著者
矢萩 幸一 宮地 悟史 長谷川 光司 春日 正男 山本 英雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.21, pp.19-24, 2001-03-01
被引用文献数
1

肢体不自由者の多くは生活の大部分を介護者に依存している。また、将来4人に1人といわれる超高齢化社会を迎えようとしている今、介護者の減少、介護者の高齢化に伴い、介護者の負担の軽減が大きな問題となっている。本稿では、被介護者の状態を遠隔地からモニタリングするシステムへの適用を目的として、受信側からの操作により、適応可変解像度符号化(デジタルズーム)を応用し、注目部分の映像を全体シーンから切り出してこれに符号化レートを集中させることにより、その部分映像をより鮮明に伝送表示する映像モニタリングシステムを検討し、特定の状況下であるがその画質評価結果を示す。
著者
川邨 亮
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.33, pp.17-18, 2010-07-29

スペシャルドラマ「坂の上の雲」の目指したものは、明治時代の雰囲気を醸し出す映像創りある。実写では不可能に近い映像表現を可能にするVFX(Visual Effectsの略)技術を効果的に活用する為の設備整備と業務フローを新たに構築した。限られた制作条件の中でもハイビジョン映像が持つ豊かな表現力を遺憾なく発揮する制作形態を確立し番組制作に取り組んだ内容を報告する。
著者
山本 光重 佐藤 智和 横矢 直和
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.26, no.9, pp.55-60, 2002-01-30

花火ショーの演出作業において,花火師は花火の打ち上げ位置,タイミングや音楽との同期などの多くの要素を決定する必要がある.しかし従来,花火師は危険性や金銭的なコストの問題から演出結果を視覚的に確認することができず,演出作業を円滑に行うことが困難であった.そこで,本研究では,効率のよい演出作業を実現するための花火演出支援システムを提案する.ユーザは計算機を用いて打ち上げ位置,花火の種類,打ち上げタイミング,音楽といった情報を入力し,演出作業を行う.演出結果は入力されたデータに沿って,花火の実写映像を利用して計算機上でシミュレートされ,モニタやHMD上に可視化される.これによって,花火師は効率よく作業を進めることが可能となる.
著者
森 正樹 床井 浩平
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.7-10, 2014

本研究では自由視点映像の生成のために,運動する物体の周囲3方向に深度センサを設置し,それらから得たデプスマップを融合して,物体の全周形状を再構成する手法を提案する.動物体の全周形状の再構成という高負荷の処理に対して本研究では,GPUによる独自の形状処理・可視化手法を導入し,高速化を実現している.また,再構成した形状を立体視HMDを用いて観測するシステムの実装を行った.
著者
正岡 顕一郎 西田 幸博 菅原 正幸 中須 英輔
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.133-135, 2011
参考文献数
5
被引用文献数
4

実物感を提供するために実物感と画像解像度の関係を求めた.解像度の異なる画像と実物を提示し,実物に近く見える方を選択させる一対比較法を用いた実験を行った。両眼視差はシノプターにより除き,画像の大きさ,パースペクティブ,輝度,色度は実物と同一になるように提示した.その結果,角解像度が30cpd(cycles per degree)を超えても実物感は上昇し,60cpd辺りから緩やかに実物との差が分からなくなる傾向が見られた.
著者
岡本 義信 藪田 英雄 近藤 寿志 平田 公靖 中田 和宏 松野 知宏 平川 義宏 河内 庸彦
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.41-44, 2003
参考文献数
1

RCC中国放送は、当社の基幹放送局である廿日市送信所(1350KHz、20KW)の老朽化に伴い、移転,更新工事を行った。本稿では、移転に至る経緯、国際調整、狭い土地でのアンテナ能率の改善、雷対策など、大規棋局移転のさまざまな問題点について報告する。
著者
池田 論 森屋 俶昌 パンラウィー プタンナクール チャトリー ブッチャ
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.56, pp.75-81, 1997-09-26

近年、放送衛星は世界中で広く使用されている。また、衛星や受信アンテナの技術が改善されたことにより、小口径アンテナによる受信が可能になった。CN比は衛星放送受信の質を表わす値の1つであり、その値は伝搬状態の様々な影響により変動する。特に雨による影響は大きいが、他の現象として、今回の観測で太陽雑音妨害によるCN比の低下の影響が、最高で約5[dB]という値が観測された。太陽雑音妨害は受信アンテナ、衛星, 太陽が一直線に並んだ時に、太陽雑音が受信アンテナのメインピームに入ることにより雑音温度が上昇しCN比が低下する現象である。この現象は年2回起こり、受信状態(特に受信アンテナの口径)、受信地などの条件により異なるが春分の日, 秋分の日の近辺で数日間観測される。今回の研究では、正確にCN比の変動時間を測定するために、時間に対し連続した値で測定できるCN比測定器を用いて観測した。
著者
渡邉 野々香 伊藤 彰教 伊藤 謙一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.93-96, 2016

