著者
中村 和夫 小林 奈保子 谷本 守正
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.444-447, 2014-09-15 (Released:2014-10-31)
参考文献数
13
被引用文献数
2 5

食用きのこ12株のフスマ固体培養を行い,その抽出液の凝乳活性を測定した結果,ヤマブシタケ(Hericium erinaceum) NBRC 100328に高い凝乳活性を見い出した.さらにMAFF7株のヤマブシタケについて凝乳活性を測定したところ,4株について凝乳活性が存在した.これら5株について低温殺菌牛乳を用いたカードの作製を行った結果,5株全てにおいてカードの作製が可能であった.全凝乳活性およびカード収量が高かった,Hericium erinaceum MAFF 435060,MAFF 430234,NBRC 100328をチーズ作製に適した株として選抜した.
著者
中村 和夫
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
やどりが (ISSN:0513417X)
巻号頁・発行日
vol.2017, no.253, pp.38-41, 2017-06-30 (Released:2018-01-01)
参考文献数
13
著者
本間 裕人 中村 和夫 川村 拓未 徳田 宏晴 中西 戴慶
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.23-29, 2013-04-30 (Released:2018-03-15)
参考文献数
17
被引用文献数
1

きのこ類を用いて味噌の製造を行った.味噌の製造に利用可能なきのこ類の選抜を行ったところ,11株のきのこ類において顕著な耐塩性プロテアーゼの生産性が認められた.そこでそれらの菌株を用いて実際に味噌を試醸したところ,すべての菌株において28日間の熟成で柔らかいペースト状となり,きのこ味噌を製造することができた.製造したきのこ味噌の一般食品成分分析を行ったところ,いずれも市販米甘口味噌に近い値を示した.熟成度合いについて調べるため可溶性窒素量を調べたところ,市販米甘口味噌が8.32g/kgであったのに対し,トキイロヒラタケ味噌では8.46g/kgであった.ホルモール窒素について調べたところ,市販米甘口味噌が3.67g/kgであったのに対し,エノキタケ味噌で4.42g/kgであった.アミノ酸組成について調べたところ,11株中5株のきのこ味噌でグルタミン酸含有量が市販米甘口味噌より高かった.
著者
妹塚 裕行 安部 信子 中村 和夫 甲斐 之尋
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会
雑誌
九州理学療法士学術大会誌
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.15, 2019

