著者
武 小萌 佐藤 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.76, pp.119-124, 2011-05-30

近年,記憶装置の大容量化に伴い,大規模の放送映像を蓄積して利用できるようになりつつあり,なかでもCMは,地上波民間放送において全放送時間における20%の比率を保有している.放送映像解析や市場調査等の分野には,蓄積された膨大な放送映像アーカイブからCMを効率的且つ効果的に検出・同定する技術が求められる.本研究は,超高速の二段時間的共起ハッシュアルゴリズムを提案し,CMの大規模放送映像アーカイブからの検出・同定を目指す.1か月間のアーカイブに対する処理時間がわずか42分であった提案手法は,98.1%の検出精度と97.4%の位置特定精度を達成した.また,検出された大量のCMにおける経時分布を可視化することで,広告市場に関する潜在的知識の発見を可能にする新たなアプリケーションを紹介する.本アプリケーションは,4か月間5チャンネルという莫大の量の放送映像へ提案手法を適用した結果をもとにしたもので,提案手法の実用性とその知識発見への高い応用可能性を実証した.
著者
大島 千佳 中山 功一 伊藤 直樹 西本 一志 安田 清 細井 尚人 奥村 浩 堀川 悦夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-100, no.1, pp.1-6, 2013-08-24

シンセサイザのボコーダの機能を利用し,発声をリアルタイムに長調や短調の音楽に変換することによる,気分の変化について調べた.音楽はさらに MusiCuddleというシステムを利用し,ユーザの発声と同じ音高から開始された.実験の結果,気分の変化に関して,短調と長調の和声フレーズの条件の間で,「陽気な」 「悲観した」 に差異が認められた.ここから,憂鬱な気分であっても,自分の発声が強制的に楽しい気分を誘う音楽に変換されると,気分が楽しくなることが示唆された.
著者
金谷 重彦 平井 晶 高橋 弘喜 Altaf-Ul-Amin Md. 中村 建介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.322, pp.71-76, 2010-11-25

ゲノムプロジェクトの進展に伴って、現在までに、数百種のバクテリアゲノム、数十種の植物および動物のゲノムが解読された。植物における二次代謝産物は約20万種以上と推定され、5万種については構造決定されていると報告されている中で、ゲノムサイエンスの一環として、代謝産物と生物種の関係を体系化することを目的に、文献情報をもとに生物種とその生物において発見された代謝物の関係をデータベース化することを2004年より開始した。本論文では、このようにして開発された代謝物データベースKNApSAcK DBの現状を紹介する。さらに、生物資源の多面的な利用の目的からの代謝物検索を容易にするためのウェブサービスとしてKNApSAcKファミリーの研究開発を進めている(http://kanaya.naist.jp/KNApSAcK_Family/)。現在までにLunch Box(目的:食履歴)、KAMPO(漢方生薬)、KNApSAcK from around the world(世界の薬用植物)などのデータベース構築が完了した。これらのデータベースの現状についても紹介する。
著者
草地 良規 伊藤 直己 鈴木 章 荒川 賢一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.369, pp.37-42, 2004-10-14
被引用文献数
7

我々は,画像検索のための景観画像へのインデクス付与を目的として,視点/背景テクスチャ/コントラストの制約を設けずに撮影された景観画像中の文字認識法を提案している.提案法では,文字領域を切り出す必要がなく,シェーディングを伴う文字,立体文字,複雑背景上の文字,切り出しに失敗した傾斜文字,を識別する能力があるが,識別に多大な時間がかかるという課題があった.本稿では,カテゴリを特徴の類似性に基づいて階層的に分類し,各分類パターン(クラス)に対して階層的な辞書を構成することで,提案法の処理量削減を実現する.識別率の測定実験を行い,84%の識別率で処理量を1/20程度に削減できることを確認した.また,日本語キーワード(ひらがな,カタカナを含む)による画像検索精度の測定実験を行い,平均適合率76.8‰平均再現率70.4%を確認した.
著者
鈴木 由衣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.354, pp.13-18, 2013-12-07

教育におけるパラダイム・シフトが起こり,日本語教育においても「学習者オートノミー」に関する研究がなされるようになってきた.しかし,まだ十分な研究がなされているとは言い難い.そこで,本研究ではオートノミー支援の在り方を問い直すことを目的として,日本語学習者を対象に言語学習史インタビュー調査を実施した.調査では学習プロセスの動機づけの変容に注目した.学習過程を可視化するためモチベーション変容のグラフを作成し,協力者の語りをSCArの手法を参考に分析を行った.これらの流れで行った,オートノミー支援のモデル化の試みについて報告する.
著者
北条 伸克 亀岡 弘和 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.308, pp.13-18, 2013-11-14

