著者
園田 典生 田島 直也 帖佐 悦男 樋口 潤一 安藤 徹 栗原 典近
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.612-617, 1997-09-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4

We report the clinical study of 9 Judo players who had painful finger joints and complaints of difficulty in performing. There were 18 joints in all 16 of which (88.9%) had a history of trauma (ex. sprain and collateral ligament injury), but no history of fractures or dislocations. Instability of the joints was not found on clinical examination. Almost all players complained of a limitation in ROM and pain when they gripped a rival's sleeve with finger full flexion. X-ray examination of the finger joints revealed osteoarthritic changes in 15 joints (83.3%) and fragments in 7 joints (38.9%). No statistical differences were found in the techniques and experience between the 9 players and the other 11 players who had no finger complaints. The 2 joints with fragments had no history of trauma, therefore suggesting that they developed due to the distinctive overuse reaction in Judo.
著者
奥山 峻一郎 浅野 正也 有永 誠 古賀 哲二 高岸 直人
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.990-993, 1990-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4

We allowed early weight-bearing and ankle movement after operation for ankle fractures of supination-external rotation injury type. As this method gave better results in a follow-up, we think that this method can be applied to another fracture types too.
著者
城下 卓也 本多 一宏 井本 光次郎 細川 浩 林田 洋一 岡村 直樹 宮本 和彦
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.71-75, 2020-03-25 (Released:2020-04-30)
参考文献数
10

C-armガイド下に刺入した腸骨仙骨スクリュー(iliosacral screw)と経腸骨経仙骨スクリュー(transiliac- transsacral screw)の刺入精度と安全性を検討したので報告する.2017年12月から2019年4月の期間に不安定型骨盤骨折に対して,スクリューで後方固定を行った8例(男性5例,女性3例,平均64.8歳),11本(IS 6本,TITS 5本)を対象とした.全例が高エネルギー外傷で,5例にTAEを行った.骨折型はAO/OTA分類61B1:2例,B2:3例,B3:1例,C1:2例であった.Smith分類で正確性の評価を行い,Grade0,1,2,3が,それぞれ9,1,0,1本であり,術後合併症は認めなかった.術後整復位はRommensとHessmannの評価法を使用し,anatomic:3例,nearly anatomic:4例,moderate:1例であった.逸脱率は18.2%とC-armガイド下に安全にスクリューを刺入することが可能であったが,より正確な刺入を行うためには術中ナビゲーションの使用が望ましいと考えられる.
著者
麻生 邦一
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.736-738, 1998-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4

Thirteen cases of EDC tendon dislocation at the MP joint were treated and studied clinically. Nine after were treated conservatively by splinting, while 4 cases were treated operatively using Wheeidon's method.Six cases of subluxation of EDC healed rapidly after 2-3 weeks, but in 3 dislocation cases it was difficult to achieve optimal healing and the patients complained of disturbances in activity of daily living during treatment due to the splinting. On the other hand, 4 cases treated by surgery all healed.I believe that operative treatment is the first choice for dislocation of EDC tendon at the MP joint.
著者
石原 昌人 仲宗根 哲 平良 啓之 山中 理菜 親川 知 松田 英敏 東 千夏 神谷 武志 金谷 文則
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.620-623, 2019-09-25 (Released:2019-12-17)
参考文献数
6

人工股関節置換術(THA)後の腸腰筋インピンジメントに対して腱切離を行い改善した1例を報告する.【症例】62歳女性.左変形性股関節症に対し左THAが行われた.術後より左股関節自動屈曲時の鼠径部痛を認めていた.歩行は可能であり鎮痛薬内服で経過観察を行っていたが,症状の改善がなく術後6ヵ月時に当院を紹介され受診した.左股関節の自動屈曲は疼痛のため不能で,血液検査で炎症反応上昇はなく,単純X線像でTHAのゆるみは見られなかったが,カップの前方突出を認め,腸腰筋インピンジメントと診断した.キシロカインテストで疼痛は消失し術後8ヵ月で手術を行った.腸腰筋は緊張しカップの前縁とのインピンジメントを認め腸腰筋腱切離を行った.術当日より疼痛は改善し術後3日目に独歩で退院した.術後2ヵ月でADL制限なく職場復帰した.腸腰筋インピンジメントの観血的治療として腱切離は低侵襲で有効な治療法と思われた.
著者
鬼木 泰成 中村 英一 水田 博志
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.589-592, 2007 (Released:2007-11-27)
参考文献数
13

