著者
松田 崇
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.384-389, 2016-03-15

コンビニエンスストアを中心に普及した多機能小型ATMは,より多くの人に使いやすいユーザエクスペリエンスを実現する一方,24時間いつでも近所のATMを利用できるライフスタイルを提供するなど,新しい社会基盤としての側面を持つ.本稿ではコンビニATMの概要と社会に受け入れられてきた経緯や背景,ユーザインタフェースの進化とそのベースになったユーザエクスペリエンス(UX)に着目した開発の取り組みを紹介する.
著者
山肩 洋子 森 信介
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.374-382, 2016-03-15

レシピは一般の主婦を中心として最も活発に生産・利用されている消費者生産型メディア(CGM:Consumer Generated Media)の1つである.世界最多のレシピ掲載数を誇るクックパッドには2014年6月現在176万件のレシピが投稿され,30代女性の87%がクックパッドを利用しているという調査結果がある.日本ではほかにも楽天レシピが有名だが,国外でも米国のAllrecipes,ドイツのChefkoch.de,フランスのmarmiton,ロシアのPovarenok.ru,ブラジルのTudo Gostosoなど,多くの国が自国の食のためのユーザ投稿型レシピサイトをもち,一般ユーザによって活発に利用されている.これに伴い,レシピ処理の研究も急激な盛り上がりを見せている.本論文では,ユーザ投稿型レシピをより効果的に利用するため,世界で行われているさまざまな研究を紹介する.また,レシピテキストに対する自然言語処理について概説する.
著者
穂坂 衛
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.21, no.5, 1980-05-15
著者
山下 博之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.49, no.10, pp.1192-1203, 2008-10-15

科学研究費補助金や科学技術振興調整費等の競争的研究資金におけるプログラムオフィサー制度とは,研究経歴のある多人数のプログラムオフィサー(PO;各競争的研究資金の個々のプログラムや研究課題の選定,評価,フォローアップ等の実務を行う研究経歴のある責任者)やプログラムディレクター(PD;競争的研究資金とその運用について統括する研究経歴のある高い地位の責任者)を擁し,プログラムの計画から最後の評価の段階まで一貫してマネジメントする体制をいう.日本におけるPO制度は,競争的研究資金制度改革の一環として,総合科学技術会議の決定した方針に基づき,平成15(2003)年より本格的に導入された.POには,研究課題の選定や実施評価時における評価者の選任,進捗状況の把握と助言,プログラム全体の運営見直しの提案等が基本的役割として期待されている.本解説では,内外におけるPO制度の状況を概観した後,筆者の科学技術振興調整費POとしての4年7か月間の経験に基づき,その実務の内容を詳細に述べる.制度の本格導入から5年が経過した現在,日本におけるPO制度の認知度は未だ高くない,制度が充分に機能しているとは言えない等といった調査結果も報告されている.今後,競争的研究資金における優れた成果の創出・活用に向けた評価システム等の確立に向け,制度の検証と関係者による議論がより一層望まれている.
著者
杉本 千佳 河野 隆二
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.606-611, 2013-05-15

情報通信技術の医療への応用が進む中,体外や体表に装着する生体センサだけではなく,人体内に埋め込む,あるいは一時的に留置するインプラントセンサにより生体内外で無線通信ネットワークを構築し,低侵襲☆1に体内環境の監視や各種治療を行う技術の研究・開発が進められている.医療やヘルスケアに利用するこうした生体内外ネットワークは,人体特性を考慮した高い信頼性と安全性の確保が必要であるが,医療に新たなパラダイムを創生するものとして期待される.本稿では,これらを実現するための先端技術と最新研究開発動向について紹介する.
著者
中西 正和
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.11, no.10, 1970-10-15
著者
岩村 聯
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, 1971-06-15
著者
岩村 聯
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.353-361, 1971-06-15
著者
金子 信久
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.122-123, 2016-01-15
著者
渡辺 茂
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.13, no.9, 1972-09-15
著者
真野 芳久 杉藤 芳雄 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8, pp.p808-813, 1977-08-15

Fortranに対しては, プログラミング方法論の観点からなされているものも含めて様々な批判がある. しかし, Fortranは現実的な面では多くの長所を備えているたとえば, 言語仕様の面で多少の差異はあるがほとんどの計算機システムにFortranコンパイラが用意されていてかなりの移植性(portability)が保証されていること, プログラムの蓄積が容易なこと, 効率の良いオブジェクト・コードとなること, 等であり, Fortranは最も広く使用されている言語のエつである. 今後この状態が急激に変化するとは考えにくい.
著者
新里 圭司
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.28-29, 2015-12-15

