著者
武田 誠一
出版者
九州保健福祉大学大学院社会福祉学研究科
雑誌
最新社会福祉学研究 = Progress in Social Welfare Research (ISSN:18809545)
巻号頁・発行日
no.14, pp.93-100, 2019-03-31

本研究では,「自立支援型」地域ケア会議での助言内容に,どのような特徴が見られるかを分析した.対象は,三重県伊勢市の「自立支援型」地域ケア会議である「生活支援会議」の助言内容を取り上げた.分析には計量テキスト分析ソフトKH Coder を用い,「共起ネットワーク」,「階層的クラスター」を作成し,出現パターンが似通った助言内容をカテゴリーに分け分析した.結果,2017年度(4月~3月)「生活支援会議」での助言は306件,総抽出語数は10,472語,異なり語数は2,132であった.「生活支援会議」における助言では【身体機能(ADL)に関する助言】に偏ることなく,【家族支援に関する助言】,【地域参加に関する助言】,【食生活に関する助言】,【口腔ケアに関する助言】など多岐にわたる助言が行われていることがわかった.
著者
武田 誠司 石井 泰光 山本 正嘉 図子 浩二
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.107-118, 2010 (Released:2010-04-16)
参考文献数
28

Running economy is an important factor in determining a performance of a long distance running. The purpose of this study was to examine the relationship between the running economy and the submaximal hopping economy. Twelve long-distance runners performed a submaximal repeated hopping exercise on a force platform at a frequency of 2.2Hz and the maximum five-repeated rebound jumping (5RJ). Jumping height, contact time, maximum ground reaction force and oxygen intake were recorded during submaximal repeated hopping exercise. In addition, they performed the submaximal running for a distance of 3200m on an outdoor 400m track. Oxygen intake was recorded during the submaximal running. Then running economy (RE = V/VO2) was calculated by using oxygen intake (VO2) and running speeds (V). Hopping economy (HE = h/VO2) was calculated by using oxygen intake (VO2) and average jumping height (h). As a result of this study, we confirmed that a submaximal repeated hopping exercise performed for a ten-minute period was an aerobic exercise and a steady-state exercise. There was a significant positive correlation between RE and HE (r = 0.805, p<0.01). These results suggest that hopping economy is an important factor in running economy. On the other hand, we did not find a significant correlation between HE and 5RJ. Furthermore, between RE and RJ index of the submaximal hopping exercise, a significant positive correlation was found (r = 0.735, p<0.01). Therefore, RE seems to be connected with the Stretch-shortening cycle (SSC) function of the legs. We conclude that the SSC ability of a long distance runner can be evaluated appropriately by using the submaximal repeated hopping exercise of this study.
著者
村瀬 将隆 中島 勇介 武田 誠 川池 健司 松尾 直規
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1441-I_1446, 2017

近年,東日本大震災による津波災害や,平成27年の鬼怒川破堤による洪水災害など,大規模な浸水災害が生じている.地下鉄や地下街など高度に地下空間が活用されている都市域に対して大規模な浸水災害が生ずれば,その氾濫形態は複雑化することが考えられ,地下空間の浸水被害のみでは無く,地下鉄の線路が新たな水路となり,他地域への浸水を広めることも考えられる.本研究は,名古屋と大阪の地下鉄を有する都市域を対象に,洪水破堤による大規模な浸水解析を行い,地下鉄の有無による浸水被害の違いや地域による浸水特性を明らかにする.
著者
武田 誠一 Takeda Nobukazu
出版者
吉備国際大学大学院社会福祉学研究科
雑誌
最新社会福祉学研究 (ISSN:18809545)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.93-99, 2014-11-18

本研究では,特定事業所加算を取得している居宅介護支援事業所の「管理者」が「主任介護支援専門員」のどの役割を重要と捉えているのか,またその役割が機能しているかを明らかにするため,新潟県内の居宅介護支援事業所の「管理者」(210ヶ所)に対して郵送によるアンケート調査を実施した.結果,有効回答は81ヶ所(38.6%)であった.居宅介護支援事業所の「管理者」は「主任介護支援専門員」に対して以下の2点を期待していることが判明した.1.「事業所内」での他の介護支援専門員への教育的な役割.2.「事業所外(地域)」で「主任介護支援専門員」の能力の発揮すること.しかし,2点目の「事業所外(地域)」での役割については,十分に機能しているとはいえないことも明らかになった.In the present study, a questionnaire survey has been carried out by postal mail to Managers of Home Care Support Offices within the Niigata Prefecture (210 offices), in order to clarify what roles of a Senior Care Manager, the Managers of Home Care Support Offices that are qualified as designated offices, regard as being important ones, and whether or not those roles are effectively functioning. As a result, valid responses were obtained from 81 offices(38.6%). The survey revealed that Managers of Home Care Support Offices were expecting the following 2 roles from Senior Care Managers 1. An educational role in regards to other care managers within the office. 2. Exercise their abilities as Senior Care Managers outside the office(in the community). However, the survey also revealed that the role outside the office(in the community) stated in 2 above is not functioning satisfactorily enough.
著者
武田 誠 二郷 美帆 益子 幸江
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.51-71, 1999-08-30 (Released:2017-08-31)