本稿は,高品質なテキスト音声合成を目指し,複合ウェーブレットモデル(composite wavelet model; CMW)と隠れマルコフモデル(hidden Markov model; HMM)の統合モデルに,フォルマント周波数軌跡のモデルを組み込む.ケプストラム特徴量による従来のHMM音声合成方式では,モデル学習時におけるケプストラム特徴量の平均化がスペクトルの周波数方向の平滑化の原因となり,一般にbuzzyな合成音声へ劣化する原因となった.これに対し,フォルマント周波数に相当する特徴量の平均化はスペクトルの平滑化をもたらさないと期待される.このような観点から,我々は,CWMとHMMの統合モデルによる音声合成方式を過去に提案した.一方で,従来のCWMとHMMの統合モデルは,スペクトル系列の区分定常な生成モデルであり,ダイナミクスのモデル化に課題があった.本稿は,CWMがフォルマント周波数に相当するパラメータを持つことに着目し,フォルマント周波数軌跡の生成モデルをCWMとHMMの統合モデルに組み込み,スペクトル系列のダイナミクスをモデル化する.本稿では,実験を通して提案モデルがフォルマント周波数軌跡を十分に推定することを定性的に確認した.
著者
安達 琢 赤穂 伸雄 浅井 哲也 本村 真人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.106, pp.65-70, 2011-06-23

メモリスタを用いた非対称の時間窓を持つSTDPシナプスデバイスを提案する。メモリスタ(抵抗変化型メモリ:ReRAM),キャパシタ,二つのpMOSFET,および四つのnMOSFETを用いてデバイスを構成した.まず,ReRAMの特性,および本研究で使用するバイポーラ型ReRAMのモデルについて説明する.次に,本研究を行う上で参考となった先行研究の回路動作(STDP特性における時間的因果領域のみを模擬する動作)を説明する.さらにこの回路を拡張したデバイス(STDP特性における時間的因果領域および非因果領域を模擬するデバイス)を提案し,各回路ブロックの詳細な動作を説明する.最後にHSPICEを用いた回路シミュレーションにより,ReRAMを介さずに流れる電流によりキャパシタが充電され,その後流れた電流によりキャパシタが放電され,ReRAMのコンダクタンスが元の値より減少する事を確認する.
著者
東浦 圭佑 Prasad Mukherjee Dipti 岡田 俊之 横田 太 堀 雅敏 高尾 正樹 菅野 伸彦 陳 延偉 富山 憲幸 佐藤 嘉伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.37, pp.51-56, 2012-05-10

本研究は,臓器形状の正常と疾患を統計形状解析による自動識別を目的としている.疾患になると形状が変形しやすい肝臓,大腿骨の学習データをを用いる.従来,正常と疾患を組み合わせた統計形状モデルによるSVM識別が行われている.本実験では,正常症例群から構築される正常統計形状モデルと疾患症例群から構築される疾患統計形状モデルを求め,正常統計形状モデルに直交する疾患統計形状の疾患部分空間を導き,未知データの変形成分を疾患部分空間に射影することにより,疾患に起因する変形成分を求める.疾患部分空間における変形成分のSVM識別により,識別精度の向上が確認できた.
著者
安田 麗 林 良子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.451, pp.13-17, 2010-02-25

日本語音声の特徴的現象である母音の無声化は,聞き手が誰であるかという会話の状況によって,その出現が変化する要素の一つであると考えられている.本研究では,そもそも母音の無声化が少ないとされている近畿方言話者が、東京方言話者と話す場合,近畿方言話者と話す場合,そして外国人と話す場合にどのような発音がなされているのかについて,母音の無声化に焦点を当て実験を行った.その結果,近畿方言話者の会話における母音無声化の出現については,個人差があるものの、平均すると対東京方言話者,対外国人留学生,対近畿方言話者の順で,母音無声化率が高い傾向があることがわかった.この結果より,近畿方言話者は対話相手が誰であるかによって母音無声化を制御し,話し方を変化させていることが示唆された.
著者
梅野 健
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.250, pp.87-90, 2014-10-16

