著者
関根 正人 柴田 祐希 小方 公美子 中山 裕貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_1531-I_1536, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究では東京都23区の隅田川以東エリアに,近い将来発生する可能性が高い時間雨量100mmの豪雨が1時間降り続いた際の内水氾濫,さらに荒川が破堤し大規模な外水氾濫が発生した際の浸水予測計算を行った.これにより,豪雨,河川氾濫による浸水の発生,拡大プロセスを解明した.このエリアは浸水リスクが高くなると予想される地理的要因が存在する.そこで対象エリア東側の荒川以東エリアと,西側エリアである江東エリアを比較し浸水リスクの評価を行った.さらに今後の避難シミュレーションを見据えた検討も加えている.結果として床上浸水などの浸水リスクの高さが明らかになり,隅田川以東以外のエリアを含む広域避難の必要性についても示している.
著者
緒方 敬亮 中山 恵介 尾山 洋一 駒井 克昭 堀井 慎太郎 曽宮 雄一郎 熊本 悦子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_1267-I_1272, 2020 (Released:2021-11-30)
参考文献数
10

国の特別天然記念物である阿寒湖のマリモは減少傾向にあり,生長や球化,維持機構に関する知見の集積が急務となっている.本論文では,マリモの挙動に個別要素法(DEM)を適用し,DEMにおける弾性係数
著者
岡西 健史 藤田 一郎 古谷 勇樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_1279-I_1284, 2012 (Released:2013-03-26)
参考文献数
15

In open-channel turbulent flows with a rough wall, water surface profiles can be affected by the relative size of roughness element to a water depth and arrangement of roughness elements. In order to find characteristics of water surface profiles under various hydraulic conditions, an experimental study by using a simple surface flow visualization technique and a numerical study based on a large eddy simulation model that can take into account of water surface deformation were conducted for a rough wall boundary. Hemisphere particles were used as candidate of roughness elements for simplicity of establishing several particle distribution densities. It was made clear that water surface pattern can be classified by five types: flat, ripples, advection, parallel and cross. For sparse roughness elements, LES was conducted successfully to reproduce the above surface patterns.
著者
中島 勇介 武田 誠 久納 匠 松尾 直規
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1465-I_1470, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
10

近年,大規模な浸水災害に関する検討が進められている.その中で,都市の地下空間の浸水に対する脆弱性が指摘され,検討も進められているが,まだ十分な状況とはいえない.本研究では,津波を外力とする浸水災害について,名古屋を対象に地下鉄の浸水に着目した数値解析的研究を行った.ここでは,津波解析モデルおよびネスティングモデルを構築し,地下鉄を有する都市の浸水解析を実施した.本研究により,内閣府で想定されている東海・東南海・南海地震による津波では,堤防が無い(崩れた)場合には大規模な浸水被害となるが,堤防が有る場合には浸水被害も小さいことが示された.また,堤防が無い場合,地下鉄名港線では水没する危険性も示されたが,実際には地下への流入を防ぐ対策が採られており,その対策の効果検証は今後の課題として残った.
著者
渡邊 康玄 高杉 優人 片山 小裕美
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_775-I_780, 2021 (Released:2022-02-15)
参考文献数
10

砂防ダムは,土砂災害防止の観点から極めて有効な構造物であるが,河床縦断形や土砂輸送の不連続を生じさせ,河川環境の観点からはこれらへの対策が必要となっている.近年,既設の砂防ダムにスリットを入れ,大規模出水時には土砂を捕捉し,小規模出水時には土砂を流下させる機能を持たせて,河川環境の改善を図る例が多くなっている.河床縦断形や土砂輸送の観点からの知見は増えてきているものの,河床材料の質や河床形態の変化という点では,いまだ十分に明らかにされていない.本研究では,知床半島に位置するイワウベツ川の砂防ダムを基にした水理模型実験を実施し,小規模出水時に排出される土砂によるダム上下流の河道の応答と,その後の大規模出水時の河道の応答について検討を行った.その結果,ダムのスリット化により,河床高の連続性が回復するとともに,小規模出水では,ダムが存在しない状態及びスリット化以前の交互砂州形状を維持するものの,その後の大規模出水時には交互砂州の波長,波高とも増大することが把握された.
著者
小林 俊介 片岡 智哉 宮本 颯太 二瓶 泰雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_439-I_444, 2019 (Released:2020-11-16)
参考文献数
18

