著者
富川 道彦 尾田 政臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.17, pp.1-4, 2009-03-18
被引用文献数
1

動く観察対象に心があると感じる心的帰属の研究や,感情の言語表現を支えるイメージスキーマなどの研究から,動きと感情には何らかの関係があると考えられている。本研究では,単純な小円図形の,上下,往復,回転といった12種類の動きについて,実験参加者が対象をどのような感情と推定するか実験を行った。その結果,図形の動きに応じて共通する感情を推定することが明らかになった。これらの知見は,感情表現をインタフェースへ実装する上で有用であろう。
著者
川瀬 穂高 新谷 幹夫 白石 路雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.18, pp.23-26, 2010-05-24

ペイントソフトで下書きの絵をペンでなぞりタブレット入力する場合,手ぶれ補正を行うことが重要である.手ぶれ補正法としては移動平均法を利用した手法が提案されている.この手法では,各入力点に対して,それ以前に入力された点を一定数とって平均点を求め,この平均点を補正点としている.しかし,曲率が大きい部位やペンの速度が速い場合,平均化する範囲が過大になり,目標線から離れてしまうことがある.本研究では,曲率やペンの速度により平均化のフィルタサイズを変化させることで,この問題点の解決を目指す.曲率やペンの速度ごとに平均化のフィルタサイズの最適値を測定し,これを用いてフィルタサイズを制御したところ,修正線を目標線に近づけることができた.
著者
中井 隆洋 蓼沼 眞
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.33, pp.25-29, 2002-05-24
被引用文献数
1

画家によって描かれた絵画のテクスチャ(筆遣い)を特徴付ける物理量を調べ,それらとテクスチャの視覚的な印象との間にある種の関係が成り立つことを示した.
著者
高本 恵介 伊藤 雄一 前川 拓也 玉田 清貴 前田 貴司 岸野 文郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.21, pp.69-72, 2009-06-08
被引用文献数
1

紙をやぶるという行為は日常生活において誰もが体験したことのある行為である.場合によってはこれを楽しんだり,ストレスを解消したりする.そこで本研究では,この現象に着目し,あたかも紙をやぶいているかのような触感覚を繰り返し,そして正確に提示する手法を提案する.提案手法では,紙の引き裂き抵抗力の時間的変化を正確に再現するために,マジックテープおよびDCモータを用いる.そして,提案手法に基づき装置を試作し,ユーザから得られた意見について考察する.
著者
山本 知大 水井 健太 岡部 誠 尾内 理紀夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.54, pp.21-24, 2010-12-09

本研究は, 入力された音楽に合わせてウェブ上の動画を自動的に切り貼りすることで, 音楽をあたかも演奏しているような動画を自動生成する手法を提案する.この手法を実現するための先駆けとして, 今回はバイオリンソロの演奏を想定し実装, 実験を行う.従来, 複数の動画を切り貼りして新しい動画を自動生成する手法は多数存在するが, 楽曲演奏と映像を, 音符単位の細かさで同期させて自動生成された動画はなかった.提案手法は, 入力音楽を適切な長さの断片に分割し, データベース内の動画を検索し各断片に割り当てることで動画を生成する.本手法によって, 音楽を聴覚だけでなく, 視覚的にも楽しむための支援を試みる.
著者
耿 競 清水 浩勝 青木 直和 小林 裕幸
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.27-30, 2009
参考文献数
1

デジタル写真から、デューラーの銅版画風画像を自動的に作成するシステムを構築した.本方法は,ハイパス・フィルタを用いての輪郭線の取得と,デューラー銅版画から取得したいろいろな濃度のトーンを利用した明暗の付加よりなる.まず,バイラテラル・フィルタを用いてノイズを除去した後にハイパス・フィルタを用いて輪郭を獲得し,次にオリジナル写真濃度に応じたトーンを与えることにより目的の画像を得る.
著者
裴 秉哲 田野 俊一 市野 順子 江崎 朋人 橋山 智訓
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.239-244, 2010-02-15

近年、情報技術の発達により高度なデザインシステムが用いられているが、逆にデザイナの創造的な活動を阻害しているという事例が指摘されている.この問題を改善するため、3次元表示や3次元スケッチを利用したデザインシステムが盛んに研究されている.しかし、それらのシステムは著しく環境を制限される上に、大掛かりな計測機器を用いるという問題点を有している.そこで、本研究ではPTAMを用いることでカメラ一台という安価かつ簡易な装置のみによりVision-Basedな3次元空中描画を実現するアルゴリズムを提案する.
著者
大橋 則彦 新川 力 岡村 智之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.43, pp.17-20, 2002-06-27

