著者
種坂 英次
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.109-111, 2005-07-25 (Released:2018-03-15)
参考文献数
9

奈良県北西部に位置する平群町椿井の常念寺地蔵堂隅棟には,きのこが浮彫りされたユニークな鬼瓦がある.鬼瓦には成熟過程の異なる3本のきのこが描かれている.成熟子実体および若い子実体の傘は開いているが,傘中央はまんじゅう形にふくらみ,縁部はやや内方に巻いている.柄は上下ほぼ同径で,下方に向かって細まることはない.傘と柄の表面には,繊維状鱗片を思わせる細かい線刻が密に施されている.以上の形態的特徴から,この鬼瓦は矢田丘陵西麓に点在する集落において古くから貴重な現金収入となっていたマツタケを描いたものと考えられる.
著者
増野 和彦
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.122-127, 2019

里山地域のきのこ生産に寄与するため,多くの人々が手軽に参加できるきのこの栽培および増殖技術の確立,および栽培品種の開発を図り,以下の研究成果を得た.1.「わりばし」および「つまようじ」に菌を培養した種菌による原木きのこ栽培の簡易接種法を考案して,クリタケについて実用性を実証し「きのこの接種法」として特許を取得した.2.クリタケ自然集団内におけるミトコンドリアDNA(mtDNA)の高い変異性を明らかにした.3.クリタケは菌糸束や根状菌糸束を形成して土壌中の木質の基質を介してテリトリーを広げていく生態を有しており,また,これらクリタケの基礎的な知見を基に,殺菌原木栽培・培養菌床の埋設によるクリタケの自然増殖誘導技術を開発し実証した.4.ナメコ,ヌメリスギタケ,ヤマブシタケ,クリタケ等のきのこ遺伝資源を収集し,これらを活用することで品種開発を果たした.
著者
松井 徳光
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.169-175, 2016

血栓症やガンなどの疾病は完治させることが難しく,医食同源・予防医学の観点に立ち,毎日の食生活からの発症を防ぐことが望ましいと考えられる.古来から現在に至るまで,清酒,ビール,ワインなどのアルコール飲料は,酵母のアルコール発酵によってつくられている.しかしながら,きのこにアルコール脱水素酵素や乳酸脱水素酵素が存在していることを発見し,アミラーゼ,プロテアーゼ,凝乳酵素の存在も確認した.多くのきのこに線溶活性および抗トロンビン活性が認められ,心筋梗塞や脳血栓などの血栓症予防に効果を示す機能性食品の開発を目指す研究を行った.酵母の代わりにアルコール脱水素酵素を有するきのこを用いてアルコール発酵を行い,機能性を有するワイン,ビール,清酒の生産を試みた.さらに,乳酸脱水素酵素,凝乳酵素,アミラーゼ,プロテアーゼなどが存在するきのこを用いて発酵を行い,新たな機能性を有するチーズ,味噌,発酵大豆,発酵梅,発酵豆乳,発酵肉などを調製した.その結果,これらの発酵食品中には,線溶活性,抗トロンビン活性,抗酸化活性が認められた.
著者
折橋 健 檜山 亮 原田 陽
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.85-88, 2018 (Released:2019-12-03)
参考文献数
16

シイタケ菌床栽培において,オノエヤナギのおが粉の粒度がシイタケ発生に及ぼす影響を検討した.おが粉製造後,4区分に粒度調整したおが粉を試験区,粒度未調整のおが粉を対照区に用いて栽培試験を行った.その結果,主な粒度が0.5 - 1.0 mmのおが粉を用いた試験区で,対照区や他の試験区よりも子実体収量,特に商品価値の高いMサイズ以上の子実体収量が高くなった.この結果は,ヤナギおが粉の粒度調整がシイタケ生産におけるヤナギの有用性を高める可能性を示している.
著者
中村 友幸
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.137-144, 2009-12-31 (Released:2018-03-15)
参考文献数
41

