著者
村本 卓 出口 博章
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.122(2001-CE-062), pp.25-32, 2001-12-14

本学は2003年度から新設予定の高校教科「情報」の教員免許の過程認定を受け、今年度から新カリキュラムで授業を行っている。「情報」教員を養成するという立場から、教員を支援する目的で教材コンテンツを利用するシステムに関する研究を行っている。このシステムの構築に関して、「XMLによるコンテンツの蓄積・管理」と、「高速ネットワークによるコンテンツ配信技術」を研究対象としている。特に、教材コンテンツに関してはストリーミングによる動画配信も計画しており、高速大容量のネットワークが必要である。本稿では,近年各地域で整備が進んでいる地域イントラネットについて、その概要を調査し、本システムが必要とするコンテンツ配信の「高速ネットワーク」として、これを利用する場合について考察した結果を報告する。
著者
神沼 靖子 福島 又一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.42, pp.9-16, 1999-05-21
被引用文献数
3

このレポートは,知的障害者の自立訓練学習にコンピュータを活用した情報システムを導入することが可能であるかという問題について,フィールドでの分析を行なった研究報告である。このフィールド調査では,プロトタイプの改善を繰り返しながら,アクションリサーチを行なっている。ここでは自立訓練学習を人間活動システムの枠組みで捉え,個々のシステム環境における問題として,'これは何のシステムか'及び'そのシステムの目標は何か'という視点で情報を分析している。具体的な事例として,買い物訓練の学習支援,帰省訓練の学習支援,織物作成における学習支援,意思伝達支援などの問題を取りあげる。The focus of this paper is on the applicability of field experiments with action research to developing self-establishment system for mentally handicapped peopole. The context is a study of a fundamental issue in the field of human activity systems: 'What is the system?' and 'What are its objectives?' In this paper, we present several exapmles of the information system development exercises in rehabilitative training for heavy degree mentally handicapped people as practices in research. The examples of prototype are systems for purchase training, systems for homecoming training, systems for promoting mutual understanding, systems for fabric making and so on.
著者
伊藤 毅志 古郡廷治
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.93(1996-CE-041), pp.49-56, 1996-09-20

本稿では、自立的学習を支援する新しいCAIシステムのための基礎研究について説明する。このシステムは、間接指導と自己観察の二つの指導法を組み込んだシステムである。まず、間接指導と自己説明について説明し、実際の教育実践活動の結果をもとに、さらに考察していく。また、これまで提案してきた間接指導に基づいたCAIシステムについても説明し、自己観察をこのシステムに組み込んだ新しいシステムの全体像を紹介する。
著者
神沼 靖子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.69, pp.37-39, 2007-07-07

社会インフラの重要な構成要素となっている情報システムとは何かを明らかにするために、いろいろな切り口でその姿を可視化することを試みる。はじめに、コンピュータを活用する情報システムが何故生れたか、何故必要かを考える。そして、目的に適い、人間の環境に馴染む情報システムを何時、誰が、何処に、どのような方法で創っているのかについて紐解く方法を検討する。The information system which is an important component of the society infrastructure is clarified. They are visualized in various sides in order to facilitate the understanding. First, "why the information system which utilizes the computer was produced", and "why it is necessary" are considered. Next, how information systems which harmonize with purpose and human environment are made, is described. In addition, they are described on who makes in when, where, and how.
著者
有賀 妙子 渡部 隆志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.123, pp.33-40, 2003-12-15

大学・高等学校のWebページ制作演習授業では、制作技術と並んで、視覚的な表現方法も学習、評価の対象となる。制作したWebページを評価する方法はすでに提案され、実践されているが、視覚的なデザイン表現にまで踏み込んではいないと考える。デザイン表現には客観的な評価基準がなく、読み手の主観によって判断されるが故であるが、一方で、目的に合致した表現手法であるか否かの違い、デザインの差は歴然と存在する。そこで、Webページのビジュアル表現の演習方法とその評価方法を提案する。In classes for creating Web pages at universities and high schools, learning visual expression is a target besides creating techniques. The ways to evaluating Web pages were already proposed and used. However these did not actually evaluate visual design, since there is no objective evaluation criterion for visual expression. On the other hand, there is clear distinction between a proper design fitted for a web page's target or not. Authors propose the way to teach and evaluate visual design for creating web pages.
著者
庄司文由 長登 康 隅谷 孝洋 中村 純 永井 克彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.104, pp.17-23, 1999-12-06
被引用文献数
1

