著者
野瀬 彰大 深川 大路
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.4, pp.1-8, 2011-02-26

本研究では,トレーディングカードゲームにおけるカードのシャッフルを扱う.まず,シミュレーションプログラムを用いてシャッフル手法について分析し,理想的なシャッフル手法の提案を目的とする.また,シャッフル手法の分析を行うために,シャッフルの結果を視覚的に表示する方法を提案する.分析の結果,各シャッフル手法の特徴が分かった.また,制限時間の長短に応じて適切なシャッフル手法が変わる可能性が示唆された.複数のシャッフル手法の組合せも行い,同じ組合せであっても実行順序が結果に大きな影響を与えることを実験的に示した.In this paper, we consider shuffles in trading card games. First we analyze shuffles by computer simulations. The purpose of this study is to develop an ideal shuffle methods. Furthermore, we propose a visualization method for results of the simulation programs. The analyses suggest that what matters includes tyoe of shuffles, the time limit, and ordering of the methods.
著者
戸谷直之 岩野成利 橋田光代 片寄晴弘
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.10, pp.1-8, 2011-03-19

ゲームプレイヤへの没入感の提供は,ゲームの面白さの本質的なデザイン対象である.ここで,近年急速に普及が進んでいるソーシャルゲームはプレイヤ自身の情報をゲームに取り入れやすく,没入間の演出という点で大きな可能性を持っているが,提供されているゲーム自体は単純であり,コミュニティの情報を積極的に利用しているとはいえない.今回,ゲームに今までに無い 「面白み」 と 「広がり」 を持たせることを企図し,Twitter におけるコミュニティ情報を利用したソーシャル恋愛ゲーム 『レンジできゅんっ☆してっ』 を実装・公開した.約 30000 人のユーザがゲームをプレイし,そのプレイログからユーザの広がりを確認した.
著者
森 幹彦 上原 哲太郎 喜多 一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.22, pp.1-7, 2011-02-21
被引用文献数
1

平成 15 年度に始まった高等学校普通科における教科 「情報」 を履修した学生が昨年度より大学に入学しはじめている.これに伴い大学では従来の情報リテラシ教育のあり方の見直しを迫られている.そこで本学では,教科 「情報」 の履修状況と関連した情報リテラシ修得状況を,平成 18 年度より新入生についてアンケート調査している.今年度も引き続き調査を行った結果,高校における教科 「情報」 の履修の傾向が安定してきていること,教科を履修させていない高校がまだ残っていること,アプリケーション利用に関するスキルは身についているが情報セキュリティに関するリテラシが十分とは言いかねること,プログラミングを習いたいとする意欲が高いことなどが明らかになった.The new subject "Information Study" in senior high school started in 2003 fiscal year and the students who finish the subject have come to enter the universities since last year. It forces universities to reconstruct the curriculum to fit the situation. Therefore, we made questionnaire surveys of the students who entered the university in each academic year from 2006 about the learning situation of the new subject and related information literacy. According to the result of this academic year, it was clarified that taking the subject "Information Study" in senior high school stably have tendencies, there still remains some schools which do not open the subject, the students have mastered the usage skill of software applications but have not enough mastered about information security literacy, and their greediness for learning programming languages is high.
著者
小場隆行 中所武司
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.1-6, 2011-02-26

数独とは,ナンバープレイスとも呼ばれるペンシルパズルの一種である.長年,この数独に対して数学・情報科学等の様々な分野から研究がなされ,近年では高性能な自動解法プログラムや問題の自動生成プログラムなどが作られるようになっている.本研究では,その中でも数独の研究分野の一つである問題の難易度判定の手法に関して述べるものである.既存の数独の難易度判定アプリケーションは,問題の難易度判定の基準を予め定義している難易度埋め込み型であるのに対し,本研究ではユーザに問題の難易度判定の基準の定義を委ねる難易度定義型のアプリケーションを提案し,前述した難易度埋め込み型アプリケーションとの比較検証を行う.比較検討は,一般の書店で販売されているパズル誌二誌を使用し,難易度埋め込み型と難易度定義型における難易度判定の精度を比較した結果,難易度定義型を採用したことによって,判定結果のばらつきを減らすことができた.Recently, Sudoku solvers and Sudoku generators have been studied in the fields of mathematics and information science. In this paper, a method of difficulty level ranking by using application programs is described. Most of conventional applications for difficulty level ranking have given the fixed definition of the difficulty level criteria. This paper proposes a new method in which the difficulty level criteria are defined by users. An application supporting this method is developed and used for feasibility studies with two articles on difficulty level ranking in the popular journals. As a result, it is confirmed that the new method reduces dispersion of difficulty level ranking by using application programs.
著者
竹中 姫子 古宮 嘉那子 小谷 善行
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-6, 2011-03-21

