著者
岡田 裕也 大図 正孝 櫻井 輝子 稲葉 光治 赤松 茂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.105, no.608, pp.139-144, 2006-02-13
参考文献数
11
被引用文献数
3

本論文では,顔の3次元モデルに対して意図した印象の変化を生成させる試みについて述べる.顔の3次元形状とテクスチャは,レンジファインダで取得した距離画像から自動的に取得される多次元ベクトルによって表され,顔の多様性は主成分分析を適用することによって少数のパラメータで表現することができる.印象変換ベクトルを得るために,パラメータと与えられた印象に沿った顔の属性の間の関係を解析する.ここで,我々は,印象変換のために3次元顔画像を操作する方法として,この印象変換ベクトルを使用する方法を提案する.性差の印象に関する実験結果より,2次元顔画像情報のみを使用した以前のアプローチに比べ,顔の3次元情報の操作を行うことの優位性を確認した.
著者
阿久津 由香 飯塚 由美 篠崎 智子 佐々木 和也 清水 裕子
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.59, pp.7-12, 2000-10-19

近年の情報通信技術の発展はめざましく, 学校教育においても, 子どもたちにさまざまな情報の中から有効なものを見つけだしたり, 自ら情報を発信したりする能力を身につけさせることが重要な課題となっている.また, 教員がマルチメディアの特性を生かした授業を試みることも, 教育効果が高まることとして期待されている.本研究では, 栃木県下の小・中学校の情報教育に着目し, 教育の現状, 問題点, 教職員の意識等の調査を行い, 情報教育の基礎資料とした.また, 限られた時間だけでなく, あらゆる教科においても情報教育は展開される必要があると考え, 本研究室でマルチメディアコンテンツを用いた家庭科教材ソフトを作成し, 小・中学校の家庭科の授業に用い, 効果的な利用法を探っている.
著者
橋本 靖昭 根来 雅晴
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.15, pp.25-29, 1997-02-27
被引用文献数
1

We broadcasted "'97 FIS World Cup CrossCoutry and NordicCombind", as the teat-event of '98 NAGANO, with NTSC/HDTV simultaneous production system, It is the first time in Japan that the CrossCoutry competition was broadcasted in such a large scale. In this paper, we report this broadcasting system with new camera system developed for the '98 Olympic Games in NAGANO.
著者
橋本 将人 井ノ上 寛人 佐藤 美恵 郭 素梅 小黒 久史
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.13-16, 2012
参考文献数
4

カメラワークは映像作品のクオリティに大きく関与する要素の一つである.CG空間上にカメラワークを設定することで映像を作成する場合,映像の作成者にはカメラワークに関する専門家の持つ感性が必要とされる.このような背景から,適切なカメラワークを自動制御する技術に関する研究が進められている.本研究ではCGによる映像の作成に関して,観賞条件に適合したカメラワークを自動的に決定する手段を感性評価に基づき検討してきた.本稿では,感性評価の要因を解明する一つの指標として,観賞時の視線の推移に注目し,視線計測実験を実施した.その結果から,カメラワークが観賞者に与える印象と視線の動きの関係性を探った.
著者
濱岸 五郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.72, pp.53-58, 2000-11-17

メガネなし立体表示技術として古くから有名な技術はパララックスバリア方式とレンチキュラーレンズ方式である。このうちパララックスバリア方式は光を遮断し画面が暗くなる欠点があり、最近まではあまり注目されなかった技術である。しかしながら、筆者らは、ディスプレイに液晶パネルを使用する場合、パララックスバリア方式のシンプルな構造と液晶パネルに対し精度を上げやすい等の利点に注目し、かねてから本方式を採用しその改良を進めてきた。本稿では、これまで開発を行ったメガネなし3Dディスプレイの原理および応用展開について説明する。
著者
岩浪 哲馬 後藤 富朗 平野 智 桜井 優
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.5-8, 2012-02-09

画像のコントラスト補正は,過度な強調により画質が劣化する,あるいは局所的なコントラストが未改善となるといった問題があり,画像の適応的なコントラスト改善は難しい.また,適応的なコントラスト補正を行った場合には,処理時間が増大する問題がある.そこで本稿では,画像をサブブロックに分割し処理を行う適応的なコントラスト補正法を提案する.提案手法は,ブロック分割による処理時間の削減およびDRSHEを局所領域に応用することで局所的なコントラストの向上を実現でき,Retinex手法と同程度のコントラスト強調度を保ちつつ大幅な処理時間の削減に成功した.
著者
温 文 石川 徹 佐藤 隆夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.25, pp.79-82, 2010-06-29

