著者
ローレンス ウエイン
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.30-38, 2011

琉球のいくつかの方言にみられる希求形式の使用状況から、琉球方言の=イタシ系の希求形式は生理的に不随意の身体機能を表す動詞のみと共起し、必要性を訴えるのが古い使用法であると考えられる。この=イタシは「痛みを感じるほど痛烈に感じる状態に達する」という意味から発達したとみられるものである。本土日本語の=イタシも、「甚(イタ)シ」からではなく、琉球方言と同じ文法化の経路をたどって、希求形式になったと思われ、その文法化の出だしは日琉祖語の時代に遡ると推測される。
著者
間宮 厚司
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.149-135, 2011-10-01

筆者は、これまでに『おもろさうし』の言語を大和古語と比較することで、沖縄固有の語(オモロ・グスク・テダ等)の語源や特有の文法体系(係り結び・形容詞等)について考察してきた。本稿では、ヂャウ(門)の原義、ウリズン(陰暦三月頃の季節)の語源、人称名詞(我)アとワについて、助詞ハの表記と発音について考察した。その結果、ヂャウ(門)の原義を門に施されたヂャウ(錠)と推定し、ウリズンの語源は、「(大地が雨で)潤って(空気が)澄むこと」と、『おもろさうし』の実例から推定した。そして、『おもろさうし』の人称名詞(我)ア系とワ系を調査した結果、アガとワガの下に来る語には、明確な違いが認められた。また、助詞ハの中で、「…を」に当たる「は」表記の発音はワでなく、バであったと考えるのが穏当であるという結論に達した。
著者
深津 周太
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.18-34, 2016 (Released:2017-03-03)
参考文献数
12

本稿は,‘量程度の小ささ’を表す《ちょっと類》副詞に見られる〈ちょっとの型〉と〈ちょっとした型〉という二つの連体表現の型について,中世における両者の関係とその後の展開を論じたものである。 まず中世における〈ちょっとの型〉に着目すると,当期に見られる「ちっとの/そっとの」は【程度】【量】を表す点で共通するが,一方で「そっとの」には「そっとの間」のような時間の【存続量】が中心的な意味機能として備わっている。これは「そっと」の量程度用法が,【素早さ】という時間に関わる機能用法を出自とすることによる。 一方,〈ちょっとした型〉は通史的に【程度】しか表さないため,この型が新出する中世の「そっと」領域においては「そっとの:そっとした」=【量・存続量:程度】という形式と意味機能の対応関係が芽生えることとなった。この「そっとの:そっとした」という形式間の機能分担は,近世以降の「そっと」衰退に伴い「ちっと/ちょっと」に引き継がれ,その結果〈ちょっとの型:ちょっとした型〉という型による機能の表し分けがなされることとなった。
著者
青木 博史
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.1-15, 2009-04

動詞の重複形には,終止形重複と連用形重複がある。本稿では,「語」レベルにとどまらず,「句」レベルを含む「構文」として,歴史的観点から分析を行う。終止形重複は,古くは通常の終止形述語同様,文終止に用いられたが,動詞としての述語性を失う形で副詞化した。連用形重複は,従属節専用の形式であるが,述語性を獲得するために「重複+スル」の形を生み出し,「複合動詞重複+スル」「重複句+スル」の形で現在も用いられている。重複構文は,古今を通じて「結果継続」を表すことはない。変化動詞の重複形においても,「重複+スル」等の形で動的な事態の繰り返しを表す。「踏み踏みする」のような「単純動詞重複+スル」が用いられなくなるのは,「踏み踏み」が「語」と認識され,「重複語+スル」の形が拒否されるようになったためと考えられる。
著者
久田 行雄
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.101-86, 2019

<p>現在、日本語の表記で使用される楷書体漢字平仮名交じり文という書記体は、近代以前においては一般的ではなく、活版印刷の導入を機に使用されるようになったと指摘されてきた。しかし、本稿の調査により、一八世紀初期に出版された医書に楷書体漢字平仮名交じり文の使用例が確認されること、この書記体は一八世紀中期には仏書へと広がり、一八世紀後期以降にさらに使用範囲が広がっていくことを明らかにした。楷書体漢字と平仮名が併用されるようになったのは、楷書体漢字との併用を許容する程に平仮名の役割が徐々に変化してきたからであろうと指摘した。このような表記意識の変化が、一八世紀を通して社会に広がっていったことを明らかにした。</p>
著者
韓 静妍
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.47-62, 2010-10-01

