著者
岸本 章宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.11, pp.1257-1263, 2007-11-15
参考文献数
7

よく知られたボードゲーム「チェッカー」は,両プレイヤが最善を尽くせば引き分けになることが,アルバータ大学(カナダ)のJonathan Schae er教授を中心とする研究チームによって,計算機を用いて証明された.本稿では,チェッカーの解明に利用した技術と筆者がプロジェクトの一員として参加した経緯,およびチェッカー解明までの道程について述べる.
著者
北村 操代
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.181-181, 2018-01-15

小学生向けのプログラミング教育への取り組みとして,情報処理学会ではExciting Coding! Juniorと呼ぶセミナーを行っている.プログラミングの考え方を子供たちが創意工夫しつつ,しかも楽しく,自ら学んでいくことを狙いとしている.Scratch入門から,ゲームのアイディアを考えて実際に作り,発表するまでを半日で行っていて,参加者には好評である.2016年より2回開催し,今後,開催地域や実施回数を増やすことを検討している.また,小学校の情報教育で2020年にプログラミング教育が必修化されるのに向け,小学校の先生方の支援につなげていきたい.
著者
笠原 博徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.384-392, 2003-04-15
参考文献数
7
被引用文献数
20

現在,共有メモリ型マルチプロセッサアーキテクチャは,半導体チップ上に複数のプロセッサを集積したチップマルチプロセッサから,デスクトップワークステーション,エントリレベルサーバ,スーパーコンピュータに至るまで,多くのコンピュータで採用されている.
著者
岡田 仁志
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.440-443, 2014-04-15

分散型の仮想通貨が相次いで登場し,インターネットの資金の流れを変えている.P2P技術を使ったビットコインなどの分散型仮想通貨は,これまでの電子マネーと全く異なり,発行主体が存在しない.このため,主体を規制する従来型の手法では適切なレギュレーションを及ぼすことができない.国境を超えて流通する分散型仮想通貨は,インターネット社会や現実の世界にどのような影響を及ぼすのか.分散型仮想通貨の構想を発表した原著論文を読み解きながら,その将来性と課題を考察する.そして,ビットコインなどの仮想通貨が原著論文の構想とは乖離している様子を確認したうえで,我が国における制度設計のためのヒントを探る.
著者
西森 秀稔
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.716-722, 2014-06-15

量子アニーリングは,組合せ最適化問題を量子効果を利用して解くための汎用の解法である.シミュレーテッド・アニーリングにおける熱ゆらぎによる状態探索を量子ゆらぎで置き換えたものであり,シミュレーテッド・アニーリングに比べて一定の効率向上が見られることが知られている.カナダのベンチャー企業D-Wave社が開発してすでに発売・稼働しているD-Wave Oneおよびその後継機種D-WaveTwoは量子アニーリングをハードウェアレベルで実現した装置であり,初の商用量子計算機というキャッチフレーズにより注目を集めている.本稿では,量子アニーリングの基礎理論を概説したあと,D-WaveTwoがそれをどうやってハード的に実現しているか,実際に量子力学に従って動作しているのか,本当に速いのか,今後の注目点はどこにあるのかなどについて現時点での知見を紹介する.
著者
Jeannette M. Wing 翻訳:中島 秀之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.584-587, 2015-05-15

このエッセイはコンピュータ科学者だけではなく,すべての人が学び,そして使いたいと考えるに違いない一般的な態度とスキルに関するものである.
著者
瀧澤 武信
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.925-928, 2013-08-15

2013年3月~4月に行われた「第2回電王戦」で5人のプロ棋士とコンピュータ将棋5ソフトが対戦し,コンピュータ将棋ソフトが3勝1敗1分で勝ち越した.その直後の5月3日から5日に開催された「第23回世界コンピュータ将棋選手権」におけるコンピュータ将棋のパフォーマンスと結果を考察する.この選手権には招待1を含め40のソフトが参加し,Bonanzaが2006年以来2回目の優勝をした.準優勝はponanza,3位は第2回電王戦で活躍したGPS将棋であり,これらの3ソフトは,決勝でいずれも5勝2敗であった.決勝進出ソフトはすでにプロ級に達していると評価された.
著者
江渡 浩一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.496-498, 2017-05-15
著者
寺元 貴幸
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.60-63, 2016-12-15

全国高等専門学校プログラミングコンテスト(高専プロコン)は比較的歴史の長いコンテストであり,文部科学省,総務省,経済産業省等から後援を受け,さらに多くの企業から支援も受けている.今回は3部門のうち競技部門について紹介している.競技部門は毎年ルールや競技システムをフルスクラッチで開発しており,参加者だけでなく主催者側も熱い戦いを繰り広げている.平成27年度に長野市で開催された第26回大会の様子を中心に,競技ルールや競技システムについて報告している.また,本選用に開発した競技システムを他の教育でも活用できるよう,インターネットで公開しているのでその様子についても報告している.
著者
穂坂 衛
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.48-49, 2007-01-15
著者
竹内 千春
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.232-239, 2014-02-15

教育・研究には他人の著作物の利用は必要不可欠であるため,大学は他人の著作権を侵す危険性が高い環境にある.特に昨今の情報技術の進化とともに教育・研究環境は劇的な変化を遂げ,新しい態様での著作物の利用が可能となり,特定の行為が他人の著作権侵害行為に該当するか否かの判断は容易ではない.本稿では,初めに,著作権者の許諾なしに著作物が使用できる場合,特に大学環境に関連の深い規定を概観し,次に自己の研究成果物の著作権が大学等の組織に帰属するのはどういうときか,職務著作該当性判断の問題に触れる.最後に,eラーニングの利用や学内システムの利用等,近年顕著に見られる情報処理行為の著作権制限規定該当性について検討する.
著者
服部 隆志
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.366-369, 2016-03-15

慶應義塾大学SFCでは,技術者志望ではない学生も多いが,全員がプログラムを書けるようになることを目標として必修のプログラミング教育を行っている.現実には,全員が実用的なプログラムを書けるようになるわけではないが,論理的思考力の訓練,情報システムの原理的な動作の体験,プログラミングの才能の発掘などの意味があると考えている.以前はコンピュータ・リテラシーの科目とプログラミングの科目が分かれていたが,現在は並行して教えるようになっている.その理由は,ウェブ技術を理解するという大目標の中でプログラミングを学習することで,学習する意味を明確にするためである.