足関節impingement exostosis(以下IE)は脛骨前下縁と距骨背側に発生する骨増殖性変化であり,足関節痛を引き起こす場合がある.今回,IEによる疼痛に対し鏡視下手術を施行した4例を経験したので報告する.【対象】足関節痛にて受診し,単純X線にてIEが確認された4名(男性3名,女性1名),平均年齢15.5歳.【局所所見】軽度の背屈制限と足関節前面に圧痛,運動時痛を認めた.【X線】脛骨前下縁と距骨頸部背側にIEを認め,強制背屈にて衝突像を認めた.足関節不安定性を2名に認めた.【足関節鏡所見】滑膜の増生と軟骨に覆われた骨増殖像を確認し,強制背屈にて衝突を確認した.【手術】鏡視下に骨棘切除術,滑膜切除術を施行した.【経過】疼痛は消失し,スポーツ可能となった.【考察】IEに対する鏡視下手術は低侵襲で,比較的早期のスポーツ復帰が可能であった.問題点としては骨棘の再発についての十分な経過観察が必要であると考えられた.
著者
髙橋 祐介 島内 卓 真島 久 酒井 隆士郎 瓜生 佳代 野口 康男 江口 正雄
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.369-370, 2020-03-25 (Released:2020-04-30)
参考文献数
7
被引用文献数
1

輸血拒否を特徴とするエホバの証人に対する手術治療成績を報告する.対象は2004年から2018年の115症例,手術時間,出血量,術前後のHb値,術中回収式自己血輸血使用の有無,手術の際に生じる問題点について検討した.男性17例,女性98例,人工股関節置換術25例,寛骨臼移動術3例,人工膝関節置換術12例,脊椎6例,大腿骨頚部,転子部骨折14例,四肢骨接合術12例,抜釘その他43例であった.手術時間は平均121分,出血量は平均218 ml,術中回収式自己血輸血は5例に行った.[考察]エホバの証人は2014年から免責証書を持参せず,当院では新たに免責証書を作成した.使用できる血液製剤,自己輸血療法の内容を明記し,新たに親族のサイン欄も設けた.回収式自己血輸血は600 ml以上出血がないと診療報酬点数が取れず,エリスロポエチン製剤は術後貧血に対して適応がなく,治療費が病院負担となり大きな問題である.
著者
田浦 智之 朝長 匡 飯岡 隆 池田 倫太郎 入江 準二 木下 直江
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.773-778, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
8

骨代謝回転過剰抑制が要因と思われる大腿骨転子下骨折の1例を経験したので報告する.症例は48歳,女性.屋外で突如右大腿部痛出現.体動困難となったため,当院救急搬送.X線上,右大腿骨転子下骨折を認めた.既往歴として17年前より全身性エリテマトーデスに対してステロイド内服しており,ビスフォスフォネート製剤内服歴は3年間であった.2週間前より右大腿部痛を自覚していた.骨折に対しては髄内釘による固定術を行った.ところが,術後仮骨形成不良であったため,骨代謝回転過剰抑制による非定型骨折が疑われた.ビスフォスフォネート製剤内服中止し,テリパラチド開始.しかし,今度は健側である左大腿部痛出現.X線上,左大腿骨転子下不全骨折を認めた.治療法に関して患者とのインフォームド・コンセントの結果,健側に対しては保存的療法,手術側に対しては遠位横止めスクリュー挿入術を行った.その後,両側とも仮骨形成を認めていたが,再度,手術側である右大腿部痛出現.X線上,髄内釘近位部の折損及び骨折部の再転位を認めた.そのため髄内釘による再固定術を行い,腸骨から骨移植術も併用.再々手術後9ヵ月現在,保存的療法を行った左側に関しては比較的経過良好であるが,手術的療法を行った右側は骨癒合遅延傾向であり,今後も引き続き厳重な経過観察が必要である.
著者
富永 冬樹 井上 三四郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.685-689, 2015-09-25 (Released:2015-12-03)
参考文献数
3

犬猫咬傷は日常よく遭遇する疾患であるが,診療の注意点は周知されていない.今回,当院の犬猫咬傷について報告する.対象は2013年1月から2014年8月までに当院を受診した46例で,犬が35例,猫が11例であった.それらの症例の受傷部位,受傷から受診までの日数,感染徴候の有無,手術の有無,治療期間を調べた.受傷部位は手部19例,手指13例と上肢に多かった.受傷から受診までは平均0.74日で,犬0.46日,猫1.64日と有意に猫が長かった(p=0.0001).感染徴候は11例に認め,犬2例,猫9例で,有意に猫に多かった(p<0.0001).手術は12例に行われ,犬5例,猫7例で,有意に猫に多く施行され(p=0.0011),治療期間は平均10.3日で,犬4.6日,猫28.5日と,猫が有意に長かった(p=0.0008).受診の頻度は犬咬傷が多いが,感染徴候を認め手術に至る症例は猫咬傷が多く注意が必要である.
著者
小牧 ゆか 大友 一 大茂 壽久 清水 建詞
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.203-207, 2017-03-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
17

