著者
久富 健介 加納 正規 池谷 健佑 片山 美和 三科 智之 相澤 清晴
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 38.51 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.17-20, 2014-12-05 (Released:2017-09-22)

本稿は,1台の赤外線プロジェクタと2台の赤外線カラーカメラで構成されたカメラアレーを用いて,被写体の奥行きを推定する手法を提案する.プロジェクタは赤外線のドットパターンを照射し,赤外線カラーカメラは,パターンが投影された赤外線画像とパターンのないカラー画像を同時に撮影する.奥行きは,赤外線ステレオ画像から生成したCost volumeに対して,Cross-based Local Multipoint Filter (CLMF)によるCost volume filteringで処理した上で推定する.この際,カラー画像はCost volume filtering処理のガイド画像として用いる.また,視差値を選択する際に,水平ライン毎のグラフカット処理を導入することにより,ベースラインの長いステレオ画像からの奥行き推定を安定化した.実空間で撮影した画像から奥行きを推定する実験を行い,提案手法の有効性を示す.
著者
西口 椋 菅野 太介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.11 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.287-290, 2016-03-02 (Released:2017-09-22)

近年は映像コンテンツの市場が拡大し、誰でも容易に映像コンテンツの制作と公開を行うことができる。そのなかでシナリオ制作の需要と機会は増しているといえ、シナリオ制作の段階のひとつである台詞執筆の需要と機会も増加しているといえる。だが、既存の台詞執筆補助手法は感覚と経験による技術しか提案されてない。そこで本研究では台詞がもつ傾向やその基本的な構造を明らかにしてデータとして台詞執筆者に提示する補助手法を提案した。その結果実験では必ず台詞の候補を増やせるという結果が出たため、本研究は台詞執筆の際の感覚と経験に頼る現状を変えることに寄与できたものと考える。
著者
岩内 謙一 伊藤 寛 山中 篤 フォルカーツ ヴィープ
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.58, pp.25-28, 2002-09-18
被引用文献数
2

色再現範囲の広い液晶ディスプレイを実現するためRGB-LEDを用いたバックライトシステムの開発を行った.RGB-LEDに特有の課題である発光効率の変化による輝度変化や色の変化を制御するフィードバック制御技術の開発を行った.複数のセンサーを用いることによるばらつきを最小限に抑えるため,1つのセンサーによるRGB-LEDのフィードバック制御を検討し,有効性を確認した.またこれを用いたLCDディスプレイの色再現範囲はNTSC比でほぼ100%と広い色再現範囲を有することを確認した.
著者
澤口 文夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.53, pp.25-30, 1997-09-25
被引用文献数
1

We introduce speech synthesizer for weather forecast program which has been used since april 1997.Four PC cards are used in this system, about 1500 syllables of wether information are prerecorded. The small computer controls these PC cards to transmit weather forecast announcement automatically. Though several syllables are switched and connected together, on air sound is very natural. We use this system on early morning and midnight programs. We believe this system to be useful for blind persons.
著者
犬塚 達基
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.119-123, 2011-01-21
参考文献数
6

液晶ディスプレイの画質向上策の一つとして,3原色RGB(赤緑青)に新たな色Xを追加するRGBXパネルが注目されている.ここでXをW(白)とするRGBWパネルは透過率の大幅な向上が期待できる.一方,Wのサブピクセルを追加することによる解像度低下,あるいは色再現性低下などの画質劣化が懸念される.今回,RGBWパネルを対象にして上記課題の解決を目的とする信号処理方式の開発を行った.提案方式は,パタンマッチング法を利用した画素配置変換と,環境の明るさに基づく色変換方式を組み合わせている.これらの信号処理方式を組み込んだRGBWパネル表示装置の試作を行い,従来のRGB3色パネルに比べて1.5倍以上の輝度向上を確認した.
著者
沖 和史 松尾 嘉洋 木村 圭 小柳 裕彦 末次 正
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.53, pp.57-62, 2000-09-22

スイッチトキヤパシタ変成器を用いたチップ集積型DC-DCコンバータ回路の動作特性を、スイッチング周波数、MOSFETのチャネル幅、ゲート電圧について行った。HSPICEを使ってシミュレーションを行った結果、負荷抵抗1〜10kΩにおいて、最大出力電力606μW、最大効92.43%の動作特性を持つことがわかった。
著者
奥屋 武志 奥屋 大樹 藪野 健 坂井 滋和
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.14, pp.145-146, 2015-03-07

人物を被写体とする画像において人物のみを半透明表示しようとしたとき,人物に覆われた背景部分の処理が問題となる.本研究では,人物の背後にあたる背景部分を周辺部分の画像情報を元に生成し,光沢を付加する方法によって,半透明化した人物の画像を違和感なく表現する手法を開発した.
著者
前田 寿之 石川 理 羽生 康浩
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.33, pp.1-5, 2001-05-24

