- 著者
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竹内 千春
- 雑誌
- 情報処理
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.3, pp.232-239, 2014-02-15
教育・研究には他人の著作物の利用は必要不可欠であるため,大学は他人の著作権を侵す危険性が高い環境にある.特に昨今の情報技術の進化とともに教育・研究環境は劇的な変化を遂げ,新しい態様での著作物の利用が可能となり,特定の行為が他人の著作権侵害行為に該当するか否かの判断は容易ではない.本稿では,初めに,著作権者の許諾なしに著作物が使用できる場合,特に大学環境に関連の深い規定を概観し,次に自己の研究成果物の著作権が大学等の組織に帰属するのはどういうときか,職務著作該当性判断の問題に触れる.最後に,eラーニングの利用や学内システムの利用等,近年顕著に見られる情報処理行為の著作権制限規定該当性について検討する.