著者
金村 達宣
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.21-23, 2016

リオデジャネイロオリンピックの 8K中継を皮切りに、いよいよ 8K放送実現の局面に突入する本年。いくつもの困難な課題をクリアしながら、8K放送の準備が整いつつあると言える。一方、映像を鑑賞する側にとって最もホットで関心のあるテーマが、HDRである。インパクトの高い映像表現技術として、おおいに期待されている。この 8Kと HDRを両立させることこそ最高の映像制作、との理念のもと、カメラからモニターまですべての 8K映像制作機材を開発、製造している当社が先頭に立って、8KHDR映像を自社製品で制作し、その過程で起きたさまざまな出来事や課題を紹介していく。
著者
光山 和彦 村上 文弘 池田 哲臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.10, pp.53-56, 2012-02-17
被引用文献数
1

ロードレースやゴルフの中継番組において,広いエリアで安定した移動中継を実現する無線伝送システムの研究を進めている.筆者らは,互いに離れた複数の基地局で受信した信号を,光ファイバ無線を利用してスイッチングセンターに集めて1台の受信装置に入力するマクロダイバーシチ受信システムを開発した.開発した受信装置は,各入力信号の遅延時間差をFFT演算前後でリアルタイムに補正した後,受信品質の良好な信号を最大4ブランチまで自動選択してMMSEアルゴリズムで合成する.本受信システムは,基地局の区別なく最適な信号を合成するため,高い回線品質を広いエリアにわたって提供できる.また,使用する機器を大幅に削減できるため,運用性の向上にも大きく貢献するものである.今回,実際の京都駅伝中継番組でカメラバイク映像の地上受信システムとして使用し,全コースの約半分の区間を途切れずに受信することに成功したので報告する.
著者
三上 薫 加藤 和昭 砂川 昌志
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.43, pp.9-12, 2002-06-27
被引用文献数
1

BSジャパンは、BSデジタル放送におけるデータ放送コンテンツを検証する擬似放送設備(テスト系設備)を構築した。データ放送番組の技術的検証を目的に導入したが、運用を開始すると、番組演出面での試写、新規番組の開発支援、放送設備の試験など現業部門で幅広く活用されている。また、本設備は本放送用の放送設備の機能を削ることなく、大幅にダウンサイジングする形で構築したため、検証結果は実際に放送した結果とほぼ等しい。本報告では、テスト系設備導入の背景と設備の概要、運用例について報告する。
著者
舟田 優花 川島 基展 早川 大地 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.195-198, 2016-03-02

3DCGコンテンツでモーションキャプチャを用いることが増えている。モーションキャプチャで得られたデータは再利用されることが少なく、これは時間やコスト面で非効率的である。本提案手法では、演技データと演出的概念との相関量を求めてアーカイブ化することでユーザーが直感的に演技データを検索することを可能とした関連研究をうけ、より直感的な検索操作が可能なスクラップブックシステムを構築した。演技データに関する制作管理情報を用いて演出的概念との相関量を求める。システムは3D空間上であらわし、演出的概念への相関の強さから検索対象となる各演技データを配置した。ヘッドマウントディスプレイと非接触型センシングデバイスを用い、演技データと演出的概念のオブジェクトを操作することで検索を行う。
著者
舟田 優花 川島 基展 早川 大地 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.195-198, 2016

3DCGコンテンツでモーションキャプチャを用いることが増えている。モーションキャプチャで得られたデータは再利用されることが少なく、これは時間やコスト面で非効率的である。本提案手法では、演技データと演出的概念との相関量を求めてアーカイブ化することでユーザーが直感的に演技データを検索することを可能とした関連研究をうけ、より直感的な検索操作が可能なスクラップブックシステムを構築した。演技データに関する制作管理情報を用いて演出的概念との相関量を求める。システムは3D空間上であらわし、演出的概念への相関の強さから検索対象となる各演技データを配置した。ヘッドマウントディスプレイと非接触型センシングデバイスを用い、演技データと演出的概念のオブジェクトを操作することで検索を行う。
著者
三柳 徹 向井 信彦 小杉 信
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.15, pp.21-24, 2010-03-12

VR環境で立体視を行う際、生体に与える影響について調査したので結果を報告する。平坦な道を自転車で走行するVR環境下で、立体視用画像を生成する左右2つのカメラ間隔をパラメータとして被験者の生体に現れる影響を調査した。調査対象を心拍変動のLF/HF比と瞬目における開瞼時間の上昇とし、これに主観的評価アンケートの結果を加えて総合的に判断した。調査の結果、人間の平均瞳孔間距離(6.5[cm])とカメラ間隔が等しいときに、最も高いストレスと眼精疲労が発生することが判った。一方、カメラ間隔が広いとストレスや眼精疲労の発生を抑えながら高い立体感が得られることも判った。
著者
藤田 健太郎 曽我 麻佐子
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.17-20, 2011
参考文献数
9

