著者
武田 駿 名取 隆廣 田邉 造 古川 利博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.51, pp.63-68, 2013-05-10

本論文では,ステレオ楽曲(ボーカル信号+左右BGM信号)からボーカル信号を抑圧して左右BGM信号を抽出するステレオ型ボーカル抑圧手法を提案するとともに,この手法をスマートホンで実装したステレオ型自動カラオケアプリレーション"カシレボ"を紹介する.提案手法は,(i)VAD(Voice Activity Detection)よりボーカル信号の分散値を推定した後に,(ii)拡張型有色性駆動源カルマンフィルタを用いることで,臨場感のあるステレオ型BGM信号を抽出する手法である.開発したカシレボの特徴は,スマートフォンにダウンロードした楽曲から(1)ステレオ感を損なうことなく,(2)リアルタイムに,(3)ボーカル信号を抑圧して左右BGMを抽出する自動カラオケを実行可能なことである.提案手法の有効性はApp StoreやGoogle Playにて配信することで確認している.
著者
小清水 宏 斎藤 利通
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.542, pp.485-488, 2008-03-05

Adaptive Resonance Theory map(ART)とAnt Colony Optimization(ACO)の組み合わせを提案する。ACOはアリのフェロモンによる働きをモデル化した進化的最適化法である。ARTはある空間上に分布したデータをカテゴリーの集合によって近似や分割ができる。本論分ではARTとACOによる並列化手法を提案し、最適化問題アプローチする。ACOを並列化することで計算効率の向上を狙う。応用例として巡回セールスパーソン問題ような最適化問題への応用を考える。またその時の獲得解の精度及び、その推移について考察する。
著者
水野 寛隆 Jordan Shane 杉原 興浩 戒能 俊邦 岡本 尚道 大濱 元嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OME, 有機エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.136, pp.11-16, 2004-06-16

簡単で低コストな大口径高分子光導波路の作製方法及びプラスチック光ファイバ(POF)に対するパッシプアライメントを可能にするレプリカ構造の簡単な作製、高分子光導波路とPOFとの簡単な接続方法を提案する。高分子光導波路は凸形状のフォトレジストオリジナルマスタから三回の複写工程を経て作製した。作製したコア径500μmと1000μmの光導波路は、0.21-0.23dB/cm(650nm)の低い伝搬損失を実現した。コア部とファイバガイド部を持つオリジナルマスタから、パッシブアライメントを実現するためのコア部とファイバガイド部用溝を有するレプリカ構造が簡単に形成できた。また高分子光導波路は、POFをファイバガイド溝中に取り付けることにより簡単に結合することができ、980μmコア径のPOFと接続する場合、光導波路のコア幅が900μmのとき結合損失が最小(1.6dB)となった。
著者
三家 祥平 小林 健太郎 山里 敬也 片山 正昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.153, pp.19-24, 2010-07-22

協調スペクトルセンシングシステムでは,複数のノードがスペクトルセンシングを同時に行い,判定結果をコントロールチャネルを通してフュージョンセンターに報告する.本稿では,このコントロールチャネルの周波数帯域幅の利用効率の改善を目指す.帯域幅の有効利用のため,各ノードにおける判定条件に逐次検定を適用した.逐次検定により,ノードからの報告のタイミングがずれるため,同時報告数の最大値が減り,コントロールチャネルに必要な帯域幅を削減することができる.また逐次検定は,同時報告数を減らすだけではなく,一次システム信号の検出精度も改善できることを,数値例により示す.さらに,報告数の偏りを考慮したフュージョンセンターの最終判定規準を提案し,さらなる検出精度の改善が実現できることを示す.
著者
菊池 浩明 中里 純二 中西 祥八郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.214, pp.45-51, 2001-07-18
被引用文献数
1

本論文は, 1か0かの秘密を漏らさないまま, 公開検証可能な方法で足し算を実行するプロトコルを提案している.提案方式は, 従来の膨大な帯域を消費し何回にも及ぶラウンドを必要としたマルチパーティプロトコルとは異なり, 非対話的な定数回のラウンドと単純で送信者にも集計者にも検証可能な計算処理を必要とする.提案方式は, 〔2〕に基づいている.提案方式は, 投票者が投票用紙を分散された公開鍵について暗号化して投票し, 集計者が賛成投票数をわからないまま数えるという秘密投票に応用可能である.
著者
門間 義之 入江 一成 太田 紀久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SST, スペクトル拡散 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.213, pp.1-6, 1998-07-24

