著者
森本 康彦 植野 真臣 柴田 晋吾 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.581, pp.25-30, 2006-01-21
被引用文献数
1

現在e-Learningシステムの主流となっているWBTの学習コンテンツについて記述する標準規格としてSCORMがある. しかしSCORMは, 教師が通常の授業で行っているような, 学習者の状況に応じて学習者同士で議論させたり, 個別の質問に応じたりという, 本来授業に必須となる学習者のインタラクションによる学習状態遷移を記述することができない. そこで, 本論文では, e-Learning上で, 学習者のインタラクションを中心とした授業を実現させることを目的とし, 現在のSCORMに学習者のインタラクションによる学習状態遷移と各状態でのコントロールを記述する枠組みを追加した(SCORM-LST). さらに, SCORM-LSTに基づくLMSについて提案した. このLMSは, 学習者のインタラクションと教師のコントロールを容易に実現でき, クラスルーム的な授業の展開を可能にする. さらにLMSの標準化とそれを使った教育支援システムの発展が期待できる.
著者
高橋 正行 森本 康彦 植野 真臣 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.47, pp.19-24, 2005-05-07
被引用文献数
1

本研究では, e-Learningを用いて複数の学習者が一斉に同期的に授業を受けながらも個に応じることのできる授業を実現させることを目的とする.本研究が目指す授業の実現には, 授業中の学習者のさまざまな状態に応じて教師が適切な行動をとる必要がある.しかし学習者の行動と状況に対応した適切な教師の行動のバリエーションは多く存在しており, このことがe-Learningシステムの開発を困難にしている.そこで, 本論文では, 学習者の行動と状態を基にした学習状態遷移図と, それを形式的に記述する手法を提案する.本手法で記述した遷移図は, 学習者の行動, 状態, 教師(システム)の動作が明示的に記述できるため, e-Learningシステムの設計・開発の遂行を容易にすると考えられる.
著者
笠井 裕之 山崎 憲一 倉掛 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.523, pp.19-24, 2004-12-09

本橋では,コンテキストアウェアサービス等のプッシュ型情報通知システム構築を目的として,情報通知による"情報認知度"と"タスク負荷度"を考慮した"情報通知ユーザモデル"を提案する.特に,ベイジアンネットワークによる巨視モデルを提案するとともに,通知情報量とタスク情報処理量を考慮した効用関数に基づく通知制御方式を提案する.モデル構築にあたっては,モバイル環境下での携帯端末への情報通知サービスを想定し,評価アプリケーションを用いてデータ収集を行うことで,初期モデル構築する.最後に,構築モデルを用いて確率推論から得られる"情報認知度"と"タスク負荷度"の変動結果を示す.
著者
前山 利幸 高崎 和之 唐沢 好男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.416, pp.53-58, 2006-12-07
被引用文献数
5

伝送線路として利用する人体の周波数特性を解析した。解析の結果、40MHz以下の周波数帯域を利用することで空間より20dBほど少ない損失で伝送できること、またその伝送帯域は複雑な周波数特性を持つことがわかった。筆者らは、周波数特性の変動に耐性の高い変調方式を用いて、40MHz以下の周波数帯域に信号を配置する方法で、高速で安定的な人体通信方式を提案する。提案方式の実験系を構築し、伝送帯域幅6MHzのOFDM信号で伝送実験を行い、およそ17Mbpsの伝送が実現できることを示す。
著者
宮川 聡 荒川 淳平 蛭田 雄一 矢野 健二 山下 晃弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.409, pp.25-29, 2005-11-10

近年携帯電話の普及に伴い, 外出中に携帯電話等の携帯端末からインターネットを介して家電製品を操作するような時代になった.しかし, 家電製品をインターネット上に公開すると, なりすまし, 盗聴, 改竄といった被害に遭う可能性がある.このような被害に対する有効な手段の一つとして, 情報の暗号化がある.そこで現在, 安全な暗号通信を提供する遠隔操作のプロトコルとして広く使用され, 且つ安全性が保証されているSSHを携帯電話上に実装することで, 家電製品を安全に操作するシステムを提案する.
著者
秦野 智也 笠原 康信 吉原 慎一 片岡 陽一 前田 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.380, pp.7-11, 2004-10-21
被引用文献数
2