骨粗鬆症に骨軟化症が合併している病態である,osteoporomalacia症例を2例経験した.症例1:80歳女性.右大腿骨転子部骨折の術後に,骨粗鬆症に対しビスフォスフォネート(BP)製剤による治療が開始となっていたが,術後約1年半経過時に,左非定型大腿骨骨折を受傷した.血液検査での血清カルシウム(Ca),リン(P),アルカリフォスファターゼ(ALP)値の異常を認め,骨軟化症が強く疑われた.症例2:77歳女性.右大腿骨頚部骨折と左尺骨骨幹部骨折の術後に,骨粗鬆症に対しエルデカルシトールが投与されていたが,術後1年経過時に,左非定型大腿骨骨折と診断され,骨形成促進剤の導入及び治療目的に当院に紹介となった.血清Ca,P,ALPは異常値であり,骨軟化症が強く疑われた.考察:本症例のように脆弱性骨折を繰り返している症例では,血液検査の重要性が高く,骨粗鬆症のみならず骨軟化症の合併も考慮して治療すべきと考えられた.
著者
中村 厚彦 尾上 英俊 木村 一雄 岩本 良太 村岡 邦秀 今村 尚裕 三宅 智
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.744-746, 2011-09-25 (Released:2011-12-09)
参考文献数
5

足関節外果骨折に対してtension band wiring(以下TBW)を用いて骨接合を行った症例について検討した.2002年から2010年までに手術を行った10例で,男性8例女性2例,平均年齢41歳(15~65歳)であった.骨折型はLauge-Hansen分類に従いSA stage 1:7例(靱帯付着部の裂離骨折2例を含む),stage 2:1例,SER stage 2:1例,stage 3:1例であった.手術はanchor screwを用いたTBWを施行し,術後は外固定を併用した.全例で整復位での骨癒合を得た.K-wireのback outを2例と尖端の回旋転位を1例に認めた.足関節外果骨折はよく遭遇する外傷であり一般的にplate固定が行われるが,遠位骨片が小さい場合はTBWによる内固定の適応となる.anchor screwを併用したTBWは手技が簡便であり有用であると考えられた.
著者
高原 智洋 榎本 寛 原田 真一 岡野 邦彦 伊藤 茂 土井口 祐一 進藤 裕幸
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.101-106, 2004 (Released:2005-04-12)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

Primary total hip arthroplasties were performed on 74 hips between 1998 and2001 at our hospital. We used the Hardinge approach on 36 hips of patients whose age ranged from 46 to 80 years (mean : 63.2 years) and Dall approach on 38 hips of patients whose age ranged from 43 to 76 years (mean : 60.2 years). Postoperative followup was carried out for over one year (mean : Hardinge 24.0 months,Dall 39.4 months).The results revealed trochanteric tenderness in 9 Hardinge hips and 4 Dall hips more than 12 months from operation. Radiological tests indicated abnormal assification in 13 Hardinge hips and seven Dall hips, and abnormal assification with trochanteric tenderness in seven Hardinge hips and one Dall hip during the same period.
著者
山本 俊策 二之宮 謙一 合志 光平 牟田口 滋 佐々木 大 坂本 悠磨 蛯原 宗大
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.447-448, 2021-09-25 (Released:2021-11-12)
参考文献数
5

【緒言】手指粘液嚢腫に対する手術治療は嚢腫を切除し,皮膚欠損部に皮弁形成術を行うのが一般的である.近年,嚢腫の原因となる関節包と骨棘を切除する手術治療が報告されており当院もこの方法を実施しているので報告する.【対象】2012年4月から2018年11月までに手術治療を行った25例で,男性2例,女性23例,平均年齢73歳(51-84歳)平均経過観察期間18ヶ月(12-84ヶ月)罹患指は母指4指,示指8指,中指8指,環指4指,小指1指であった.【結果】再発は認めなかった.【まとめ】嚢腫の切除は行わず,関節包および骨棘切除を行い良好な結果が得られ有用な方法と考えている.
著者
上野 敦弘
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.581-585, 1980-01-10 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5

Sound transmission of the femur was recorded by holding a microphone on the pubic symphysis and tapping the patella with a autohammer.The sound transmissions in fractures and pseudarthroses of the femur were low in pitch and long in duration, and they returned to the normal one, delaying a few week after X-ray findings of facture healing.
著者
神谷 行宣 山根 宏敏 中村 英一郎 山口 将則 樋高 由久 酒井 昭典
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.36-40, 2015-03-25 (Released:2015-05-22)
参考文献数
9