広島大学における一般情報教育の現状を報告し、Linux端末を用いた一般情報教育のためのシステム構築状況を紹介する。また、その中で明らかになった一般情報教育にLinux端末を用いることのメリット、デメリットを詳細に検討し、現時点における問題点を考察する。We report the status of computer literacy education at Hiroshima university and present our preparation for computer literacy education with Linux machine which will start at April 2000. We consider problems when using Linux machines for computer literacy education.
著者
坂東 宏和 佐藤仁美輩 大即洋子 馬場 康宏 澤田 伸一 小野 和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.74, pp.41-48, 2006-07-08
被引用文献数
3 1

本稿では,パーソナルコンピュータを活用することにより,幼稚園の先生方の負担軽減,および 遊びの拡張を図ることを目的とした 幼稚園における活動的な遊びを支援するツールの設計と試作について述べる.具体的に,本稿では 従来から保育に取り入れられている遊びの一つである,様々な形で提供されるヒントを基に宝物を探し出す「宝探しゲーム」を支援するツールについて述べる.試作した支援ツールを幼稚園で試用した結果 園児の意欲的な行動や発言が多く見られるとともに,先生方からも好意的な意見を得ることができ,本ツールの有用性が示唆されたと考える.同時に,園児へのヒントの与え方,宝物を隠す場所など,先生方が事前に行う設定に関して,今後検討すべき課題が明らかになった.This paper describes about the design and trial production of a tool for active playtime in preschools, which by applying a personal computer will achieve pressure reduction of preschool teachers and will aim to expand the sphere of playing activity. Tb be specific, this paper describes about the educational supporting tools of the game "treasure hunt", which provides various hints about finding the treasure, often played by the traditional nursery system. The tool produced as an experiment was tried out at a preschool. As a result, there were many motivated, initiative actions and statements from the preschoolers observed. Also we received favorable remarks from the teachers as well. This suggests the usefulness of this tool. At the same time, it was found out problems to be solved when setting beforehand by teachers, for example how to give preschoolers hints and where to hide the treasure.
著者
飯田 周作 飯田 千代 清藤武暢 佐藤 創
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.13, pp.57-64, 2008-02-16
被引用文献数
4

アルゴリズム教育は,情報系の学部における重要なトピックスである。しかし,同時に学生の理解に大きな個人差が見られ,ミニマムエッセンシャルズとしてのアルゴリズム教育とは何かという難しい問いに直面している。本報告では,専修大学ネットワーク情報学部における「アルゴリズム的思考法」という科目で行ってきた教育を分析することにより,アルゴリズム的思考法を育成するための教育方法を提案する。At departments of Universities related to computer or information technologies, teaching algorithm is still an important topic. However, there are big dirrerences in the levels of understanding among the students. So, it is important to know what is the essential and minimum part in teaching algorithm. In this article, we analyze student behavior in a subject called "Algorithmic Thinking Style"and propose a new teaching method for algorithm education.
著者
井戸坂 幸男 兼宗 進 久野 靖
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.13, pp.49-56, 2008-02-16
参考文献数
2
被引用文献数
7

コンピュータを使わずに、情報科学を体験的に学ぶことができる「コンピュータを使わない情報教育アンプラグドコンピュータサイエンス」という情報教育の手法を用いた授業とその評価を報告する。授業は筆者の-人が中学校「技術・家庭」において実践し、授業で得られた学習カードや前後に実施したアンケートをもとに、授業の評価を行った。また、アンプラグド教材の有効性や 情報科学教育の必要性についても言及する。Computer Science Unplugged is a new educational approach, in which students learn principal concepts of computer science without computer.One of us have used it in the subject technologies and home economics in junior high-school classes. We have evaluated the effectiveness of the classes using study-cards and free description written by the students. In this presentation, we report our experiences and evaluations for the classes, with some discussions on the usefulness of the approach.
著者
原田 康也 前坊香菜子 河村 まゆみ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.69, pp.1-8, 2007-07-07
参考文献数
12
被引用文献数
5