モーションキャプチャシステムで取得した人体動作とCG映像を,能演劇パフォーマンス「蜘蛛の糸」の演出で活用した.能のモーションデータを適用したキャラクタや背景シーンなどのCG映像を作成し,舞台上に設置したスクリーンに投影した.CG映像はプリレンダリング用とリアルタイムレンダリング用にそれぞれ加工して使用した.観客によるアンケート結果より,舞台パフォーマンスにおけるCG映像の活用は効果的であることを確認した.
著者
濱口 健太 福井 俊介 狩野 淳 高見 友幸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.161-162, 2013-03-08

近年,マイクロコンピュータで制御できるLEDテープが開発されている.LEDテープはテープ形状を活かした3次元的な配置が可能であり,フルカラーで発色を制御できる.これにより従来の電飾としての展示用途だけではなく,インタラクション可能なメディアアート作品を制作可能となった.本研究ではマイクロコンピュータにCortex-M3を使用し,本研究で開発したActionScript3.0用ライブラリでプログラム記述をしている.LEDテープを用いたアミューズメントは,単に観賞するだけでなく,アプリと対話して楽しみ,またその様子を観賞するという新たなモデルが想定される.本研究は,このモデルのもとに数m〜10m規模の範囲で行うアミューズメントアプリケーションを制作した.
著者
小谷 活太 吉高 淳夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.29-32, 2015-03-03

良い写真を撮るためには主題を明確にすることが重要である.被写体の配置を考慮する構図と,被写体を際立たせる被写界深度には主題を明確にする効果がある.本稿では構図と被写界深度に基づく撮影支援手法を提案する.事前調査より,写真撮影のプロフェッショナルは人物写真において,構図の種類により被写界深度を変えることがわかった.そこで提案手法では構図と被写界深度の関係に着日し,構図に対して適切な絞り操作を撮影者に提示することで主題を明確にするための撮影支援を行った.評価実験の結果,撮影支援を行わなかった場合,写真撮影のプロフェッショナルの傾向とは異なる撮影結果となった.撮影支援を行った場合,写真撮影のプロフェッショナルの傾向に従った主題の明確な写真を撮影することができた.
著者
飯島 崇裕 齋藤 康之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.8, pp.57-60, 2012-02-11

本研究では,オーケストラ譜からデュオ譜への半自動編曲システムについて提案する.オーケストラ譜からデュオ譜へ編曲するためには,オーケストラ譜をソロパート譜とピアノ伴奏譜に分ける必要がある.しかし,オーケストラ譜からピアノ譜へ編曲することは容易ではない.なぜならオーケストラ譜は複数の楽器パートにより構成されており,それらをピアノ伴奏として演奏できるように編曲しなければならないからである.今回提案するシステムでは,ピアノの演奏における問題点を考慮し,ピアノ伴奏譜を生成する.ピアノ伴奏譜と事前に手動で抽出したソロパート譜を結合し,デュオ譜を生成する.
著者
岩田 淳 香川 景一郎 川人 祥二 緒方 智壽子 谷田 純
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.17, pp.21-22, 2015-05-01

歯周病は日本人の8割が罹患していると言われている.現在,歯周病の診察は定性的であることが多く,時間を要するだけでなく医者の技量に依存する.短時間に多人数を診る集団検診においても簡易に適用でき,定量性をもった診察を可能とする技術が必要とされている.そこで我々は歯肉の三次元形状,酸素飽和度,全ヘモグロビンなどの定量性のある情報の取得と歯槽粘膜境の画像化を目標とし,デジタルデンタルミラーと呼ぶ多機能小型カメラを開発している.本研究では基礎研究として,コルクボードの三次元形状をマルチベースラインステレオを用いて計測した.
著者
実井 仁 中村 円香 岡野 正寛 中原 俊二
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.13, pp.5-10, 2011-03-04
被引用文献数
5 5

アナログテレビ放送終了後の2011年7月以降,VHF帯の1chから3chを利用する新しい移動体・携帯端末向けマルチメディア放送が開始される予定である.VHF-Low帯のマルチメディア放送では,従来のリアルタイム型放送サービスの他に蓄積型放送サービスの導入が検討されている.蓄積型放送サービスとは,受信しながら視聴するのではなく,コンテンツをいったん受信機に蓄積してから楽しむサービスである.蓄積型放送サービスでは,放送波のみで蓄積を完結させる方式としてデータカルーセル伝送方式が提案されている.そこで,データカルーセル伝送方式による効率的な蓄積受信を実現するために,室内実験により繰り返し放送回数と蓄積成功率の関係を明らかにし,リアルタイム型放送サービスと同等のサービスエリアを確保するために必要な繰り返し放送回数を求めた.
著者
田中 貴拓 新谷 幹夫 白石 路雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.14, pp.187-190, 2015-03-07