頸椎後方手術後の舌下神経麻痺を経験したので報告する.症例は46歳女性.主訴は右上肢痛.1年半前より頚部痛と右上肢痛あり.当科受診し,頸椎症性脊髄症+神経根症と診断.椎弓形成術(C4-6)と椎間孔拡大術(右C4/5)を施行した.術後より舌に発赤,腫脹と構音障害,舌の右方偏位を認め,右舌下神経麻痺と診断された.ビタミンB12の内服と言語リハビリ療法にて治療を行い,術後3か月にてほぼ舌の偏位は改善した.頸椎後方手術後に舌下神経麻痺を生じる原因として,気管チューブ等の麻酔時の口腔内異物による圧迫性神経障害であるとの報告が多く,本症例でも同様に舌への圧迫が原因と考えられた.
著者
城戸 研二 河合 伸也 小田 裕胤 田口 敏彦 山縣 茂樹 秋野 龍明 村松 慶一
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.675-677, 1988-10-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
4

In thirty-six cases with lumlar diseases, CT studies of the shape of the lateral recess (L5) were performed. A series of CT scans at L5 lateral recess showed the narrowest level of it and the L5 neve root condition in it. Three types of the shape were classified, which were triangular type, trefoil type and flat trefoil type. Especially the flat trefoil type was associated with LCS. We concluded that the narrowest level of the lateral recess of LCS was the entrance of the nerve root, which was trapped there by the configuration of the recess with the degenerative soft tissue, on the other hand, the lateral recess of OA was not narrowest at the entrance level, but narrowest at the pedicle level. The difference in the shape contributed to the pathogenesis of symptoms of the LCS.
著者
生田 拓也 野口 和洋 工藤 悠貴 阿部 徹太郎
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.140-142, 2019-03-25 (Released:2019-05-16)
参考文献数
12

大腿四頭筋皮下断裂は比較的稀な外傷である.その症例2例を経験したので報告した.症例1は50歳男性で,トラックとプラットホームの間に挟まれて受傷した.症例2は57歳男性で,ジョギング中に段差に躓き受傷した.いずれも膝蓋腱上部の陥凹を認め,MRIにて確診した.合併損傷はなく,手術にて膝蓋腱をpull out法にて修復した.術後は3週間シリンダーキャスト固定の後,可動域訓練を開始した.2例とも膝関節屈曲可動域の獲得に時間を要したが術後3ヶ月時にはほぼ正座も可能となった.最終観察時,伸展筋力の低下はなくADLに支障はない.本症例はまれな外傷であるが,治療に関しては修復術が基本であると思われる.術後療法は遅らさざるを得なかったが結果は良好であった.
著者
吉原 由樹 藤田 雅章 大坪 義昌 泉 賢太郎 本岡 勉 伊藤 茂 草場 英介
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.1221-1224, 1993-09-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5

A 55-year-old man fell down while inebriated and sustained a right clavicular fracture. He complained of paresthesia, paleness, coldness and parlalysis of his right arm. An expanding subcutaneous hematoma in the supraclavicular region was noted as well as radial artery pulsation at the right wrist.A rupture of the Subclavian artery was diagnosed without an angiogram and the middle part of the clavicle arteriogrhaphy was performed. Pulse deficit distal to the injury is one sign of Subclavian artery injury. However this is not altogether reliable because of good collateral circulation about the shoulder. There is no clear consensus as to which approach to the subclavian artery would give the best exposure and in particular control the proximal segment. For succesful management, proper surgical exposure and revascularization techniques are essential.
著者
角田 信昭
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.809-812, 1988-04-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
12

The relationship between the abnormalities of the posterior elements and anterior elements in lumbosacral transitional vertebrae, and then the relationship between disc degeneration and lumbosacral transitional vertebrae were investigated. The modified Jinnaka's classification for the abnormalities of posterior elements and the modified igh's classification for the abnormalities of anterior elements were employed for this purpose. Of 597 patients with low back pain, 82 patients (14%) presented the posterior abnormalities and 90 patients (15%) presented the anterior abnormalities. Ninety% of type I of posterior abnormalities showed normal disc in anterior, whereas only 4% of type II-IV showed normal disc. Ninety-four% of type III of posterior abnormalities had type I and type II (and III) of anterior abnormalities which were thought typical fixed transitional vertebrae. It presents a greater than normal incidence of the disc degeneration, especially posterior slip at the level of just above the lumbo-sacral transitional vertebrae.
著者
楊 水木 藤田 雅章 乗松 敏晴 鈴木 良平
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.1182-1183, 1984-06-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
2

A 37 years old female ruptured the plantar fascia of the foot without associated injury to the achilles tendon while she was under a low posture with the knee flexed, ankle plantar flexed and MP joint dorsiflexed during badminton play.It can be considered that the rupture was brought out by the Windlass Action of the plantar fascia due to extreme dorsiflexion of the MP joint. A surgical primary suture was performed with an excellent result.