Twitter ではハッシュタグという,自分の投稿 (ツイート) に則した内容のインデックスをつける機能が提供されている.本研究ではハッシュタグのついていないツイートにたいしてハッシュタグを推定することを目的とする.そこでハッシュタグのついたツイートを学習し,そしてあるツイートがどのハッシュタグに属するかの推定を行った.分類器としてベイジアンフィルターを使用し,それぞれのタグについて 2 値分類を行い,複数のハッシュタグの推定を行った.実験では 50 種類のハッシュタグのつきの約 4 万件のツイートを学習データとして使用した.ツイート文にベイジアンフィルターを適用する場合は既知語に限定して処理を行うことで良い結果が得られるとわかった.In this paper, we propose a method of discovering hashtags, which are indexes in Twitter. We estimate hashtags of tweets without hashtags using tweets with hashtags. Binary classifier was developed for every tweet so as to they have more than one tags, and Bayesian filtering was used to classify. In the experiment, about 40,000 tweets with 50 kinds of hashtags are classified. The result shows Baysian filtering with limiting known words is effective in estimating hashtags of tweets.
著者
竹中 姫子 古宮 嘉那子 小谷 善行
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-6, 2011-03-21

Twitter ではハッシュタグという,自分の投稿 (ツイート) に則した内容のインデックスをつける機能が提供されている.本研究ではハッシュタグのついていないツイートにたいしてハッシュタグを推定することを目的とする.そこでハッシュタグのついたツイートを学習し,そしてあるツイートがどのハッシュタグに属するかの推定を行った.分類器としてベイジアンフィルターを使用し,それぞれのタグについて 2 値分類を行い,複数のハッシュタグの推定を行った.実験では 50 種類のハッシュタグのつきの約 4 万件のツイートを学習データとして使用した.ツイート文にベイジアンフィルターを適用する場合は既知語に限定して処理を行うことで良い結果が得られるとわかった.In this paper, we propose a method of discovering hashtags, which are indexes in Twitter. We estimate hashtags of tweets without hashtags using tweets with hashtags. Binary classifier was developed for every tweet so as to they have more than one tags, and Bayesian filtering was used to classify. In the experiment, about 40,000 tweets with 50 kinds of hashtags are classified. The result shows Baysian filtering with limiting known words is effective in estimating hashtags of tweets.
著者
平野 淳一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-8, 2011-03-21

本論では,エジプトを中心とするアラブ世界やイラン,トルコにおいて,新聞や雑誌といったプリント・メディアがどのような歴史的経緯のもとに普及・発達していったのか,ヨーロッパとの国際関係,支配者の政治社会政策,知識人の文化活動などに着目しつつ明らかにする.This paper aims to reconsider a historical and theoretical process of development of the print media in the Arab world, Iran and Turkey, with special reference to their international relationships with the West and the governors' social politics and the intellectuals' cultural activities from the latter half of the 19th century to the beginning of the 20th century.
著者
東 真梨子 三橋 渉
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 音楽情報科学(MUS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.28, pp.1-6, 2011-02-04

本研究は,実環境で演奏されたピアノ多重音を自動で楽譜データに変換することを目的としている.他の様々な楽器や歌声に対して高性能な自動採譜が実現できれば,音楽的な知識がなくても作曲・編曲を簡単にでき,曲名やアーティスト名の情報がない場合の楽曲検索にも役立つだろう.また,音源分離の研究などと組み合わせることでより実用的なシステムとなるだろう.本研究では,音程や音符長の推定はもちろんのこと,音価 (音符記号) の推定,伴奏・主旋律の推定まで行う.それに伴い,信号処理に確率・統計モデルを加えることで音価の推定と伴奏・主旋律の推定に音楽的知識を取り入れる.The aim of this study is to transform polyphonic piano sound to musical scores in a real environment. Automated transcription of high quality for other instruments and singing voices can be applied to help composing music and identifying tune without information of song titles and singer names. In addition, this system can become useful when combined with the blind source separation technique. In this paper, We estimate musical note sequence and part of melody and accompaiment, not to mention pitch and note length. We therefore adopt musical knowledge by using probabilistic model in addition to technique of signal processing.
著者
梅山 章子 高田 雅美 城 和貴
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.32, pp.1-6, 2010-02-25

