著者
浅川 健太 平野 研人 塚田 哲也 林 慰彦 因 雄亮 大宮 康弘 濱井 龍明 村上 仁己
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.123-126, 2009-02-28
参考文献数
7
被引用文献数
8

携帯電話に付随したカメラとGPS機能を利用し、それらを元に作成した情報をGoogleマップに貼り付けて連携させることで、位置情報を視覚的に捉え、災害時に役立てることが重要である。例えば大地震が発生した際、被災者は避難所の場所などを把握しづらいことがあり、それにより復興が遅れる可能性がある。本研究ではこれらを解決するため避難所や仮設トイレ、危険地域などの情報をいかに効果的に表現するかについて検討する。
著者
浦辻 宗一郎 今村 弘樹 黒木 聖司
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.209-214, 2011-02-14
参考文献数
4

創価大学黒木研究室では,超小型衛星Negai☆"の研究・開発を行い,2010年5月21日の打上げ・運用に成功した.高度300kmの軌道を周回し,打上げ後35日で大気圏に突入し,流れ星のように燃え尽きた.Negai☆"衛星のミッションの1つとして,地球画像の取得がある.周辺環境の混信等により,地球画像の取得には,多くのパケットロスが生じ,かつ短期間での再取得は難しい.そこで本研究では,パケットロスした欠損画像を補間する2つの方式を提案する.(1)画像データのランダム配列による欠損周囲ピクセルからの補間.(2)欠損領域と類似性の高い領域からの補間.これらの実験と評価により,提案した手法が地球画像データ補間のために有効であることを示す.
著者
山田 杏菜 菊池 司
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.235-236, 2021

仮面ライダーとは1971年から2017年現在も続く特撮ヒーロー番組に登場する仮面をつけたヒーローの総称である.45年もの間続く番組はあまり存在しない.その魅力の1つとして変身シーンが挙げられるのではないだろうか.そのため,本研究では変身シーンのカメラワークに着目し分析,考察を行う.昭和12人,平成18人,計30人,約120シーンの抽出をし,8つの項目(カット数,アングル,画角サイズ,カメラワーク,被写体から見たカメラの位置,被写体の画面内位置,映像内容,時間)に分けて分析する.その結果を元に,ライダー毎の特徴や類似点,相違点,昭和ライダーと平成ライダーの違いなどを抽出していく.
著者
我妻 奏 高嶋 葵 奥村 俊昭 澁谷 倫子 渡辺 仁史 齋 麻子 大原 理恵
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.125-128, 2021

本研究の目的は,著名な平安時代の随筆作品である『枕草子』の可視化を通して,文学作品の特徴を生かした新しい読み進め方の提案を行うことである.『枕草子』は約 300章段からなっており,ストーリー性がなく直線的な展開がないため、どこから読み始めてもよいという特徴がある.そこで,本のような従来のメディアが直線的な構造であるのに対して,どこから読み始めても良く,自由に読み進めることのできる構造を持ったシステムの構築を行う. 3DCGを用いた表現で読者への提示を行い,各章段を球体として扱い 3次元空間に配置する.このような可視化システムを開発することにより,空間を動き回るようにして自由に読み進めることが可能となり,章段の情報を多角的に提供できる.その結果,『枕草子』に馴染みのない読者に対しても新しい楽しみ方・読み進め方を提案できる.
著者
増田 勝彦 面谷 信 高橋 恭介
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.9, pp.69-74, 1999-02-03

今後、デジタル化社会の進歩と共に"ディスプレイ上にソフトコピーとして表示された本や新聞を読み、考える"という時代が来ると考えられる。しかし現状では、ソフトコピーのままで長文を"読むこと"、"考えること"には一般に抵抗感が存在する。そこで本研究では、思考作業効率の観点から見たハードコピーとソフトコピーの比較をLCD、および用紙上に提示された簡単な計算課題に対する計算速度と正解率を、複数の被験者を用いて測定することによって行なった。これらの比較実験は、ハードコピーを用いる際に一般的な「水平状態」での作業と、ソフトコピーを用いる際に一般的な「垂直状態」での作業の2つの状態において行なった。実験の結果、垂直状態と水平状態の比較ではハードコピー上作業・ソフトコピー上作業ともに、水平状態での作業効率が良いことが示された。また、水平状態作業においてはハードコピー上作業はソフトコピー上作業よりも高い作業効率が得られた。本検討の結果は、ハードコピーとソフトコピーの比較において、媒体の差に加えて水平-垂直の作業状態の差が大きく影響し得ることを示している。
著者
足立 剛 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.49-54, 2001
参考文献数
7