本研究では,河川水中の5mm以下の微細なプラスチック片(microplastics,MP)の輸送特性を明らかにするために,平常時に江戸川野田橋で現地観測を行い,MP濃度鉛直分布を調べるとともに,採取されたMPを用いた室内実験を行うことでMPの上昇(沈降)速度を調べた.河川におけるMP濃度の鉛直分布には,水表面と底面付近にピークがあり,水表面(底面)には比重が1以下(1以上)のMPが比較的多く分布していた.また,MPの沈降速度(平均: 13.5 mm/s)は,上昇速度(平均: 2.68mm/s)よりも大きく,サイズと共に増加していた.従って,河川水中の鉛直混合下であっても,比重の大きなMPが底層に沈降していることが示唆された.
著者
長林 久夫 平山 和雄 堀川 久仁彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_1573-I_1578, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
9

This paper analyzes blooming mechanism of freshwater red-tide in an abolished-river which eutrophicated by seventy-years. Outbreaks of red tide of the river is depend on two phenomenon; the first one is the effect of secondary current generated by the wind along with the temperature rise, the second is the flow for the downstream by the release discharge from the power generation-dam in the downstream. Euglena spp. in euglena and Uroglena spp. in yellow-zooxanthellas is clarified to be the dominant species of the freshwater red-tide.
著者
大中 臨 赤松 良久 河野 誉仁 山口 皓平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.260-269, 2019 (Released:2019-12-20)
参考文献数
16

平成30年7月豪雨において山口県の島田川水系東川が流れる岩国市獺越地区では土石流と河川氾濫が発生した.本研究では,獺越地区を対象に被災直後から踏査による被災状況の記録とUAVを用いた現地調査を行った.また,災害時のオルソ画像を作成し,獺越地区の土石流解析,流出解析および洪水氾濫解析を行った.その結果,獺越地区の河川氾濫は土石流によって運ばれた土砂・流木が河川に流入したことによる河床の著しい上昇と,橋脚に流木が挟まったことによる流水の阻害によって引き起こされたことが明らかとなった.また,土石流の発生が無ければ河川氾濫は発生しなかった可能性が極めて高く,土石流が直接河川に流入することが想定される河川区間では大量の土砂・流木が流入することを想定した河川管理が必要であることが示唆された.
著者
内海 信幸 瀬戸 心太 鼎 信次郎 沖 大幹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_421-I_426, 2012 (Released:2013-03-26)
参考文献数
11

A new method to assess the causes of the changes in the extreme precipitation under changed climate was proposed. Previous methods have not explicitly considered the contribution of changes in the near surface atmospheric humidity to the changes in the extreme precipitation under changed climate, although the changes in the extreme precipitation can be affected by the changes in near surface atmospheric humidity through the changes in lifting condensation level. The new method can consider changes in near surface atmospheric humidity as well as the changes in atmospheric circulation and lapse rate of the ascending air parcel. The new method was applied to atmosphere-ocean coupled model output, provided for the Coupled Model Intercomparison Project Phase 5. It was confirmed that the new method can assess the regional difference of the contribution of the changes in near surface atmospheric humidity to the changes in the extreme precipitation with climate change.
著者
吉田 護 神谷 大介 阿部 真育
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.350-361, 2019 (Released:2020-02-20)
参考文献数
11
被引用文献数
2

本研究では,2018年7月豪雨災害の事例を通じて,気象庁による大雨気象情報(大雨警報,大雨特別警報)と土砂災害警戒情報,市町村による避難情報(避難準備・高齢者等避難開始,避難勧告,避難指示(緊急))の発表・発令特性やその関係性を定量的に明らかにする. 結果として,岡山,広島,愛媛の3県における避難指示(緊急)対象者の中で,避難勧告が事前に発令された住民は6割,さらにその前に避難準備・高齢者等避難開始を発令された住民は5割に満たなかったことが明らかとなった.また,大雨気象情報や土砂災害警戒情報は,自治体による避難情報の発令基準と関連付けることが推奨されているが,今回の災害では自治体によってその活用方法に大きな差異があることが示唆された.
著者
熱海 孝寿 福田 朝生 福岡 捷二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_619-I_624, 2021