日本語における非情の受身は、状況描写の場面に用いられる状態性の表現という限られた用法を除いては、西洋語の翻訳文体の影響により近代以降本格的に発達したものと云われているが、近代以降の非情の受身の発達様相についての具体的な検証はまだ行われていないようである。本稿では、近代以降の文学作品における受身用例を年代別に観察することによって、時代による非情の受身の発達様相を明らかにすることを目標とし、状態を表す非情の受身から出来事を表す非情の受身への拡張、抽象名詞を主語とする受身の発達などの様相を年代ごとに示す。また、翻訳文体の影響を検証するために、近代初期の翻訳文献における受身用例を観察し、それらの日本語の受身体系への影響力について確認する。最後に、近代以降非情の受身が発達した日本語内部の動因として、自動詞的対応項という受身の役割について検討する。
著者
蔡 珮菁
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.17-32, 2007-07-01

「長期的な観点」に対する「長期的観点」のように,「連語」と交替可能な「臨時的な複合語」について,その語構成レベルの成立条件を解明すべく,"接尾辞「的」による派生形容動詞(「A的」)と名詞(「B」)との結びつき"に注目して,要素「A」「B」がその語種・品詞性においてどのようなくみあわせのとき,臨時的な複合語「A的B」になりやすいかを検討した。新聞の社説本文3年分における(交替可能な)「A的なB」「A的B」の使用状況を計量的に調査した結果,「A的B」が最も活発に成立するのは,「A」「B」がともに2字漢語の(非用言的な)体言類というくみあわせであること,また,このくみあわせは,4字漢語複合名詞や和語複合名詞の構成において最も優勢なくみあわせに一致・対応することが明らかとなった。このことから,連語と交替可能な臨時的複合語の成立にも,既存の(固定的な)複合語の構成のあり方が影響を与えていること,すなわち,要素のくみあわせが,既存の語構成において安定的・生産的なタイプに一致・対応するものほど,臨時的な複合語として成立しやすいのではないかとの見通しを得た。
著者
仁科 明
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.17-24, 2016-07-01 (Released:2017-03-03)
著者
邊 姫京
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.79-94, 2010-10-01

秋田,東京,大阪,兵庫,熊本の5地域を対象に,10歳代から80歳代の話者を含む音声資料(2006-2007年収録)を用い,無声化の生起要因及び無声化生起率の年齢的変化についての考察を行った。分析の結果から無声化生起率はどの地域も音環境の影響を強く受けていること,無声化生起率と音調との関係については兵庫,大阪でもアクセントよりも音環境の影響が大きいことが確認された。無声化生起率にはほぼ全国的に世代差があることをすでに報告したが(邊姫京2007),本稿では,世代間の断層が秋田では60代と50代の間,熊本と大阪では40代と30代の間にあり,兵庫も40代と30代の間に断層がある可能性があること,しかし東京では明確な年齢的違いはないことが確認できた。また,20年前の資料との比較から同一コーホート(同年出生集団)の無声化生起率は,ほぼ同じであることが明らかになった。
著者
吉田 雅昭
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.45-60, 2008-04-01

東北諸方言の基本的時間表現形式の考察を行った。過去継続相としてテアッタ・テデアッタ形が秋田市,タッタ形が青森市,テラッタ・テダッタ形が平鹿町・八戸市・盛岡市,テタッタ形が福島市方言で使用される。過去・現在継続相としてテタ形が見られるが,平鹿・八戸・盛岡ではテラ形も使用される。完成相ではタッタ形が平鹿・八戸・盛岡・福島で使用される。東根市では文末詞のケとタが共起することが多い。元々存在した過去継続相のテアッタ形が音変化によりタッタ形へ変化していった。変化当初は継続相として機能しながらも,継続相表示の「テ」の消失のため,やがて完成相(タの連続)として意識される。そして完成相と継続相の2項対立を実現させるためにテタッタ形を生じる,というプロセスを主張した。時間表現を通して,安定した体系を成立させるために言語変化が生じていく様を,各方言を対照させ論じた。
著者
蓑川 恵理子
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.48-63, 2006-01-01