ノード間に複数の物理的なリンクが張られた状況において,それらを仮想的な1本のリンクとして扱う技術としてリンクアグリゲーションがIEEE 802.3adで標準化されている. IEEE 802.3adではフレームの順序が変動しないようにするために,各コネクションは1つのリンクを選択して伝送することを規定している.しかし,各コネクションが使用するリンクを複数のリンクから選択する方法が詳細には規定されていない.本稿では,複数のリンクの帯域利用効率を向上させるために,コネクションが使用するリンクをトラフィック状態に応じて動的に振り分ける方式を提案する.コネクションのリンク変更による対象コネクションのスループットの減少を防ぐため,提案方式は,リンク変更回数を少なくすること,コネクション間のリンク変更回数を均等にすることを特徴とする.また提案方式の帯域利用効率およびリンク変更回数について,シミュレーションにより評価する.
著者
久保田 千太郎 松坂 要佐 小林 哲則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.708, pp.49-56, 2000-03-17
被引用文献数
2

ロバストかつ高精度・高速な顔画像処理システムを実現し, これを対話ロボットに組み込んでグループ会話を実現した.グループ会話とは, 複数の話者を同時に相手にする対話形態である.グループ会話に円滑に参与するためには, 発話者が誰であるか, および発話が誰に向けられているか等の, 対話の状況を把握する必要がある.この目的には, 顔向きや個人の認識を行なう画像処理が重要な役割を演じる.この際, 画像処理システムには, 環境変化にロバストであることや, 高精度でかつ実時間処理に適していることが必要とされる.本研究では, 前者には顔領域を抽出する手掛かりとなる肌色尤度モデルを逐次更新することで, また後者にはパターン認識に適した高精度情報圧縮を実現する独立成分分析を適用することで達成した.この画像処理システムにより, グループ会話に必要な状況把握が可能となり, 自然なグループ会話の実現に貢献することを確認した.
著者
星野 大輔 難波 一輝 北神 正人 伊藤 秀男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.541, pp.29-34, 2007-02-16

近年,家電や機能の多様化が進み,1家電でサービスを成すスタンドアローン型ではユーザに対する操作の負担が大きくなる.そのような観点から,家電連携動作による操作支援によって負担を削減させる研究が進められてきた.しかし,従来の研究では対象とする家電やその機能,および連携動作についての定義が十分ではない.本稿ではこの問題を解決した家電間の親和性・競合性に基づいた連携動作支援手法を提案している.提案法ではユーザ視点での家電連携動作を実現するために,家電を映像,音響,環境(照明,空調)機器に分類し,1家電の機能レベル毎に他の家電との親和・競合関係を考えて,家電連携動作を行う.シミュレーション実験をした結果,具体的なシナリオ例を当てはめて特定のアクションが発生した場合,オントロジーで構築した親和・競合関係に基づく家電連携動作が行えることを確認している.最後に,評価としてステップ数と拡張性と独立性の項目から従来手法と比較を行い,本研究の有効性を示している.
著者
衛藤 和宏 三好 匠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.418, pp.55-60, 2006-12-07

近年,Webは従来のテキスト型から双方向性を重視したマルチメディアコンテンツへとシフトを始めている.また,教育機関においても,映像や音声を用いたeラーニングが普及している.しかし,映像や音声についての翻訳作業は困難とされ,言語の壁を越えたマルチメディアコンテンツの国際的利用は進んでいない.筆者らは,他言語で作成された映像や音声に対し,機械翻訳を用いて自動的に字幕を付加し,ユーザによる再翻訳及び修正を支援するシステムを構築した.本システムは,ユーザが翻訳の更新や評価を行うことを促進するためのコミュニケーションツールを搭載している.
著者
磯野 春雄 倉田 晃二 高橋 茂寿 山田 千彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.324, pp.25-30, 2003-09-18

本論文では色覚の加齢効果を明らかにするために60-75歳の高齢者を対象に視覚の色度空間周波数特性および時間周波数特性を測定し若年者と比較した。本実験では色覚の反対色メカニズムに対応させて、明るさが一定で色度のみが正弦波状に変化する赤-緑(主波長 : 495nmC-495nm)および黄-青(主波長 : 565nm-445nm)の色刺激パターンを用いて色度コントラスト感度を測定した。実験結果から高齢者の色度コントラスト感度は、空間および時間周波数に対して全周波数にわたって低下し、赤-緑の色刺激に比べて特に黄-青の色刺激パターンでの低下が著しいことがわかった。
著者
豊田 真智子 山口 実靖 小口 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.172, pp.239-244, 2005-07-07