提供CGを作成するには、多数の提供ロゴ(企業ロゴ)を管理し、そのロゴを提供社数に合わせて組み合わせをする作業があるため、多くの人手を要する。少ない人数で効率的に運用するため、EDPSで複数の提供ロゴとテンプレートを指定することにより、提供CGを自動で作成できるシステムを構築した。最近は動きのついたロゴも多く存在するので、提供CGはHDで3Dのアニメーション動画も可能にした。自動で作られた提供CGはマスターのAPC制御によって送出されるので、ほとんど人の操作を介さずにすむ。
著者
秋吉 信雄 秋吉 仰三
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.21, pp.25-28, 2003-03-18

CPFとはCritical Point Filterと呼ばれる多重解像度フィルター(日米特許取得済み)の略で、与えられた2枚の静止画画像間の対応を画像構成の最小単位であるピクセル単位に全自動的に求め、対応関係を符号関数化する技術を提供する。この一連のプロセスは統べて自動化されており、一般ユーザーでもデジタルカメラを使用して低コスト(費用、時間、技術)にて容易にデジタル・コンテンツを作成する事が可能になった。さらに、対応点の事前指定、対応後の修正などを簡単に行う編集・加工ソフトウェアも用意されており、プロダクションはもちろん、一般ユーザーにとっても便利な機能が整備されている。また関数符号化されたマッチング結果を利用して、各種ユーザー・インタラクティビティー機能が既に関連ソフトウェアに実装されており、CPF画像フォーマットを用いたスローモーション再生、早送り再生、一時停止、コマ落し、逆方向再生などの再生速度に関する各種オプション機能、並びに本技術を利用して作成した擬似3次元映像に対する自由視点機能提供などECビジネスに最適なECコンテンツ制作ツール並びにビューイングソフトなどの各機能が提供されつつある。また、使用電子機器処理能力、利用回線速度環境に合わせた画質、解像度、再生画像枚数/秒の最適化等が容易に実現できる等、従来技術には無い柔軟なソルーションをもユーザーに提供可能となっている。商用的には、FF(Frame Free^<TM>)応用技術として、各種アプリケーション・ソフトが今後市場に提供されて行く。なお、現在急速に普及拡大しつつあるBBネットワーク・ビジネスの最重要課題であるデジタル・コンテンツの、作成・供給を容易にするFFオーサリング・ツールの提供、インターネット・ブラウザーヘのFFソフト・プラグ・イン開発、FFネットワーク・ストリーミング事業など、各種ビジネスモデル、アプリケーション・ソフト開発が現在進行中であり、本年中に順次サービス提供される予定となっている。
著者
渡辺 将史 長島 史弥 作田 泰隆 後藤 富朗 平野 智 桜井 優
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.15, pp.1-4, 2013-03-07

従来の超解像技術の中でもTotal Variation (TV)正則化手法は,エッジを保持しつつ劣化を防ぐ,最も効果的な手法である.しかし,計算コストが大きいことが問題とされている.本論文ではショックフィルタを組み合わせることによって同等以上の画質を維持しつつ,処理時間の削減を試みる.
著者
片田 直行 青木 清隆 三島 由里栄 新見 啄司 田村 寿
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.15, pp.43-48, 1997-02-27
被引用文献数
1

The Virtual Studio System is a joint development project by NHK and Matsushita Electric Indsustrial Co., Ltd. It is installed in Studio CT-415,which is an NHK studio for normal program production. The system produces 3D-CG images which are synchronized with the movements of three television cameras (panning, tilting, zooming and focusing), and composites CG images with studio blue screen images of the performer by using Chromakey with 3D-depth. From September 1996,NHK Production Operations Center has started wide use of this system to produce programs. This paper explains this system and its use in program production.
著者
関根 雅人 小川 克彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.51, pp.13-16, 2011-12-02

モーショングラフィックス映像の印象評価実験を通じて得られた「複雑さ」「激しさ」「飽きなさ」「心地よさ」についての印象得点と、フレーム間差分量の時系列的変動特性(スペクトル構成)との相関性の分析を行った.その結果、2sec以上の長い変動に240-700msecの変動が混ざっている場合に、「複雑さ」「飽きなさ」の印象が高くなる傾向があり、「飽きなさ」は240-700msecの変動の影響がより大きいことが示唆された.「激しさ」の印象は、700msec〜1.7sec周期の変動と、スペクトルの総エネルギー量の影響が大きいことが示唆された.
著者
土居 清之 宮内 聡
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.33, pp.21-24, 2008-07-31
被引用文献数
1