弊社では、巨大なファイルサイズの画像を極めて高速に見ることができる画像表示の基礎技術「アイブラウザー」をテレビ番組に応用するため「ニュース・レポーティング・システム」(以降「NRS」と略す)の開発を行った。 NRSをタッチパネル付きモニターと組み合わせることにより、キャスター自らがモニターに表示された画像をインタラクティブに操作できるようになり、キャスターの個性溢れる演出が可能となった。実運用としては、毎朝オンエアされている「めざましテレビ」の新聞紹介コーナーで2001年4月から運用を開始し、簡単に新しい表現手法が実現できるシステムとして演出サイドからも高く評価されている。
著者
韓 瑞元 リ ジュンファン 中嶋 正之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.28, pp.49-54, 1997-05-19
被引用文献数
4

Virtual Studio currently uses cromakey method in which a image is captured, and blue portion of that image is replaced by Computer Graphics image or real image. The replaced image must be changed according to the camera motion. This paper proposes a method to extract camera parameters (camera position, rotation and focus) using recognition of pentagonal patterns. At first, we find matching points of two projective images using invariable features of pentagon. Then, we calculate the projective transformation of two projective images and camera parameters using matching points. Simulation results indicate that camera parameters are calculated easily compared with conventional methods.
著者
本多 健二 佐藤 誠
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.56, pp.5-8, 2013-12-02

画像処理における基本処理に,対象の境界検出がある.本稿では,境界検出手法の一つである零交差線による境界検出について検討する.画素(x,y)の濃度値f(x,y)に対して,勾配を∇f,ヘッセ行列をHとしたとき,幾何学的な対象の境界を表す零交差線としては,ラプラシアン法で用いられるtrH,また,Canny法で用いられる(∇f,H∇f)の零交差線の2つが考えられるが,本稿では特に(∇f,H∇f)について検討する.(∇f,H∇f)の零交差線は,幾何学的には,曲線f(x,y)の変曲点,すなわち,画像の極大点から湧き出し,極小点へと流れ込む流線の変曲点を求めることと等しい.通常,ディジタル画像処理において(∇f,H∇f)を処理する場合には,微分を差分に置き換えた局所オペレータを用いる方法が使われる.本稿では,(∇f,H∇f)の幾何学的意味に戻り,実際に極大点から極小点へと流れる流線を定義し,流線に沿って変曲点を解析することにより,濃淡画像の零交差線を検出する手法について検討する.そして,従来の差分による手法との間に結果の差異があるかを実験的に確認する.
著者
横本 広章 加藤 孝男 清水 逸平 蓮池 健一 大朏 俊弥 宮野 真由子 斉藤 主税 石田 利博 板垣 広務 大野 秀樹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.65-68, 2012
参考文献数
5
被引用文献数
1

地上デジタル放送用送信機で使用されている信号はOFDM信号であるため、PAPRが大きくバックオフを取る必要があり、送信機の電力効率は12.5%程度にとどまっていた。今回、ドハティ回路をPAの終段増幅回路に採用し、さらに、電力効率の高いGaN HEMTを用いることでPAの電力効率を30%以上に向上させた。また、ドハティ回路に最適な新たな歪補償技術を駆使した励振器を用いることで、性能を確保しつつ電力効率20%以上の地上デジタル放送用送信機を開発した。
著者
羽生 康浩 井上 哲
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.17, pp.31-36, 2002-02-26
被引用文献数
1

BS朝日では2001年9月からレギュラー番組で5.1ch放送を開始した。5.1ch放送では視聴者の多くが2chのダウンミックスされた音声で視聴する事が多い。番組制作に際しては5.1chスピーカーシステムでの視聴のみならず、ダウンミックスされた音声での視聴も十分考慮しなければならない。また音声モード切替時に無音時間が発生する。5.1ch放送について、これまで社内で検証した内容を報告する。
著者
近藤 明人 中川 剛 臼井 郁敦 杉田 真一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.23, pp.17-20, 2013-05-29

多くの機械式フェーダやハードスイッチ、出力状態を表示するモニタから構成されていた調光卓、及び、負荷回路制御卓、照明バトン制御卓等を、一つのタッチパネル・ディスプレイに集約して開発することに成功した。これまで既に、TBSの看板番組「輝く!日本レコード大賞」で、メイン調光卓として使用した実績があり、限られたスペースでの多チャンネル制御の実現を証明している。
著者
井藤 雄一 ストーン カール 浦 正広 山田 雅之 宮崎 慎也
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.39-42, 2013
参考文献数
7

近年,ノイズやエラーをアート表現に利用した作品が多く発表されている.それらはグリッチ作品と呼ばれ,メディアアートの一つの新しい流れを形成しつつある.その中で,動画に対しノイズやエラーを起こすデータモッシングという手法を用いたグリッチ作品がある.データモッシングにより独特の表現を持つ動画を制作できるが,この手法によりどのような効果が生成可能か詳細には明らかにされていない.そこで,本論文ではデータモッシングの手法に基づき,生成される効果やその制御手法を明らかにする.また,データモッシングを動画に適用するためのソフトウェアを作成し,著者らの作品制作を通して,データモッシングがメディアアートの表現を拡張できる可能性について論じる.
著者
伊藤 明久 今井 順一 金子 正秀
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.21-24, 2009-02-28