ストレージ管理コストを低下させるためにSANが登場し, その実績は高い評価を得ている.近年ではブロードバンドネットワーク技術の発展により, 既存のネットワークインフラを利用して構築可能なIP-SANが次世代SANとして注目を集めている.その代表的技術であるiSCSIプロトコルを用いることで, 専用回線を用いることなく, TCP/IPネットワーク上で遠隔ストレージへのアクセスが可能となるため, iSCSIへの期待は大きい.しかし一方で, 登場してから間もない新しい技術であるため, 性能に関する課題を残している.本稿では, iSCSIが利用される想定として複数のサーバからストレージにアクセスする環境を取り上げる.また, より詳細な評価を行うために送信バッファサイズを変更し, 各環境において, 最大4台のサーバからiSCSIを用いたストレージアクセスを行い, TCPパラメータである輻輳ウィンドウとスループットの測定を行う.さらに, 実験結果から複数サーバがストレージにアクセスを行った場合に確認される影響についての考察を行う.
著者
大澤 哲也 福田 直樹 飯島 正 山口 高平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.588, pp.49-54, 2005-01-18

近年のWebの情報過多により、エンドユーザがタスクに対して適切なWebアプリケーションを見つけるのが困難となってきている。また、ユーザのタスクは提供されているWebアプリケーションよりも粒度が大きいものが多く、ユーザは提供されているWebアプリケーションに応じてタスクを分解し、複数のWebアプリケーションを実行しなければならない。本研究では、Semantic Web Serviceの観点から、エンドユーザのタスクに応じて、既存のWebアプリケーションを自動連携させ、タスクを自動処理する環境を構築することで、ユーザの手間を軽減することを目的とする。その際に、同様のサービスを提供するWebアプリケーションの中からユーザに適したWebアプリケーションを選択するために、評価関数を用いて連携の質を評価してユーザに提示するシステムを構築した。本システムと評価関数の有効性を見るために、2つのケーススタディを用いて動作実験を行った。
著者
金田 健 鈴木 和幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.454, pp.35-38, 2002-11-08

近年、ユーザの誤使用・不注意など、ヒューマンエラーに起因する製品事故が大きな割合を占めてきている。このような不特定多数のユーザを対象とした市場型製品への事故の未然防止法に関しては種々の手法が提案されている。本研究では、これらの方法のさらなる改善を目指し、Web上のFAQを利用したヒューマンエラー事前抽出方法を検討する。
著者
石井 敏章 常盤 大樹 内田 尚和 高木 朗 小西 達裕 八名 和夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.509, pp.19-24, 2002-12-06

学生対象のネットワーク実験において,教育効果を高めるためには学生の質問にきめ細かく対応するティーチングスタッフの存在が重要となる.計算機プログラミングや回路設計など定型的な技術の習得を目指す学習においては学習に困難をきたす箇所がほぼ決まっており定型的な質問が数多くなされることとなる.本稿では,TCP/IPネットワーキングにおける基礎事項からRIPルーティングプロトコルまでを学習する学生実験を例にとり,自然言語でなされる質問に対して,その意味を解釈し定型的な質問に対して自動的に自然言語で対応するシステムを提案する.提案システムの実現により,教師は高度な質問の対応に集中することが可能となり教育効果を高めることが期待される.
著者
宮本 勝 中谷 挽子 渡辺 昌洋 米村 俊一 小川 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.169, pp.7-12, 2004-07-02
被引用文献数
1

検索要求の表現と検索対象の表現が乖離している場合,適切に情報を絞り込むことが難しい.そこで,本稿では,情報を絞り込まず,長い検索結果リストを,大雑把に飛ばし読みしつつも,必要な情報を見逃さないような検索結果の表示方法を提案する.FAQを事例として評価した結果,飛ばし読みの方略をとり,本方式を高く評価する層,しない層,飛ばし読みができず,並び順を弁別できない層に被験者を層別できた.また,本方式を高く評価する層は,検索要求の表現と検索対象の表現が乖離している場合に,アルファベット順の表示方式では必要な情報を見逃す確率が高いが,本方式では大雑把に飛ばし読みをしつつも,必要な情報を見逃す確率が低いことが分かった.