本発表においては2007年2月17日コンピュータと教育研究会CE-88 (24)『学習者プロファイルに基づく学習者音声コーパス構築を目指して』において報告した研究プロジェクトのその後の進捗状況を報告する。本研究プロジェクトでは、2003年5月16日コンピュータと教育研究会CE-69 (3)『エーワンのマルチカードを用いた英語応答練習』にて報告した応答練習を中心とする授業中の学習活動を2005年6月18日コンピュータと教育研究会CE-80 (4)『対面での応答を重視した英語学習活動と発話収録装置の試作と試用』にて報告したマルチトラック・ハードディスク・レコーダにて音声収録するとともにならびにCE-88 (24)『VALIS:学習者プロファイルに基づく学習者音声コーパス構築を目指して』において報告したブルートゥース・ワイヤレス・マイクとハードディスク・ビデオカメラを用いて音声画像の収録を進めている。本プロジェクトで収録している音声データはきわめて多量であるため、その大部分を対象とすることは本プロジェクトの期間と予算から不可能であるが、将来的な作業の見通しを付けるために、発話データの書き起こしを試行している。本稿では、これに際して検討すべき事項の整理と現在進めている試行的な書き起こしの途中経過を報告する。The first author has implemented college English classes emphasizing face-to-face oral interactions within small groups of students in class, presupposing and expecting further cultivation of learners' ability to learn for themselves, by themselves and among themselves. Previous experiences confirm such expectations, and the authors are currently working on compiling spoken corpora of learners' interactions with relatively high-quality audio and video recordings of those interactions. In this second installment of interim reports, we touch on our transcription procedures and possible tools, further detailing our recording procedures and project goals. It is interesting to notice, in passing, how introduction of digital audio recorder with cabled microphones and digital hard-disk video cameras with Bluetooth wireless microphones positively affect students' motivations and performances in those practices.
著者
並木 美太郎 副田 俊介 繁富利恵 笹田 耕一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.15, pp.73-80, 2005-02-18
参考文献数
6
被引用文献数
5

文部科学省の「IT人材育成プロジェクト」において、ITに関する知識・技能を有する高校生のアイデア・スキルを発揮させることで独創性を向上させる「ITスクール」の実施例について報告する。5泊6日の合宿形式で全30名の生徒に、Squeakを用いてオブジェクト指向の概念を講義・実習し、自由研究で小規模なシステムを作成させた。結果としては、概ね好評、自由研究などでも完成度の高い作品を作成するなど、一定の効果を得ることができた。また、受講後、各高校でITの推進役を務めるなど、高度IT人材育成の役割を果たすことができた。ただ、開催形態、テーマ、時期などについてさらなる検討が必要であり、今後の課題となっている。This paper reports "IT school"that educates advanced IT knowledge and skill to improve originality for high school students.In the school planed as a part of "IT Jinzai Ikusei Project"of the Ministry of Education,the concept of object-oriented was lectured and practiced by using Squeak for 30 high school students in the training camp on the 6 days stay.Small systems in free research themes could be developed with the knowledge lectured and practiced.As the result,the students could take abilities of advanced IT and be served as the leader of IT in each high school after the school.
著者
高橋 由紀子 中平 勝子 三上 喜貴
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.123, pp.65-72, 2007-12-08

現在の日本語学習Webサイトは文法の学習に特化したものが多いが,本研究ではひらがな・カタカナの文字学習を目的とした外国人学習者向けの支援ツールを作成した.本ツールは文字の形・ストローク順・発音などに関するマルチメディアデータベースを有し,外国人学習者が陥りやすい間違いを意識させる工夫を織り込んだ.Though many web-based learning system for Japanese language are focusing on study of grammars, authors have developed the one focused on Hiragana and Katakana learning. The developed system, consisting of multimedia database containing shapes, strokes and pronunciation of each characters, can assist learners through its mechanism of reminding users of common-mistakes characteristic to foreign learners.
著者
竹村顕大朗 白井康雄 荻野哲男 高田秀志 上善恒雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.74, pp.9-16, 2006-07-08