本研究は、大規模空間から空間知識を獲得する際の言語・視覚・空間ワーキングメモリが果たす役割を検討し、方向感覚の個人差が空間知識獲得のプロセスに与える影響を調べた。実験参加者にはビデオでルートを学習してもらい、学習の際に言語、視覚、或いは空間的な妨害を与え、各妨害条件で空間知識の学習成績がいかに低下するかを調べた。方向感覚のよい人は、ランドマークとルートの知識を、言語および空間ワーキングメモリを用いて符号化し、それらの知識をサーベイ知識に統合する際に、言語・視覚・空間ワーキングメモリのすべてを利用していることがわかった。一方、方向感覚のよくない人は、ランドマーク知識を言語的に符号化し、またルート知識を学習する際に特に視覚ワーキングメモリに頼る傾向が見られた。その結果、方向感覚のよくない人は、限られた学習ではサーベイ知識を効率的に獲得できないと考えられる。
著者
鈴木 直哉 小黒 久史 郭 素梅 佐藤 美恵 阿山 みよし 春日 正男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.35, pp.19-20, 2008-08-21
被引用文献数
1

両眼の視差情報は距離を知覚する上で,重要な役割を担っている.本研究では,映像の表示サイズと視差情報の調整によって知覚されるスクリーン距離の組み合わせが感性評価に及ぼす影響について調査することを目的する.偏光立体視の手法を利用し,表示サイズと知覚される距離との組み合わせを変化させた場合の,映像の印象を測定する評価実験を行い,その結果より各評価語が示す印象の鑑賞環境依存性やその相互関係を検討する.
著者
藤川 達也 縄手 雅彦
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.43-46, 2011-03-08

我々は15インチと4インチの2つの画面を使用して,画面中央に呈示された幾何学図形のオブジェクトの変化と画面端にスクロールして呈示された文章に対する注意が画面サイズに依存するか検討した.15インチと4インチの画面の文章の正解率と図形変化の検出に有意な差はなかった.主観的な評価においては,多くの協力者が15インチの画面が見やすいと回答した.しかし,実際には図形の変化に関しては4インチの画面の方が成績がよい協力者が多かった.この結果は,我々がこれまでに行った研究と一致していた.
著者
内田 隆文 岩下 志乃
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.47-50, 2011-03-08

本研究では,Web画像閲覧時のユーザの視線の動きを測定し,1)ユーザの閲覧経験,2)Webページへの興味度,3)レイアウトの違いの3点において視行動特性に違いがあるかどうかを分析する.被験者は用意されたWebページ画像から提示された課題を探索する視覚探索課題を与えられ,その間の注視点計測を行う.被験者がWebページ画像を過去に閲覧したことがあるかどうかと,そのWebページに対する興味度をアンケートで調査し,注視点移動の特徴との関連性を分析する.また,レイアウトの違いによる特徴を確認する.その結果,閲覧有無や興味度により探索率には変化があり探索時間には変化が無いこと,シンプルなレイアウトは探索時間が短くなることが分かった.
著者
加藤 直哉
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.23, pp.13-16, 1999-03-12

IS&TとSIDの共催による第6回Color Imaging Conference:Color Science, System, and Applicationが1998年11月17日〜20日にかけてアメリカ・アリゾナ洲Scottsdaleにて開催された。初日の17日はチュートリアルが行われ、テクニカルセッションは18日〜20日に行われた。全体としては、これまで主流であった入力・表示・出力各々の色彩画像機器の特性評価(Device Characterization)の発表が少なくなり、その分それらの画像機器をシステムとして接続する際の課題、例えば、Color Appearance ModelやGamut Mapping等の発表が増えた印象を受けた。表示機器の中でこれまでCRTが主であったのが、LCDの特性評価手法の発表が出始めてきたところが目立った程度であった。また新たな流れとしては、1)分光分布の復元のためのMulti-spectral解析、2)CGにおいて現実世界を復元するための色の忠実な再現、等が挙げられる。
著者
松島 祐輔 井上 光平 浦浜 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.107, no.358, pp.17-22, 2007-11-22
被引用文献数
3

