2 0 0 0 OA 歯痕舌の臨床

著者
村松 睦 村松 慎一
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.31-35, 1991-07-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

舌所見の中で, 比較的認識が容易であり, 病因以外の影響の少ないものとして歯痕舌がある。歯痕舌の臨床像を検討し, その漢方的発生病理の考察を行った。歯痕舌は当院内科外来患者の9.6%に認められ, 稀なものではない。陰病期の水滞, 脾虚, 脾腎陽虚証に多く, 少陽病期にも認められた。これらの症例では, 歯痕舌を基本に, さらに詳細な病態分類が可能であり, 補剤, 健脾利水剤などの選択に有用な所見と考えられる。
著者
柴原 直利 嶋田 豊 伊藤 隆 新谷 卓弘 喜多 敏明 後藤 博三 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.43-50, 2000-07-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
20

C型慢性肝炎は高率に肝硬変症へと進展し, 自然治癒の可能性は非常に低いとされている。筆者らは, 和漢薬治療によりC型肝炎ウイルスが消失したC型慢性肝炎の一例を経験した。症例は37歳の女性。1982年の第一子出産時に輸血を受けた。1983年1月頃に全身倦怠感を自覚し, 慢性肝炎と診断され治療を受けていた。1988年に肝生検により慢性活動性肝炎と診断され, 同年5月に当科を受診した。初診時より補中益気湯・桂枝茯苓丸を併用投与し, 自覚症状は改善したが, ALT値は不変であった。しかし, 柴胡桂枝湯合当帰芍薬散投与後より徐々にALT値に改善が得られ, 加味逍遥散料に転方した1996年5月以降は正常化した。ウイルス学的検査においては, 柴胡桂枝湯合当帰芍薬散投与中である1995年3月に測定したHCV RNA定量では104 Kcopies/mlを示したが, 1998年4月以降は検出感度以下となった。
著者
松田 邦夫
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.347-357, 2000-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
53
被引用文献数
2 1
著者
木村 容子 田中 彰 佐藤 弘
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.299-304, 2012 (Released:2013-02-14)
参考文献数
15
被引用文献数
11 12

目的:当帰四逆加呉茱萸生姜湯が有効な冷え症のタイプを検討した。研究デザイン:後ろ向きコホート研究。対象:冷え症患者181名を対象とし,初診時に自覚症状をデータベースに登録した。さらに,外的妥当性を新規28名で評価した。介入:エキス顆粒7.5g/日服用1ヵ月後に評価。評価項目:治療効果の有無。結果:冷えは74%の患者で改善し,頻度および程度(0-4)は各々3.2±0.7から2.1±0.1(p <0.01),3.1±0.7から2.2±0.9(p <0.01)に減少した。治療効果予測の最適モデルとして,胃もたれおよび抑うつを伴わない腸骨窩圧痛の有無が選ばれ,判別予測率は84.4%であった。このモデルを別の28名の患者で検証したところ,予測精度は82.1%であった。結論:胃もたれや抑うつ感がみられず,腹診にて腸骨窩圧痛が認められる冷えの患者で,当帰四逆加呉茱萸生姜湯が有効である可能性が示唆された。
著者
及川 哲郎 米田 吉位 玄 世鋒 小田口 浩 若杉 安希乃 猪 健志 橋口 一弘 滝口 洋一郎 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.615-620, 2011 (Released:2011-12-27)
参考文献数
7
被引用文献数
1 1