近年,立体パズルの開発が盛んに行われ,ゲーム・携帯アプリの1分野として定着している.数独の立体化も試みが見られるが,成功しているとは言えない.本研究では,従来の立体数独アプリケーションの問題点である操作性と見づらさを改善するため,立体数独を解く上で必要な情報を平面的に表示するインターフェースを提案する.提案手法では解きたいマスをクリックするだけで必要な情報が提示される.これによりプレイヤーは煩雑な3次元操作から解放される.比較実験を行なったところ,解答速度が従来手法に対して有意に速いことが示された.余計な操作を省略し,立体数独の魅力の向上に寄与することができると期待する.
著者
八木 美冴 佐藤 美恵
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.13-16, 2014

近年,奥行方向を含む3次元の映像を表示する,立体表示に関する研究が行われている.これらの立体表示方式の一つとして,観賞者が裸眼での立体視を可能とするパララックスバリア方式がある.しかし,この方式では観賞位置が限られるという問題点がある.また,これらの立体表示で使用する映像は,両眼間隔の個人差を考慮しておらず,観賞者に過度な立体感を与え,視覚疲労を引き起こす可能性がある.そこで本研究では,3次元計測器を用いて観賞者の位置を検出し,観賞位置に合わせた立体表示を行う.また,観賞者が立体感の度合いを変更するためのインタラクションを付加した裸眼立体表示手法を提案する.
著者
上原 伸一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.43-50, 2010-03-02
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

ISO/TC 159国内審議委員会では現在、3Dディスプレイの標準化に取り組んでいるが、市場の健全な発展のためにも、これらの標準規格はディスプレイそのもののメカニズムだけでなく、両眼立体視の人間工学要件に的確に基づくべきであると考えている。しかしながら現状では、3Dディスプレイのあるべき姿についてさえ十分な共通認識が形成されているとは言い難く、標準規格の作成は容易な状況にはない。本稿では3Dディスプレイの人間工学に着目し、特に性能指標や計測評価法、要求性能などの点から標準化における課題について述べる。
著者
真鍋 翔 新谷 幹夫 白石 路雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 = ITE technical report (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.14, pp.191-194, 2015-03

近年、路上のパノラマ写真や地形・建築物モデルが無償で公開されており、仮想観光や移動計画の立案などに幅広く利用されている。またHMDが低価格・高性能化しており、VRが身近なものになってきている。本研究では、Google EarthとOculus Riftを用いて、3D仮想旅行アプリケーションOculus Earthを開発する。本システムは、Windowsアプリケーション『Oculus Web』とWebアプリケーション『Oculus Earth』から構成されている。Oculus Webは、Oculus Riftのセンサー情報を取得し、Web Socketを用いてWebアプリケーションに送信する。Oculus Earthは、視点位置と視線方向を管理し、Google Earth APIを通してGoogle Earthに渡され、ステレオ画像が描画される。評価実験を行ったところ良好な結果が得られた。
著者
安部 文子 山田 眞伍 小山 恭平 福田 博章 清水 郁子
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.12, pp.53-56, 2012-02-27

昨今,3D表示可能なテレビなどの機器が多く発売され,それに伴い3Dコンテンツの需要も高まっている.本論文では,単眼カメラにより静止している被写体を撮影した動画像から,ユーザが指定した奥行き感(視差量)をもつ3D画像を自動生成するシステムを開発する.本システムは,ユーザがインタフェースから入力した視差量に対し,動画像中のあらゆる2枚の組合せから最も適切な2枚の画像を用いて3D画像を生成してユーザに提示する.このとき,プレ画像,被写体が画像の中央にない画像をあらかじめ候補から除外する.これらの条件を満たす画像のうち,3D画像を生成するための平行化のための補正量が最小であるものを最適な2枚であるとする.実験により,手法の有効性を示した.
著者
平野 実花 竹内 亮太 渡辺 大地
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.16, pp.119-120, 2012-03-09

映画「アバター」等を始めとする立体視コンテンツの活性化により着目をあびるようになった立体視技術であるが、現状で様々な問題が指摘されている。両眼視差を利用した方法が主流であるが一部の体験者では視機能に異常が存在しないのに立体視を行うことが出来ないことが確認されている。その原因はコンテンツ自体にあるものか、個人の立体視に関する能力によって発生するものなのか解明はされていない。今回は個人の立体視に関する能力や体験者別に異なる要素に着目する。個人差を吸収するにあたって、立体感を強めることや弱めること、視差や再生方法の変更等の解決方法が必要になるのではないのかと仮定した。本研究では立体視の画像にぼかし加工を加え、両眼の視力との関係性を調査した。その上で補正の必要性とその指針について提案する。
著者
坂本 祥太郎 中澤 優比 平山 亮
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, no.16, pp.157-160, 2012-03-09

3DCGで制作した3Dモデルに,実写画像を加工し変形して貼り付けることにより,リアリティのある人物の立体視画像を制作することを試みた.