Korean has two types of alveolar fricatives called "lax" and "forced". We observed the acoustic characteristics of each type of fricative with a sound-spectrograph. At the beginning and in the middle point of the frictional period, both types of fricatives showed a similar spectral pattern: the main frequency component was observed to be higher than 5000Hz in many cases among both types of fricatives. At the final point of the frictional period, a low frequency component around F2 and/or F3 of the following vowel was observed in the lax fricative more often than in the forced one. However, our results suggested that the presence or absence of the low frequency component around F2 and/or F3 of the following vowel might not differentiate the two types of fricatives.
著者
武田 誠 鬼頭 勇斗 小嶋 俊輝 野々部 竜也 久野 智弘 松尾 直規
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_1441-I_1446, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

Recently, the serious inundation damage due to a local heavy rain has increased. This study treated the inundation damage due to heavy rain in Kasugai city. The characteristic of the inundation situation and the effect of raising of the building for the countermeasures of water disaster were shown clearly. After that, a simple inundation analysis without the sewer system model was carried out, and it was shown that the actual inundated area and the area with high inundation water depth of analysis results are in agreement. Moreover, the inundation analysis method in consideration of the origin was developed by using the T-SAS by Sayama et.al. The rain water behavior was analyzed by this analysis method. Therefore, the information of rain water flow for inundation control was obtained.
著者
中島 勇介 武田 誠 久納 匠 松尾 直規
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1465-I_1470, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
10

近年,大規模な浸水災害に関する検討が進められている.その中で,都市の地下空間の浸水に対する脆弱性が指摘され,検討も進められているが,まだ十分な状況とはいえない.本研究では,津波を外力とする浸水災害について,名古屋を対象に地下鉄の浸水に着目した数値解析的研究を行った.ここでは,津波解析モデルおよびネスティングモデルを構築し,地下鉄を有する都市の浸水解析を実施した.本研究により,内閣府で想定されている東海・東南海・南海地震による津波では,堤防が無い(崩れた)場合には大規模な浸水被害となるが,堤防が有る場合には浸水被害も小さいことが示された.また,堤防が無い場合,地下鉄名港線では水没する危険性も示されたが,実際には地下への流入を防ぐ対策が採られており,その対策の効果検証は今後の課題として残った.
著者
武田 誠一 佐藤 要 小林 顕太郎
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.51-61, 1993
被引用文献数
1

実船計測で得られた航行中の出会い波浪(波高)ならびに波浪中船体応答の資料を解析し、短期統計量についてRayleigh分布との比較検討した結果を以下に要約する。(1)両振幅ならびに片振幅の波浪統計量は、Rayleigh分布を仮定した推定値から説明できるが、推定値は多少安全側にある。また今回の波高範囲では、これらの波浪統計量の非線形性は弱い。(2)船体応答におけるピッチおよびロールの短期統計量についても、Rayleigh分布を仮定した推定値が解析値と良く一致していることが認められた。(3)一方、1/100最大波ならびにピッチ角(片振幅)の解析結果では、解析値が推定値を上回っている事例があり、極値解析の方法および他の分布形について更に検討が必要と考える。(4)大型船よりも縦強度が比較的強いと考えられる供試船においても、サギング側の応力が大きいことが認められた。今後、漁船の安全運航を踏まえ(3)の問題点を明らかにするとともに、大波高ならびに水深の浅い海域における短期統計量についても研究をすすめていきたい。また、資料の蓄積をはかり長期発現頻度の基となる、データベースの構築についても努力していきたいと考える。
著者
武田 誠一 上野 公彦 山口 繁 萩田 隆一 内田 圭一
出版者
日本水産工学会
雑誌
水産工学 (ISSN:09167617)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.55-64, 2003-07-15
参考文献数
10