メシマコブは古くから漢方に供せられてきたきのこであり,高い生物活性を有するきのことして注目されている.近年,メシマコブ菌糸体は機能強化食品として幅広く用いられてきている.本報告では,メシマコブを用いた遺伝解析,培養条件の検索,および各種機能性の調査に関する最近の研究成果を報告する.特に,抗酸化作用,抗腫瘍作用,抗アレルギー作用,さらに新規の興味深い機能性研究に関しても紹介する.将来の研究でメシマコブの培養菌糸体とその有効成分が各種疾病に利用されることを期待している.
著者
鮫島 由香 澤 菜穂 田畑 麻里子 松井 徳光
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.100-103, 2017 (Released:2019-09-05)
参考文献数
8

鰹出汁を用いてスエヒロタケ Schizophyllum commune (NBRC4928)の菌糸体を培養したところ,マルト培地で培養した菌糸体と比較して抗酸化活性が高かった.鰹出汁培地で培養した菌糸体中にエルゴチオネインの生産が確認された.エルゴチオネインの収量は乾燥菌糸体1 gあたり1.01 mgであり,培地1 L当たりの生成量は12.9 mgであった.鰹出汁培地を用いた場合では乾燥菌糸体1 gあたりの収量は少なかったが,培地1 Lあたりの収量は生成する菌糸体が比較的多かったため従来報告されている収量より高かった.
著者
寺嶋 芳江 Licyayo Dinah Corazon Matchoc 鈴木 彰
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.15-21, 2011
参考文献数
25

ナシ剪定枝から製造したおが粉のヒラタケ栽培への使用可能性を明らかにした.ナシおが粉から調製した培地からは,通常用いられているスギによる培地からと同量の子実体収量が得られた.化学分析結果によると,スギおが粉に比べてナシおが粉には菌糸体の成長に有用な遊離糖がより多く含まれていた.ナシおが粉を用いたヒラタケ栽培に適合する条件は,おが粉製造機で製造された粗い粒径のおが粉をそのまま用い,含水率65%(湿重/湿重)でふすま含有率40%(全乾重/全乾重)の培地を調製し,菌糸体のまん延後5日目に菌掻きを行うことであった.本研究成果は,資源再利用やリグノセルロースの生物的変換により,近年の全世界的な環境問題に対応できると考えられる.
著者
森 智夫 川添 裕幸 堤 祐司 近藤 隆一郎
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.107-113, 2014

スギ植林地内に放置された風倒木あるいは間伐材を,林内で腐朽処理が可能な木材腐朽菌を単離し,その腐朽菌による周辺環境への影響を推定することを目的として検討を行った.スギ植林地などから高いスギ木粉腐朽能を有する木材腐朽菌としてキチリメンタケと,一般に広く分布する木材腐朽菌であるカワラタケの二種を選抜した.これらを半年以上放置されたスギ間伐材に接種することにより,間伐材を短期間で腐朽できることが確認できた.さらに,今回供試した菌株は隣接するシイタケほだ木への感染力を,分子生物学的手法により評価したところ,今回の試験においてはほだ木への感染は確認できなかった.よって,植林地などで間伐放置材などの生分解処理に用いるのに,生態系撹乱の懸念が低いものと期待される.
著者
浜名 康栄 林 秀謙 新津 勝 江口 文陽
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.17-22, 2010-04-30 (Released:2018-03-15)
参考文献数
25

テトラアミン類のスペルミンとグアニジノアミン類のアグマチンの分布に注目し,きのこの子実体105試料より酸抽出したポリアミン画分を高性能液体クロマトグラフィーおよびガスクロマトグラフィーにて分析した.きのこ種としては,新規23種を含む90種(子嚢菌門の3種,担子菌門87種)であった.食用きのこ20種(13属)においては,各々同種の野生自生品種と市販栽培品種のポリアミン構成はほぼ一致した.プトレスシンやスペルミジンは90種に共通して存在したが,スペルミンの含有は10種に限定されていた.アグマチンは23種に主ポリアミン成分の一つとして検出された.イグチ科の8属におけるホモスペルミジンとカナバルミンの存在も追加確認した.帽菌亞網での子実体の傘部位と柄部位,腹菌亞網での殻皮とグレバと胞子塊,タマウラベニタケでの正常子実体と奇形菌糸塊についての比較では,スペルミンやアグマチン含量の差が顕著であった.
著者
田畑 麻里子 福田 祥子 大杉 匡弘 佐藤 美次 山川 友宏 波多野 健二 野池 利彰 松井 徳光
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.159-163, 2008-12-31
被引用文献数
1