従来の擬似ランダム符号やカオス符号とは異なる概周期関数に基づくスペクトル拡散通信を提案する。干渉雑音が従来の全てのスペクトル拡散通信と比較して桁違いに減少していることを示す。
著者
神原 浩平 光山 和彦 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.164, pp.79-84, 2009-07-27
被引用文献数
1

800MHz帯FPU(Field Pick-up Unit)システムは,マラソン中継などの移動映像伝送に用いられている.現在,筆者らはより高画質で途切れにくい次世代システムを目指してMIMO伝送技術および誤り訂正技術の研究を行っている.直列連接LDGM(SCLDGM:Serially-Concatenated Low-Density Generator Matrix)符号はLDPC(Low-density Parity-check)符号の短所である符号化演算量とエラーフロアの両方を低減可能な符号としてFPU用の誤り訂正符号として着目しており,これまでに連接に適したLDGM構造の提案などを行い,シミュレーションによる評価を行ってきた.今回,野外移動伝送実験によりSCLDGM符号の特性を現行システムの畳込み+RS(Reed-Solomon)連接符号などと比較した評価を行った.さらに,FPUシステムへのLDGM符号の導入に向けた観点から符号についての考察を行った.
著者
鈴木 陽一 橋本 明記 小島 政明 田中 祥次 木村 武史 斉藤 知弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.212, pp.19-24, 2009-09-22

今後の放送の大容量化や通信との親和性を考慮した方式として,高度衛星デジタル放送伝送方式がARIB STD-B44として国内標準規格となっている.本方式では,誤り訂正符号としてLDPC符号を採用するとともに,ロールオフ率0.1の採用により現行BSデジタル放送方式と同じサービス時間率を確保しつつ,伝送容量が約30%増加した.本方式には,「今後の周辺技術の進展により利用可能となる方式」として,さらなる大容量伝送が可能な振幅位相変調方式も採用されている.本方式ではπ/2シフトBPSK,QPSK,8PSKに加え,16APSK,32APSKの5種類の変調方式が選択可能である.本方式で用いるLDPC符号の検査行列は符号長44880ビットのLDGMタイプであり,11種類の符号化率が利用可能である.本報告では,まず初めに,高度衛星デジタル放送伝送方式に適用する誤り訂正符号の要求条件を述べる.次に,高度衛星デジタル放送伝送方式の構成について述べ,LDPC符号を設計する上で必要な伝送フレーム構成を示す.続いて,高度衛星デジタル放送伝送方式用LDPC符号に用いる検査行列の設計指針として,サイクル4,6の除去方法について述べ,11種類の符号化率に対する検査行列パラメータを明らかにする.また,計算機シミュレーションによるBPSK,QPSK,8PSK変調を用いた場合の白色雑音下での伝送特性結果を示す.次に,16APSK,32APSKについて,LDPC符号を用いた場合に白色雑音一定の元で最小BERを満たす最適半径比の設計指針を示し,最適半径比を16APSK,32APSKに適用した場合の伝送特性結果を示す.
著者
北村 匡彦 白井 大介 藤井 竜也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.279, pp.31-36, 2008-10-30

本稿は,LDPC符号の一種であるLDGM符号の復号並列化を検討する.LDGM符号は,符号長および符号化率を自由に設定でき,符号・復号がシンプルに構成可能なブロック符号である.特にマルチキャストをはじめとするUDP/IPを想定した場合には,下層の機能により誤り検出が完了しているため,LDGM符号では誤り訂正のみを行えばよい.このため,高速かつ効率的にFEC処理が可能である.LDGMの復号処理は超多元1次の検査方程式を解く過程に相当し,その解く順序を決定することが求めれる.本稿では,まずはじめに処理コストの軽い検査方程式順序の走査を行い,その後で処理コストの重い誤り訂正処理を実行する2パス処理手法を提案する.これにより,受信ホストでは単位ブロックのパケットを受信した瞬時に,つまり,誤り訂正処理を行う前に,消失したパケットの回復の可/不可を判別することができる.また,同時に,検査方程式の集合全体の依存関係を知ることができるため,並列処理が可能になる.
著者
古村 隆明 岡部 寿男 中村 素典
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SITE, 技術と社会・倫理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.437, pp.153-158, 2010-02-22

eduroamは,802.11b/g等の無線LANで,802.1x認証を利用した国際無線LANローミング基盤で,国内外の数多くの教育研究機関で導入が進んでいる.ローミング時に訪問先機関や国や地域に設置されている複数のradiusサーバにアカウント名を含む認証情報が記録されることで,ロケーションプライバシが侵害される危険性がある.そこで我々は,SAML連携を用いて発行した仮名アカウントでeduroamを利用する手法を提案する.この手法では,平常時は,個人の特定だけでなく利用者の所属組織の特定もできなくなる.また,インシデント発生時などには,radiusサーバとSAML連携組織の情報を合わせることで個人を特定することが可能である.
著者
黒澤 秀太 金岡 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.502, pp.197-202, 2014-03-27