2001年台風第15号,および2002年台風第21号が東京湾を通過する際に実海面で得られた資料を基に,波高の短期統計量等について解析を行った。資料は,東京水産大学練習船海鷹丸ならびに神鷹丸に設置されている,マイクロ波式波高計により計測されたものである。解析の結果,一般船舶や漁船の安全運航に対して,有義波高や最大波高を推定する従来の方法が,台風通過時においても有用であることが確認された。一方,台風通過時の海面においてもP-M型スペクトルで一様に近似して表現することが難しいことが確認された。
著者
平川 毅彦 土橋 敏孝 武田 誠一
出版者
新潟青陵大学・新潟青陵大学短期大学部
雑誌
新潟青陵学会誌 (ISSN:1883759X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.11-18, 2010-03
被引用文献数
1

本研究は新潟市中央区に居住する55 歳から59 歳の男女を対象としたアンケート調査データに基づき、これから高齢者となる世代をいかにして「元気高齢者」にしていくのか、その課題を検討したものである。調査結果から以下のようなことが明らかにされた。65 歳以降の生活で、「収入」「自分の健康や病気」「家族の健康や病気」に不安を持っている。現在の生きがいは「友人との交流」「家族との団らん」「就労」が中心で、65 歳以降は「友人との交流」「家族との団らん」「趣味のサークル活動」を想定している。地域生活に関しては、近隣と「あいさつを交わす程度」であり、半数近くが地域活動に参加したことがない。65 歳を迎えたその日から「高齢者」に、そして地域に貢献する「元気高齢者」となることは不可能である。しかし準備段階世代のデータを見る限り、現時点における地域社会との関係性は強いものではない。「元気」、更には地域社会の在り方そのものに関する議論も含めた検討が必要である。
著者
武田 誠郎 田邉 修 有木 政博 碓井 裕史
出版者
広島大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

ヒト赤血球に、当教室で新たに見い出したタイプ2Aプロテインホスファターゼはα_1β_1δ_1のサブユニット構造を持ち、α(34kDa)が触媒サブユニット、β(63kDa)とδ(74kDa)が調節サブユニットである。本年度は74kDaδサブユニットの機能解析のための基礎的実験を重点的に行った。純化したα_1β_1δ_1からδとα_1β_1をヘパリン・セファローズカラムを用いて分離した。δとα_1β_1を0.5M NaCl存在下で混合し、α_1β_1δ_1とα_1β_1を完全に分離し得る条件でスーパーデラックス200のゲル濾過を行うと、一部α_1β_1δ_1が再構成された。一方、δはA-キナーゼまたはC-キナーゼでリン酸化されることを当教室で明らかにしているので、δとα_1β_1の結合に及ぼすδのリン酸化の影響を見た。その結果、A-キナーゼによるδのリン酸化が、δのα_1β_1への結合を促進することを見い出した。現在、再構成されたα_1β_1δ_1の性質を詳細に調べている。他方、δの組織分布やcDNAクローニングのために、δに対する抗体を作製した。上述の方法で単離したδをリビ・アジュバンドシステムを用いてマウスの腹腔に投与し、δに特異的な抗体を得た。この抗体はラットの70〜72kDaのタンパク質と特異的に反応する。ウエスタンブロット法で、これらのタンパク質の組織、細胞内分布を解析中である。一方、この抗体を用いてヒト骨髄cDNAライブラリーからこの抗体と反応するタンパク部分に対応するDNA断片を含むクローンをスクリーニング中である。δのcDNAのクローニングによる一次構造の決定、δのcDNAをプローブとしたノーザンブロット法によるδのmRNAの組織分布、δとα_1β_1の解離、再構成によるδのリン酸化の意義を明らかにし、δの機能を解明する。
著者
川池 健司 馬場 康之 武田 誠
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

近年、豪雨によって頻発している内水氾濫を実験室で再現するため、内水氾濫実験装置を作成した。この装置を用いて内水氾濫を発生させ、数値解析モデルの結果と比較した。その結果、内水氾濫の発生の有無および浸水規模を規定する、地上と下水道管渠の雨水のやり取りを扱うモデルとして、従来の段落ち式と越流公式では両者の間の流量を過剰に評価してしまうことが明らかとなった。当面の措置として両公式中の流量係数の改正値を提案したが、今後は新たな定式化も視野に入れた更なる検討が必要と考えられる。