本稿では,国立国会図書館が運営しているウェブアーカイブの WARP が抱える問題に対処するため,差分収集による新なサーバも同時に使う手法について報告する.差分収集とは,ウェブサイトの更新が行われる毎にリアルタイムで収集,保存を行い,WARP を補うサーバとなる.このサーバは,ウェブアーカイブ用アプリケーションの Wayback を用いて構築する.また,1 つのウェブアーカイブサーバとして両サーバが相対的に機能するかを確認するため,プロトタイプを設計する.この際,簡易版 WARP の構築,簡易版 WARP と差分収集サーバのインタフェースを実装する.WARP is a Web archive system in National Diet Library based on fixed interval collection. Since WARP does not have the incremental collection method, it is desired that a new incremental Web archiving system collaborates with WARP. Such the incremental collection server can be constructed with Wayback applications. Thus,we design a prototype system using WARP and the Wayback based server. Each server needs to work alone while any query must be recognized by the both servers. We use a simple WARP based server and implement the interface between the simple WARP and the Wayback based server.
著者
榎本 友理枝 高田 雅美 木目沢 司 城 和貴
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.14, pp.1-6, 2011-02-28

国立国会図書館では,所蔵する明治から大正期にかけての近代書籍を画像データとしてアーカイブ化し,Web 上で一般に公開している.このデジタルアーカイブをより簡便に利用できるよう,近代書籍画像の早急なテキスト化が望まれている.本稿では,SVM に基づく近代書籍に特化した多フォント漢字認識手法の有効性を実証する.出版社が異なる書籍から切り出した様々なフォントの漢字 256 種を用いて識別実験を行った結果,常に 92% 以上の識別率を得ることができた.従って,文字画像に対して PDC 特徴を抽出し,SVM で学習・識別を行うという提案手法が近代書籍で使用されている多フォント漢字認識に対して有効な手法であるといえる.The national diet library in Japan provides a web based digital archive for early-modern printed books by image. To make better use of the digital archive, the book images should be converted to text data. In this paper, we evaluate the SVM based multi-fonts Kanji character recognition method for early-modern Japanese printed books. Using several sets of Kanji characters clipped from different publishers' books, we obtain the recognition rate of more than 92% for 256 kinds of Kanji characters. It proves our recognition method, which uses the PDC feature of given Kanji character images for learning and recognizing with a SVM, is effective for the recognition of multi-fonts Kanji character for early-modern Japanese printed books.
著者
桐戸 創也 山本 景子 倉本 到 辻野 嘉宏 水口 充
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.7, pp.1-6, 2011-03-19

インターネットの発達により,個人で簡単にインターネット放送を行える環境が整っている.個人でインターネット放送をしているとき,放送者が次に何を話せばいいか分からなくなるという問題が発生することがある.この問題は "ある話題の中で次に話す内容を忘れた","ある話題の終了後,次の話題が思い浮かばない","視聴者との話と関連した話題が思い浮かばない" の 3 つの場面に分けられる.本研究は,3 つの場面において,放送者が次に何を話せばいいのか分からなくなるという問題を解決することを目的とする.ここで,話題を収集し,各場面に応じて適切に選択および提示することで,放送者が放送を続けるための支援を行う手法を提案する.また,提案手法を実現したシステムである "言うストリーム" を実装し,提案システムを用いて実際にインターネット放送を行ったところ,提案システムが放送者を支援するユースケースを得た.これは,提案手法は放送者が放送を続けるための支援ができることを示唆している.It has been much easier to perform live streaming via the Internet. When some performers broadcast, it is occurred that the performers have no idea for what they should talk next. Such cases are classified into three: the performers forget a phrase which they want to talk next in a topic, the performers cannot remind a new topic after finishing a certain topic, and the performers cannot realize a topic that relates to some talk with audiences. IUstream is a personal live streaming support system which solves the problem by recommending proper topic to the performers in those cases, so that it supports them to keep talking in their video streaming. We found the cases that IUsream supports the performers in actual personal live streaming. This indicates that IUstream can supports performers to keep talking in their webcast.
著者
齋藤 準樹 湯川 高志
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-8, 2011-03-21

本稿では,ソーシャルブックマークに含まれるタグの共起関係から階層的な類語辞書を作成し,それを用いてユーザの興味語を抽出する手法および興味語の類似性によりユーザ推薦を行う手法を提案する.また提案した手法について,Twitter を対象として興味抽出および推薦の精度と意外性に関する評価実験を実施し,有用性の確認を行った結果についても述べる.In the present paper, as a means of extracting user interest for the purpose of user recommendation, the authors propose a method for constructing the hierarchy of words based on SBM tags and to emphasize characteristic word by using this relation. Additionally, the user recommendation system based on this interest extraction is proposed. As a result of a survey on Twitter, the authors discovered that the tags in SBM and their hierarchy have a rich vocabulary for extracting the interests of Twitter users. Moreover, experimental results have indicated that the user recommendation system attains approximately 0.41-0.48 precision if the friend relations in SNS are also utilized as a user preference data.
著者
津田 侑 藤原 康宏 上原 哲太郎 森村 吉貴 大平 健司 森 幹彦 喜多 一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.9, pp.1-8, 2011-03-10