沢瀉湯は,水毒徴候を目標としてめまいに用いられる。しかし,水毒徴候の改善が沢瀉湯の臨床効果に繋がっているか,未だ明確ではない。そこで,沢瀉湯投与症例における症状などの改善度と,水毒徴候の改善度との関連について検討した。沢瀉湯を4週間投与しためまい患者20名に対し,自覚症状に関するアンケート調査や水滞スコア判定,各種平衡機能検査を施行,これらをスコア化したのち,投与前後における各項目間の関連につき統計学的に解析した。その結果沢瀉湯投与後において,めまいと随伴症状を合わせた全自覚症状の改善度は,水滞スコア改善度と有意に相関した。平衡機能検査改善度に関しては,水滞スコア改善度と関連する傾向が認められた。これは,沢瀉湯の臨床効果と水毒徴候の改善がある程度関連することを示唆し,条文の記載を裏付ける知見である。従って,水毒徴候の存在は沢瀉湯の使用目標として一定の妥当性を有すると考えられる。
著者
猪 健志 小田口 浩 若杉 安希乃 及川 哲郎 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.86-92, 2013 (Released:2013-09-13)
参考文献数
27
被引用文献数
1 4

耳鳴は現代医学ではしばしば治療に難渋する。漢方薬の有効例の報告がいくつかあり,漢方薬が耳鳴の治療法として期待される。今回我々は,慢性耳鳴患者に対する漢方随証治療の有用性についてカルテを後ろ向きに検討した。対象は331例(男性114例,女性217例)であり,平均年齢は57.8歳であった。耳鳴に対する有効率は38.4%であり,随伴症状(めまい,不眠,頭痛等)に対する効果も含めると有効率は64.6%であった。半夏厚朴湯が最も多く処方されており,耳鳴に対する有効率は32.1%であった。また,釣藤鈎を加味することで有意に有効率が高くなった(p < 0.05, Fisher's exact test)。釣藤鈎は,その効能や現代薬理作用から考えて,耳鳴に有効である可能性がある。対象の84%が当院受診前に治療を受けており,前治療に効果のない難治例が多かったと考えると,漢方治療は相当程度有効である可能性がある。
著者
金 鍾元 渡辺 賢治 金 成俊 全 修亨
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.251-267, 2014 (Released:2015-03-30)
参考文献数
29

本研究は日本人を対象とした四象体質の分類と体質による疾病及び症状の関連性について検討する上で,参考となる情報を得る目的で行った。慶應義塾大学医学部漢方医学センター(以下「慶應大学漢方センター」と略)外来受診患者を対象に設問票を用い,四象体質診断を行い,また患者のカルテより疾病と症状を分類した。四象体質設問票は韓国のSSCQ-Pを改良したSSCQ-Jを用いた。慶應大学漢方センターの四象人分布は韓国人の四象人分布と異なった結果であり,少陰人の比率がかなり高かった。疾病分類においても,「Ⅴ.精神及び行動障碍」,「ⅩⅠ.消化系統の疾患」,「ⅩⅤ.姙娠,出産及び産後期」,「ⅩⅧ.別途分類できない症状,兆候と臨床及び検査の異常所見」の冷症疾患において少陰人の有病率が統計的に高かった。
著者
中田 敬吾
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.43-46, 1983-07-20 (Released:2010-06-11)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
夏秋 優 武田 裕美子 矢野 倫子
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.255-259, 2000-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
11
被引用文献数
2 2

顔面の皮疹に対して紫雲膏, 太乙膏を外用していたところ, 激しい皮膚炎を生じた50歳の女性症例を報告した。皮膚炎はステロイド療法にて約2週間で略治し, 以後, 再発を認めていない。パッチテストの結果, 紫雲膏, 太乙膏, およびそれらの成分である紫根とミツロウで陽性反応を認めた。このことから, 自験例はこれらの外用剤によるアレルギー性接触皮膚炎と診断した。漢方外用薬による接触皮膚炎は少ないものの, 使用中に皮膚症状が悪化した場合はその外用剤による接触皮膚炎を疑う必要がある。
著者
後藤 博三 藤本 誠 渡辺 哲郎 引網 宏彰 小尾 龍右 野上 達也 永田 豊 柴原 直利 嶋田 豊
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.189-197, 2010 (Released:2010-07-01)
参考文献数
19
被引用文献数
3 4