<p> 本研究では,粒径幅の広い石礫河川の移動床現象の理解を深めるため,1オーダー異なる粒径幅を有する粒子群を用いて数値移動床実験を実施し,河床付近で跳躍運動する粒子群について分析を行い河床構造の変化を調べた.その結果,河床表層の全粒径が移動する場合,最大粒径程度の厚さの交換層で強い鉛直分級が生じ,粒径が大きいほど河床の鉛直上方に連続して位置すること,また,跳躍時の粒子運動の軌跡から,小粒径粒子が堆積層内に落下する様子や流体力によって上昇する様子が見られた.最後に本研究から明らかになった課題を示している.</p>
著者
野村 周平 澤田 洋平
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_1351-I_1356, 2021 (Released:2022-02-15)
参考文献数
19

陸域モデルは洪水・旱魃予測などにおいて重要な役割を果たす.モデルの精度向上のためには未知パラメータの調整を行い,水・生態系・熱の互いに影響し合う複数の変数を同時に観測値に近づける必要がある.しかし,多変数観測に対する陸域モデルのパラメータ最適化と不確実性推定の手法は未確立である.そこで,本研究では複数衛星による多変数観測を用いることにより,不確実性推定を伴う,多変数観測に対するパラメータ最適化手法を開発した.土壌水分,葉面積指標(LAI: Leaf Area Index),地表面温度の3つに関し,観測-モデル変数間の誤差が3種とも同時に校正されるように最適化を行った.結果として,2地点における観測-モデル変数間での
著者
寺崎 寛章 齊田 光 藤本 明宏 山元 謙侑 鈴木 遥介 福原 輝幸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_937-I_942, 2019

<p> 本研究では兵庫県北近畿豊岡自動車道路の円山川に架かる市御堂大橋を対象に,河川水熱を用いた無散水融雪(低温無散水)システムの伝熱性能を明らかにすることを目的として各観測を行った.長期観測では舗装温度,河川水温,貯水槽内水温および放熱管出入口水温を,短期観測ではそれらに加えてサーマルマッピングを行った.その結果,(1)外気温が6.7℃以下の時には本システムを導入した橋梁部舗装温度は土工部の舗装温度を上回った,(2)本システムにより,橋梁部では土工部と比較して路面凍結発生日数は約1/10になった,(3)本システムにおいて,河川水熱の約20%が路面の加温に消費されていた,(4)システム稼働期間における橋梁部の1時間当たりの温度低下は土工部よりも2倍程度遅い.</p>
著者
鈴木 博人 河島 克久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_301-I_306, 2018

<p> 本研究では,新潟県とその周辺地域における鉄道駅構内の露場で観測された年最大積雪深の資料を整理することで,1927年冬期から2018年冬期における豪雪年の年最大積雪深の分布図を作成した.これらの分布図は,この期間の年最大積雪深の観測記録が残る地点のデータを基に豪雪年として抽出された1927年,1940年,1945年,1961年,1963年,1984年の各冬期について作成した.その上で,豪雪年における年最大積雪深の分布の地域的特徴を明らかにした.さらに,雪の降り方とそれが鉄道に与えた影響や,鉄道で行われてきた雪害対策について概観する.</p>
著者
神谷 大介 赤松 良久 赤星 拓哉 吉田 護
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.143-149, 2021
被引用文献数
1

<p> 豪雨災害時に避難行動を起こす一つの重要な情報に避難勧告等の避難情報がある.また,近年の災害では高齢者等の要配慮者が利用する施設の被災が報告されており,この対応が喫緊の課題である.要配慮者利用施設においては,福祉避難所等の他の施設への避難もしくは垂直避難を行う必要がある場合も存在する.本稿ではコロナ禍において発生した令和2年7月豪雨を対象に,防災気象情報と避難情報の関連を整理し,要配慮者利用施設における避難の実態を調査した.この結果,避難準備・高齢者等避難開始情報はあまり発表されていないこと,河川水位を避難の判断基準としていた要配慮者利用施設では避難の判断に苦慮していたこと,避難には自治会や自治体との話し合いが重要であること等が明らかになった.</p>
著者
田井 明 藤井 健太 服部 敬太朗
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_1441-I_1446, 2018