Web サービスのユーザの傾向を調査するさい,利用ログのデータマイニングが主流である.これはユーザの行動の傾向を捉えるには有効であるが,行動の意図や意識といったユーザ心理を捉えることは困難である.そこで本研究では,定量的・定性的,両方の側面からアンケート調査や観察・インタビューといったエスノグラフィの手法を用い,インターネット生放送を中心としたユーザ行動の心理を分析する.Using data minings such as analysing logs on web-based services is in mainstream in order to survey users' trends on the services. This is efficient for analysing users' behaviors but is unefficient for analysing users' psychological factors, for example, intentions of their behaviors, decision-marking for their bihaviors on the services. In this research, the authors analyse users's psychological factors and their behaviors on the internet live-broadcasting services. The methods are a web-based survay and ethnographical methods - questionnaire, observation, and interview.
著者
齋藤 準樹 湯川 高志
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-8, 2011-03-21

本稿では,ソーシャルブックマークに含まれるタグの共起関係から階層的な類語辞書を作成し,それを用いてユーザの興味語を抽出する手法および興味語の類似性によりユーザ推薦を行う手法を提案する.また提案した手法について,Twitter を対象として興味抽出および推薦の精度と意外性に関する評価実験を実施し,有用性の確認を行った結果についても述べる.In the present paper, as a means of extracting user interest for the purpose of user recommendation, the authors propose a method for constructing the hierarchy of words based on SBM tags and to emphasize characteristic word by using this relation. Additionally, the user recommendation system based on this interest extraction is proposed. As a result of a survey on Twitter, the authors discovered that the tags in SBM and their hierarchy have a rich vocabulary for extracting the interests of Twitter users. Moreover, experimental results have indicated that the user recommendation system attains approximately 0.41-0.48 precision if the friend relations in SNS are also utilized as a user preference data.
著者
大久保 誠也
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.7, pp.1-4, 2011-02-26

本研究では,ゲームの情報教育への利用について検討する.最初に,短期間の情報教育講義でも利用しやすい不完全情報ゲームとして,陣地付き 3 目並べを定義する.次に,その簡単な解法について議論し,最後に,実際に講義で利用した結果について述べる.In this work, we discuss a trial of education using imperfect information game. First, we define Tic-Tac-Toe with Field as an easy game with imperfect information. Second, we show easy method to solve this game. Last, we discuss the effect of this trial.
著者
園田 道夫 松田 健 小泉 大城 平澤 茂一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.49, pp.1-7, 2011-03-03

従来の研究においては,SQL インジェクション攻撃の検出は構文解析や過去の攻撃手法をブラックリスト化したものが広く使われている.しかし,これらのアプローチでは,多様化する攻撃の偽装工作への対応が困難になってきている.そこで本研究では,入力文字列のサンプルとして攻撃と正常の二種類用意した.そして,攻撃を特徴づける文字が入力された文字列の中に占める割合をもとに両方の誤検出率を小さくし, かつ高速なアルゴリズムを提案し,評価を行った.In the conventional study, the parsing and the blacklist of the past attack methods are widely used in the detection of the SQL injection attack. However, the diversified camouflage technique makes detecting attacks difficult in such approaches. Then, in our study, we prepared the attack strings group and the normality strings group as samples of the input string, and we proposed high-speed algorithm, based on the ratio that occupied it to the character string where the character that characterize the attack was input, to reduce both misdetection rates, and we evaluated it.
著者
吉川 茂
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 音楽情報科学(MUS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.1-5, 2011-02-04

