著者
塩田 彩夏 二瓶 泰雄 遠藤 亮之輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_1699-I_1704, 2013 (Released:2014-03-31)
参考文献数
20

Although previous studies pointed healing effects from waterfront, quantitative evaluations and factor of healing effects were still unknown. To evaluate quantitatively healing effects from river and coast and its associated factors, in this study, we measured simultaneously psychological stress and sound and thermal environments at six sites in which the measuring points were selected near waterfront and urban area in its neighborhood. The measured results indicated that 1) the measured values of salivary amylase activity, one of useful stress markers, in several waterfronts were appreciably lower than those in urban area, and 2) the healing effects in waterfronts were closely related to sound and thermal environments.
著者
高 裕也 二宮 順一 森 信人
出版者
土木学会 = Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:18808751)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_175-I_180, 2018
被引用文献数
2

現在気候実験3,000年(60年×50メンバ)および将来気候実験5,400年(60年×90メンバ)の大規模アンサンブル気候予測データ(d4PDF)を用いて,日本海沿岸における低頻度気象災害要因の一つである爆弾低気圧に対する気候変動の影響評価を実施した.現在気候および将来気候からの爆弾低気圧抽出結果から,発生個数にはほとんど将来変化はないが,最低中心気圧の強度は将来的に増加する傾向があることがわかった.また,日本沿岸域に被害を及ぼす可能性がある爆弾低気圧について解析した結果,全体に占める台風並みに発達する爆弾低気圧の割合が増加し,特に中心気圧の強度も増加する傾向を示した.
著者
松延 和彦 石川 忠晴 安藤 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_559-I_564, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
13

This paper presents one dimensional model to estimate the evolution process of river meandering. The model is composed of a part to calculate the channel bed deformation under the action of helicoidal flow due to secondary circulation and a part to calculate the channel axis deformation. The former part was verified with the result of existing flume experiment. In the latter part, the rate of channel shifting was assumed to be proportional to the velocity deviation at the side banks from the average value following to some existing studies. The calculation was compared for meandering length with image data of natural rivers which were collected from the Google Earth. The both results showed that the meandering length is proportional to the channel width in average, but the proportional constant obtained from the calculation was about double of that obtained from the observation.
著者
石田 義明 久加 朋子 清水 康行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1429-I_1434, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
6
被引用文献数
1

2016年の北海道豪雨は,既往最大を記録するもので,過去に経験をしたことのない大洪水が全道各地で発生した.本論文では,空知川幾寅築堤における2ヶ所の堤防決壊に着目し,破堤と地形特性が氾濫状況に及ぼす影響について検討した.結果,上流破堤部が決壊した後,氾濫流は3m/s以上の高速で下流破堤部へと流れ込んだことが示された.また,下流破堤部の決壊の有無を比較し,この破堤が外水氾濫の排水機能を発現したことで,実質的な洪水被害の軽減につながったことが示された.さらに,今回の氾濫を昔の川の痕跡と比較した結果,氾濫流の流れは後背地の畑の下に隠れていた旧流路跡をたどり,本川へと再合流する様子が再現された.この現象は,水衝部における破堤や溢水箇所が若干異なっても,同様の結果を示すものであった.
著者
池内 幸司 越智 繁雄 安田 吾郎 岡村 次郎 青野 正志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.136-147, 2012 (Released:2012-10-19)
参考文献数
20
被引用文献数
6

荒川が決壊し大規模な水害が発生した場合における地下鉄等の浸水状況を把握するために,氾濫域にある地下鉄等の出入口及びトンネルにおける止水板,防水扉等の止水施設の設置状況や乗換駅における各路線の接続状況等を把握して浸水シミュレーションモデルを構築し,地上部と地下鉄等の浸水状況の把握を行った.その結果,地下鉄等のトンネルや乗換駅等を通じて地下空間が広範囲に浸水すること,東京駅等において地上部よりも早く地下鉄等のトンネルを通じて氾濫水が到達する場合があること,足立区千住地先で決壊した場合,地上の浸水範囲は局所的であるにもかかわらず都心部を含む広い範囲が水没状態になること,出入口等に応急的な止水対策等を行うことで,浸水区間の減少や浸水開始時間の遅延に対して効果を発揮する場合があることなどが分かった.
著者
中平 歩 岡田 将治 張 浩
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1087-I_1092, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
7