視床痛は視床出血や視床梗塞後に伴う難治性中枢性疼痛として知られている。しかし,薬物療法や外科的治療法が試みられているが確実な治療法がない。我々は難治性の視床痛6例に漢方治療を試み,症状の軽減した4例を経験した。症例は年齢27才から70才の男性4例,女性2例であった。診断は右視床出血3例,左視床出血1例,右視床梗塞2例で,発症後から漢方治療までの期間は6カ月から12年と幅があった。改善した4例では症状がほぼ消失から4割程度減弱した。改善例は全例,烏頭・附子含有方剤が用いられていた。抑肝散加陳皮半夏が精神症状の強い2例で有効であった。また,駆瘀血剤のみで十分改善を認めた症例もあった。症状が長期にわたる症例では,有効例でも症状は残存した。さらに難治例は症状が固定しており,強い麻痺等を伴う症例であった。
著者
王子 剛 並木 隆雄 三谷 和男 植田 圭吾 中口 俊哉 貝沼 茂三郎 柴原 直利 三潴 忠道 小田口 浩 渡辺 賢治 藤井 泰志 喜多 敏明 小暮 敏明 小川 恵子 田原 英一 萩原 圭祐 矢久保 修嗣 南澤 潔 村松 慎一 和辻 直 花輪 壽彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.224-230, 2014 (Released:2014-11-26)
参考文献数
16
被引用文献数
1 4

漢方医学では舌の色や形状を観察する舌診が患者の体質や病状を知る重要な手掛かりになると考えている。我が国において,舌診に関する書籍が複数発行されているが,記載内容が不統一で臨床的な舌診所見の標準的な記載方法はまだ確立してない。舌診の研究および学生への漢方教育において標準的な舌診臨床所見は必要である。そこで舌診の日本の文献(計12文献)を用いて,色調や形態の記載について比較検討した。その結果を用いて舌診に習熟した多施設の漢方専門医のコンセンサスを得た上で,舌診臨床診断記載の作成に至った。作成にあたり,実際臨床において短時間で観察し得る舌所見を捉える事と初学者でも理解し易いよう,微細な所見の違いよりも確実に捉えやすい舌診所見に重点を置いた所見記載とした。
著者
堀場 裕子 吉野 鉄大 渡辺 賢治
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.298-301, 2014 (Released:2015-03-30)
参考文献数
15

月経困難症の漢方治療では,駆瘀血剤が処方されることが多く,大柴胡湯が第一選択になることは少ない。今回,月経困難症に大柴胡湯単独で奏効した2例を報告する。症例1は19歳,大学入学後から月経痛が悪化し,市販の鎮痛剤が無効であり,頭痛や嘔吐のため講義に出席できないこともあった。腹力充実,腹部膨満,胸脇苦満,左右臍傍の圧痛を認め,実証,熱証,気うつ証・瘀血証とした。大柴胡湯エキス内服4週後には月経前の頭痛や嘔気が軽減し,20週後には月経痛に対する鎮痛剤が不要となった。症例2は35歳,息子の進学問題と転居を契機に月経痛や頭痛,いらいらが出現した。腹力やや充実,腹部膨満,胸脇苦満,心下痞鞕,左右臍傍の圧痛を認め,実証,熱証,気うつ証・瘀血証とした。大柴胡湯エキス内服8週後には頭痛やイライラが消失し,20週後には月経痛は気にならなくなった。2例とも大柴胡湯にて「気うつ」が消失し,月経痛が改善した。
著者
八坂 達臣
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.331-337, 1994-10-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
15
被引用文献数
2

東洋医学的腹証の客観的評価及び解析の試みとして超音波エコーを用い臍下不仁の腹壁での変化を観察した。臍下不仁では腹直筋の厚さ, 白線部の厚さが共に菲薄化し, 両側腹直筋間の距離 (白線部の広さに相当) は開大した。この所見は臍下不仁を腹証上示し易い, 臍と恥骨上縁の中点で著明だった。これらの臍下正中部の浅い腹壁組織での変化により, 腹壁の緊張低下を生じ触診上臍下不仁として腹証に現れるものと考えられた。また, 超音波エコー法は臍下不仁の補助診断や経過観察に有効な手段のひとつになりえる事が示された。
著者
桂 敏夫
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.293-299, 1995-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1 2

