- 著者
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宮沢 篤
- 出版者
- 一般社団法人映像情報メディア学会
- 雑誌
- 映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.73, pp.49-52, 2002-11-13
- 参考文献数
- 7
現在までに,世界中のさまざまな会社から,その時代の最も進んだコンピュータ技術を取り入れた,非常にたくさんのゲームが発表されてきた.今日のコンピュータゲーム機は,幾多の技術革新を経て進化してきた,全く新しいインタラクティブなメディアである,といえるかもしれない.最近になって筆者らは,技術的にもコストの面からも一番現実的な多眼式のリアルタイム立体視ディスプレイのシステムを,カラーの透過型液晶パネルとレンチキュラー平板マイクロレンズを組み合わせて,これを高集積エンベデッドPLD (programmable logic device)を用いたリコンフィグラブルなプロセッサから動作させることによって実現した.このディスプレイは,特にコンピュータゲーム機や,次世代の携帯情報機器が提供するであろう,モバイルマルチメディア環境で最も有効と考えられる.本稿では,リアルタイム立体視ディスプレイのシステムを構成するハードウェア,ソフトウェアの両面と,最終的な3次元映像のコンテンツ制作までを視野に入れながら,モバイル向け立体ディスプレイのさまざまな可能性について検討する.