近年,四万十川河口より4kmから6kmの区間では,土砂堆積による流下能力の不足および汽水域に生育する天然スジアオノリの収穫量の減少が問題となっている.土砂堆積の要因は,昭和41年以降の砂利採取期間を含む現在までの土砂動態と流入土砂量の検討結果から,砂利採取禁止後からの土砂供給量の増加によるもので,今後も堆積傾向にあることが予想される.また,スジアオノリの生育に適した河床高の面積と収穫量の関係から,土砂供給量の変化がスジアオノリの生育できる河床高の範囲に影響を及ぼしていることがわかった.そこで,平成26年に移動床実験による平衡河床形状の検討結果から選定した掘削箇所をスジアオノリの生育に適した河床高になるよう切り下げた結果,平成27年1月にはそれまでに繁茂していなかった区間に新たな繁茂域の形成が確認された.
著者
村瀬 将隆 中島 勇介 武田 誠 川池 健司 松尾 直規
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1441-I_1446, 2017

近年,東日本大震災による津波災害や,平成27年の鬼怒川破堤による洪水災害など,大規模な浸水災害が生じている.地下鉄や地下街など高度に地下空間が活用されている都市域に対して大規模な浸水災害が生ずれば,その氾濫形態は複雑化することが考えられ,地下空間の浸水被害のみでは無く,地下鉄の線路が新たな水路となり,他地域への浸水を広めることも考えられる.本研究は,名古屋と大阪の地下鉄を有する都市域を対象に,洪水破堤による大規模な浸水解析を行い,地下鉄の有無による浸水被害の違いや地域による浸水特性を明らかにする.
著者
八木 柊一朗 鈴木 善晴 横山 一博
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_259-I_264, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
9

本研究では,強冷法シーディングによる豪雨に対する降水抑制の有効性および信頼性を評価するため,積雲発生初期における面的・離散的・動的シーディングに関する実験的な数値シミュレーションを行い,条件や手法の違いによる抑制効果と促進リスクの有無や大小について検討を行った.その結果,従来の面的シーディングによる氷晶核数濃度の操作倍率が大きい大規模なシーディングではなく,操作倍率が小さく実施領域が限定された比較的小規模な(離散的・動的)シーディングであっても一定の降水抑制効果が得られる可能性があることが示唆された.また,抑制メカニズムの解析を行った結果,線状降水系の事例ではシーディングによって鉛直風速の弱化が降水抑制に繋がることや,降水促進リスクが他の事例より小さい傾向にあることが確認された.
著者
田村 隆雄 能田 慎也 武藤 裕則
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.I_469-I_474, 2012 (Released:2013-03-26)
参考文献数
8

A lot of slope failures were generated by Typhoon No.17 in 1976 and Typhoon No.10 in 2004 in the upstream of the Nakagawa River located in southern Tokushima Prefecture. Shallow slope failures were generated in Typhoon 200410 while deep slope failures were generated in Typhoon 197617. In this study, the maximum value and time series of subsurface water storage on forest slopes were estimated using a distributed runoff model, and the reason why the form of slope failure is different was discussed. We found that: (1) the collapsing forest slopes have large capacity of subsurface water storage. (2) the ratio of groundwater storage to soil water storage became large on the slope where a deep collapse was generated. (3) the ratio of soil water storage to groundwater became large on the slope where a shallow collapse is generated. (4) rain-fall intensity and its waveform are related to the generation form of slope failure, too.
著者
山口 弘誠 中北 英一 野中 理伸
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_307-I_312, 2013 (Released:2014-03-31)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Some rain-gauges produce a disturbance of the air currents which is called "Jevons effect", thereby a disturbance in the distribution of precipitation of such a kind that a part of the rain is carried past the rain-gauge, and the amount of variation from the true rainfall increases with increasing wind velocity. To evaluate the capture ratio when a strong wind occurs, the 9 m2 huge rain-gauge was invented that could reduce and neglect the Jevons effect. The total amount of rainfall for three months observed from the huge rain-gauge is about 5 % greater than that observed from the standard rain-gauge. 2-dimensional video disdrometer analysis showed that the capture ratio was low during the rainfall which had the small median diameter of the raindrop size distribution.
著者
山崎 祐介 江頭 進治 南雲 直子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_931-I_936, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
8
被引用文献数
2 2

