著者
林 徳治 黒川 マキ 井上 史子
出版者
山口大学
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.133-140, 2003-08-31

本稿は、パキスタン国立アラマイクバル公開大学(Allama Iqbal Open University, Islamabad : 以下 【AIOU】と略す)における遠隔教育のためのマルチメディア教材開発プロジェクトの活動報告について論述した。筆者のうち林は、国際協力事業団(Japan International Cooperation Agency : JICA)の短期派遣専門家として2003年3月18日~同年5月3日の間、AIOUにおけるマルチメディア教材開発の現状調査および任地のカウンターパートであるサイエンス学部長の協力によりスタッフを対象としたマルチメディア教材開発能力の向上を目的としたSD(staff development)支援を実施した。黒川、井上は、SD研修のための教材作成補助として協力した。 任地でのインタビュー調査の結果、マルチメディア教材開発における大学スタッフの習熟度は、デザイン、 素材編集(動画、ナレーション、静止画、コースウェア)、技術(知識・スキル)の面で概ね良好であった。しかし、遠隔によるCD教材利用の学習と対面授業による学習との教育効果の比較調査、マルチメディアCD教材利用に対する学習者の意欲などを情意関心面を調査する内容・方法などが確立されていなかった。そこで筆者(林)は、マルチメディア教材の開発過程において設計・実施・評価および改善の標準モデルを考察した。特に不十分であった評価の点を重視し、SD用教材や資料を用いて研修を実施した。 なお本件に関しては、日本教育情報学会第19回年会(2003,8)にて発表した。
著者
難波 章人 福田 隆眞
出版者
山口大学
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.93-107, 2005-09-30

[はじめに] : スペインは美術の歴史が深く、世紀の天才を生み出し続ける国として有名である。17世紀には宮廷画家のベラスケス、18世紀にはゴヤ、19世紀にはバルセロナのサグラダ・フャミリアを設計したアントニオ・ガウディー、20世紀にはシュールレアリスムのダリやミロ、様々な美術運動を起こしたピカソ、巨大な鉄彫刻をつくりだしたチリーダ、現在も精力的な活動を続け、レアリスム絵画で知られるアントニオ・ロペスなどがいる。 筆者難波は、2003年度にバレンシア工科大学・美術学部・2004年度にマドリッドのコンプルテンセ大学・美術学部にて彫刻を学んだ。そこで、スペインの大学で経験した彫刻教育について、コンプルテンセ大学のカリキュラムを中心に考察し、どのような教授方が行われているのかを検証する。検証の仕方として、コンプルテンセ大学・美術学部・彫刻科で開講している13の授業のカリキュラムを紹介し,実際の受講経験を基に,内容と教授法の利点と特徴を述べる。
著者
田邊 敏明
出版者
山口大学
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.79-94, 2006-03-25

This study clarifies what types of metaphors were used in the composition of this drama. It was revealed that a road operated as the main metaphor to express pure love on which love for family and friends intruded. Time and snow acted as metaphors in support of the road metaphor,and in addition pairs of opposites such as light and dark, intuition and morality in love were metaphors expressing opposing traits or opposing lifestyles in two characters. It was further revealed that the fusing of these opposing metaphors made this drama interesting and had a therapeutic effect on the audience.The possibility was discussed that future drama could also employ metaphors of this type.
著者
名島 潤慈
出版者
山口大学
雑誌
教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13468294)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.151-165, 2007-03-25

School counselors encounter with many problems in elementary schools, junior high schools and high schools. Of all problems, the issue of suicide is most difficult to deal with. Statistically speaking, suicide is committed by children of ten years and over. Children of nine years and under rarely kill themselves. A suicide has a very powerful effect on the school staff and on the other students. In the paper, based upon the author's clinical experiences, newspaper articles about suicide and other researchers' opinions, he (1) outlines features of suicide among children and adolescents ; (2) describes the risk factors for suicide, warning signs for suicide, depression among children and clustered suicide in puberty ; and (3) especially from a practical viewpoint as a school counselor, discusses the prevention, intervention and postvention for suicide in school settings.