著者
高辻 正基
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.909-913, 1999-08-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
8
被引用文献数
1

異常気象,土地浸食などの環境問題や人口増大の影響で, 21世紀前半以降の人類の食糧問題が懸念されている.従来の土地利用型農業だけでは,特に日本の食糧を支えきれない可能性がある.そこで,植物工場のような超集約的食糧生産技術の実用化が期待される.応用物理的技術の応用として,発光ダイオードやレーザーダイオードを植物栽培用の光源として利用する可能性について論じる.
著者
戸田 盛和
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.640-651, 1985-07-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
14

非線形の波動現象はソリトンと呼ばれる安定運動の集まりと考えられる場合,大変見通しのよいものになる.ここでは最も早く発見されたソリトンを中心にして,ソリトンの特長を解説する.
著者
遠藤 忠
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.712-724, 1990

1990年1月1日を期して,ジョセフソン効果に基づいた電圧標準に加えて,量子ホール効果に基づいた抵抗標準が,世界中で統一して用いられている.これにより,量子現象の持つ普遍性と恒常性という優れた特長に支えられて,世界的に全く統一のとれた電磁気量の実用標準体系が実現した.この結果は,両標準の技術的側面の研究もさることながら,むしろ,地道な努力を重ねて永年行われてきた種々の基礎物理定数の測定のこれまでの総決算により生まれたものといえる.本稿では,基礎物理定数との関わりを中心に,両標準の実現に至った背景について解説する.
著者
李 瑞
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.449-450, 1998-04-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
橘 篤志
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.627-633, 1972-06-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
18
著者
島川 正憲 長野 幸隆
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.882-892, 1974

Laser science has now entered in new era in many countries and the demand for appling this technique to industry is rapidly growing up in these days. Several applications are now being used for production, such as drilling of diamond, watch stones, ceramics, plastics, stainless steels and tungsten carbides, cutting of metals and non-metals, welding of small components .in watch and electronics industry, resistor trimming and ceramics scribing. The present situation of laser material processing not only in Japan but also in foreign countries are described.
著者
水島 一郎 佐藤 力 綱島 祥隆
出版者
The Japan Society of Applied Physics
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.69, no.10, pp.1187-1191, 2000

SON (Silicon on Nothing) 構造を実現する技術として,厚さは1μm以下でありながらミリメートルサイズの広さを有する平板状の臣大空洞 (ESS: EmPty Spacein Sillcon) を,シリコン基板内部に形成する技術を開発した.この構造は,サブミクロンサイズの闘孔径のトレンチをシリコン基板上に形成したのち,水素などの還元性雰囲気中にて熱処理し,シリコン原子を表面マイグレーションさせることで実現できる.さらにトレンチの初期配列を制御することで,平板状だけでなく,管状,球状などいろいろな形状のESSを形成できる.本技術は,埋め込み絶縁層の比誘電率として1という最小値を実現できる方法として,これまで期待されながら作製困難であったSON構造を従来のプロセス技術により実現できるきわめて有望な手法であり, SOI技術の代替技術となりうるとともに,微細加工技術のーつとして幅広い応尾が期待される.
著者
常木 澄人 久保田 均
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.101-105, 2020-02-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
19

機能性デバイスの物理的な性質を利用し,ニューラルネットワークをハードウェア実装することで低消費電力かつ高速な人工知能の実現を目指す研究が行われています.本稿では,ナノサイズの強磁性体から成る自励発振素子であるスピントルク発振素子を人工ニューロンとして用いた研究について紹介します.

1 0 0 0 OA 色調和の理論

著者
東 堯
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.21, no.10-11, pp.385-391, 1952-12-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
6
著者
米永 一郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.86, no.12, pp.1040-1051, 2017

<p>半導体中の固有点欠陥はデバイスの性能と劣化に影響するため,その形成と移動について実験と理論の両面から多くの研究が進められてきた.しかしながら,それらの報告値は現状,混乱の極みにある.ここでは,半導体中の点欠陥の原子構造と電荷状態の基礎的な説明のあと,シリコンでの形成エネルギーに関する実験結果,理論的予測,それらに対する外部静水圧や不純物の影響,複合体化,さらにエントロピーに関する現状を紹介する.その後,ゲルマニウムとワイドギャップ半導体における研究を簡単に述べる.</p>
著者
稲田 哲雄
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.412-417, 1983-05-10 (Released:2009-02-09)
参考文献数
7

