- 著者
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杉木 章義
- 雑誌
- 情報処理
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.11, pp.1142-1144, 2020-10-15
本稿では,クラウド時代におけるライブラリOS研究の代表とも言えるUnikernelとその実装としてのMirageOSの論文について紹介する.オペレーティングシステム(OS)をライブラリ化し,アプリケーションと結合して実行するというのは,1990年代のExokernelやNemesisなど,古くからあるアイディアである.しかしながら,仮想マシンの存在を仮定し,仮想マシン上でライブラリOSを実現するというのはクラウド時代ならではである.さらに,MirageOSでは,OCamlを利用するなど,最新のプログラミング言語研究の成果も活用している,本稿では,ほぼ同時期に登場したOSv,Drawbridgeなどの関連研究もあわせて,OS研究全般の動向について解説する.