担子菌で豆乳を発酵させることによって,うまみ成分に富み,高い生理活性を示す新規な機能性発酵豆乳の開発を試みた.担子菌はスエヒロタケ(Schizophyllum commune)を用いた.豆乳タンパク質の分解についてSDS-PAGEで観察したところ,培養1週間目には豆乳のタンパク質バンドは消失し,新たなバンドが現れた.遊離アミノ酸濃度を測定したところ,最も高いアミノ酸濃度を示したのは培養3週間目であったが,全遊離アミノ酸に対するうまみ系アミノ酸の割合が最も高いのは培養4週間目であった.シュウ酸,リンゴ酸,コハク酸,ピログルタミン酸などの有機酸の濃度は低く,発酵中に変化し,一定ではなかった.抗酸化活性,抗トロンビン活性はスエヒロタケで発酵させることで増加し,また発酵時間の経過とともに強くなった.
著者
前田 和彦 小池 歩 越智 友也 向山 博之 寺下 隆夫 北本 豊 会見 忠則
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.105-108, 2008
参考文献数
19
被引用文献数
2

ホンシメジと称されるきのこの二核株12菌株とハタケシメジの2菌株のmt SSU rDNAのV4領域の塩基配列を用いた分子系統解析を行ったところ,ホンシメジと称される菌株が,2つのクラスターに分別された.これらの,異なるクラスターに属する菌株のmt SSU rDNAのV4領域の塩基配列の違いが生物種の違いによるものなのかどうかを調べるため,二核菌糸体をプロトプラスト化し,それを再生することにより,一核株の取得を試みた.その結果,Cluster 1に属する菌株から5種類,Cluster 2に属する菌株から2種類の交配型の異なる菌株を分別した.それらを相互に交配させたところ,Cluster 1に属する菌株とCluster 2に属する菌株は,いずれの組み合わせにおいても不和合であった.以上の結果から,mt SSU rDNAのV4領域の塩基配列の違いは,生物種を反映しており,ホンシメジと称されるきのこの中に形態が非常に似通った2つの生物種が存在する可能性が示唆された.
著者
鄧 志強 鈴木 彰
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.73-79, 2008
参考文献数
23
被引用文献数
2

外菌根性アンモニア菌,アカヒダワカフサタケの交配系は4極性であった.4種類の異なる交配型をもっ単核菌糸株は複核菌糸株と同様,子実体形成能を有していた.複核菌糸と単核菌糸由来の子実体形成はタイプI,タイプII,タイプIIIに大別された.タイプIは複核菌糸由来の通常の子実体形成である.タイプIIとタイプIIIは柄や傘の発達が不規則な子実体形成であり,後者は矯性の子実体を形成するものである.タイプIIはA^xB^xあるいはA^xB^yの交配型を有する単核菌糸株から,タイプIIIはA^yB^xあるいはA^yB^yの交配型を有する単核菌糸株から形成された.複核菌糸由来の子実体では,傘あたり1×10^7個の担子胞子が生産された.単核菌糸由来の子実体では,複核菌糸由来の子実体の1/40量以下の担子胞子しか生産されず,発芽率も複核菌糸由来の子実体由来の担子胞子に較べて低かった.以上のことに基づき,同菌の増殖戦略を考察した.
著者
小城 明子 鈴木 亜夕帆 鈴木 彰 鄭 鍾千 西澤 光輝 渡邊 智子
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.119-124, 2004-10-30
被引用文献数
4

ブナシメジの収穫後子実体を5℃の暗所で14日間に渡って保存し,貯蔵期間(7日および14日)における生重量,形態,物性,および色などの変化を調査した.貯蔵期間が長くなると,子実体は傘が大きく柄が細くなった.傘の物性は貯蔵により,しなやかさおよびかみごたえを増し,柔らかさおよび脆さを失った.傘の色は,貯蔵7日目では明度と彩度が増して鮮やかな明るい黄色を呈し,貯蔵14日目では明度と彩度が低下し暗いくすんだ黄色になった.傘の水分含有率は,貯蔵14日目で増加した.以上から,ブナシメジの食品としての品質は,5℃での貯蔵では,貯蔵7日目までとそれ以降で異なることが客観的評価法を用いることによって判明した.
著者
スワンノ スピット 中村 和夫 天野 義文 志田 万里子 堀内 勲
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.83-93, 2005-07-25