中性子線によるがん治療に続いて,陽子線治療およびその診断が医学に導入されつづある.中性子線の高い線エネルギー付与 (LET) による生物効果の期待に対して,陽子線はその線量分布の局在姓に着目される.診断においては,従来のX線によって認めえなかったわずかな体内密度変化が,陽子線撮影によって検出される.しかし,物理実験装置である大型の加速器を病院内に設置し,医療照射を行なうためには適切な制御システムが必要であり,今後なお,開発,改善すべき要素が多い.
著者
國尾 武光 波田 博光
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.74-78, 2001-01-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
7
被引用文献数
1

高速・不揮発動作が可能な強誘電体メモリー (FeRAM) が注目され,実用化に向けた研究開発が開始されてから10年以上が経過する.このように長い年月の精力的な開発努力の末,強誘電体メモリーがようやく実用化の段階に入った.携帯機器や混載LSI用として有望な強誘電体メモり一の基本動作原理,強誘電体材料の特徴,製法上の特徴と実際のメモリーセルの構造について解説し,今後の強誘電体メモリーの応用分野と展開についても簡単に触れる.
著者
中山 貫 藤井 賢一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.245-252, 1993-03-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
49
被引用文献数
8

単結晶の格子定数とアボガドロ定数は,密接な関係があることが,古くから知られている.現在,格子定数の絶対測定は,シリコンについてX線干渉計と光波干渉計を組み合わせた装置を用いて行われる.アボガドロ定数の決定には,格子定数のほかに結晶の密度とモル質量が必要である.ここでは筆者らが行っている格子定数と密度の測定の現状と, Seyfrledらによるアボガドロ定数の最新の決定 (1992) について,基礎的データの測定や基礎定数の決定の歴史などにも触れながら紹介する.
著者
花村 榮一
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.873-884, 1994-09-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
33

十分長いコヒーレント長をもつ励起子を共鳴励起するとき, 3次の非線形分極率x(3)(-ω; ω, -ω, ω) が増大し,また励起子の超放射によって速いスイッチングが可能となる.この励起子系が示す多彩な非線形現象の理論的な予測と観測例を解説する.特に,多励起子系の超放射特性,多励起子の束縛状態であるn-stringの理論と観測例,一次元メゾ系特有な励起子ポラリトンのコヒーレント発光,三次元系で初めて起こる励起子ボース凝縮と弱局在による位相共役光の増大を紹介する.
著者
城石 芳博
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.1424-1428, 1998

磁気記録技術は, V. Paulsen の発明以来100年の歴史を有する身近な技術である.中でもハードディスク装置は,外部記憶装置の中核的存在であり,薄膜磁気記録媒体,磁気抵抗効累 (MR) 型ヘッド, PRML信号処理などの最先端技術の継続的導入により,ここ数年間は年率60%(このままでいけば10年で160倍)という驚異的なスピードで高密度化が進農している.現在,ハードディスク装置の記録密度は光ディスク装置を追い越すまでになっており,その産業規模も半導体メモリーに匹敵する巨大なものとなっている.本講座では,高度情報化時代にますますその重要度が高まると考えられる,ハードディスク装置の原理と構成について概説する.
著者
和田 順雄
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.1125-1130, 1996-11-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
30
被引用文献数
2

薄膜の屈折率や膜厚を光学的に求める方法は,これまで多数提案されてきた.本解説ではこの中から非破壊,非接触の測定法として,顕微分光測光装置を用いて試料の分光反射率や透過率から屈折率や膜厚を求める方法と,エりプソメトリーこよる方法について,それぞれの原理や装置の説明と実際の測定に際しての留意点を述べる.
著者
菅井 秀郎
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.559-567, 1994

プラズマを用いるドライプロセスは,薄膜デバイスの作製に欠かせないツールとして定着している.しかし,デバイスの微細化と大面積化が急速に進むにっれ,新しいプラズマ・ソースの開発が緊急課題になってきた.新プラズマ源は,これまでになく高密度で大口径であることが必須条件であり,しかも低い圧力でこれを生成しなければならない.このような苛酷な条件を満たす高効率プラズマ源として,まずECRプラズマが名乗りをあげ,ついでヘリコン波励起プラズマが開発された.ざらに最近になって,誘導結合型プラズマが発表されている.ここでは,これらの競合する三種類のプラズマについて,生成法の原理や特徴について比較する.そして最後に,高密度プラズマに共通する問題点について述べる.