著者
井岡 大輔
出版者
大阪釀造學會
雑誌
釀造學雜誌
巻号頁・発行日
vol.2, no.7, pp.593-600, 1925
著者
仲東 春香 沼崎 俊哉 中村 浩 吉岡 大輔 芦塚 勇樹 吉宗 良祐 本多 宣子
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
pp.19-00091, (Released:2019-06-21)
参考文献数
18
被引用文献数
1 5

Compared to oral medication, the base plays a large role in the external preparation for skin, and dermatologists select the dosage form based on understanding of the effect of the base as well as according to skin symptoms and conditions, application site, age, season, etc. Further, in treatment with external preparations, it is important for patients to understand the application method and continue to apply an adequate amount to achieve the treatment goal. However, there is little evidence regarding the relationship between base properties or usability and the application amount. In this study, we investigated the usability and application amount of three bases with different properties (ointment base, cream base, and lotion base) in 62 adult subjects and exploratively examined the effect of the different base properties on the application amount. The results of this clinical study showed that the usability and preference for the base used for external preparations varies, and poor usability and low preference may lead to a reduction in the application amount. Even with good usability and high preference, there were many cases in which an adequate amount was not applied due to lack of specific instructions on external use. When selecting or changing the base in an external therapy, it is important for not only dermatologists but also pharmacists providing instructions on external use to be aware of the importance of the base and actively instruct patients to apply an adequate amount of the preparation.
著者
西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
pp.2020.002, (Released:2020-02-18)
参考文献数
84
被引用文献数
6

【背景】貧困や孤立等,患者の社会リスクへの対応は医療現場において不可欠とされながら,標準的な手続きや制度はない。対応策としてsocial prescribing(社会的処方)という概念が注目されているが,明確な定義やその効果についてはまとめられていない。そこで第一に,文献レビューにより社会的処方の包括的な定義づけを試みた。第二に,その定義に合う日本の活動をレビューし,日本の医療現場での患者の社会的課題に対応する活動の現状と普及に向けた課題を整理することを目的とした。【方法】(1)Social prescribing等をキーワードに検索し抽出した文献について国や地域・定義・対象・方法・効果等を評価し,社会的処方を包括的に定義づけた。(2)日本の事例を抽出し,活動の現状と普及に向けた課題を整理した。【結果】34文献をレビューした。社会的処方に関する報告は,英国からのものが多数であり,社会的な課題を抱えた患者を医療機関が“link worker”に紹介することや,地域での多様な交流活動等,患者にとって有益な非医療的な社会資源を患者とともにつくっていく活動の紹介やその効果評価の論文であった。医療費削減や救急受診減少の効果を示唆する研究があった。そこで,社会的処方を「医療機関等を起点として,健康問題を引き起こしたり治療の妨げとなる可能性のある社会的課題を抱える患者に対して,その社会的課題を解決し得る非医療的な社会資源につなげること,またケアの機会となる社会資源を患者とともにつくる活動」と定義した。この定義に合致する活動の報告は日本国内でも観察された。【考察】日本での活動の普及に向けては,活動の効果評価,方法論の標準化,必要なツールの開発,地域資源の開発,保健・医療・介護・福祉・その他の地域の社会資源のネットワークづくりが求められる。また,本研究では英国の“social prescribing”を直訳し社会的処方と表現したが,国内での活動の呼称の検討も必要である。
著者
西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.527-544, 2020-02-28 (Released:2020-03-05)
参考文献数
84
被引用文献数
13 6