番組制作のHD化が促進され,中継番組におけるFPU伝送のデジタル化も進んでいる.これまでのアナログ伝送の場合は,映像をそのままモニタで確認できたが,デジタル伝送では圧縮された信号を伝送するため,マイクロ中継ポイントで映像をモニタするには高価なデコーダを数多く必要とする等の問題があった.今回,複数のプログラムが多重されたTS信号をIP信号に変換する装置「多重TS-IP変換装置」を開発し,民生品の安価なIPTV用STB(セットトップボックス)を接続して映像をデコードすることで,マイクロ中継ポイントにおいても,安価に映像をモニタする事が可能となり,アナログ伝送同様の運用ができるようになった.
著者
鈴木 正也 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.10, pp.1-4, 2010-02-27

実生活空間において人間と共存するロボットには,歩行者が存在する動的な環境を認識し,衝突することなく自律移動をする能力が求められる.本論文では,このような動的環境において安全に移動可能なロボットを提案する.ロボットはレーザレンジファインダにより周囲の距離情報を取得し,あらかじめ用意した環境地図と比較することで自己位置推定および歩行者検出を行う.次に,カルマンフィルタにより次時刻における歩行者位置を予測する.また,斥力場の算出に歩行者速度を考慮したポテンシャル場法を用い,ロボットの移動経路を決定する.これにより,ロボットは歩行者の移動方向を認識し,早期に経路変更を行うことが可能となる.実験の結果,提案ロボットが歩行者と衝突することなく目的地まで移動できることを確認した.
著者
田端 美海 矢田 愛久子 檜山 茂雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.14, pp.59-60, 2009-03-11
参考文献数
10

従来の時代劇と呼ばれる映画やテレビ番組を見て、果たして歴史を好きになる人はどれだけいるのだろうか。もっと軽い気持ちで観られる時代劇があっても、良いのではないだろうか。『大坂夏の陣〜日本一赤い夏〜』は、今までにない方法で時代劇を楽しんで貰いたいと考え、制作した作品である。クレイアニメーションによる合戦シーンと、実写のシーンのトーンに、差異が出ないよう配慮した。
著者
中山 弘敬 伊藤 智義
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.43, pp.53-56, 2010-10-15

同一空間内に複数の投影パターンを記録させるアルゴリズムを開発したので,報告する.2値化された投影パターンの場合,記録可能な組み合わせは限定されるが,本手法では投影パターンに階調を持たせることでこの問題を回避している.本手法は,クリスタル内部にレーザーで加工する3次元クリスタルアートへの応用が可能であり,さらに記録媒体の工夫次第ではカラー化も可能である.
著者
鈴木 将平 山本 和彦 加藤 邦人
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.34, pp.63-66, 2009-08-27

携帯電話のカメラ機能としてテキストリーダーがある。しかし、対象にカメラを合わせようとすると、自分からはカメラのついている位置を正確に把握することは難しく、対象にカメラを合わせにくいという問題がある。そこでユーザーが指先に小型カメラをつける「ネイルカメラシステム」を提案する。また、文字認識機能をこのシステムで実現する際の問題を解決するための特徴選択の考察を行い、特徴抽出として有効であるベクトル表現型四方向面特徴抽出法について述べる。
著者
朝倉 慎悟 村山 研一 蔀 拓也 斉藤 知弘 渋谷 一彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.39, pp.9-12, 2013-09-06

NHKでは,スーパーハイビジョンなどの大容量コンテンツのサービスを次世代の地上放送で実現するために,大容量無線伝送技術の研究を進めている.これまでに,偏波MIMO伝送の誤り訂正にLDPCブロック符号を適用するとともに,伝送システムの所要C/Nを低減する復号方法を検討・報告してきた.1024QAM, 4096QAMといった超多値QAMでの伝送において信号を安定して受信する為には,誤り訂正符号の高性能化を行い,伝送システムにおける所要C/Nの更なる低減が求められる.そこで,LDPCブロック符号の誤り訂正能力を凌駕することが知られている空間結合LDPC符号の検査行列を新たに試作し,偏波MIMO-超多値OFDM伝送への適用を計算機シミュレーションによって検討したので報告する.
著者
中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.39, pp.33-36, 2014-09-25

本報告では、主に中嶋が所属するウプサラ大学におけるゲーム関係の教育と、スウェーデンで盛んになっているゲーム産業の一端を紹介する。ウプサラ大学のゲームデザイン学科は、スウェーデンを代表するゲーム教育に特化した大学であり、世界におけるゲーム産業への人材育成に貢献している。学科の紹介や、毎年行われる、GGC (Gotland Game Conference)と名づける、本大学独自での独自のイベント、また中嶋の所属するCML (Convergent media Laboratory)では、エンジニアリング教育と研究について紹介する。また最近大きな産業となっているスウェーデンにおけるゲーム産業の現状について紹介する。
著者
石丸 健二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.47, pp.39-41, 2009-11-06

海外の3DCG市場の近年の動向を弊社オリジナル企画海外営業の実績を交えて報告します