筆者等は、地域の一般家庭あるいは中小ビジネスユーザに利便性の高いコンピュータ通信サービスを経済的に提供することを目的として、地域情報ネットワークシステムの開発を進めている。登録ユーザ間でPCを利用したコネクションレス通信を行えるグループ通信サービスを提案し、これまでに、大規模ユーザを効率的に収容可能とするための多重化ブルータ、宅内にLANと同じイーサネットインタフェースを提供するためのローエンドカード、並びにグループ管理サーバを開発し、実験システムによる基本特性確認を行った。今回、本システムを実際に地域に展開する場合を想定し、複数のセンタ(収容局)あるいは多重化ブルータを結ぶ加入者収容形態について検討を行った。実際の実験システムにより多重化ブルータを跨る場合のスループット特性を明らかにする。また、他地域との接続サービスについても述べる。
著者
中島 宏樹 鎌田 一雄 今井 達二己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.437, pp.65-70, 2008-01-18
被引用文献数
3

視覚に障害がある人(全盲者2名)を対象として、JR東日本(株)宇都宮駅で歩行実験を行った。被験者の1名は、通勤で宇都宮駅を利用しており場所を熟知しており、メンタルマップもできている.他の1人は、実験場所のメンタルマップは十分にできていない.2名とも歩行には白杖をしており、その歩行状況の記録とインタビューの分析から、改札口・プラットフォームなどの経路の歩行行動における共通的なもの、異なるものについて説明する.また、歩行支援の考え方についても、実験参加者の意見とともに説明する。
著者
中野 靖夫 前田 恵三 和泉 嘉則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.98, no.433, pp.21-28, 1998-11-20
参考文献数
6
被引用文献数
1

これまで、キーボードの操作履歴の分析により、プログラム作成過程を解明してきたが処理過程における学習者の状況認知や意思決定が不明であった。そこで、非反応測定法によりBASICプログラム作成中のキー入力デ-タを収集するとともに、発話思考法によって発話データを収集し、両者の情報を統合してプログラミングにおける状況認知と処理過程を明らかにすることを試みた。本研究は中学生2名の状況認知と処理過程について報告する。
著者
新家 富雄 鴨志田 隆 市川 光太郎 三田村 啓理 荒井 修亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.191, pp.11-16, 2011-08-23
被引用文献数
1

目視調査が難しい魚類の行動を知る手法として,魚に取り付けた超音波ピンガーが発信する信号からその存在や位置を求めるバイオテレメトリーがある.これまでのバイオテレメトリーシステムは異なる周波数のピンガーを連続的に追跡できなかった.本稿では複数台のステレオ式自動水中音録音装置(AUSOMS version 3.0)用いたバイオテレメトリーシステムを提案する.システムを構成するAUSOMS version 3.0は,超音波ピンガー信号の帯域(60〜84kHz)を低周波帯域(0〜24kHz)に変換し,14.4日間の連続録音ができる.2011年5月,広島県生野島において,提案するシステムを用いて10尾のアカメバルを同時に連続7日間,高精度にモニターすることに成功した.
著者
原 賢 武藤 健一郎 知加良 盛 関 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.286, pp.123-128, 2011-11-07

クラウドサービスの普及にともない,遠隔からシステムを安全に制御するためのプロトコルであるSSHを一般のユーザが利用する機会が増えると考えられる.一方,SSHのように暗号アルゴリズムを用いたプロトコルにおいては,暗号の危殆化に対する対処が必要である.そこで,SSH接続時に危殆化した暗号アルゴリズムの利用を避けるよう,ユーザへ設定変更を働きかけることを検討した.一般ユーザでも実行可能であり,かつ有効な対策行動を探索するため,SSH接続時の使用暗号アルゴリズムの決定方法を仕様と実装の両面で確認した.その結果,クライアントの暗号アルゴリズム設定リスト内の優先順位が接続時に利用する暗号アルゴリズムを支配的に決定することがわかった.そこで,SSHにおける暗号危殆化状況を可視化するために,クライアントと接続対象サーバの暗号設定情報の取得方法を調査し,SSH接続時に考えられる全ケースについて表示内容を考案し,一部を実装したので報告する.
著者
藤川 賢治 太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICSS, 情報通信システムセキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.86, pp.57-62, 2009-06-11

本稿では階層化QoSルーティングプロトコルHQLIPにおける広告メッセージ削減手法を説明し評価を行う。HQLIPでは「より悪い情報」か「同じかより良い情報」によって広告間隔を変化させることで、過大広告を禁止しつつ広告頻度を低く一定に保つ。HQLIPの広告手法によりシグナリング開始後の失敗を排除する広告量削減が可能となり、クランクバックが不要となる。
著者
北原 武 中村 元
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.420, pp.85-90, 2006-12-07
被引用文献数
2