【背景】貧困や孤立等,患者の社会リスクへの対応は医療現場において不可欠とされながら,標準的な手続きや制度はない。対応策としてsocial prescribing(社会的処方)という概念が注目されているが,明確な定義やその効果についてはまとめられていない。そこで第一に,文献レビューにより社会的処方の包括的な定義づけを試みた。第二に,その定義に合う日本の活動をレビューし,日本の医療現場での患者の社会的課題に対応する活動の現状と普及に向けた課題を整理することを目的とした。【方法】(1)Social prescribing等をキーワードに検索し抽出した文献について国や地域・定義・対象・方法・効果等を評価し,社会的処方を包括的に定義づけた。(2)日本の事例を抽出し,活動の現状と普及に向けた課題を整理した。【結果】34文献をレビューした。社会的処方に関する報告は,英国からのものが多数であり,社会的な課題を抱えた患者を医療機関が“link worker”に紹介することや,地域での多様な交流活動等,患者にとって有益な非医療的な社会資源を患者とともにつくっていく活動の紹介やその効果評価の論文であった。医療費削減や救急受診減少の効果を示唆する研究があった。そこで,社会的処方を「医療機関等を起点として,健康問題を引き起こしたり治療の妨げとなる可能性のある社会的課題を抱える患者に対して,その社会的課題を解決し得る非医療的な社会資源につなげること,またケアの機会となる社会資源を患者とともにつくる活動」と定義した。この定義に合致する活動の報告は日本国内でも観察された。【考察】日本での活動の普及に向けては,活動の効果評価,方法論の標準化,必要なツールの開発,地域資源の開発,保健・医療・介護・福祉・その他の地域の社会資源のネットワークづくりが求められる。また,本研究では英国の“social prescribing”を直訳し社会的処方と表現したが,国内での活動の呼称の検討も必要である。
著者
西岡 大輔 上野 恵子 舟越 光彦 斉藤 雅茂 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.461-470, 2020-07-15 (Released:2020-07-31)
参考文献数
43

目的 経済的困窮や社会的孤立など,生活困窮状態は健康の社会的リスクであり,医療的ケアの効果を阻害する要因でもある。近年,患者の社会的リスクに対応する医療機関の取り組みが広がりを見せつつあり,その対象者を適切にスクリーニングできる方法の確立が求められる。そこで,医療機関で活用することを想定した生活困窮評価尺度を開発しその妥当性と信頼性の一部を検証した。方法 5つの医療機関を新規に受診した成人を対象に横断研究を実施した。生活困窮に関する25の質問の回答結果を用いて探索的因子分析を行った。反復主因子法により因子数を規定し因子を抽出した。プロマックス回転を用いた。抽出された因子の妥当性と信頼性を検証した。信頼性の検証には標準化クロンバックα係数を算出した。得られた結果から因子負荷量が高い設問を選択し,簡易尺度の問診項目を選定した。結果 対象者は265人であった(回答率:75.1%)。因子分析の結果,経済的困窮と社会的孤立の2因子が抽出され,因子負荷量が0.40以上のものとして,経済的困窮尺度では8問,社会的孤立尺度では5問が主要な設問の候補として抽出された。標準化クロンバックα係数は,経済的困窮尺度で0.88,社会的孤立尺度で0.74であった。さらに,簡易尺度の問診項目を各因子の因子負荷量が高いものから2項目ずつ選定した。すなわち「この1年で,家計の支払い(税金,保険料,通信費,電気代,クレジットカードなど)に困ったことはありますか。」「この1年間に,給与や年金の支給日前に,暮らしに困ることがありましたか。」「友人・知人と連絡する機会はどのくらいありますか。」「家族や親戚と連絡する機会はどのくらいありますか。」であった。考察 医療機関で患者の生活困窮を評価することを想定した尺度を開発し,一定の妥当性・信頼性を確認した。尺度の実用化に向けては,保健・医療・介護・福祉・地域社会の十分な連携のもと,質問項目の回答に対するスコアリングと地域や医療機関の特性に応じた本尺度のカットオフ値の設定,さらなる一般化可能性の検証等が必要である。
著者
凍田 和美 宇津宮 孝一 西野 浩明 善岡 賢二 倉岡 大輔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.96, no.390, pp.41-46, 1996-11-22
参考文献数
7
被引用文献数
5

我々は, 電子グローブに, 人が手を使って3次元空間に表現する, ジェスチャ, 位置指示, 大きさ表現の3つの動作に基づいた基本機能を用意した。この基本機能を用いて実現した仮想造形環境は, 簡略化した形状の物体を, 手で直接作成するより, 繁雑で, 多くの労力と時間を必要とする仮想空間の作成を容易にする。本稿では, 両手電子グローブの3つの基本機能とそれを用いた仮想造形システムの概要, 仮想打上げ花火システムへの適用, および, 本インタフェースの検討を述べる。
著者
西岡 大輔 栄原 智文
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.153-155, 2017-09-20 (Released:2017-09-29)
参考文献数
5