ストーリーを歌詞で語らせるミュージカルは、音楽構造・シナリオと歌詞・映像構成を有機的に計画する必要がある。従来のNLSによるビデオコンテではこの点が計画しにくい。そこで本研究ではアメリカのミュージカル映画およびドラマでカットの多いミュージカルシーンを対象とし、カット分析・楽曲分析・歌詞の音韻調査を行い、制作技法上の有機的構造を調査した。並行して絵コンテ・楽譜・音韻記号を可視化の観点から再定義し、前述の有機的構造を統合的ビジュアライズする手法を検討した。この成果を元に、プレプロダクション用アプリを想定したデザインテンプレートを構築し、用途に応じた動的な構成を検討可能にした。
著者
森藤 元 安細 康介 渡辺 大 吉浦 裕 瀬戸 洋一
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.61, pp.43-48, 2001-09-21
被引用文献数
2

デジタルカメラを用いて撮影された写真は, 撮影後に編集されたか否かの判定が困難であるために証拠として採用しにくい。また, 不正な複製や部分使用も容易である。本稿ではデジタル署名により改ざん検知を可能とし, 電子透かしにより権利者を特定可能とすることで証拠写真として採用可能な写真を撮影できるデジタルカメラシステムについて述べる。また, 機能を実装したデジタルカメラを試作することで, 本システムの妥当性についても述べる。
著者
竹本 良章 小林 賢司 月村 光弘 高澤 直裕 加藤 秀樹 鈴木 俊介 青木 潤 近藤 亨 齊藤 晴久 五味 祐一 松田 成介 只木 芳隆
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.5-8, 2016

3次元積層技術を用いた多層フォトダイオードCMOSイメージセンサによるマルチバンドイメージングを実証した.このイメージセンサは,フォトダイオードアレイを有した複数の基板を積層し,それぞれのフォトダイオードアレイを独立して駆動する事で,最適化した駆動条件でそれぞれの画像を取得できる.また積層構造を活かし,これまでの2次元構造で用いられたようなRGB (Red, Green, Blue)画像に限らずIR(赤外)画像も同時に取得するといったマルチバンドイメージングが実現可能である事を確認した.この際にそれぞれのフォトダイオードアレイでRGB画像とIR画像を同一デバイスで同時に撮像可能であり,RGB画像の画質劣化を引き起こす事もない.このような特徴を活かし,これまでのIRイメージセンサとRGBイメージセンサを組み合わせたシステムと比較し,より小型・安価かつ多機能なシステムの実現が期待される.
著者
掛川 茉祐 小宮山 諒 政倉 祐子 菊池 眞之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.38, no.46, pp.25-28, 2014-11-21

本研究では,音楽聴取時の前頭葉の脳活動を2ch NIRSを利用して得られた脳活動データの分析を行った.分析ではジャンル識別やSD法による感性評価との関連性について検討を行った.脳活動データに対してベースライン補正を施したうえで,ジャンル識別についての分析を行った.脳活動と感性評価それぞれを多次元空間中のデータと見なしたときの,任意の2曲間の各空間内での距離同士の相関を調べてみたところ,最も相関の高い被験者・ジャンルの組み合わせでも高々3.0%程度となった.また,2クラスのジャンルの楽曲を用いたジャンル識別においては比較的高い識別率も得られているが,ジャンルによっては識別できていないものもあった.これらの分析より,前頭葉脳活動から聴取楽曲のマクロな性質を見出せることが示唆されたが,客観的脳活動データと主観的感性データの対応を取るための尺度については今後さらに模索する必要がある.
著者
林 正樹 道家 守 有安 香子 浜口 斉周
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.27, pp.27-32, 2001-03-14
参考文献数
6
被引用文献数
3

TVML(TV program Making Language)は、1996年に筆者らによって提案された、テレビ番組を記述する言語である。これは、番組内容を抽象度の高い表現、例えば「タイトル♯1」、「ズームイン」などのテキストで記述するものである。一方、このTVMLで書かれた台本を読みとり、自動的に番組映像音声を出力するソフトウェアをTVMLプレイヤーと呼んでいる。本稿では、TVMLの言語仕様、最新バージョンのTVMLプレイヤー、そして番組制作例について簡単に紹介する。また、TVMLをインタラクティブアプリケーションへ応用するための機能としてTVMLプレイヤーの外部制御モードについて述べる。さらに、言語を知らないユーザーでもTVML台本が作れるユーザーインターフェースとして開発されているTVMLオーサーについて述べる。TVMLは、テレビ番組制作のツールのみならず、ネットワーク、マルチメディアの分野にまで広がる広範な応用が期待できる。
著者
酒井 えりか 伊藤 彰教 伊藤 貴之
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.123-124, 2016-03-02

