著者
池田 徹 上野 雄也 宮崎 則幸 伊東 伸孝
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.47-55, 2001-01-01 (Released:2010-03-18)
参考文献数
12
被引用文献数
1

プラスチックパッケージが, はんだリフロー時に割れを起こす現象は, 以前よりよく知られている。この主な原因は, 吸湿した水分がリフロー時に蒸気となり, その蒸気圧によってダイパッド等の角部から樹脂が割れることによる。鉛ブリーはんだの導入によるリフロー温度の上昇は, 割れの防止をより困難なものにすることが予想され, 効果的な設計手法の確立が望まれる。本論文では異種材接合角部の応力拡大係数を, パッケージ中の樹脂角部の強度評価に利用する。すなわち, パッケージの吸湿解析と応力解析より求められる, 樹脂角部の応力拡大係数を用いて, 割れの発生を評価し, さらに, リフロー割れを起こしにくいパッケージの形状設計について検討する。
著者
江尻 芳則 櫻井 健久 荒山 貴慎 鈴木 邦司 坪松 良明 畠山 修二 有家 茂晴 廣山 幸久 長谷川 清
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 = Journal of Japan Institute of Electronics Packaging (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.82-95, 2012-01-01
参考文献数
37
被引用文献数
1 10

われわれはAuワイヤボンディング可能な無電解Ni/Pd/Auめっきを半導体実装用基板に採用し,従来の電解Ni/Auめっきと同等のはんだボール接続部の耐衝撃性を確保してきた。本報告では,この技術を20 μmより狭い配線間隙をもつ次世代基板に適用するため,高速度はんだボールシア試験法を用いて耐衝撃性を確保できる無電解Niめっき皮膜の下限値を検討した。Sn–3Ag–0.5Cuのはんだボールを用い,ピーク温度252℃の窒素リフロー7回,または空気中150℃,1,000 hの熱処理での無電解Niめっき皮膜の下限値は1 μmであった。また,携帯機器の落下試験で生じる不良と同様の界面破壊の原因は,端子とはんだの界面近傍のボイドの形成と,金属間化合物の結晶粒の微細化であることを見いだした。
著者
杜 伯学 加藤 景三 金子 双男 小林 繁雄
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.401-404, 2002-07-01 (Released:2010-03-18)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

Surface breakdown phenomenon of printed wiring board was investigated with increasing temperature from 23°C to 150°C. The experiment was carried out by do pulse voltage with the frequencies in the range of 50Hz to 150Hz. Printed wiring boards of epoxy resin laminate have been employed to investigate the effects of the surface temperature, electrode distance and the frequencies of applied voltage on the discharge quantity. The study revealed that the time to breakdown decreases with increasing the temperature, increasing the frequency of applied voltage and decreasing the electrode distance. The characteristics of discharge currents with increased temperature and the electrode distance were discussed by power spectral density of discharge current. The results show that the power spectral density of discharge currents increases with increasing the temperature, and decreasing the electrode distance.
著者
宮﨑 達二郎 佐藤 敬介 藤原 敬宏 野田 尚昭 佐野 義一
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.155-165, 2020

<p>本論文では,角柱状突合わせ継手の界面端角部および直線部のBad pair条件の違いを考察した。有限要素法(FEM)に基づく固有値解析で突合わせ継手の特異性指数を種々の材料組み合せにおいて求めた。界面端角部でのBad pair条件は,2次元モデルで知られている条件α(α−2β) > 0とかなり近いが,明確に異なる場合がある。ここで,(α, β) はDundursの複合材料パラメータである。すなわち,多くの場合には (α, β) で表現できるが,(α, β) のみでは表現できない場合が存在する。Bad pair条件の違いを明示するため,界面端角部で特異性が出現・消失する材料組み合せを (α, β) マップで比較して示した。さらに,3次元モデルでのGood pair,Equal pairおよびBad pairを判別する簡便式を提案し,その妥当性を解析結果に基づいて議論した。界面端直線部でのBad pair条件は,α(α−2β) > 0で表現できることを示した。</p>
著者
野田 尚昭 高木 怜 任 飛 佐野 義一 高瀬 康 宮﨑 達二郎 鈴木 靖昭
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.284-290, 2019

<p>著者らは,先の研究で2次元接着モデルを用いて接着強度を特異応力場の強さ(ISSF, Intensity of Singular Stress Field)一定で表せることを示した。本研究では実際の3次元形状を考慮して角部にフィレットを施した角柱状突合せ試験片の接着界面端部のISSFの分布を正確に求めた。また,コーナー部半径の大きさがISSFの最大値に及ぼす影響について議論した。ISSFの最大値の変化はρ/<i>W</i>≥0.0005で2%以内であることが示された。</p>
著者
郎 豊群 山口 浩 仲川 博 佐藤 弘
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学会誌 (ISSN:13439677)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.271-278, 2012-07-01 (Released:2012-11-01)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

SiCパワーデバイスをNi(P)拡散バリア付きの配線基板(Si3N4/Cu/Ni(P))上にAu–Geはんだで接合させた後,300°C以上の高温保持状態に置くと,Ni(P)拡散バリアのNiがAu–GeはんだのGeと反応し,はんだとNi(P)の界面にNiGe,Ni5Ge3およびNi3Pの金属間化合物が生成することがわかった。Ni5Ge3金属間化合物は成長が速く,パワーデバイスの接合強度を著しく低減させる。これを防ぐため,Si3N4/Cu/Ni(P)配線基板の表面にスパッタ法で約200 nm厚みのTa/TaN/Ta拡散バリアを形成することで,SiC–SBDパワーデバイスの高温接合信頼性を改善することができた。330°C,1,600 h高温保持試験後,デバイスの接合強度はほぼ低下することなく,50 MPa以上を維持した。接合を含むデバイスの電気抵抗は低い数値で変化が見られなかった。また,Ni(P)/Ta/TaN/Ta拡散バリアは−40–300°Cの冷熱サイクル条件下においても剥離などは観察されなかった。