緒言:Ambulatory Care-Sensitive Conditions (ACSCs)とは「適切なタイミングで効果的なケアをすることで入院を減らすことができる状態」のことであり,ACSCsである患者の入院回避は重要である.ACSCsの高齢心不全患者に慢性疾患ケアモデルを適用し再入院までの期間を延長しえた事例を報告する.症例:92歳男性.慢性心不全のために定期通院しており,2014年4月まではコントロール良好であった.その後の入院頻度が増えたため,2015年2月より慢性疾患ケアモデルを適用した.その結果,心機能は継時的に増悪していたにも関わらず,再入院までの平均日数が適用前後で30.5日から64.3日と延長した.考察:利尿剤のスライディングスケールを用いた治療は,欧米では慢性疾患ケアモデルに基づき実施されている.慢性疾患ケアモデルのもとでフロセミドのスライディング療法を開始したことでACSCsにある患者の再入院までの期間が延長できた.
著者
荒岡 大輔
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.259-270, 2015 (Released:2015-11-11)
参考文献数
66

Lithium, one of the ‘rare metals’ defined by Japanese government, is industrially important, and Li compounds are used for many purposes (e.g., Li-ion batteries). The major types of lithium deposits are (1) brine, (2) pegmatite, and (3) sedimentary deposits. Because of the low production costs for Li in brine deposits, they account for approximately 60% of identified worldwide Li resources and for approximately 70% of worldwide Li production. Recent increases in Li production, an expected high demand for its use in eco-friendly cars, and uneven distribution of Li-producing countries underline the importance of maintaining a stable Li supply. Therefore, more brine deposits should be exploited, and the development of other types of Li deposits should be explored.   Lithium carbonate is extracted from brine deposits in playas and salt crusts by exploiting the solubility differences of different ionic compounds. Li-rich brine deposits probably form by orographic/topographic effects and by local hydrothermal activity, because Li is a fluid-mobile element and its elution from solids into fluids is temperature dependent. Lithium-pegmatite deposits probably form by intermittent intrusions of pegmatite magma in which Li has become concentrated by the addition of Li-rich differentiates from felsic magma, because Li is a moderately incompatible element. Sedimentary-type Li deposits, which are composed of hectorite and jadarite, are still relatively undeveloped, but they are attracting a great deal of attention as possible new Li resources. In addition to these sources, methods to extract Li from seawater and to reclaim Li by urban mining of discarded products have also been examined.   Lithium isotope analysis is a powerful tool for tracing water-rock interactions and for investigating various geochemical and geological processes. Moreover, the origin of Li and the history of Li accumulation in Li deposits can often be determined from its isotopic signature.
著者
上野 恵子 西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.21-070, (Released:2021-10-29)
参考文献数
29

