- 著者
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米地 文夫
- 出版者
- 岩手県立大学
- 雑誌
- 総合政策 (ISSN:13446347)
- 巻号頁・発行日
- vol.1, no.3, pp.289-302, 1999-07-31
「東海」は多義的な地名である。現在では,東海道,東海地方,東海工業地帯など,本州中部の地名として用いられることが多い。いうまでもなく本来の「東海」は,日本列島の東側の海域の名である。歴史的には,日本をとりまく海を東海,南海,西海,北海とした4区分が明治維新まで用いられていた。「東海」の範囲は伊勢湾沖から津軽海峡まで,もしくは北海道南西岸沖までであった。現在の「東海」の用例は,本来の「東海」の西半に偏っている。筆者は本来の「東海」の東半,北東日本の海岸や沖合を環境重視型の「新東海国土軸」とすることを提唱したい。