著者
古田 雅則 川人 祥二 宮崎 大輔
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映情学技報 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.13-18, 2002
参考文献数
6

パイプラインA/D変換器におけるキャパシタミスマッチのディジタル補正値推定手法について提案する.提案する方式は,A/D変換器の積分非直線性特性を用い,直接キャパシタミスマッチの補正値を推定することができるため,多くのパイプラインA/D変換器アーキテクチャに対し適用することが可能である.試作した10-bitパイプラインA/D変換器に対し,本推定手法を用いたディジタル補正を行った結果,A/D変換器の信号対ノイズ歪比を56.5dBに,積分非直線性誤差の最大値を0.3LSBに,また,微分非直線性誤差の最大値を0.3LSBにそれぞれ性能を向上させることができた.
著者
竹内 幸一 吉岡 誉晃
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.73-76, 2011

2つのレンズで撮影する立体カメラは6センチのカメラ間隔が常識であった。しかし立体感が強調されすぎて不自然で飛び出す立体であった。しかもその映像は10分も見ていると自然さがなく強調立体で目が疲れてしまった。立体の要件を研究してくると、通常言われている立体撮影の鉄則である左右のレンズ間隔:視差距離が人間の目と同じの65ミリでは実際は強調立体になってしまい目が疲れていた。そこで1970年当時、ハーフミラー合成により2つのカメラ間隔を0センチから10センチまで可変できる立体カメラを試作した。広い景色の広角ワイド撮影で無い限り2つのレンズ間隔が1センチから3センチの微小視差立体カメラの方が自然な立体映像が得られた。その画像は銀座のソニービルでの立体テレビ映像公開でも試用した。1998年に1レンズ方式で大口径レンズ内の微小視差を使ったズームもマクロも可能で2D/3Dコンパチブルの実用立体カメラも完成させた。それを2008年再度S社に技術紹介したため、2009年ソニー発表の240ヘルツ単眼レンズ3Dカメラにつながった。最近はCCDやCMOSカメラが小型になってきたので電通大のアイデアコンテストを利用して2008年2カメラによる視差3センチの3Dカメラも試作した。1センチから3センチの左右カメラ間隔が家庭用立体カメラには必然と願い電子機器メーカーに紹介をした。学会や大学での発表やSIGRAPH Asia2009でも自然な立体感を展示した。その結果か2010年から家庭用3Dカメラに微小視差方式の立体カメラが製品化されてきた。
著者
矢田貝 昌宏 村上 文弘 小郷 直人 田中 祥次
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.41, pp.37-40, 2011-10-13
被引用文献数
2

ロードレース中継で使用している700MHz帯FPUの伝搬をより安定させるため,送信用アンテナの検討を行っている.筆者らはすでにコーリニアアンテナをアレー化することにより約5dBのアンテナ利得の改善が見込めることを計算機シミュレーションで評価し,報告済みである.今回,このアンテナを,全国高校駅伝(2010年12月)・全国都道府県対抗女子駅伝(2011年1月)で使用し,伝搬データを解析することで送信アンテナの改善によるFPUの伝送の安定化を確認した.
著者
宇佐見 義之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.49, pp.41-46, 2008-11-13

恐竜は速くは走れなかったとされる学説に反論し、走れる可能性を提示する。人間の動きを参考に、ティラノサウルス・レックスの走行姿勢を求めた。力学は剛体モデル、動きはフーリエ級数で表し、係数をランダムアルゴリズムで求めた。その結果、Hutchinsonの学説より走れる可能性が増すことがわかった。
著者
石田 光一 桜井 貴康 増永 直樹 周 志偉 安福 正 関谷 毅 ツィーシャング ウテ クラーク ハーゲン 高宮 真 染谷 隆夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.1-6, 2009
参考文献数
10

電子機器が高性能化され、高密度に部品が実装されるのに伴い、EMIの発生源を特定するのが難しくなってきている。この問題を解決するために、電子機器を包むようにしてその表面の磁界及び電界の分布を測定するツール「EMI測定用風呂敷」の原理検証を行ったので報告する。
著者
山本 和明 小池 崇文 永田 邦裕 海老澤 瑞枝 相沢 隆 大西 康司 苗村 健
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 34.12 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.59-62, 2010-03-02 (Released:2017-09-21)
参考文献数
10

PLZTは電気光学効果の一つであるKerr効果によって印加電圧の2乗に比例して屈折率が変化する特性を持つため,光学素子への応用が考えられる.そこでまず,我々は単体のPLZTについて屈折率の印加電圧依存性を調べた.続いて,報告済みの第一試作レンズの問題点である,圧電効果の影響によるレンズ変形を抑えた二次試作レンズを作製し,その屈折率電圧依存性を調べた.
著者
山本 和明 小池 崇文 永田 邦裕 海老澤 瑞枝 相沢 隆 大西 康司 苗村 健
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.59-62, 2010
参考文献数
10