毎年たくさんのアニメやゲームが制作され,数多くのキャラクタが生み出される.声色の印象が与える効果はコミュニケーションにおいて約4割を占めるという考えがある.そういった考えからも,その声を担当する声優のキャスティングは,キャラクタの印象を決定づける重要な要因となる.そこで本研究では,ゲームからセリフを録音し音響特徴量を計算し,今回は基本周波数をヒストグラムと散布図にて表示した.さらに,キャラクタの性格分析を行う.最終的には性格から声質を推薦するシステム開発をめざしている.
著者
塩見 友樹 堀 弘樹 上本 啓太 杉山 阿聖 宮尾 克
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.35, no.16, pp.17-20, 2011-03-08
参考文献数
10
被引用文献数
1

現在,立体映像技術において,よく問題視されるのは立体視による疲労や立体酔い等の悪影響である.その原因に水晶体調節反応と輻輳運動の乖離がよく挙げられるが,我々は先行研究で,乖離は確認されないと述べてきた.しかし同時に計測できず,その立証が不十分であった.今回我々は調節と輻輳を同時計測する方法を開発し,実物体を見ている際の計測により計測方法の妥当性について,2D,3D映像注視時では乖離について検討した.その結果,実物体における計測では調節,輻輳ともに焦点距離は良く実物体までの距離と一致しており,この計測方法で正確に計測できることが分かった.また2D,3D映像注視時の計測では乖離が起きていないことが分かった.
著者
谷 千束
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.22, no.36, pp.1-6, 1998-06-26

日本電子機械工業会のマルチメディア研究会でまとめたホーム・パーソナル分野における「2005年マルチメディアビジョン」とそこで描かれているディスプレイ応用像についてその概要を紹介する。
著者
原 祐里子 渡邉 賢悟 伊藤 彰教 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, no.14, pp.89-90, 2015-03-07

スクリャービンやメシアンなど共感覚を持つといわれている作曲家たちは、独自の感覚によって、音高や調性と色彩が感覚的に結合している。一方で子供たちなどは、特殊な感覚が無くとも音高や調性と色を自由に結び付けて音楽的な遊びを行うことは珍しくない。本作品は音高と色彩とを古典的な音楽インタフェイス上で柔軟に組み合わせることにより、こうした融合的な感覚を手軽に楽しめるようにしたインタラクティブ作品である。3DCGを用い、iOS上にSwift言語により実装した。
著者
大澤 洸平 茂木 龍太 兼松 祥央 鶴田 直也 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.107-110, 2016-03-02

アニメ等のコンテンツ作品には物語があり、その物語にキャラクターは必要不可欠である。キャラクターは物語の中でさまざまな表情を見せるが、その表現は多様にあるため描き分けることは難しい作業である。本研究は、既存10作品に登場するキャラクター61人の表情を合計763カット分収集し、それらを眉・目・口の形状と涙や汗などの表情要素の有無から214の表情パターンに分類した。そして、それらの表情カットを検索できるスクラップブックを開発した。実験結果から本スクラップブックを使用することにより制作者の描くことができる表情バリエーションを増せることが確認できた。
著者
三ヶ尻 達哉 菅野 太介 三上 浩司 近藤 邦雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.40, no.11, pp.283-286, 2016-03-02

本研究では試練要素の発想支援や配置するタイミングについての支援を行うことを目的にした。執筆者が既存作品もしくは自己の作品から試練要素を抽出し、データベースとしてまとめる。このデータベースを基に試練要素を含んだプロットを作り、試練要素を入れるタイミングをスムーズに設定できる試練要素支援ツールを開発した。本ツールの有用性を示すため、被験者にツール使用前とツール使用時で比較した。実験の結果、より多くのプロットを作成することに成功させることができた。
著者
浦壁 隆浩 岩田 明彦 田中 正明
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.37-42, 1997-01-22
被引用文献数
1

PDPは数百Vの電圧パルスによって制御されており、また構造上容量成分が大きいため電圧パルスによる電力損失は無視することはできない。現在、PDPには電圧パルス発生回路に電力回収回路を付加することにより、この電力損失を抑えている。本報告では、電力回収回路の高効率化を目的とし、従来方式とは違う電流パス切り換え自己回収方式を提案した。この方式は、電荷の反転用に用いる2つのコイルの直、並列接続状態を充電期間の任意の時刻で切り換えることにより、パネル充電の傾きを最適化し、回収回路の高効率化を図つたものである。また、本回路の実パネルヘの適用時にPDPの放電特性に与える影響を調べた。本試験の結果、従来式と回路素子数が同じ条件の場合、従来比63%に電力損失を低減でき、また、損失が同じ条件の場合、回収回路構成素子を半分にできることが分かつた。