パスワード設定時にパスワードメータを配置することで設定されるパスワードが強化されることが知られている。UrらはUSENIX Security'12においてさまざまなパスワードメータを用意しそれらの違いによるパスワード強度を評価した。本稿ではパスワードメータの改良として、ユーザの属性に応じたメータ表示を行い、属性に応じたインセンティブをメータ表示で与えることにより設定されるパスワードを強くする効果が期待できる手法を提案し、ユーザ実験によりその効果を評価した。
著者
田部井 靖生 津田 宏治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.87, pp.103-110, 2011-06-13

近年,データの大規模化に伴いバイナリコードを用いた類似度検索はますます重要度を増している.従来の空間分割に基づく手法(e.g., cover tree)とは異なり,数値ベクトルはハッシュテーブルにより効率的に扱うことができる離散シンボルへと変換され処理される.しかし,ハッシュテーブルに基づく手法はベクトル空間の幾何的性質を扱うことが困難であり既存の手法は必ずしも効率的とは言えない.そこで,本稿ではウェーブレット木(Grossi et al., SODA'03)によるバイナリコードの効率的な検索手法を提案する.提案手法は幾何的制約により探索空間を効率よく枝刈りすることができ,ハッシュテーブルを使った手法よりも効率的である.実験により,提案手法は約8000万の大規模画像データに対しても適応可能であることを示す.
著者
小林 祐喜 島崎 秀昭 荻久保 佳伸 溝口 健二 相原 威 塚田 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.686, pp.31-36, 2000-03-15
被引用文献数
1 1

近年、軸索を逆伝搬する発火活動が報告されており、海馬における学習則を考える場合、入力同士の同時性以外に入力と軸索を逆伝搬する発火活動(出力逆伝搬)の同時性も考慮する必要がある。そこで本研究は、電気刺激をCA1野へのびるshaffer側枝と出力層であるstratum oriensに刺入し、その入力と出力逆伝搬の位相をτ=0ms, ±5ms, ±10ms, ±20ms, ±25mS, ±50ms, ±100ms, ±500ms, 1000msと変化させたときのLTP(長期増強), LTD(長期抑圧)の空間分布を光計測法を用いて計測した。結果としてLTP, LTDは位相差に依存して空間的に異なった分布として引き起こされることが明らかとなった。
著者
小川 勝 松沢 晋一郎 佐藤 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.203, pp.17-20, 2013-09-05

ADAS (先進運転支援システム)とは,ドライバの認知/判断/操作を繰り返し支援してドライバを危険な状況に近づけないためのシステムである.そのシステムのいくつかには77GHz,24GHz帯のミリ波,準ミリ波レーダ(以下,ミリ波レーダ)が主要なセンサとして利用されており,ADASのさらなる高機能化にはミリ波レーダの性能向上が重要と考えている.ミリ波レーダの課題の1つとして方位分解能の向上に着目し,その実現方法の提案と動作確認を行った結果について報告する.
著者
松田 優樹 包 躍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.291, pp.7-12, 2012-11-08

近年,ディスプレイの高解像度化などにより,画像を高精細化する研究が盛んに行われており,特にフラクタルを用いた手法が研究されている.従来技術としてのフラクタル超解像処理は,補間式による拡大画像を復号初期画像として扱い,フラクタル復号を行うことで処理時間を短縮する方法や,画像を回転することで近似に用いるドメインブロックの数を増やし,さらにドメインブロックの検索を注目するレンジブロックの周辺に絞ることで処理時間を向上する方法がある.しかしこれらはエッジの連続性は保つことができるが,本来緩やかであるべき濃淡の変化が拡大画像で再現できない場合がある.そこで本稿では,画像をドメインブロックよりやや大きい細かい領域に分割し,領域ごとに異なる拡大処理を行う手法を提案する.領域にエッジが多く含まれていれば輝度分散によるフラクタル超解像処理を行い,濃淡が緩やかに変化する領域は補間式による拡大を行うことで,両者の利点を活かした拡大ができる事を確認した.