Squeak eToysは直感的にプログラミングを学ぶことのできる優れた環境であり 年々着実に浸透していると考えられる.しかしながら,その優れた環境においても未だ学習を行うに当たって不便であると思われる部分は数々あり,それがカリキュラムのスムーズな進行を阻害してしまうというケースも往々にして見受けられる.そこで本稿では,学習内容とは関係のない煩雑な作業をまとめてわかりやすくパッケージ化したものを提供し,またそのパッケージの内部を閲覧し発展的内容を自主的に学習することを容易にさせるシステム およびそれを用いてSqueakeTbysを用いた学習をより効率化させることを提案する.また,この研究の一環として行ったワークショップの結果と考察についても報告する.Squeak elbys is good intuitive programming environment for education, and becomes more popular year by year. However, even in such splendid environment, there are many problems for educating and they often disturb smooth progress of our classes. In this paper, we propose a system. This system makes them easy to make complicated operations, which are not lesson contents, understandable by packaging them together. And they can learn progressive contents independently by viewing inside of the packaged operations. We also propose a plan to make education with Squeak elbys more efficiently by using the system. And we describe about a workshop that was held as a part of this study.
著者
林 敏浩 水野 貴規 富永 浩之 垂水 浩幸 山崎敏範
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.42, pp.9-16, 2008-05-10
被引用文献数
3

ネットワークを利用した e-learning は自由な時間,場所で学習することが可能である.しかし,学習教材作成者の負担が大きく,十分な質,量を用意することが難しい.我々は,この問題に対して,学生が自主的に学習教材を作成し,共有する「投稿型自主学習素材共有システム」を開発した.本稿では,システムが扱う具体的な学習の対象を情報処理技術者資格の対策学習として運用テストを行った.システムの機能として提供する問題演習は,知識確認を効率的に行うことができ,解答履歴の閲覧と併せて効果的な学習環境を提供することができた.しかし,このような e-learning 環境を提供しても必ずしも積極的な利用に至らないことが分かった.E-Learning which uses information networks provides learning environments in free time and place. However, teachers who must make learning materials cannot prepare sufficient quality of e-learning contents, because making them becomes heavy task to the teachers. In our research, we develop "Self Study Material Contribution and Sharing System" that students can create study materials and share them independently. In this paper, we targeted a concrete study to the information technology engineer certifying examination, and did the implementation test. We found that our system provided an effective learning environment with efficient problem ma neuver and confirmation of answer history. However, we also found that students did not always use our system positively even if our system provides such effective learning environment.
著者
吉田 典弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.104, pp.97-103, 2005-10-22

2003 年度平成15 年度より高等学校において、普通教科「情報」が実施されている。これに関し、教科書が作成されている。本稿では、教科「情報」の中でも一番履修が多いとされる教科書「情報A」に関して、その内容を検討する。また、現在までの大学入学センター試験でおこなわれている「情報関係基礎」との関連について考察する。The purposes of this paper are to point of compare for text book of high school all text "Information A" and which is relation an entrance examination of University.
著者
辰己 丈夫 兼宗 進 小原 格 野部 緑 酒徳峰章 山澤 昭彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.123, pp.115-122, 2007-12-08

情報教育の音楽化とは、情報の授業に音楽を利用する概念であり、音楽の授業にコンピュータなどを利用することではない。筆者らは、高校生を対象としたプログラミング入門の授業において、オブジェクト指向プログラミング環境であるドリトルの音楽機能を利用した授業を設計し、実際に授業を行なった。本発表では、その概要について述べる。In 2001, Tatsumi pointed out that the musical methodology is useful in computer literacy education. In 2007, we exercised our method in two different type classes. We used "Dolittle" which is OOP (object oriented programming) enviroment for beginner. In this paper, we will describe our works and reports about classes of highschools.
著者
坂東 宏和 大即洋子 澤田 伸一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.96, pp.9-16, 2002-10-18

本稿では,電子的なレポートをより容易に素早く添削できることを目的とし,タブレットと電子ペンを用いた手書き文字による添削と,音声入力を用いたテキストによる添削とを併用する,レポート添削ツールの設計と実現について述べる.手書き文字による添削は,表現力が豊かであり図なども書き加えられる利点があるが,多くの添削事項を書く場合に手が疲れる,素早く入力すると読みにくくなるといった欠点がある.逆にテキストによる添削は,多くの添削事項を素早く綺麗に入力できるが,表現力に乏しい.そこで,本ツールでは,これら両方の方法を併用することでお互いの欠点を補う.さらに,テキスト入力をキーボードではなく音声によって行うことで,手書き文字とテキストのスムーズな同時入力を可能にする.This paper will describe about the design and realization of the tool to correct papers of electrical files easily and quickly. The correction would be made in two methods; handwriting with a tablet and an electronic pen, and voice inputting of text. Handwriting method has advantages of expressiveness and availability of drawing pictures, but also has disadvantages of tiring and illegibility, as well as voice inputting method's quickness and legibility for advantages, and being expressionless for disadvantages. Therefore, the tool supposed here introduced these two methods to solve problems. This simultaneousness was made possible by voice inputting, not by keyboarding.
著者
木村 清
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.70, pp.1-8, 1994-07-22

