著者
松田 裕貴
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.11, pp.e49-e54, 2021-10-15

スマートツーリズムでより個人に合わせた観光支援を実現するためには,観光客の満足度や感情,興味関心といった心理状態を認識し,提供する情報を調整する事が重要となる.また,観光の評価はこれまではユーザレビューやアンケートが主流であったが,今後はより多様な人からの評価やオンサイトでの評価が求められる.本稿では,センシングに基づく観光客の心理状態推定について紹介し,その活用可能性について展望を示す.
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.363, 2015-03-15
著者
伊藤 博之
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.477-482, 2012-04-15
被引用文献数
2

著作権法で規定される著作物の利用は,著作権者の許諾を必要とする密なモデルである(原則NG).「初音ミク」を人々の創作の共通テーマとして不特定多数のクリエイターが創作に使用できるために,当社はライセンスを規定・公開して当社の許諾を取らずとも使用できる範囲を拡げ疎のモデルを提案した(原則OK).これにより「初音ミク」がクリエイター同士を結びつけるインタフェースの役割を持つものとして,インターネットで創作の連鎖を引き起こした.この創作の連鎖は,技術研究の分野,商業分野にも波及しており,日本発のムーブメントとして,世界にも影響を与えはじめている.
著者
多和田 雅師 田中 宗 松田 佳希 楊 天任
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.e15-e21, 2021-03-15

次世代アクセラレータと呼ばれる量子技術や古典技術を用いた新原理の計算機が期待されている.これら次世代アクセラレータは種類ごとに使用方法が異なり, 計算分野の得意不得意が存在する. 使用には専門知識が必要でありコストが高いため, 各アクセラレータ固有の使用法や性質を考慮し,プログラムの部分ごとに適切に割当するソフトウェアが要望されている. 本稿では,次世代アクセラレータの種類と活用事例,および適切にアクセラレータを使用するソフトウェアとその要素技術の研究動向を紹介する.
著者
大嶋 一夫
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.264-267, 2018-02-15

千葉県高等学校長協会人事給与対策委員会が実施した教科「情報」担当者についてのアンケート調査の結果をまとめ,現状を報告したもの.調査内容は,情報を担当する職員の「職名」「免許の種類」「持ち時間数」「他教科の兼務」「年齢」「各学校長の意見」等で,これらを分析することで,次期学習指導要領を実施する上での課題が明らかになる.
著者
伊藤 一成
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.9, pp.897, 2015-08-15

世界最先端IT国家創造宣言が策定され,ますますプログラミング教育,ディジタル教科書,タブレット教育,アクティブラーニング,教育ビックデータ等々,教育関係のキーワードが乱舞し,騒がしくなっている.経済の先行きへの不透明性や,SNSの影響も相まって,なにか情報教育の「さりげなさ」が失われている.本会のコミュニティが長年にわたり培ってきた「さりげなさ」を吹き込むのは,筋の良い,妥当な方策であると考えられる.
著者
真鍋 義文
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.744-747, 2020-06-15

アルゴリズムに関する基礎からの解説の初回として,目標設定の重要性について解説を行う.アルゴリズムが達成するべき目標の設定が正しくない場合には,その目標のもとに考案したアルゴリズムの実行結果が望ましくない場合があることを,ケーキ分割問題を例として示す.ケーキ分割アルゴリズムの達成するべき目標として無羨望が考えられている.しかし無羨望だけでは真に公平な分割ができないことを例をあげて示す.真に公平な分割のためには,無羨望のほか,アルゴリズム内の役割に関する羨望もないことも目標に追加する必要があることを示す.目標が異なるとアルゴリズムも違ってくることを,2者の分割アルゴリズムで示す.
著者
福島 智 坊農 真弓
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.550-554, 2015-05-15

東京大学教授福島智氏は9歳で失明し,18歳で失聴,全盲ろうとなった.その後ご尊母が両手6本の指を用いる新しいコミュニケーション手段「指点字」を考案し,福島氏のコミュニケーションは復活と再生を果たす(福島智『盲ろう者として生きて』,2011年刊行より).本記事では当事者の視点から情報学に対する要望が語られ,盲ろう者がみる世界が彼自身の視点から描かれる.本記事は指点字通訳者を介して,坊農が福島氏にインタビューするという形で綴られる.
著者
和田 勉
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.742-746, 2018-07-15

このほど告示された小中高等学校の新学習指導要領と,それをとりまく情報教育に関する我が国の状況,特に小学校でのプログラミング教育必修化と高等学校での科目「情報I」の必履修化について述べる.本会では新学習指導要領案の告示にそのつど意見を応募してきた.そのうち今回の高等学校学習指導要領案に対して本会として出した教員養成・採用の適正化に関する意見を紹介する.また,20世紀からこれまでの,主に共通教科情報科に関して積み重ねてきた本会の活動について述べる.
著者
菅野 文友
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, 1972-05-15
著者
鈴木 遼
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.474-480, 2017-05-15

Siv3Dは,音や画像,さまざまなデバイスを使ったアプリケーションを,短く簡単なC++コードで開発できるフレームワークである.本稿では,20〜50行のSiv3Dプログラムで作れる,音と画像で遊ぶ5つのインタラクティブなアプリケーションを,実際のコードを交えて解説し,音声処理や画像処理プログラミングの面白さを紹介する.
著者
寺島 裕貴
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.34-35, 2019-12-15

聴覚のニューラルネットワークとしての理解が進んだ近未来.世界は耳を騙そうとする敵対的な音刺激《Aノイズ》で溢れ,DGと呼ぶAIデバイスで耳を守ることが人々に義務付けられていた.自然音の響きに憧れるカリンは原生林に行き,勇気を持ってDGを外すが……?
著者
吉枝 正明
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, 1962-03-15
著者
大久保 隆夫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.630-631, 2016-06-15

乗り物のセキュリティを考える上で,重要なセーフティとセキュリティの概念について説明する.前者は乗り物の製品開発において従来から考慮されてきた概念であり,後者はIT分野を中心に考慮されてきたものである.両者は,共通点もあるが相違もあるため,双方を実現するためには,手法も含め課題が多く存在する.
著者
中村 樹之 今給黎 隆
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.56-59, 2018-12-15

CEDEC(コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス)は,今年で20周年となりました.これもひとえに情報処理学会・情報処理研究者の皆様にご協力いただいた賜物でございます.本報告では,これまでのCEDECを振り替えって,20年間に変化したことや,情報処理学会との関係についてまとめさせていただきました.今後もこのカンファレンスを益々発展させていきたいと思っておりますので,皆様からのなお一層のご協力をお願いできれば幸いと存じます.
著者
泊 久信 平木 敬
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.168-175, 2014-01-15

古くなった計算機は,多くは保存されることはなく,産業廃棄物として処分されている.保存される一部についても,動作する状態を維持されることはまれで,プロセッサなど代表的部品のみでの保存や,運良くシステム全体が揃っていても,長い期間通電させないことにより動作しなくなっている場合もある.本稿では,古いコンピュータを動作する状態で保存(動態保存)する取り組みについて紹介する.また,計算機の動態保存により得られる知見の一例として,新旧の計算機で性能と電力を統一した条件で測定し,比較した結果を示す.