PLZTは電気光学効果の一つであるKerr効果によって印加電圧の2乗に比例して屈折率が変化する特性を持つため,光学素子への応用が考えられる.そこでまず,我々は単体のPLZTについて屈折率の印加電圧依存性を調べた.続いて,報告済みの第一試作レンズの問題点である,圧電効果の影響によるレンズ変形を抑えた二次試作レンズを作製し,その屈折率電圧依存性を調べた.
著者
鈴木 慎一 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.14, pp.1-6, 2010-03-12
被引用文献数
4

ハイビジョン映像を低圧縮・低遅延で無線伝送する高性能なワイヤレスハイビジョンカメラの研究を進めている.これまで,伝送容量の増大と回線信頼性の向上を目的として,ミリ波帯(42GHz帯,55GHz帯)の電波とを受信ダイバーシティ技術含むMIMO-OFDM伝送技術を用いたワイヤレスハイビジョンカメラ「ミリ波モバイルカメラ」の開発を行ってきた.そして,屋内撮影用・屋外撮影用のミリ波モバイルカメラを試作し,複数の番組撮影で使用した.今回,使用された番組の中からオープンゴルフ選手権,第60回NHK紅白歌合戦,ジャンプスキー競技の撮影で使用したミリ波モバイルカメラのシステム構成と運用方法について報告する.
著者
三宅 知寛 相良 直哉 杉山 賢二
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.5-8, 2012
参考文献数
8
被引用文献数
1

映像品質が管理のために参照画像を用いない客観画質評価方法が求められている。これに対し、ブロック歪、モスキーノイズ、時間軸劣化、空間ボケなどの劣化要素についての評価方法がすでに検討されている。一方、近年の符号化では、非線形空間LPF(コアリング処理)の多用により、エッジは保存されるが微少ディテールが消失する劣化が目立ってきている。そこで、そのような劣化(コアリング劣化)を検出する手法について検討した。空間ボケ検出で用いたDCT係数のバンド分割を基本にし、エッジ部と平坦部によるブロック区分を行うことで参照画像なしにコアリング劣化の程度を検出する手法を提案する。評価結果は、H.264符号化で量子化幅(QP)の増加に伴って高い値になるともに、デブロッキングフィルタの有無により顕著に差を生じ、コアリング劣化程度の評価方法として有効であることが確認された。
著者
香山 侑子 茂木 龍太 兼松 祥央 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.11 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.253-256, 2016-03-02 (Released:2017-09-22)

アニメ、漫画、ゲームなどのコンテンツ作品においてキャラクターは重要な要素である。しかし、キャラクターの要素の一つである服装のジャンルである「ゴシック&ロリータ(以下ゴスロリ)」は現実と架空において、デザインのルールが異なるという問題がある。そこで本研究では既存のゴスロリキャラクター103体を調査することでゴスロリ要素の分析を行い、その結果7種類のデザインタイプに分類することができた。調査分析結果から得られた要素によってゴスロリキャラクターを検索できるスクラップブックを開発し、ゴスロリキャラクターを制作するための発想支援の有用性を評価した。
著者
村松 大陸 越地 福朗 越地 耕二 佐々木 健
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映情学技報 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.13-16, 2014

近年,Body Area Networkに必要不可欠な無線通信技術として,人体通信が注目を集めている.人体通信における信号伝送は,人体に接触したウェアラブルアンテナ(電極)を介して行われる.したがって,通信品質向上・消費電力低減のために,人体の影響を考慮したアンテナ電極の入力インピーダンス特性の検討が必要不可欠である.本研究では,電磁界解析を用いて,手首に装着されたアンテナ電極の入力インピーダンス特性を計算した.計算は1〜100MHzの範囲とし,皮膚の水分状態の影響も検討した.さらに,試作したアンテナ電極および複数の被験者の実人体を用いて,アンテナ電極の入力インピーダンス測定を行った.その結果,入力インピーダンスの周波数特性は解析値と実験値で同様の傾向を示すことが明らかとなり,電磁界解析による計算の妥当性が示された.また,皮膚の水分状態および各被験者の個人差による入力インピーダンス特性の差は,低周波領域で大きくなり,高周波領域では小さくなることが明らかになった.
著者
福田 一帆 内川 惠二 Donald I. A. MACLEOD
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 36.13 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.21-24, 2012-02-28 (Released:2017-09-21)
参考文献数
12

照明環境によらない安定した物体表面の色の見えを実現する色恒常性メカニズムは,高輝度な周辺色の影響を強く受けることが知られている.一方,実環境の高輝度な色光には,発光物体,蛍光面,金属光沢など照明環境の情報とならないものも多く存在する.本研究では,色恒常性への効果に対する周辺刺激の色の見えのモードの影響を明らかにするため,より高輝度な周辺色による色恒常性への効果を調べた.その結果,ある輝度を超えた周辺色の色恒常性への効果は減衰した.また,このときの輝度は表面色モードから開口色モードへの移行輝度と類似した.これらの結果は,色恒常性において表面色のみを選択的に処理するアルゴリズムの存在を示唆する.
著者
浅井 智史 山下 淳 金子 透 淺間 一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.9-12, 2012
参考文献数
8

