著者
尾本 章
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.738-743, 2006-10-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
10
著者
羽田野 甫 金井 義和 池上 雄二 藤井 積 斉藤 勝利
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.40-47, 1990-12-25 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
2

スペースラブに搭載する超音波浮遊炉の開発の基礎資料を得るため、炉芯管を想定した円筒管内定在波音場での物体の浮揚について検討した。音響放射圧によって物体に作用する力や、円筒管内定在波音場の形成について考察を加えた。その結果に基づいて超音波浮揚装置を試作した。直径1.2cm、1g程度までの球体を重力下で実際に浮揚し、所期の目的に要求される浮揚力を発生しうることを確認した。更に有限要素シミュレーションにより、円筒管内定在波音場での浮揚の特性を明らかにした。
著者
三井田 惇郎
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.445-450, 1973-08-01 (Released:2017-06-02)

It is important in the acoustical engineering to calculate the amplitude of reflected wave from a target. The calculation method has been developed by J. Saneyoshi, who defined the "sound reflectivity of the target" and derived analytically the approximate formulas of the reflectivity. The reflectivity expresses the ratio of the sound pressure of the reflected wave from the target at the position of the sound source to that of the reflected wave at the same position when the target is replaced by an ideally reflecting infinite normal plane. This formula for a circular plate is given by Eq. (10), which is fairly simple and practical. But as shown in Figs. 7 and 8, the discrepancy increases between the results of its numerical calculations and the actual behavior of the reflected wave when the value of the abscissa R/√λX is increased greatly or the distance between the transducers and a target becomes small in comparison with the size of a target. In this paper, the accurate solution for the reflectivity of the rigid targets of simple shape, such as circular plate and square plate, were derived which is applicable to the above case. As shown in Fig. 1, the velocity of the air particles on the target which is located at a distance r from the sound source is given by Eq. (2); φ_i is the velocity potential of the incident wave and k is the wave length constant. The reflected wave can be considered to be equal to the radiated wave from the target which is vibrating at the velocity of -V_N without incident wave. So, the absolute value of the reflectivity is given by Eqs. (12) and (13). Assuming that the shape of the target is circular, the equations are simplified in the form of Eq. (14). This equation becomes Saneyoshi's relation when √X/λ is increased up to infinity. The numerieal result of these equations are shown in Figs. 2 and 3. Some experiments were executed so as to verify the validity of above theories. These were performed in the air at the frequency of 39. 90 kHz. Fig. 4 shows the arrangement of the apparatus in the experiments. Two piezoelectric transducers were put on the axis of the circular plates were made of hard plastics. The pulse width of the sound wave from the transmitter was 1. 38 ms. The amplitude of the reflected pulse was measured on the screen of the C. R. O. . Figs. 5 and 6 show examples of the results of these experiments. Figs. 7, 8 and 9 show experimental and precise theoretical values of R/√λX divided by the approximate values obtained from Saneyoshi's equation when the reflectivity is minimum. The results of the experiments were in qualitatively reasonable agreement with the numerical results of this precise method.
著者
今井 仁
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.101-112, 2011-03-01

本研究の目的は,普化宗尺八曲の音律を物理的尺度で表現することにある。そのために,まず,著名な奏者の演奏録音から基本周波数を抽出し,旋律をセント表示のグラフにした。これにより五線譜では表せなかった,微細な音程変化と音価を知ることができた。次いで,旋律の中に核音と中間音の存在を確認し,一曲に占める音価の値の占有率から主音を決めた。主音を決めたことにより,普化宗尺八曲の音階表示が可能になった。普化宗尺八曲「調子」を中心に解析したところ,律音階と都節音階は一元論的な関係にあることが分かった。また,各奏者には特有の音律があること,曲中においても核音も中間音も,奏者固有の音程変化を示すことが分かった。
著者
赤木 正人
出版者
日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.66, no.8, pp.393-398, 2010-08-01

音声対話などの音声によるコミュニケーションでは,「何を話しているか」という言語情報だけではなく,これ以外の情報,例えば個人性(性別,年齢),感情・健康状態,声質などの言語以外の情報が多数送受される。これらの情報を多分に含む音声は,Expressive Speech と呼ばれている。音声によるコミュニケーションでは,言語情報だけではなくこれらの情報にも重要な役割が含まれていると言われており,音声対話の精緻な解析のためには,これら双方を考慮する必要がある。本稿では,工学よりの目的(機械による感情の認識)を設定した上で,音声及び聴覚分野においてこれまでに得られた言語以外の情報の知覚に関する知見を取り混ぜながら,機械による感情の認識という目的に向かうための基本的考え方をどのように構成すれば良いかについて,思想まで踏み込んで解説する。
著者
安倍 幸司 小澤 賢司 鈴木 陽一 曽根 敏夫
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.343-350, 1998-05-01
被引用文献数
25

本研究では, 環境音の知覚を探ることを目的として, 従来の研究で用いられてきた「音色を表現する評価語」に加え, 「音を聞いた際に人がいだく感情を表現する評価語」と「音の持つ情報に関する評価語」を用いた評価実験を行った。実験は, 66種類の刺激音と, 39種の評価語対を用い, SD法により行った。実験結果を因子分析した結果, 第一〜第三因子として, 「美的」, 「明るさ」, 「量的」という音色の3因子に相当する因子が得られた。また, それらとは独立に, 「音の定位情報に関する因子」, 「音源情報に関する因子」, 「音の存在意義に関する因子」, 「懐古・郷愁因子」が得られた。更に, 人が音を聞いた際にいだく感情は, 音の美的因子と相関があることが分かった。
著者
藤本 卓也 藤原 恭司
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.281-288, 1996-04-01
被引用文献数
5

音響材料の吸音率データは, 下限周波数が125Hzで提示されるものが多い。しかし最近では, 更に低域のデータ, あるいは低域で特に有効な吸音材が, 設計上必要とされるケースも見られる。本稿では, スリット構造のリブを特殊形状とした低周波域吸音構造について検討する。周期壁の音波散乱理論を用いて吸音率を解析すると共に, 幾つかのモデルについて実測値との比較を行った。その結果, 構造によって程度差はあるものの, ほぼ一致した周波数特性を得ることができた。また, 現在普及している構造材の一種をリブに持つ低域用スリット構造の吸音特性を, 数値計算例として紹介する。