マシン・トゥー・マシン通信(以下,M2M通信)では,マシンのバッテリライフ向上が最重要課題の一つとなっている.それに伴い,チップの消費電力を低減させるための低消費電力化技術や,各レイヤにおいて通信量を削減するためのプロトコル技術等が盛んに研究されており,消費電力を抑制することによるバッテリライフ向上が図られている.本稿では,小容量リチウムイオンバッテリの放電実験を行い,得られた放電特性を考慮したバッテリ容量を最大限に活用するためのトラヒック制御方式について提案する.
著者
宮島 敏明 トーマス デビッド 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.70, pp.125-130, 2012-05-22

計算集約的なアプリケーションは、該当部分をFPGAやGPUへ処理をオフロードすることで実行時間を劇的に短縮することができる。しかし、どのアクセラレータを選ぶか、アプリケーションの解析、実行時間の見積もり、コーディングなどをそれぞれ専用のツールを用いて繰り返すような既存の実装サイクルは時間がかかるだけでなく、高度な専門知識を必要とする作業である。加えて、このサイクルのどこかで高速化に最も重要な低位の並列化だけでなく、タスクレベル並列性を取り出す必要がある。本論文では、Courierと呼ぶバイナリアクセラレーションのためのツールチェインとドメイン固有言語を提案する。Courierは、実行中のソフトウェアバイナリファイルからのデータフローの抜き出し、処理をオフロードした際の実行時間の見積もりなどを行い、元のバイナリを高速化する。Courierを用いることで、元のソースコードや専門的な知識がなくとも、容易にタスクレベル並列性を取り出すことが可能となる。また、ソフトウェア/ハードウェア協調設計環境でどの部分をオフロードするのが最適かの決定も容易になる。
著者
小倉 孝夫 雨宮 宏一郎 千草 かおり 濱田 圭 黒川 康司 阿比留 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.134, pp.61-66, 2012-07-12

これまでマッシュアップ等のWebサービス間を連携する環境が普及しており,今後,クラウドサービス利用により,より増加していくことが予想される.サービス間において安全なデータ連携を実現するために,我々は,Webサービスの連携技術であるOAuthを拡張して,ユーザ環境に応じた秘匿制御により機密データの保護が可能となる,クラウド間データ・サービス連携方式を提案した.こうしたサービスでは,smallスタートで安価にシステムを構築する一方,複数企業によるユーザ数の増大(100万ID規模)やサービス増加による大規模化に対応できる必要がある.そこで,安価なL4ロードバランサ(LB)を用いてアクセスGWを並列化するアプローチとした.L4 LBでは,ユーザからのサービス要求をラウンドロビンに振り分けるため,ユーザのログインセッションを維持できないという問題が生じる.そのため,どのアクセスGWからでも,ユーザのセッション情報を一意に取得できるようにKVS(Key-Value Store)技術を適用した.さらに,実サービス(Googleカレンダ-,Facebook)の計測値を用いて,スケーラビリティ評価を行ったので報告する.その結果,安価なL4 LBと複数のGWを組み合わせ.KVSを適用したアーキテクチャで十分にスケールできることがわかった.
著者
藤縄 英佑 泉 雅彦 鳴海 拓志 宝珠山 治 谷川 智洋 廣瀬 通孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.114, pp.53-58, 2014-06-24

社会で普及している行動誘導システムは提示された言語や記号を人が解釈することを必要とし,そもそも気付かれない,意志の押し付けになるという問題をはらんでいる.本研究では,音が人の快・不快情動に大きく影響を与えることに着目し,快感情を生起する音場を提示することで,人を無意識的に誘導するシステムの構築を目指す.まず空間中の特定範囲のみに音場を提示するシステムを構築し,その局所提示性能を評価した.次にこのシステムを用い,音により空間を快い空間と不快な空間とに分け,人の滞在位置を無意識的に誘導できるかどうか検証した.
著者
林 新 広橋 一俊 井川 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OCS, 光通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.400, pp.43-48, 2010-01-21

照明光を利用する室内光無線高速LANを構築するために,まず,空間照明光を高速に変調することによって情報伝送空間の下り回線として使える方法を検討し,通信システムの親機として照明機能付きアクセスポイントが開発された.また,光指向性技術を活用し,上り回線用の子機として単軸全方位自動追尾可能の双方向赤外線無線端末を開発した.さらに,1対nの光無線多元接続を実現するために,電力線イーサネット100BASE-TXの通信規格に基づき,空間全二重CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)接続方式を提案した.開発された通信機器と提案した通信方式を用いることにより,電力線LANとの親和性を有する照明機能付き光無線LANを実現することが可能となる.