本研究では,豪雨に伴う崩壊分布の推定法および土砂流出量の推定法を提案している.土砂流出予測法は,崩壊土砂が土石流化したものを質点系支配方程式で記述し,崩壊土砂の流下に伴う侵食・堆積の解析にもとづいて開発している.これを福岡県赤谷川流域において2017年7月に発生した豪雨を対象に適用し,次のような結果を得ている.本推定法は,豪雨に伴って支川流域で発生した崩壊土砂が土石流化し,流下にともない侵食して主要河道に到達し,そこで堆積するという土砂流出過程をよく再現している.流域河道の次数をHorton-Strahlerによる方法で分類し,各河道の平均渓床勾配と土石流の平衡勾配を用いて表現される渓床の侵食・堆積現象は,実際の土石流の侵食・堆積の傾向とよく一致している.流域内の侵食・堆積の空間分布は,河床勾配の空間分布と土石流の平衡勾配によって推測可能である.
著者
泉 完 杉本 亜里紗 丸居 篤 東 信行
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_433-I_438, 2018 (Released:2019-12-05)
参考文献数
18

天然稚アユの河川遡上初期に合わせて当稚魚の臨界遊泳速度を青森県岩木川河口から約11kmにある芦野頭首工地点の現地で計測した.魚道地点の河川敷に小型の長方形断面水路(幅15cm・高さ15cm・長さ100cm)を設置し,水路には断面平均流速9~75cm/sの範囲で河川水を流し,体長5.9~9.9の稚魚を遊泳させた.計測中の水温は10.6~18.5℃で,推定された60分間臨界遊泳速度は,19~49cm/sであり,体長との間に正の相関が認められた.また,体長(BL)の倍数の速度で表すと,3.1~6.5BL/s,(平均4.8BL/s,標準偏差1.0)の速さとなった.計測時の水温の違いによる60分間臨界遊泳速度への影響は少ないと推察された.
著者
松村 健史 守村 融 新谷 哲也 横山 勝英
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.I_1039-I_1044, 2017 (Released:2018-02-28)
参考文献数
9
被引用文献数
2 3

複雑な平面形状を有する筑後川感潮河道を対象として三次元流動シミュレーションを構築し,大潮期の塩水遡上の特徴について検討を行った.2002年9月の観測データを用いて精度検証し,水位,塩分,流速のいずれも十分な再現性があることを確認した.三次元計算の結果,本川・筑後川と比べて支川・早津江川における塩水の遡上・後退運動は活発でないことがわかった.これは,支川の河道距離が本川に比べ長く,また河道は蛇行し,川幅が途中で狭まっていることが原因と考えられる.さらに,本川においても導流堤の存在により,左右岸で塩水の挙動が異なり,左岸側澪筋において,水深が深いために塩水運動が活発であるとことが分かった.三次元流動シミュレーションにより河道地形が塩水遡上の時空間変動におよぼす影響を理解することができた.
著者
関根 正人 馬場 航 小方 公美子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_1315-I_1320, 2019 (Released:2020-11-16)
参考文献数
9

台風や局地的豪雨による被害が日本各地で多発している.2015年に改正された水防法では,想定しうる最大規模の洪水・内水および高潮に係わる浸水想定区域を公表する制度が創設された.今後は起こりうる各々の水災害に対し,適切な対策を講じることが求められる.本研究では,浸水予測手法S-uiPSを用いて大規模豪雨と高潮が同時発生する状況下を想定し,浸水予測計算を行った.高潮時には,臨海部から都市河川を遡上する流れが生じ,河川水位によっては雨水吐を経由して下水道内への水の逆流や河川からの越水が生じる.こうした危険性は,河口から離れた地点においても十分に考えられる.本研究では,都市河川のどの範囲にまで高潮の影響が現れ,いずれか一方の外力による浸水と比較してどの程度深刻な事態となるかを明らかにすることができた.
著者
戸田 祐嗣 溝口 裕太 野尻 晃平 山下 貴正 辻本 哲郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_1687-I_1692, 2013 (Released:2014-03-31)
参考文献数
20

A numerical simulation model was presented to describe the material cycling along a river with floodplain, in which river continuum concept and flood pulse concept were modelled to be taken into account for considering the energy flow in river ecosystem. Using the discharge and the river channel conditions observed in Yahagi River, the dynamics of organic matter was illustrated. The organic matter entering into the river from terrestrial area is transported under the effects of physical and biochemical processes in each longitudinal segment of the channel. The results of the simulation show that the amount of organic matter transported during floods is about 28% in Segment.2.
著者
殿山 俊吾 中村 恭志 井上 徹教
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_919-I_924, 2020 (Released:2021-11-30)
参考文献数
13