実生活空間において人間と共存するロボットは,歩行者が存在する動的環境を認識し,歩行者との衝突を回避するように移動することが求められる.周囲環境の認識のためにはステレオ視による距離情報が有用であるが,距離情報を得られない領域の存在や距離情報に差が無いと物体を認識できないという問題がある.本論文では,距離情報と色情報を統合することでより頑健に周囲環境のモデルを生成し,それを基にロボットの移動経路を自律的に決定することを可能にする手法について述べる.室内で歩行者がいる動的環境においてロボットに歩行者と衝突することなく移動させる実験を行い,本手法の有効性を検証する.
著者
野地 朱真 藤井 俊道 中嶋 正之 高橋 裕樹
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-6, 2002
参考文献数
12

キャラクタのダイナミックな身体運動アニメーションをコンピュータにより作成する手法がいくつか試みられている。本研究では、複雑なサーカスのアクロバット演技を力学シミュレーションによりインタラクティブに生成するシステムについて提案し、その成果として開発したコンテンツについて報告する。キャラクタのモーションでは、自然な動きの整合性を保ちながら、そのバリエーションを多数生成し、ユーザーがその中から最も適切と考えるデータを選択するのを容易にすることが必要と考える。本研究では、運動の組み合わせの選択、キャラクタの姿勢、運動開始のタイミングなどをインタラクティブに変化させることのできる使いやすいインターフェイスを設計し、またシュミレーションを高速で行うことにより、トランポリン、フライング・ロープ、バンジー・ブランコのアクロバット演技の変化にとんだ運動をリアルタイムに生成するインタラクティブ・コンテンツを実現した
著者
坂本 敏幸 宇治川 利信 岩谷 義幸 伊達 吉克 松永 孝治 長町 亨 国重 静司
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.53, pp.1-6, 1998-10-08

Use of 3D CG for Election Reporting Program has been expanding in accordance with improvement of CG technology. In this paper we have outlined our development of in-house real time CG system for Election Reporting Programs and its stable operation.
著者
今村 浩一郎 濱住 啓之 佐伯 暖 岡 重雄 渋谷 一彦 佐々木 誠 金井 隆夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.7, pp.53-58, 2001-01-30
被引用文献数
16

地上デジタル放送におけるSFNを放送波中継で実現する場合、中継放送所の送受アンテナ間の回り込みによる発振や信号の劣化が大きな問題となる。この回り込み対策として、回路的に回り込みを打ち消す回り込みキヤンセラ、ならびに、低サイドローブ特性を有する平面受信アンテナの開発を行っている。本報告では、平成12年5月に東北地区の地上デジタル放送研究開発用共同利用施設である白石中継局において行った放送波中継SFN実験の結果について述べる。実験は、回り込みキヤンセラと平面受信アンテナを使用し、送受アンテナ非分離の形式で行った。この実験において、回り込み波の強さが親局波よりも強い条件下でも、安定に中継できることを確認した。
著者
光山 和彦 神原 浩平 鵜澤 史貴 中川 孝之 池田 哲臣
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.5, pp.13-16, 2010-02-10
被引用文献数
4

800MHz帯FPUの高度化を目指した研究を行っている.これまで伝送容量の増大と回線信頼性の向上を目的として,MIMO-OFDM伝送技術とLDPC符号を用いた誤り訂正技術を組み合わせた伝送装置の開発を行ってきた.今回実際の広島駅伝コースや長野マラソンコースの一部区間において,試作装置を用いた移動伝送実験を行い,MIMO検出器として実装したMMSEウェイトを算出するRLSアルゴリズムやLDPC復号の繰返し回数など受信システムの基本パラメータを最適化した.また,受信アンテナ数をパラメータとしてMIMO-OFDM伝送の回線信頼性をビット誤り率の累積確率分布を用いて比較評価したので報告する.
著者
矢萩 幸一 宮地 悟史 春日 正男 山本 英雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.12, pp.19-24, 2002-02-07

近年、長寿化、少子化による社会の高齢化が進んでいる。将来4人に1人が高齢者と言われる超高齢化社会を迎えようとしている今、介護者の減少、介護者の高齢化に伴い、介護者の負担の軽減が一つの重要な課題である。そのような観点から本稿では、遠隔地からの介護支援システムヘの適用を目的とし、対象の肌色情報とブロックマッチング法による対象の動き情報を用いて被介護者の位置を検出し、注目する画像領域を切り出して高解像映像として遠隔地側に提供する"部分領域画質制御"を行う遠隔映像モニタリングシステムを提案し報告する。