霊芝菌糸体のβ-1,3-グルカンの定量を目的として効率的な破砕法を,乳鉢,コーヒーミルおよびマルチビーズ・ショッカー(MBS)を用いて検討した.メタルコーンとMBSを用いて90秒間菌糸体を破砕すると,最も小さい粒子サイズ分布となり,最も高いβ-1,3-グルカン抽出効率となった.MBSにより90秒間破砕した菌糸体粉末を用いて,ガラスビーズを伴ったMBSの連続使用による,迅速な抽出方法(MBS法)を開発した.2mlの抽出容器に抽出混合液を容量比率35%で満たしたとき,最も大きな抽出効率が得られた.グルカン抽出のための最適条件は,5から15mgの粉末化した菌糸体を入れ,0.5mmの直径のガラスビーズを添加することであった.この抽出条件を実行すると,熱水抽出物と冷アルカリ抽出物とを調製するのに要する全体の時間は4時間だけに短縮された.さらに新規な抽出方法によって抽出される全β-1,3-グルカン含有量は既存の抽出方法による含有量よりも43%高かった.
著者
吉田 博
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.157-163, 2004-12-25
被引用文献数
5

菌床栽培ハナビラタケ子実体の発育過程(子実体原基,幼子実体,成熟子実体)における化学成分(一般成分,無機成分,低分子炭水化物,有機酸,遊離アミノ酸)の変化について検討し,以下の結果を得た.発育過程における水分含量は86.1〜87.8%であり,顕著な含量変動はなかった.乾燥重量当たり,粗タンパク質は13.4〜33.2%,粗脂肪は1.4〜1.7%,粗灰分は2.8〜3.2%,炭水化物は61.9〜82.4%であり,発育にともない炭水化物は増加し,粗タンパク質,粗脂肪,粗灰分は減少した.無機成分含量は,1.45〜1.69%であり,子実体原基から幼子実体にかけて減少し,成熟子実体で増加した.主成分はカリウムで,ついでリン,マグネシウム,カルシウム,ナトリウムであった.低分子炭水化物含量は,6.2〜15.4%であり,トレハロース,マンニトール,グルコース,フルクトース,アラビトールが同定された.主成分はトレハロースとマンニトールであり,発育にともないトレハロースとマンニトール含量は増加した.有機酸含量は,2.6〜3.7%であり,発育にともない減少した.リンゴ酸,クエン酸,フマル酸,ピログルタミン酸,コハク酸,シュウ酸,乳酸,α-ケトグルタル酸,酢酸およびギ酸が検出され,主成分はリンゴ酸,クエン酸,フマル酸,ピログルタミン酸およびコハク酸であった.遊離アミノ酸含量は,0.49〜1.07%であり,発育にともない減少した.主成分はグルタミン酸,アスパラギン,アスパラギン酸,チロシン,アルギニン,アラニンおよびセリンであった.
著者
川出 光生 原田 栄津子 西岡 宏樹 目黒 貞利
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.75-79, 2009-07-31
被引用文献数
1

本研究では,杏仁様の香気を有するチリ産の食用きのこG.gargalの人工栽培を目標に,チリ国内で採取した13菌株の中からブナおが粉・フスマ培地での子実体形成にもっとも適した菌株を得ようとした.まず,寒天培地を用いた菌糸伸長の比較により,13菌株から菌糸伸長とコロニーの形態が良好であったIWADE-GG007,GG006,GG008,GG010およびGG000の5菌株を選び,この中からブナおが粉・フスマ培地でも菌糸伸長が良好であったIWADE-GG010,GG006,GG000の3菌株を選んで子実体形成試験を行った.これら3菌株はすべてブナおが粉・フスマ培地で子実体を形成し,傘の形態,および傘の色に各菌株の特徴がみられたが,子実体収量が多い菌株はGG010とGG006の2菌株であった.本研究により,国産のブナおが粉を用いた菌床栽培によるG.gargalの人工栽培が可能であることが明らかとなり,商業生産への可能性が示された.