目的 近年,生活保護制度の被保護者への健康管理支援の重要性が指摘され,施策が打たれている。本研究は,2021(令和3)年に全国の福祉事務所で必須事業となった「被保護者健康管理支援事業」に対して福祉事務所が抱える期待や懸念,および国・都道府県への要望を明らかにすることを目的とした。方法 2019年11月,機縁法により選定された23か所の福祉事務所に,質問紙調査を依頼した。質問紙では,健康管理支援事業の実施に際して期待する点ならびに懸念する点,国・都道府県から受けたい支援を自由記述で回答を求めた。次いで2019年11月から2020年2月にかけて,福祉事務所でヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査では,質問紙項目に記載が不十分な回答,回答の補足事項や不明点を調査票の内容に沿って聞き取りを実施した。結果 16か所の福祉事務所から調査票の回答およびヒアリング調査の承諾を得た(同意割合69.6%)。福祉事務所担当者は健康管理支援事業が被保護者の健康意識・状態を改善し,被保護者のみならず他住民への取り組みとしても実施されることを期待していた。また,困難を感じている点として,実施体制の構築,事業の評価指標・対象者の設定,保健医療専門職の確保が示唆された。国・都道府県への要望としては,評価指標・基準の提示,標準様式の提供,参考となる事業事例の紹介,福祉事務所間や地域の他の関係機関との連絡調整,情報共有の場の提供,財源の確保などが挙げられた。結論 健康管理支援事業の円滑な実施を推進するためには,自治体と国ならびに都道府県が連携を深めるとともに,重層的な支援体制の構築が求められている。
著者
千葉 隆司 貞升 健志 長島 真美 熊谷 遼太 河上 麻美代 浅倉 弘幸 内田 悠太 加來 英美子 糟谷 文 北村 有里恵 小杉 知宏 鈴木 愛 永野 美由紀 長谷川 道弥 林 真輝 林 志直 原田 幸子 藤原 卓士 森 功次 矢尾板 優 山崎 貴子 有吉 司 安中 めぐみ 内谷 友美 神門 幸大 小林 甲斐 長谷川 乃映瑠 水戸部 森歌 三宅 啓文 横山 敬子 吉田 勲 浅山 睦子 井田 美樹 上原 さとみ 小野 明日香 河村 真保 小西 典子 小林 真紀子 齊木 大 下島 優香子 鈴木 淳 西野 由香里 村上 昴 森田 加奈 吉丸 祥平 木本 佳那 新藤 哲也 堀田 彩乃 小林 千種 大塚 健治 吉川 聡一 笹本 剛生 稲葉 涼太 小峯 宏之 佐伯 祐樹 坂本 美穂 塩田 寛子 鈴木 淳子 鈴木 俊也 高久 靖弘 寺岡 大輔 中村 絢 成瀬 敦子 西山 麗 吉田 正雄 茂木 友里 飯田 春香 伊賀 千紘 大久保 智子 木下 輝昭 小杉 有希 斎藤 育江 高橋 久美子 立石 恭也 田中 優 田部井 由紀子 角田 徳子 三関 詞久 渡邊 喜美代 生嶋 清美 雑賀 絢 鈴木 仁 田中 豊人 長澤 明道 中村 麻里 平松 恭子 北條 幹 守安 貴子 石川 貴敏 石川 智子 江田 稔 岡田 麻友 草深 明子 篠原 由起子 新開 敬行 宗村 佳子 中坪 直樹 浜島 知子 野口 俊久 新井 英人 後藤 克己 吉原 俊文 廣瀬 豊 吉村 和久
出版者
東京都健康安全研究センター
雑誌
東京都健康安全研究センター研究年報 (ISSN:13489046)
巻号頁・発行日
no.71, pp.39-46, 2020
著者
渋谷 健司 Rahman Mizanur 野村 周平 田淵 貴大 山本 依志子 坂元 晴香 齋藤 英子 米岡 大輔 井上 真奈美 永田 知映 西浦 博
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

死亡・障害を含む包括的かつ比較可能な保健アウトカム(Burden of Disease:疾病負荷)の分析は、保健政策立案や研究開発の優先順位決定に必須の情報であるが、我が国では政策への活用は未だ限定的である。本研究は、研究代表者らによるこれまでの日本における全国及び都道府県レベルの疾病負荷に関する研究成果をさらに発展させ、最新の疾病負荷推計を用いて、現在懸案事項となっている主な施策(地域医療構想、医療費、健康格差、医療の質、医師の働き方改革、イノベーション戦略)に直接資する分析を行う。さらに、分析結果をより多くの政策立案者や研究者、一般の方が利用できるように分析データのビジュアル化を推進する。
著者
浅井 章良 小郷 尚久 村岡 大輔
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

抗PD-1抗体など免疫チェックポイント阻害薬の腫瘍微小環境における作用を妨げる要因のひとつとして、トリプトファン代謝酵素IDOとTDOを中心とするキヌレニン経路による免疫寛容が注目されている。研究代表者らは、これまでに独自の細胞系アッセイ系によって複数の阻害化合物を発見してきた。本研究ではIDOとTDOを標的とした創薬基盤の構築を目的として、IDO1/TDO二重阻害作用を有するS-ベンジルチオウレア誘導体の活性向上を達成し、作用機序解析に基づくドッキングモデルを構築し化合物デザインに活用した。IDO1/TDO二重阻害化合物の機能と有用性を検証するためのアッセイ系など創薬基盤技術を確立した。
著者
吉岡 大輔 杉浦 一徳 中嶋 剛太
雑誌
マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.91-96, 2017-06-21

二次元(アニメや漫画)と三次元(現実世界での動き)を融合した2.5次元とも呼べるコンテンツの一つとして,美少女・美少年着ぐるみ(Animegao Kigurumi),具体的にはコスプレや着ぐるみといったコンテンツのキャラクターに扮する活動が広がっている.本研究では,これら着ぐるみを楽しむ環境を拡大していく上で必要となるリテラシーに着目し,それらを1)実世界,2)インターネットの双方を活用することによってコミュニティ内で共有し,経験の共有へとつなげ,着ぐるみを発展させてゆく手法の確立を目指す.具体的には着ぐるみ活動を1)着ぐるみマスク入手・制作過程,2)着ぐるみ体験,3)着ぐるみイベントの参加,の3つに区分し,それぞれにおいて必要となる経験共有を伴ったリテラシーの共有手法について,インターネットを活用した共有基盤,ならびに実世界活動を連携することによって実現した.実証実験としてのワークショップ,イベントを例にネットワークを活用することによって効率的な経験共有を実現し,着ぐるみコミュニティの発展につながっていくための手法を提言する.本研究によって,着ぐるみ活動がより効率的に,かつグローバルに展開することが可能である事が立証できた.
著者
上野 恵子 西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.48-58, 2022