本稿では商品の属性値抽出タスクにおけるエラー分析のひとつの事例研究について報告する.具体的には,属性-属性値辞書を用いた単純な辞書マッチに基づく属性値抽出システムを構築し,人手により属性値がアノテーションされたコーパスに対してシステムを適用することで明らかとなる誤り事例の分析を行った.エラー分析は実際のオンラインショッピングサイトで用いられている5つの商品カテゴリから無作為に抽出した100商品ページに対して行った.ここでは誤り事例の多かった2つのエラータイプを挙げ,このような誤りをなくすために必要な処理について述べる.
著者
河原 吉伸
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.734-740, 2013-06-15

高度な知能情報処理を実現するための理論/アルゴリズム体系である機械学習は,近年ますますその重要性を増す研究分野の一つである.本解説では,データや学習問題に内在する離散的な構造情報を用いた学習の枠組みである,構造正則化学習について述べる.ここでいう離散的な構造とは,例えばデータ変数上のグラフ構造やグループ構造,または階層構造といったものを指す.本解説では,機械学習における一般的枠組みである正則化学習について述べた後,ここに構造を組み込む方法について説明する.また,正則化学習は最終的に最適化へと帰着されるが,その効率的な計算のためには,構造が持つ凸性との関係を利用する事が有用となる.本解説では,その基本的な考え方についても説明を行う.
著者
速水 治夫
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.79-79, 2015-12-15
著者
大向 一輝
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.12, pp.1204-1210, 2013-11-15

Webを通じたデータの積極的な公開・共有を目指すオープンデータを進めるにあたっては,ライセンスの選択やデータが作られる現場のワークフロー設計といった制度面における課題とともに,公開されるデータのフォーマットやアクセス方法などの技術面での検討が必要である.実際にオープンデータを利用するユーザの観点からは,入手が容易であり,処理のしやすいデータほど活用されやすい傾向にあると思われる.Web上に散在する多様なデータに対して統一的な手段でアクセスすることができ,そのデータが共通のルールに基づいて記述されているような環境の構築は,オープンデータの普及にとって重要な課題である.これに対して,文書の公開・共有手段として成功を収めたWebの技術的方法論をデータに適用するLinked Open Data(LOD)が注目されている.本稿ではオープンデータを支える技術としてのLinked Open Dataについて述べ,今後の展望について議論する.
著者
中西 英之 Katherine Isbister
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.250-256, 2007-03-15

ビデオゲームとエージェント技術の典型的な接点はノンプレイヤーキャラクタである.そこで,本稿の前半ではAI的側面,すなわちキャラクタの動作生成について,後半では心理的側面,すなわちキャラクタのデザインについて述べる.キャラクタの動作生成は,インタラクティブなストーリーの生成と,移動・動作・対話などの行動の制御の2階層に分けられる.前半では各階層に関する既存研究を紹介する.キャラクタのデザインにおいては,キャラクタ間の社会的インタラクションやキャラクタの社会的アイデンティティを上手くデザインする必要がある.後半では心理学をベースにこれを議論する.
著者
中嶋 謙互
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.641-646, 2006-06-15

日本ではしばしば,楽観的な見通しを述べるよりも,さまざま問題点を並べて悲観的な発言をするほうが「賢い」行動であるとされる.しかし,自分たちの未来に夢を抱き,技術や社会の発展のために努力を続けていくには,楽観的な見通しが必要不可欠である.私は,現在の日本において「楽観的な物言い」が不足しているとつねづね感じている.本論文では,50年後の情報科学技術について,現在,日本において活発に研究・開発されているロボットやコンピュータなどが,人々の生活や社会や考え方がどのように変わっているかについて,手元の時計を2055年に設定し,幅広くそして楽観的に考えた.最終的には,ソフトウェアの力によってハードウェアの潜在力を最大に引き出すことによって,想像もできないほど大きな価値を創造できることを強調し,その後,日本人の「モノ」作りの能力を21世紀において活かしていく方法についても考えていく.日本の経済と産業が世界の中で誰にも認められる存在を維持するために,日本人としてできることは何なのかがイメージできるような内容を目指した.この論文を読んだ若い人たちが,将来,日本が国際的に貢献し得る分野があることを知り,職業選択の参考にすることができれば望外の喜びである.