<p> 平成29年(2017年)7月5日から6日にかけての豪雨は,筑後川中流部右岸域に位置する福岡県朝倉市,東峰村,大分県日田市を中心に甚大な被害をもたらした.本研究では,被災地全体を対象とした人的被害の特徴と発生要因・死亡原因の詳細な分析と赤谷川と桂川水系妙見川を対象に河川中・下流域での被害拡大要因の検討を行った.今次災害においては,自宅待機中ならびに洪水流による被害者が非常に多かったことが特徴であると考えられる.また,多くの河川では,土砂崩れにより河川に流れ込んだ土砂が河道を埋塞したことにより,流路の変更,川幅拡幅が生じ,洪水流のみでは,被害の出なかったと考えられる場所にも被害が拡大したと考えられる.</p>
著者
北野 利一 山地 秀幸 川﨑 将生
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_319-I_324, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1

同時に生じる2種の自然外力の従属性を検討する必要性が高まっている.極値の閾値モデルの分布関数である一般化パレート(GP)分布の多変量版が近年導入された.しかしながら,期間最大値を対象とした多変量極値分布との対比など,応用の発想に必要となる数学的なアイディアが十分に示されているとは言い難い.従来法よりも柔軟性や実用性を期待できるにもかかわらず,応用例がいまのところほとんどない.本研究では,生起率と2次元ポアソン分布に着目して,理論の再構築を行い,適用法や推定結果の診断を例示する.
著者
中村 要介 池内 幸司 阿部 紫織 小池 俊雄 江頭 進治
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_1177-I_1182, 2018
被引用文献数
1

本研究は平成29年7月九州北部豪雨を一例とし中山間地河川である花月川を対象として,RRIモデルと解析雨量・降水短時間予報を用いた疑似リアルタイム環境での洪水予測シミュレーションを実施した.予測計算は流域・河道の状態量を30分毎に更新・保存しながら6時間先までの水位を逐次計算し,実績水位と予測水位の差から洪水予測に内在する予測時間毎の水位誤差を定量的に評価した.その結果,予測時間が長くなるほど予測水位誤差の幅が大きくなることがわかった.また,RRIモデル×降水短時間予報を用いた今次災害のリードタイムは70分であった.さらに,予測水位の誤差分布を考慮し予測水位を補正することで,補正しない場合より2時間早く氾濫危険水位の超過を予測できる可能性が示唆された.
著者
伊藤 悠一郎 中村 晋一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.74-83, 2021

<p> 水害への対策を検討したり,将来の水害被害を予測するうえで重要となるのが水害被害を記録した長期統計である.日本の水害被害を扱う記録としては1961年より行われている水害統計調査があるが,それ以前の水害の規模や発生地域,発生要因等を把握する長期統計は存在しない.そこで,本研究では,地方気象台等が作成した水害記録を用いて,日本における水害統計調査開始以前の水害データベースを構築した.本データベースは水害統計調査が開始される以前の日本全国の水害被害を記録した最も詳細且つ長期の水害統計である.この水害データベースを分析した結果,これまで記録の無かった1941年から1945年にも1930年代と同等の水害が発生していたこと,水害イベントの発生頻度及び強度は 1950年以降明瞭に増加する傾向が示された.</p>
著者
横山 一博 尾中 俊之 鈴木 善晴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_499-I_504, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
11
被引用文献数
1

The current study conducted numerical experiments using nonhydrostatic mesoscale meteorological model to examine the mitigating effect of weather modification in the early stage of cloud development by cloud seeding on torrential rains. Based on simulated two heavy rain events in the Kitakyushu and Tokai regions of Japan, sensitivity analysis was performed by manipulating some conditions of cloud seeding implementation, i.e., area, height, time, duration time etc., in incremental steps. As a result, by carrying out cloud seeding in the early stages of cloud development, the mitigating effect was acquired from two or more viewpoints, and the mitigating effect appeared compared with the stage of cloud development. Results show that rainfall area and hourly rainfall, as well as maximum areal rainfall, can be decreased by cloud seeding, depending on the condition of its implementation, and that the number of cases with rainfall mitigation tends to be greater than that with rainfall promotion. It was also clarified that in the case of rainfall mitigation by cloud seeding the vertical updrafts at peak hour can become weak and the supplementary process can be supressed with increase of ice crystals after cloud seeding.