<p>【目的】</p><p>理学療法を行う上で、姿勢評価は病態を把握するために重要な評価の1つであるが、臨床では視診によって評価されることが多く、客観性に欠ける。客観的な姿勢評価として、レントゲン(以下X線)画像、スパイナルマウス、デジタル画像解析等があるが、機器の設置が必要な事や高価な事、また患者への負担(被爆)があり、臨床の中で簡便に行える評価ではない。先行研究において安価で簡便な方法として、デジタル傾斜計を用いて胸椎後弯角(以下TK角)を定量的に測定する方法が報告されている。しかし、デジタル傾斜計を用いて腰椎前弯角(以下LL角)、仙骨角(以下SS角)を検証した報告や、これらをX線画像との相関性を報告したものは見当たらない。本研究の目的は、健常者を対象にX線画像で測定したTK角、LL角、SS角とデジタル傾斜計で測定した値の相関関係を検証し、デジタル傾斜計を用いての姿勢評価の有用性を検討する事とした。</p><p>【方法】</p><p>対象は健常成人40名(男女各20名、平均年齢37±10.2歳)であった。X線撮影とデジタル傾斜計測定は同時に行い、測定姿勢は前方1mの目印に目線を向け、両上肢を前方で組み、両下肢は肩幅程度に開いた静止立位とした。X線画像解析はSchwabらの計測法を参考にTK角、LL角、SS角を測定した。デジタル傾斜計測定値はTh5、6棘突起の傾斜度とTh11、12棘突起の傾斜度の和を傾斜計TK角、L1、2棘突起の傾斜度とL5、S1棘突起の傾斜度の和を傾斜計LL角、S1、2棘突起の傾斜度を傾斜計SS角とした。デジタル傾斜計の測定回数は2回とし、平均値を代表値とした。</p><p>デジタル傾斜計による傾斜計TK角、傾斜計LL角、傾斜計SS角の測定者間級内相関係数は、それぞれ0.97、0.91、0.94であった。統計解析はPearsonの相関係数を用い、危険率5%未満を有意とした。</p><p>【結果】</p><p>TK角26.9±6.1°傾斜計TK角28.3±6.1°、LL角43.4±9.2°傾斜計LL角39.1±6.8°、SS角28.4±6°傾斜計SS角22.6±6.5°であった。</p><p>X線画像とデジタル傾斜計の測定値の相関は、TK角は強い相関関係(r= 0.75、p < 0.01)、LL角は中等度の相関関係(r= 0.62、p < 0.01)、SS角は強い相関関係(r= 0.75、p < 0.01)を認めた。</p><p>【考察】</p><p>本研究の結果、デジタル傾斜計でのTK角、LL角、SS角の値はX線画像の測定値と有意な相関関係が認められ、健常者の姿勢評価に有用である事が示唆された。近年、姿勢変化が隣接関節に及ぼす力学的影響についての報告が散見されており、姿勢評価・アプローチの意義は高くなっている。これらの事からも、デジタル傾斜計を用いる事は、臨床で姿勢評価・アプローチする際に簡便かつ定量化した方法として有用な一手段となりうる可能性があると考える。しかし、デジタル傾斜計は経皮的測定であるため、デジタル傾斜計の測定値は矢状面における脊椎の相対的位置関係を把握するものである事は念頭に置くべきである。</p><p>今後は、臨床応用するために姿勢障害を有する者を対象に検証していきたい。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言に則り行った。当院スタッフに説明して研究への参加を呼びかけ、研究参加はあくまでも自由意志であり、参加しないことにより医療上または社会的な不利益は生じないことを説明した。対象者には事前に書面と口頭により研究の目的、内容、考えられる危険性等を医師と共に説明し、同意書に署名を得た上で計測を実施した。また、レントゲン撮影は医師の監視の元に行い、本研究データは匿名化し、個人情報管理に留意した。</p>
著者
中村 和夫 Kazuo Nakamura
出版者
東京水産大学
雑誌
東京水産大学論集 (ISSN:05638372)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.131-140, 2000-03-30

東京水産大学共通講座
著者
黒沢 尋 樋口 直美 中村 和夫 天野 義文
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.155-157, 1992

種々のワイン中に含まれる総亜硫酸を<I>Thiobacillus thiooxidans</I> JCM 7814 と酸素電極からなるバイオセンサーで測定した。バイオセンサー法は赤・白ワイン, ロゼワイン及び貴腐ワインに対して良好な定量性を示した。亜硫酸回収率は低くとも84%以上, 変動率は平均5.0%であった。これに対し, 酒精強化ワインやオレンジワインなどの特殊なワインについては, 現段階では良好な測定値が得られなかった。以上の結果より, 結合型亜硫酸を予め遊離型に分解することによって, バイオセンサーによるワイン (ブドウを原料にしたもの) 中の総亜硫酸の定量が可能となることが明らかになった。
著者
青柳 育夫 手塚 マサ子 中村 和夫
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.185-198, 1998
被引用文献数
4