堰状構造物が水路底面上の人体の流下を阻止する過程とその際の条件について数値解析を基に検討した.流動とそれによる人体の姿勢変化を連立した人体−流動連成数値モデルを使用し,全幅堰を持つ平坦直線水路について異なる水深,流速,堰高を想定した複数の解析を実施した.人体が堰を越えて下流へ流下する形態には,水中に上昇し堰を越える浮遊形態と,堰に衝突した後に堰を越える転動形態の2種類があった.浮遊形態は堰高に関わらず凡そ1m/s以上の流速で生じ,流れによる抗力が人体の水中重量を超えると生じた.転動形態は比較的遅い流速0.5m/s以上で生じたが,腕や脚など体の一部が主流域に引き出されることが必要で,堰高が凡そ70cmより高く堰前面の渦に人体の全てが含まれる場合には同形態で堰を越えることは無かった.
著者
武田 誠 鬼頭 勇斗 小嶋 俊輝 野々部 竜也 久野 智弘 松尾 直規
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.I_1441-I_1446, 2015 (Released:2016-01-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

Recently, the serious inundation damage due to a local heavy rain has increased. This study treated the inundation damage due to heavy rain in Kasugai city. The characteristic of the inundation situation and the effect of raising of the building for the countermeasures of water disaster were shown clearly. After that, a simple inundation analysis without the sewer system model was carried out, and it was shown that the actual inundated area and the area with high inundation water depth of analysis results are in agreement. Moreover, the inundation analysis method in consideration of the origin was developed by using the T-SAS by Sayama et.al. The rain water behavior was analyzed by this analysis method. Therefore, the information of rain water flow for inundation control was obtained.
著者
八木 綾子 稲垣 厚至 神田 学 藤原 忠誠 藤吉 康志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.I_325-I_330, 2014 (Released:2015-05-18)
参考文献数
11

Horizontal turbulent flow fields within atmospheric boundary layer above an urban area (Tokyo, Japan) measured by Doppler lidar in autumn and winter were visually classified into six groups, Streak, No streak, Mixed, Fish net, Front, The others. The conditions of each flow occurrence were examined with observed surface meteorological data and related scaling parameters. The following results were obtained: (1)Streak dominates 64% of all valid data, while Fish net does only 2%. No streak and The others, look more laminar rather than turbulent, reach to 20% contribution in total. (2) Each flow patterns can be categorized by . and Re ( is boundary layer height, is the Monin Obukhov length. Re is Reynolds number, the length scale of which is .). (3) Each flow patterns can be categorized by . and Resurf (z is observation height. Resurf is Reynolds number, the length scale of which is .) as well as . and Re. (4) The diagrams of . and Re, and . and Resurf qualitatively illustrate the flow regimes.
著者
久保 宜之 山地 秀幸 岡林 福好 新川 和之 筧 泰昌
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.208-213, 2019 (Released:2019-12-20)
参考文献数
3
被引用文献数
2 2

平成30年7月豪雨では物部川においても記録的な出水となった.幸いにも甚大な浸水被害が発生することはなかったものの,この出水において,治水対策における事前対策の重要性や氾濫頻度が低い河川における避難行動を促すことの難しさなどが再認識された. このため,本稿では平成30年7月豪雨における物部川の出水や洪水予報等の概要,近年実施した引堤事業が進められなかった場合の同豪雨での氾濫想定,記録的な出水に至ったにも関わらず顕著な避難行動が確認されなかったことやその原因分析の端緒となる住民意識調査の結果などを報告するとともに,ハード・ソフト一体となった水害対策の重要性に言及する.
著者
塚田 文也 池内 幸司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_1381-I_1386, 2021 (Released:2022-02-15)
参考文献数
22

近年の日本における水害による死者の発生状況について詳細な分析を行い,日本の水害に対して適用可能な新たな人的被害推計手法を構築した.浸水状況を表すパラメータのうち,浸水深と水位上昇速度が死者率と明確に関係していた.浸水深については,水面が人の頭付近まで至る浸水深1.5-2m以上の領域のみで死者が生じていた.水位上昇速度については,2階建ての1階で死亡したケースで,水位上昇が速いほど死者率が高かった.水位上昇速度に基づき設定した3つのゾーンと,浸水の時間帯と年齢によってクラス分けを行い,各クラスに分析結果から得られた死者率を設定することで人的被害推計手法を構築した.構築した手法を近年の日本における水害に適用した結果,死者率をおおむね正確に推計することができた.