<p><b>目的</b> 近年,生活保護制度の被保護者への健康管理支援の重要性が指摘され,施策が打たれている。本研究は,2021(令和3)年に全国の福祉事務所で必須事業となった「被保護者健康管理支援事業」に対して福祉事務所が抱える期待や懸念,および国・都道府県への要望を明らかにすることを目的とした。</p><p><b>方法</b> 2019年11月,機縁法により選定された23か所の福祉事務所に,質問紙調査を依頼した。質問紙では,健康管理支援事業の実施に際して期待する点ならびに懸念する点,国・都道府県から受けたい支援を自由記述で回答を求めた。次いで2019年11月から2020年2月にかけて,福祉事務所でヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査では,質問紙項目に記載が不十分な回答,回答の補足事項や不明点を調査票の内容に沿って聞き取りを実施した。</p><p><b>結果</b> 16か所の福祉事務所から調査票の回答およびヒアリング調査の承諾を得た(同意割合69.6%)。福祉事務所担当者は健康管理支援事業が被保護者の健康意識・状態を改善し,被保護者のみならず他住民への取り組みとしても実施されることを期待していた。また,困難を感じている点として,実施体制の構築,事業の評価指標・対象者の設定,保健医療専門職の確保が示唆された。国・都道府県への要望としては,評価指標・基準の提示,標準様式の提供,参考となる事業事例の紹介,福祉事務所間や地域の他の関係機関との連絡調整,情報共有の場の提供,財源の確保などが挙げられた。</p><p><b>結論</b> 健康管理支援事業の円滑な実施を推進するためには,自治体と国ならびに都道府県が連携を深めるとともに,重層的な支援体制の構築が求められている。</p>
著者
中村 有里 長谷田 真帆 西岡 大輔 雨宮 愛理 上野 恵子 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.21-118, (Released:2022-07-29)
参考文献数
40

目的 人とのつきあいのわずらわしさなど対人関係上のストレスから対人関係や社会的場面を避け,たとえ危機に陥っても他者に援助を求めない傾向が若者を中心に見られている。他者に援助を求める行動には,子ども期に両親に援助を求めた経験が関係することが報告されている。しかし,家族への援助の要請が難しい場合でも,近隣住民との関係の中で,他者に援助を要請するようになることも考えられる。そこで本研究では,子ども期の両親への援助要請の経験と成人期の対人関係の忌避傾向の関連における地域交流の経験による効果の修飾の有無を検討した。方法 名古屋市の18~39歳を対象にした調査より,1,274人のデータを分析した。修正ポアソン回帰分析を用いて,子どもの時に父親・母親に対して援助を要請した経験,小・中学校の時の地域行事に参加した経験,およびこれらの交互作用項による対人関係の忌避の割合の比を男女別に算出した。年齢・両親の最終学歴・子どもの時の母親の就労状況および主観的経済状況,もう片方の親への援助要請経験を調整した。また,援助を要請した経験,地域行事に参加した経験それぞれの有無別に対人関係の忌避の状態にある者の割合の予測値を算出し,効果の修飾の有無を評価した。結果 父親への援助要請経験と地域行事への参加経験の交互作用項を入れた多変量解析および算出された予測値からは,地域行事への参加経験による効果の修飾は男女とも観察されなかった。母親への援助要請経験に関しては,男性で,地域行事への参加経験による効果の修飾が観察され,母親への援助要請経験があり,かつ地域行事への参加経験があった場合は,なかった場合の予測値よりも低い傾向があった。女性では,地域行事への参加経験による効果の修飾は観察されなかった。結論 対人関係の忌避を抑制する上で,とくに男性では,子ども期の母親への援助要請経験があった場合に,地域行事への参加経験があることの重要性が示唆された。親からの適切な援助を得ることに加えて子どもの地域交流を促すことで,将来の社会生活で困難に陥るリスクを緩和できる可能性がある。