東大寺の正倉院に保存されている唐より伝来した尺八 (正倉院尺八) の音響的特性を歌口端および指孔開孔端での補正長さに着目して検討した。ベースとした定量的データは昭和期の調査における各運指における発音周波数の測定記録である。正倉院北倉の竹製尺八の寸法図面を基に、数値計算用モデルを設定し、歌口における入力アドミッタンスのピーク値より発音周波数を計算できるようにした。この計算周波数と吹鳴調査における発音周波数が一致するとして歌口端補正長さを推定した。また、この発音周波数が与える波長から、指孔開孔列がもたらす補正長さも求めた。これらの結果より、2 つの補正長さの周波数 (運指) 依存性、オクターブ・バランス、クロス・フィンガリングと音律異常、尺八とベーム・フルートなどについて考察した。One of the Shousouin Shakuhachis, that were transmitted from the T'ang dynasty and have been preserved in the Shousouin of the Toudaiji, is acoustically investigated focusing on the length corrections at the embouchure hole and the open-hole lattice. Quantitative data as the research basis are the records on the sounding frequencies that were measured at the investigation in the Shouwa period. Based on a geometry figure of the bamboo-made shakuhachi in the north warehouse, a physical model is constructed to calculate the sounding frequency from the maximum magnitude of the input admittance at the embouchure hole. The length correction at the embouchure hole is estimated by assuming that this calculated frequency corresponds to the blown frequency measured at the Shouwa investigation. Also, another length correction at the open-hole lattice is derived from the wavelength of the blown sound. These numerical results conducted some discussions on the frequency (fingering) dependence of the length corrections, the octave balance, the cross fingerings and the associated intonation anomaly, the Japanese shakuhachi and the western flute.
著者
秋山 広美 小松 孝徳 清河 幸子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.23, pp.1-7, 2011-03-10

ユーザの発するオノマトペには 「何かを表現したいがうまく言語化して表現できないモヤモヤとした印象」 が込められていると言われている.すなわち,オノマトペを入力として扱えるシステムを開発することは,そのようなモヤモヤとした意図を直接的に扱えるため,ユーザの認知的な負担の軽減につながると考えられる.そこで,本研究ではこのようなシステムの構築に向けて,オノマトペの印象を客観的手法に基づき数値化する方法を提案することとした.具体的には,ユーザに対する質問し調査の結果をもとに,オノマトペを構成する音の印象を表現する属性の抽出と属性値の設定,およびその属性値を組み合わせることでオノマトペの印象を表現する方法を提案した.Onomatopoeias are usually used in the case that one cannot describe certain phenomena or events literally, and it is said that user' intuitive intentions are embedded in the onomatopoeias. Therefore, an interface system which can utilize the onomatopoeias as input information could comprehend such users' intuitive intentions and would contribute in reducing users' cognitive loads during their interaction with the interface systems. The purpose of this study is then to objectively generalize the onomatopoeic expressions by assigning certain numerical values in each attributes to these expressions to support users' intuitive expressions especially for applying for the interface system.
著者
須佐 雄輝 小泉 直也 上間 裕二 常盤 拓司 杉本 麻樹 稲見 昌彦
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.24, pp.1-6, 2011-03-19

パーソナルファブリケーションに代表されるような,個人の手によって行う創造活動が増えている.その結果,食分野においても,「キャラ弁」 などの文化が生まれてきた.そこで,食品による創造活動に着目し,菓子による造形のワークショップを開き,観察を行った.その観察から 「菓子組み」 の価値を見つけ出し,その実現に必要となる機能を抽出した.それらをシステムの設計指針として菓子組みを支援する造形アプリケーションの開発を行った.It has become popular to do creative work by one's own hands, for example a culture known as "Personal Fabrication". As a result, in the field of food, it has also burn a culture that creates "Characterized" lunch boxes. Therefore, we focused on the creative works of food, and held a creative workshop using sweets, then we observed it. From the observation, we discovered a value of "Sweets Assemblance", and we extracted features to realize the sweets as-semblance. we regarded them as a design guide, and we developed a sweets assemblance support application.
著者
上間 裕二 永谷 直久 杉本 麻樹
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.26, pp.1-4, 2011-03-19

本研究では情報環境における操作対象であるアバターなどの操作に伴う身体の動揺に着目する.コントローラ型のインタフェースによってアバターを操作する際,操作者が操作対象を動かしたい方向へ自らの身体を傾けるという現象が観察できる.この現象は自己投射性の高い情報環境で,アプリケーションに没頭しているために起こると考えられる.また,アバター操作に伴う動揺はベクションにより引き起こされる身体動揺とは異なるものであると考えられる.本研究では,この現象に注目して身体動揺の記録を行い定量的な現象の観察と議論を行うことを目標とする.In this study, we focus on effects of operation-induced synchronous postural sway with avatars in virtual environments. Operation-induced postural sway is observed especially with primary input interfaces such as controller pads. User sometimes not only input commands for a controller pad, but also show postural sway. These effects can be observed in high-immersion virtual environments when users are deeply attached to a game play. Also, postural sway caused by operating controller can be deferent from postural sway by vection. We conducted experiment aiming to analyze and discuss operation-induced synchronous postural sway with the help of a motion capturing system.