商品名の研究では、なぜそのような命名が行われたのか、将来どのような名づけがなされるのかを予測する《命名のメカニズム》が明らかにされなければならない。そのためには、商品カテゴリーに対する競合各社の名づけ全体を見渡し、さらに、固有名だけでなく普通名による名づけも商品名と認めて、その《変遷》に見られる規則的な傾向を見出すことが必要である。このような観点から、戦後半世紀の新聞広告を資料として、「三種の神器」といわれた家庭用電気製品名の変遷を、4種の商品名構成要素を設定した上で、調査・分析した。その結果、(1)商品名の変遷において構成要素の出現には一定のパターンがある、(2)商品名構成要素の出現パターンは新商品・新機能の出現とその普及(一般化)とに関係する、(3)新商品・新機能の普及(一般化)に伴って類概念の意味が変化する、という3点を明らかにした。これらの諸点は、商品名の命名メカニズムを明らかにするための基礎的な部分を担う特徴であると考えられる。
著者
尾崎 奈津
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.65-79, 2007-01-01
被引用文献数
1

本稿は否定命令文の機能と特異性,さらに命令文と否定の関わりについて記述したものである。従来,叙述の否定文は先に肯定的想定があってはじめて使用されることが知られているが,否定命令文も叙述の文と同様,肯定的な事態,すなわち命令文の対象となる行為が先にあって使用される。そしてその行為の成立する時間および意志性という二つの要因により,文の機能が,事態の実現を要求する《命令》から,〈不満の表明〉・〈当為的判断〉・対象となる行為に対する〈評価〉・〈願望〉に変化する。実例では後者の《命令》以外のもののうち,叙述文的な機能を担う〈不満の表明〉〈当為的判断〉〈評価〉の例が非常に多く出現する。しかもその中で〈評価〉は否定命令文に特有のものである。こうしたことから,否定命令文は肯定命令文に比べて叙述文に傾く傾向が強いといえる。
著者
栗田 岳
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.16-31, 2011-01-01

連体形終止、及び、連体形+ヨの終止には、述語にム・ラム・ケム(=ム系)を持ちつつ、推量・意志の文とは解しがたい例を見るが、それらは、以下の2類に区分される。・I類言語主体の推量・意志の作用とは関わりなく構成される未来事態を表すもの。・II類言語主体にとって、本来在るはずの姿とは齟齬する既実現の事態を表すもの。I類に表される未来事態とは、言語主体に思い描かれることによってのみ存在する事態である。一方、II類の言語主体は、本来在るはずの姿と齪齬する事態に惑い、改めてその存在を思い描くものと考えられる。以上より、これらI類・II類のム系は「事態が現実世界に存在することを思い描く」作用(=「設想」)を担う形式であると結論する。
著者
川野 靖子
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.47-61, 2009-10

「塗る」等の動詞は壁塗り代換と呼ばれる格体制の交替を起こすが,「付ける」「汚す」等は交替を起こさない。壁にペンキを{塗る/付ける/*汚す}壁をペンキで{塗る/*付ける/汚す}この現象に関して次のことを論じた。(1)「交替を起こすのは位置変化と状態変化を表す動詞」という従来の記述は,現象の言い換えであり説明にならない。交替を起こさない動詞が表す位置変化・状態変化との違いを明らかにする必要がある。(2)分析の結果,交替を起こす動詞が表す位置変化・状態変化は,それぞれ依存的転位・総体変化として特徴づけられるものであり,両者のシフトによって交替が起こることが分かった。「付ける」「汚す」等はこのようなタイプの位置変化・状態変化を表さないため交替が起こらないのである。(3)本稿のアプローチは,動詞の範疇的語義の階層性に着目したものである。これは,複数の交替の体系的記述を可能にする点でも有意義なアプローチである。
著者
佐藤 貴裕
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.132-118, 2015-04-01