自律ロボットが目的地に移動するためには,環境認識と動作計画の機能を必要とする.本研究では,オドメトリによる自己位置推定ができない2足歩行ロボットのための自己位置推定手法を提案する.提案手法では,ロボットはステレオカメラで撮影された画像を使用してVisual SLAMを行い,3次元グリッドマップを生成する.そして,目的地までの動作計画と移動を行う.実験により,提案手法の有効性が示された.
著者
肖 瑩 佐々木 和郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.155-158, 2015

本研究は日中の国際的な映像音楽作曲家久石譲と趙季平は何ゆえに国際的に高い評価を受けたかについて分析し、日中両国の映画ファンを魅了する彼らの音楽を利用し、日本を訪れる中国人観光客に対して、本当の日本の良さを知ってもらう。また、彼らの音楽の登場する映画コンテンツによる、各種の「巡行型コース」を想定し、旅行者のニーズに合わせて対象地域として、柔軟なガイド情報を供給するものであり、日本文化や歴史に関係がある場所を発見できるような、新しい時代の旅行ミュージックツーリズムを提案する。
著者
山本 昭夫 野上 博志 大久保 隆志
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 21.73 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.37-42, 1997-11-28 (Released:2017-06-23)

地上デジタル放送方式として検討されているOFDM方式では、パイロット信号を用いた周波数軸上の等化が可能である。本報告では、パイロット信号を用いた周波数軸上の伝送路応答の補間手法として、sinc関数形のインパルス応答を持つFIRフィルタ、ステップ補間、線形補間、乗算器を用いない簡易形線形補間の各方式について、等化器出力信号のS/Iを比較した。欧州DVB-Tシステムの2Kモードを対象に、D/U=10dBの2波の時不変マルチパス伝送路のシミュレーションを行った結果、FIRフィルタを用いた方式が最も優れた特性が得られたが、ハードウエア規模を考慮した簡易形線形補間方式も、11μSの遅延波に対してS/I=26dB(受信C/N=30dB)の良好な性能が得られ、民生用機器への適用を考えると有効であることがわかった。また、FFT時の窓位置のずれの影響についても検討し、ガード期間方向へのずれに対しては、簡易形線形補間を用いた場合でも20サンプルずれ(FFT2Kモード時)程度まではほとんどS/Iの劣化がないことが明らかとなった。
著者
松原 智樹 大川 裕司 宮川 和典 鈴木 四郎 高畠 保 江上 典史 谷岡 健吉 小楠 功一 小林 昭 平井 忠明 河合 敏昭 本坊 正典 吉田 哲男 内田 徹也 盛 英三
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.35-38, 2002
参考文献数
7
被引用文献数
2

超高感度・高画質と高信頼性とを両立させたハイビジョンカメラを実現するため、厚さ15μmの新Super-HARP膜でのハイライトきず(強いスポット光が入射したときに生じる白きず)の発生防止に取り組んだ。膜の動作温度ときず発生との関係を調べた実験から、膜の動作温度を従来(約25℃)よりも高温側にシフトさせることでハイライトきずの発生が抑制できることを見い出した。この動作モードでの実用化を目指して耐熱性向上の研究に取り組み、不純物添加濃度の最適化で、きず発生を抑制できる温度での安定動作を可能とした。本膜を適用した超高感度ハイビジョンハンディカメラは信頼性や機動性にも優れ、夜間緊急報道等の放送用途のほか医学研究や科学分野等で活用されている。
著者
楊 凱 工藤 博幸 斎藤 恒雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.78, pp.67-72, 1997-12-12
参考文献数
10

本論文では、ウェーブレットゼロッリーを用いたエントロピー制約付き画像符号化の一手法を提案する。ウェーブレット変換の特徴として、周波数領域のみならず、画像空間領域での局所的性質を記述することができる。本文では、その特徴を如何に画像符号化に適用するか、さらにレート歪みの意味での最適値は如何に達成できるかについて検討する。われわれはゼロツリー剪定のレート歪みの関係を評価した上で最適な量子器を設定する手法を提案した。提案した新しい符号化方式でシミュレーションを行った結果、EZW及びSFQ並みの性能が得られ、本手法の有効性を確認して.
著者
大前 友哉 白木 厚司 中山 弘敬 角江 崇 下馬場 朋禄 伊藤 智義
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 39.14 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.19-22, 2015-03-07 (Released:2017-09-22)

ペーパークラフトとプロジェクションマッピングの技術を用いて,大型地球儀を製作する.投影対象を製作する際,ペーパークラフトの技術を用いることで球体を立体から平面に変換可能となり,平面にすることで可搬性が高まる.基礎研究として20cmの球体をペーパークラフトで製作し,地球儀の映像を投影した.また,Kinectを用いることでジェスチャを検知し,地球儀が回転する映像を投影することができた.可搬性についても検証を行い,ペーパークラフトで製作した球体と実物の大型地球儀を比較し,ペーパークラフトで製作した球体の方が優れていることが確認できた.