簡略化した入力画像を竹ヒゴで編み込んだような画像を生成するノンフォトリアリスティックレンダリング(NPR)技法を提案する.白と黒の2色,あるいは白,灰色,黒の3色の竹ヒゴを用いる.本NPRは,縦ヒゴと横ヒゴの色の配置と,竹ひごの編み方すなわち横と縦の竹ヒゴの各交差点でどちらの竹ヒゴを上に通すかとを決める問題となる.本論文では,この組合せ問題の近似解を求める簡単な解法を提案する.竹組みのラン長が短くなるような編み方を平滑化フィルタに基づく反復解法で求める.得られた2値あるいは3値のモザイク画像と,編み方の波板状の凹凸画像から,バンプマッピングや画像積により,竹編み風の画像を生成する.
著者
伊藤 正史 天谷 啓介
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.23, pp.1-4, 2012-06-08

甚大な被害をもたらした東日本大震災以降,各被災地には放送法第三条の五に基づく臨時災害放送局が開局した.2011年末,その一つである「女川さいがいエフエム」の天谷は,在京局の局員として番組送出システムの設計に携わっていた伊藤の技術報告を読み,臨時災害放送局にも使える小型APCはないかとの相談をSNSで持ちかけた.現在,伊藤は送出部門の所属ではないが,任意団体において既存の大規模送出システムとは対照的な小型汎用送出システムの研究開発を続けており,放送技術者の社会的責任として臨時災害放送局には無償提供することにし,本システムの導入に至ったので報告する.
著者
吉田 聡 泉 正夫 辻 洋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.123-126, 2012-02-11

安価なデバイスであるKinectがどの程度の能力があるのか調査するため,歩行動作をしている人に対する人物判定を試みる.歩行動作を定義し,Kinectから得られる5人の情報を用いて歩行動作を表す特徴ベクトルを作成した.そして主成分分析を用いて特徴空間を構築した後,特徴空間での各クラスの重心からの距離と分散を用いてテストパターンの判定を行った.結果としてKinectは歩行動作をしている人物5人に対して判定した場合の適合率は約80%であることを示し,その結果と手法について考察した.
著者
新垣 吉也 永塚 守 都竹 愛一郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.24, no.43, pp.7-10, 2000-07-27
被引用文献数
2

送信アンテナが風によって振動し発生するドップラーの影響については、これまで報告されていなかった。そこで、アメダスの風速データ、東京タワーの設計仕様値及び台風時の振動データなどを用い、風によって発生するドップラー量を算出した。また、SFN受信時にゴースト波がドップラー成分を含んだ場合の受信品質への影響を室内実験によって調査した。
著者
吉田 準史 長谷川 光司 春日 正男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.21, pp.9-12, 2008-05-26

本研究では,ゲームコンテンツの評価に適した用語を選定することを目的に,ゲーム雑誌およびユーザアンケートから数十種類の評価用語を抽出した.さらに20種類のゲームを実際に被験者にプレイさせ,各用語についての当てはまり具合を回答する実験を行った.実験結果に対し,分散分析,クラスタ分析などの統計的な処理を施すことにより,ゲームコンテンツの評価に相応しい用語として「革新的な」,「リアルな」,「幻想的な」,「大勢で楽しめる」,「待ち時間の多い」,「コミカルな」という6種類の評価用語が最終的に選定された.
著者
田中 賢一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.53, pp.23-26, 2001-08-31

本報告では, 印象派芸術とりわけ点描画における技法から現在研究開発されている立体映像技術へどのような関わり合いを持っているかを考察する.まず, 印象派芸術の代表的存在ともいえる点描の技法と, 印刷技術や写真技術との関係について述べる.次に, 現代において点描の技法は, 擬似中間調処理を媒介として計算機ホログラフィなどの3次元画像表現, 更には, ホログラフィックアートの根底にある思想に至るまで多岐にわたり応用されていることを示す.
著者
川越 聡 神酒 勤
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.22, pp.5-8, 2003-03-19
参考文献数
8

人にやさしいマン・マシンインターフェースの実現には、人間の感性の定量化がひとつの重要な要素となる。中でも、色、配色パターンは人間にさまざまな印象(感性)を与える情報源である。ここでは、画像(カラーイメージ)から受ける印象を感性語として自動抽出することを考える。通常、色情報の抽出を行う場合、予め対象物のみを画像から切り出す処理が行われている。一方、人間がものを見るときには背景を排除したりせず、見たいものに視点を定めその視点を中心とした一定の視野内の画像から情報を得ている。本研究では、注目する画像に視点と視野を定義し画素に重み付けをすることで背景の処理なしに人間の感覚にあった的確な色情報抽出を試みる。ファッション雑誌、カタログのカラー画像に本手法を適用し、その妥当性を議論する。