辞書史的観点を中心とする、節用集研究の現況と今後の可能性・注目点・注意点などを記した。まず、従来の研究の到達点の大要を示した。ついで、研究の基礎となる資料上の諸問題について、「節用集諸本の現況と問題点」「資料新出の可能性」「版種研究」「編集をめぐる諸相の解明」の四題について詳述した。さらに、時代ごとの社会的位置づけのための手法について、「諸本の性格論・本質論」「付録研究の進展」「利用様態研究の可能性」の三題のもと、やや詳述した。以上により、辞書史的観点からの研究を深化させるためには、様々な側面・部分について隣接分野の研究成果を積極的に参照・摂取する必要のあることが知られた。
著者
犬飼 隆
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-14, 2008-01-01

木簡をはじめとする出土物に墨や線刻で文字を書いたものがあり、手続きをふめば言語資料になる。それらは、古代の現物がそのまま利用できる点に価値がある。また、日々の文書行政の場で使い捨てを前提にして書かれたので、日常の言語使用が反映している点にも価値がある。出土物を言語資料として活用することによって、記紀万葉の類からとは異なる知見を得ることができ、今後、八世紀以前の日本語の全体像が塗り替えられるであろう。九世紀以降との連続・不連続も一層精密に解明されるであろう。より良質な資料を得て適切にとりあつかうためには、歴史学・考古学との学際を深める必要がある。また、朝鮮半島の出土物との比較が、研究の深化と精密化と発展をもたらす。
著者
池上 尚
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.48-33, 2014-04

本稿では、嗅覚表現接尾辞-クサイの結合例である水クサイに注目し、味覚表現への使用が可能になるこの語の表現特性と、中央語において心情表現語へと変化するまでの史的変遷とを考察し、意味変化の要因が水ッポイなどの類義語との共存に求められることを指摘した。中世前期末に誕生した水クサイは水分量に注目し<酒の味が薄い>を表していたが、近世前期には対象の拡大に伴う意味の抽象化が生じる。すなわち、水分量を必ずしも問題としない食べ物を対象とし<味が薄い>の意味を、特定の人物の行為という抽象物を対象とし<情愛が薄い>の意味を、それぞれ派生させる。ただし、近世後期以降に中央語となる江戸語にはすでに類義の味覚表現語として水ッポイが定着していたため、受容されたのは水クサイの心情表現語的側面のみであった。中央語史における水クサイに心情表現語への意味の交替が認められるのは、こうした類義語との共存が背景に存したと考える。
著者
岡田 一祐
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.97-83, 2014-10-01

一八八六年、文部省は尋常小学校読書科の教科書(読本)における平仮名字体の導入段階を整理し、ふたつの段階を設け、見本となる読本も刊行を始めた。まず、いろは歌手本に用いられる平仮名を学び、ついでそのほかの平仮名字体を導入したのである。民間出版者の読本も数年内にこの順序に従った。従来注意されてこなかったこの方針は、八六年前後の読本の平仮名字体の観察からあきらかになった。文部省著作教科書にまず現れたこの方針に、すべての民間出版者が自発的に従ったわけでないことは、八六年以降もこの順序どおりでない読本があること、そのなかに検定で不適と指摘されたもののあることから分る。これらの検定意見が採用されなかったことは、この方針が全面的に受け入れられるまでに数年を要したことを説明する。根拠となる法の欠如と消極的な検定により強制しがたかったのである。この方針の確立は一九〇〇年の平仮名字体統一の先蹤と位置附けられる。
著者
松本 光隆
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.79-64, 2009-07-01

本稿は、院政期末から鎌倉時代初頭に仁和寺を中心として、多くの撰述書を今に残し、文化的な活動が著しかった守覚法親王の著作の内、随心院蔵野決鈔を主たる資料として取り上げて論じたものである。野決鈔は、醍醐寺勝賢との諸尊法に関する問答を記した資料で、当時の他の現存資料からは、一般的であるとは思えない漢字・片仮名・平仮名・万葉仮名交じり文で書記された文章を持つ。勝賢の「答」の言語を視野に入れつつ、主として守覚の「問」を対象に、野決鈔に書記された日本語の特性を検討した。検討の結果、守覚の「問」の文章は、厳密には書記言語ではあるが、守覚の意識としては、自身の口頭語を記したと認められる資料で、そのために採用した表記体であったと考えられる。言語の内実も、当時の口頭語を書記した資料と見て矛盾がなく、当時の口頭語の範疇の再検討、個々人による言語体系差など、極めて重要な課題を提供する資料であることが判明した。