271, pp.35-40, 2009-11-05
被引用文献数
11

様々な種類のライフログを効率よく連携・集約(マッシュアップ)するためには,ある程度標準化されたデータモデルやサービスAPIが必要となってくる.本稿では,ライフログが備えるべきデータを5W1Hの観点から分析し,アプリケーション依存・非依存のデータ項目を抽出する.抽出したデータ項目に基づき,ライフログのための標準的なデータモデル,および,サービスAPIを考察する.
著者
大槻 麻衣 大下 勉 木村 朝子 柴田 史久 田村 秀行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.382, pp.75-80, 2011-01-13
参考文献数
9

本研究では,立体視可能な複合現実空間において,多数のパーツから構成される仮想の3Dオブジェクトを分解し,その内部や個々のパーツ同士の接続関係,位置関係を至近距離で観察できるシステムを構築する.こうした分解・観察というタスクにおいて誤操作を回避し,操作の快適性,応答の心地よさを向上させるために,実世界で互いに接合・接着された物体の挙動や応答を模倣する3種類のメタファを導入する.本論文では,提案手法の基本概念,それを具現化するメタファとその物理計算モデル,ユーザ・インタフェースとしての実現に関して述ペ,実運用から得た知見や今後の発展させるペき方向性に関して論じる.