腹痛に対しては普通, 芍薬甘草湯 (以下芍甘湯とする) が用いられるが, 甘草湯もこれに劣らず有用である。外来で日頃遭遇する腹痛の中では, 急性の感冒やこれに伴う胃腸炎による一過性のものが多いが, 1年間子供を主とする130例に対してこの両者を内服と口に含むだけの2通りの方法で止痛までの時間を測定した。この2薬方と2方法の4通りのいずれにもほとんど差がなく, 大部分のものは数分から10分以内で腹痛が消失した。
著者
寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.61, no.7, pp.889-896, 2010 (Released:2011-03-01)
参考文献数
26

現代・日本漢方の基盤の一つに「古医方」の思想がある。これは江戸期に中国における復古運動の影響を受けて勃興したが,同時期に起こった文芸復興運動と連動している。この儒教を中心とする革新運動の影響の下に,日本独自の展開がなされた。それは思弁性の排除であり,「親試実験」による実証性の追求であった。本稿では,「古医方」と古義学・古文辞学・古学との関連を総合的に俯瞰し,両者の関連性を明らかにした。
著者
堀野 雅子
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1-2, pp.41-46, 2002-03-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
10
被引用文献数
1

傷寒論, 金匱要略において, 振り出し薬として唯一記載されているのは, 傷寒論の大黄黄連瀉心湯である。振り出し薬とした意味は, 緊急性が要求されているからであろうと思われる。筆者は, 大黄, 黄連, 黄苓三味の瀉心湯の振り出し薬を当院受診の高血圧患者32名 (男性5名, 女性27名) に使用し, 服用前, 服用後30分間経時的に血圧測定した。その結果, 収縮期圧10mmHg以上の降圧効果は, 全体の68.8%であった。平常時, 陽実証と思われない人においても降圧効果があった。今回の投与において, 下痢をした人はいなかった。振り出し薬は瀉下作用よりも, 鎮静作用が強調されていると思われた。緊急的に血圧上昇した場合の降圧剤として有用と思われる。
著者
二宮 文乃
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.799-807, 2008 (Released:2009-05-15)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

心因的ストレスはアトピー性皮膚炎の病勢に影響を与える。このことに着目して気剤を併用し,精神症状や自律神経系の異常だけでなく,皮膚症状の改善を認めた6症例を報告した。これらの異常に対する気剤の効果を客観的に評価する目的で手掌足底発汗検査やSDS検査を用いた。皮膚症状の標治治療に加えて,症例1では桂枝加竜骨牡蛎湯,症例2と3では四逆散,症例4は抑肝散加陳皮半夏と桂枝加竜骨牡蛎湯,症例5では四逆散から桂枝加竜骨牡蛎湯へ転方,症例6では柴胡桂枝乾姜湯を併用した。アトピー性皮膚炎の治療では,皮膚所見だけでなく,気の異常を治療することは重要であると考えられた。
著者
山下 仁 高橋 昌巳 西條 一止 一幡 良利
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.457-464, 1996-11-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
16

黄色ブドウ球菌に対する生体の感染防御活性に及ぼす灸の効果を明らかにするため, 黄色ブドウ球菌 Smith 株を用いてウサギに免疫し, 施灸群4羽と非施灸群4羽の血清中の抗体産生能を enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) により比較検討した。施灸群のIgM抗体価は非施灸群よりも有意な上昇 (P<0.05) が認められた。また同株の感染防御抗原である Smith surface antigen (SSA) を用いた ELISA inhibition test では, 初回免疫後9週目における施灸群血清のIgMおよびIgGの抗体活性が有意 (P<0.05) に高かった。このことから灸は黄色ブドウ球菌 Smith 株に対する生体の抗体産生能を昂進させるとともに, 同株に対する感染防御活性も増強させることがわかった。