茨城県下の鬼怒川下流域において,アカツキシロカゲロウEphoron eophilum ISHIWATAに関する野外調査を実施した。同所にはオオシロカゲロウE. shigae(TAKAHASHI)も生息する。両種の卵を実験室内において孵化させ,若齢幼虫の形態比較を行った。<BR>1)アカツキシロカゲロウは年1化性で,越冬した卵は4月から7月にわたって孵化し,成体は7月から10月にかけて羽化・産卵した。短期間に同調的な孵化および羽化がおこるオオシロカゲロウと比較すると孵化および羽化とも長期間に及んだ。2)アカツキシロカゲロウの羽化・産卵は日の出前後におこり,日没直後に行われるオオシロカゲロウの羽化・産卵とは明確に分離していた。3)アカツキシロカゲロウの卵はオオシロカゲロウより体積で約4倍大きく,1齢から5齢幼虫は同一齢のオオシロカゲロウより大型で,特に大顎牙が1齢の時期からよく発達していた。4)大卵少産型のアカツキシロカゲロウは幼虫が粘土質の河床に生息しており,小卵多産型のオオシロカゲロウの幼虫は砂礫質や砂泥質の河床に生息、している。アカツキシロカゲロウの1齢幼虫の大顎牙は固い粘土質の河床での生息に適応した形態と考えられる。
著者
山浦 由郎 中村 和夫 石原 祐治
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.110-115_1, 1997-04-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
13
被引用文献数
1 2

長野県内で1970年から1994年までの25年間に発生したきのこ中毒を統計学的に解析した. 中毒は1972年及び1987年を除いて毎年発生し, 年平均約5件の発生, 20人の中毒者があった. 原因きのこの種類別ではカキシメジ, クサウラベニタケ, ツキヨタケの3種のきのこで, 全きのこ中毒事例の約70%を占めていた. 毒きのこを発現する特徴的な中毒症状別に分類した場合, 発症率は胃腸障害型きのこ, 入院率は神経系症状型きのこ, 死亡率はコレラ様症状型きのこでそれぞれ最も高かった.
著者
スワンノ スピット 中村 和夫 天野 義文 志田 万里子 堀内 勲
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 : mushroom science and biotechnology (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.83-93, 2005-07-25

霊芝菌糸体のβ-1,3-グルカンの定量を目的として効率的な破砕法を,乳鉢,コーヒーミルおよびマルチビーズ・ショッカー(MBS)を用いて検討した.メタルコーンとMBSを用いて90秒間菌糸体を破砕すると,最も小さい粒子サイズ分布となり,最も高いβ-1,3-グルカン抽出効率となった.MBSにより90秒間破砕した菌糸体粉末を用いて,ガラスビーズを伴ったMBSの連続使用による,迅速な抽出方法(MBS法)を開発した.2mlの抽出容器に抽出混合液を容量比率35%で満たしたとき,最も大きな抽出効率が得られた.グルカン抽出のための最適条件は,5から15mgの粉末化した菌糸体を入れ,0.5mmの直径のガラスビーズを添加することであった.この抽出条件を実行すると,熱水抽出物と冷アルカリ抽出物とを調製するのに要する全体の時間は4時間だけに短縮された.さらに新規な抽出方法によって抽出される全β-1,3-グルカン含有量は既存の抽出方法による含有量よりも43%高かった.
著者
松森 正之 大久保 琢郎 向井 友一郎 築部 卓郎 渡部 宜久 大森 敏弘 家永 徹也 佐藤 洋 笹田 明徳 中村 和夫
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.1994-1998, 1992-07-01
被引用文献数
2

食道平滑筋肉腫はまれな疾患で文献的にはこれまで95例が報告されているにすぎない.最近,われわれは2例の巨大な食道平滑筋肉腫の手術切除例を経験したので報告する.症例1は39歳の男性,多発性の肝転移をともなった巨大な腫瘍であったが,手術を2期に分けて切除しえた.まず1回目の手術で右開胸により腫瘍が浸潤した右肺下葉を切除し体位を変え左開胸開腹連続切開により1,500gの腫瘍を切除した.食道再建は胃管により胸骨後経路で行った.2回目の手術は40日後に非定型的肝右葉拡大切除術を施行し肝の内側区,前下および後下区域の肝転移巣を切除しえた.術後経過は良好で20日後に退院したが,第1回目手術から1年2か月後に多発性縦隔および肝転移で死亡した.症例2は46歳男性,左開胸開腹連続切開により腫瘍が浸潤した左肺下葉と下部食道を切除した.腫瘍の重量は800gであった.再建は空腸を間置し術後経過良好であり,現在術後3か月目になるが外来で経過観察中である.