一般ユーザが習得するQWERTY配列によるローマ字入力の技能資産を生かしつつ日本語入力の改善を行うため、キー配列は変えずにローマ字テーブルを拡張することで合理的な入力をする方法(IK方式)を提案する。このアプローチでは、移行時の学習の負担と、指の干渉などの問題を低減できる。シミュレーションの結果、AZIK方式では、通常のローマ字入力よりも約12%少ない打鍵で入力できることが分かった。同様の拡張をDvorak配列に適用するとさらに効果が高くなる。市販のFEPに組み込んで実働させた結果についても述べた。Changing the method for Japanese text input with different key arrangement, you will be faced with a problem of interferences between the new and the old arrangement. To reduce this problem and to lighten the training load, extended Romaji input method -AZIK- is proposed, by which you can enter Kana letters with a series of two consonant keys. Statistical estimation shows that key strokes with AZIK are 12% less than with ordinary Romaji input. Evaluation on a prototype is also refered.
著者
澤田 伸一 坂東 宏和 馬場 康宏 小野 和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.96, pp.1-8, 2002-10-18
被引用文献数
4

近年,小中学校でパソコンを使った授業が盛んにおこなわれている.幼稚園でも創造性を豊かにする道具としてパソコンが使われ始めた.しかし,文字を習う前の幼児にキーボードやマウスの操作は困難である.我々はパソコンの操作をキーボードやマウスではなく,ペン入力デバイスを使うことで幼児にとってパソコンを操作しやすい環境を構築することを考えた.本稿ではその環境で,幼児が楽しく遊べるソフトウェアの開発について述べる.幾つかのプロトタイプ版をもとに現場の先生と話し合って,文字を極力使わず,イラストや音声を使うといった改良点を見出した.今後,その改良を行い,幼児の運動能力やペンインタフェースの特質を考慮し,幼児が興味を持つソフトウェアを導入し,評価して幼稚園の情報化を試みたいと考えている.In recent years, the lesson using a personal computer is spreading at elementary and junior high schools. A personal computer began to be used also in a kindergarten as a tool which makes creativity rich. However, the operation of a keyboard and a mouse is difficult for the small children before learning words. We think that we want to build the environment where it is easy to operate a personal computer by using a pen device for a small child.This paper will describe about a development of the software which small children can enjoy in that environment. We found it improve the problem using illustrations and voice, reduce using words as much as possible, through the experience that we have talked about some software of prototype versions with the teacher of the kindergarten. From now on, we will improve the software, and we will be trying to computerize child care of the kindergarten, with the software that considers of the children's physical ability and of the quality of a pen interface.
著者
武井 惠雄 丸山 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.3, pp.17-24, 1997-01-17
被引用文献数
4

IT(nformation Technolog)教育が,国民皆教育になろうとするとき,"コンピュータ"というものを,どう教えるのがいいのだろうか,という考察である.中等教育段階で,コンピュータがどのように教えられているかを検討した結果,コンピュータそのものの理解,コンピュータが果たす役割の理解,そして,コンピュータに取り組むための導入,のどれをとっても,現状の教科書の表現には幾多の問題があることを指摘せざるを得ない.この問題の沿源を検討してみると,大学・短大においても,同様な事情が顕在化してくることが予想される.ここでは,将来にむけての広義の情報教育を体系づける上で,中等教育・高等教育の各段階で,コンピュータをどう教えるか,という問題についての考えを述べ,モデルを提案する.This study was designed to provide the appropriate way of teaching computer itself. Information Technology has been one of the essential skill in the modern society. We firstly analyzed the present curriculum and contents relating the information technology in the secondary school in Japan. We considered the way of teaching in understanding the mechanism, role and elementary use, but we found that some of the contents and expressions are not suitable for the coming information society. According the progress of the information society, these problems will be found in all the educational stages. We discussed and suggested a model of the way of information technology education in the secondary and higher education.