リズムゲームの多くは, 予め決められたリズムパターンとユーザのボタン拍打のズレを評価対象として利用している.本研究では, 正確な動作と自由な表現の評価を合わせ持ったリズムゲームの評価モデルの開発を目的とする.具体的には, 量的な情報を入力としてキレを含めた動きそのものを評価する機構と, リズム感を保ちながらも自由な表現を評価しうるモデルを構築した上で, ビジュアルプログラミング環境PureData上で実装を行う.作成したシステムでは, リズムに同期したダンスの評価がより直接的に行うことができるようになった.
著者
高山 龍 奥平 雅士
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.103-106, 2009-02-28
参考文献数
3

本稿では,加速度センサを振ることによってインタラクティブに打ち上げ花火CGを生成する方式について述べる.3DCG生成はOpenGLを用いて行う.花火は炸裂モードと打ち上げモードがあり,加速度センサから送られてくる値によって,モード,花火の位置,大きさを制御することが可能である.CGならではの,通常にはない花火の火花の形を生成したり,昼間モードでの花火を生成したりできる非現実的な表現も好評価を得た.また,振るという動作判断のための閾値設定について実験を行ったところ,ユーザの持つ打ち上げ花火のイメージによって閾値にばらつきがおこる傾向があることがわかり,閾値を可変にすることで,ユーザが快適に操作できるようにした.
著者
岡本 義信 平川 義宏 松野 知宏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.20, pp.47-52, 2001-02-23
参考文献数
4

中国放送では、雷の発生を早期に知り無線設備の運用で出来る限り雷の被害を防ぐための研究をおこなっている。我々は雷から発生する電磁波と誘起される高電圧を検出する検知機を作り、観測システムを構成して試験をおこなった。その結果、雷の発生を早い段階で知り、親局の商用停電による放送事故を防止することに成功した。
著者
加藤 喬 坂田 敏治 小野 真介 筒井 嘉範
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.25-28, 2013

従来のバーチャルシステムを中継現場で構築する際、機材の調達費、現場での準備時間、作業環境等、本社内での運用に比べ様々な課題がある。そこで今回これらの課題解決にあたって、テレビ朝日では中継先から本社に送られてくる映像に、バーチャルCG用の位置情報(=カメラデータ)等をHD-SDIのアンシラリー領域に重畳し、それらの情報を元に本社のバーチャル設備をリアルタイムで連動させる「VANCシステム(Vertical ANCillary inserter)」を開発及び生中継で実用化した。結果、先の課題はほぼ解決し大幅な制作費節減と、本番直前まで臨機応変に修正及び調整可能な中継バーチャル演出を実現した。
著者
辻元 健士 村上 征勝
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.35-38, 2010
参考文献数
3

本研究では,葛飾北斎作『富嶽三十六景』を対象とし,原型の絵画と構図的変化を加えた絵画の二種類を用いて,構図変化の影響を印象評価と視線移動の観点から数量的な比較分析を試みた.印象評価では,構図型,変化の方法,順序効果の3つの観点から比較分析を行った.視線移動では,絵画を観る時の視線移動総面積を分析し,構図を変化させることで印象評価に差が生まれること.また,印象評価の基準の一つとして視線移動総面積が有意な要因であるという結果を得た.
著者
高橋 浩一郎 土田 健一 木村 智 居相 直彦 森山 繁樹 岡信 大和 中島 光男 岡田 隆宏 松宮 功 池田 康成
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.53, pp.29-32, 2002-07-26
参考文献数
4
被引用文献数
2

地上デジタル放送の移動体向けサービスの対象のひとつに電車がある.今回,JR総武線の電車内で,3種類の試作受信アンテナを用いて受信実験を行い,走行する電車内での地上デジタル放送の直接受信の正受信時関市を測定した.ヘリカルおよびロッドアンテナは直接受信が可能であったが,ループアンテナは利得が小さく受信が困難であった.また,駅などでは人工雑音の急峻なピークが見られ,正受信時間半を劣化させていた.
著者
瀧上 順也 加藤 禎篤 ブン チュンセン
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.30, pp.39-44, 2008-07-23
参考文献数
10

本稿では,実写の動画像を非実写化することにより,動画像の好ましさを向上する効果があるかについて検証を行った.まず,イラストレータによる理想的な手描きの非実写映像によって実写映像と異なる表現方法(画風)に変更することで,映像に対する総合的な好ましさを損なうことなく,個別の要素に対する印象の好ましさを向上させる効果があることを確認した.次に,動画像の動きの滑らかさに関して,非実写変換によって,低いフレームレートにおいても実写映像に比べて動きのギクシャクさを感じにくくなることを確認した.これらの結果を,それぞれの主観評価に用いた方法と合わせて報告する.
著者
北澤 啓雄 松下 弘幸 鈴木 敏昭 奥西 宏基
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.43, pp.5-8, 2002-06-27

BSジャパンでは、BSデジタル放送用の緊急速報スーパー装置を新規開発し、2000年12月1日の開局時から運用を開始した。本装置を開発することにより、地上アナログ放送で制作した素材をそのまま使用して放送できる合理的な運用を実現するとともに、テレビ放送をはじめラジオ放送やデータ放送を受信している全ての視聴者に公平に緊急情報を提供することができるようにした。
著者
ウム セレイビラ 長谷川 まどか 加藤 茂夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.32, no.34, pp.45-48, 2008-07-31

本稿では,クメール(カンボジア)の文字認識について提案する.クメール語は表音文字であり,単語は母音と子音から構成される.クメール文字は縦と横のストロークが多いという特徴があり,また母音と子音の配置に特有の規則がある.本研究ではこれらの特徴を利用して,携帯電話で撮影したクメールの文字画像を認識し,クメール語-日本語の翻訳支援システムの構築を目的としている.この支援システムにおいては,例えば,日本人がカンボジアを旅行する際,分からないカンボジア語を携帯電話で撮影し,サーバに送信することで,その単語の意味を日本語で旅行者に返信される.
著者
安藤 文彦 中山 美穂 島本 洋
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.23, no.40, pp.71-76, 1999-06-24
被引用文献数
2

映像信号を単位画素内で8bitのデジタル信号に変換し、標準TV方式で読み出すことができるデジタルイメージセンサを試作した°各画素はホトダイオード、1bit A/Dコンバータ、8bitパルスカウンタ、信号処理回路を備えており、2次元リアルタイムの映像が得られた。1bit A/Dコンバータは、動作電圧1.3Vで110dBのダイナミックレンジを持っていること、信号処理回路が正常に動作し二一特性が付加されていること等が確認できた。さらにランダムノイズについて究明した結果についても述べる。
著者
神谷 剣治 浅井 公雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.61, pp.25-30, 1998-11-12

An interactive transmitting system using 2-PHS public telephone lines that makes a sound much clear than general transmitting machines.
著者
門馬 拓哉 酒井 宏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, no.23, pp.5-8, 2003-03-20

本研究では、2次元テクスチャを付与した場合、しない場合における陰影からの3次元構造知覚について心理物理学的に検討する。これにより陰影と輪郭の相互作用を明らかにする。具体的には、単純なグラデーションを付与した円形の領域(図)に、ホワイトノイズ(WN)やランダムドット(Rnd)を付与した場合について検討した。実験により次の結果が得られた。(1)図と地の平均輝度が等しい湯合(上下方向に図/地のコントラスト極性が変化する場合)に知覚が向上する。(2)WNを図に付与すると、図が地より暗い場合は知覚が向上する。(3)Rndを図地の両方に付与すると知覚は低下する。(4)黒線で図の輪郭を囲むと、図が明るい場合には知覚が向上する。これらの結果から、テクスチャの付与等によって、図と地の境界が区別されやすくなる場合には陰影からの3次元知覚が向上し、区別しにくくなる場合には知覚が低下することが示唆された。
著者
輪島 幸治 林 正樹 古川 利博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.85-88, 2013-03-08

個人によるCGの制作が活発になってきている.MMD (MikuMikuDance)と呼ばれるCGムービー制作ツールは,コンテンツキャラクターのCGを有志が制作することで有名である.MMDで制作された動画はキャラクターのファンの間で人気が高く,動画を制作したいユーザは多い.しかし操作が難解なため専門的な能力を持たないユーザが動画を制作するツールとしては敷居が高い.一方,動画制作の手法にT2V (Text-to-Vision)という専門的な能力を持たなくとも動画を制作可能なメディア変換技術が提案されている.そこでT2VによるCGオブジェクトの再利用を検討する.T2VによるMMD向けCGオブジェクトの再利用が可能となることで,ユーザの容易な動画作成を可能とし,コンテンツ共有サイトのさらなる発展が期待できる.本稿ではT2VとMMDによるそれぞれのCGオブジェクトの形式比較を行い,T2Vを用いた描画検証を行う.そして今後T2VアプリケーションにてMMD向けCGオブジェクトを再利用する際の課題を明らかにする.
著者
佐々木 悠真 金森 由博 三谷 純 福井 幸男
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.17, pp.5-8, 2013-03-08

自分の髪型を変更したときの見た目をシミュレートすることができれば、髪型を決める際の手助けになる。しかし髪型画像を顔画像に重ねただけでは照明条件が画像ごとに異なっているため、合成後の陰影に違和感を生じてしまう。本研究では一枚の髪型画像に対しリライティングを行う手法を提案する。本研究ではKajiya-Kayモデルに基づいて反射率を推定するが、そのためには毛髪の三次元方向ベクトルが必要になる。この三次元ベクトルを求めるために、まず画像中の毛髪の二次元方向を示すベクトル場を抽出し、それを用いて毛髪の方向ベクトルの奥行方向成分と光源の方向ベクトルを推定する。これらの情報から、Kajiya-Kayモデルに基づき最終的なリライティング結果を出力する。光源の色や入射方向、光の強さなどを変更し、様々なリライティング結果を得ることができる。