著者
相田 満
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014-CH-101, no.10, pp.1-3, 2014-01-18

マンガを文学として扱う際の問題は,すでに文学研究に現れていたといえるだろう.逆に,マンガを研究の素材として扱うことからは,文学研究として様々な示唆を受けることも多い.両者のパラダイムは,将来的にも,相互に刺激し合うことになるだろう.ここでは,パネル討論への参加に際して,「あえて」 文学研究の側から考えるという枠組みに従って所与のテーマに応える意味での見通しを述べてみたい.
著者
土山 玄
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-107, no.7, pp.1-6, 2015-08-02

近年ディジタルヒューマニティーズが注目されるにともなって,計量文献学の手法を用いた文学作品の計量分析が盛んになっている.文章を計量的に分析するという点で,計量文献学は最近の学問のように思われるが,その研究の萌芽は 19 世紀の西欧にまで遡る.そこで,本論文では内外の計量文献学の達成の歴史とその研究方法を概観する.文章の計量分析では主に著者の識別,及び著作の成立年代あるいは成立順序の推定が研究目的となり,語の長さや語の頻度などの項目が分析に用いられてきた.本論文ではこれらの分析項目の特徴についても検討を加える.
著者
岩崎陽一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-6, 2014-05-24

本稿は、ひとつの図書館用音楽コンテンツ配信サービスの事例を取りあげ、デジタル・アーカイブやデジタル・ライブラリーが人文学の研究の発展に寄与するために具えるべき情報検索インターフェイスと、それが依存するメタデータ構造について論じる。音楽コンテンツ配信サービスが学術データベースとして有効に機能するために設計した諸機能について、その設計思想を含めて抽象化して記述するという方法をとる。キーとなる発想は、資料の物理的形態に引きずられた設計を抜け出し、利用者の潜在的要求を満たす方法を考え直すことにある。This is a case study of a digital music distribution service for libraries to investigate into requirements for the information retrieval interface and metadata structure of digital archives and digital libraries to support the researches activities in humanities. The fundamental idea described here is that the interface should not be designed after physical forms of the content items.
著者
世利 彰規
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-106, no.6, pp.1-5, 2015-05-09

本発表ではロシア語で書かれたソーシャルメディアを用いた言説分析の経過を報告する.今回は,ツイッターを資料として用いる.まず先行する電子化されたロシア語の言語資料について紹介する.次にツイッターからデータを取得する上で使用した API やツールについて説明する.さらにロシア語を分析する上での,ロシア語の文法に関わる固有の問題について述べる.最終的に 「日本」 というキーワードで検索して取得したツイートを数量や共起頻度などの角度から分析し,ツイッターを使用するロシア人がもっている日本についてのイメージを取り出すことを目指す.
著者
安岡 孝一
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:21888957)
巻号頁・発行日
vol.2015-CH-106, no.2, pp.1-8, 2015-05-09

「パソコンのキーボードのキーの配列が不自然だと思ったことはありませんか」 から始まる読売新聞記事 (2015年3月2日) に反論を試みた.記事のごく一部は訂正されたものの,反論の大部分は徒労に終わり,「連続して打つ頻度の高い文字を遠ざける並び方に変えた」 というガセネタが,再々流布される結果となった.このような局面において,人文情報学に何ができるのか,問題提起と考察を試みる.
著者
守岡知彦
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013-CH-99, no.1, pp.1-7, 2013-07-27

アニメやマンガ等の高度に記号化されたキャラクターを身体や衣装等で表現するコスチュームプレイ (コス) はキャラクターというものを考える上で重要な示唆を与えてくれる対象だといえる。コス文化は現在世界に広がっているが、日本のコスは極度に写真指向になっており、パフォーミングアートを中心とする諸外国のありようと大きく異なっているといわれる。また、写真の扱われ方や評価軸においても独特の世界を作っているように思われる。こうした日本のコス写真のありようを研究する上では写真の収集・分析が欠かせないといえるが、自動化・省力化のためのツールやコス写真コーパスの実現可能性について議論したい。
著者
岩崎 陽一 白柳 龍一 中村 京子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-4, 2014-10-11

放送局の保有するラジオ番組の録音には,音楽史を知るための貴重な資料が含まれているにも関わらず,わが国ではそのほとんどが一般には公開されていない.本稿は,NHK アーカイブスの放送音源の一部をデジタル配信および高品位 CD で提供する,NHK エンタープライズとナクソスの共同事業を紹介する.そのなかで,人気ではなく資料価値を重視した場合のデジタル配信の優位性を明らかにし,また実演家の許諾取得に伴う法的および 「道義的」 課題とを論じる.Each broadcasting station has broadcast archives, which contain audio recordings that may be valuable materials for research in music history. Nevertheless, in our country, most of such archives are not available to the third party people. This paper introduces the joint projects of NHK Enterprises and Naxos for distributing a part of NHK radio broadcast archive digitally and physically. We will focus on the advantage of digital distribution as a means for spreading valuable but less popular materials, and legal and moral issues concerning rights handling.
著者
小野原 彩香
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012-CH-94, no.4, pp.1-6, 2012-05-19

本研究では,揖斐川上流域における基礎語彙の調査結果を元に系統推定を行い,徳山村の村落が他の集落と系統上で隔絶されることが確認できた.また,ランダムフォレストを用いて,集落ごとの特徴語彙を抽出した.
著者
上阪 彩香 村上 征勝
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012-CH-94, no.3, pp.1-5, 2012-05-19

『好色一代男』 などで知られる江戸時代前期の作家井原西鶴 (1642?~1693) の遺稿集とされる5作品に関しては,門下の北条団水らによって加筆・修正されたのではないかという疑問が出されている.本研究では,遺稿集の 『万の文反古』 に関し,文章の計量分析という観点から,この問題の検討をするため,『万の文反古』 の文章と西鶴作であることが確実な 『好色一代男』 の文章との比較を試みた.また,遺稿集のなかの『西鶴織留』の文章との比較も試みた.
著者
堀野 あゆみ 時井 真紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.6, pp.1-3, 2014-07-26

妖怪は日本人に親しみがある存在である.その妖怪を取り巻く背景として,歴史,地理,風習,宗教観等を学ぶことで,日本の文化を知り,異文化理解に貢献できるのではないかと考えた.そこで,情報学の観点から,「日本の文化を新しい形で発信する」 ことを目的に拡張現実感 (Augmented Reality: AR) 技術を用いた複数人で学ぶシステムを提案する.妖怪を案内人として,日本を旅するシステムを通して,学校教育で学んだ知識を体系立てて学び直し,日本の文化への興味関心を促進させる.Japanese have been familiar with Yo-Kai. There are some researches about Yo-kai in historiography, geography, folklore and so on. We think that learning about Yo-kai helps to understand Japanese culture, leading to the cross-cultural understanding. From the point of view of Informatics, we suggest the system using Augmented Reality (AR) to learn Japanese culture by a small group. In the system users travel around Japan as they pursuit Yo-Kai. They relearn the knowledge that they have already studied at school from the various aspects, which, we expect, makes them interested in Japanese culture.
著者
井出 明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.4, pp.1-6, 2014-05-24

近年,観光学における新しい旅の形態として "ダークツーリズム" が注目を集めている.ダークツーリズムは,レジャーや娯楽といったこれまでの観光から一線を画し,旅の目的を地域の悲しみの承継や死者への追悼に求めるものであるが,こうした旅を享受するにあたって,ICT が大きな役割を果たすのではないかと期待されている.本報告では具体的な事例を交えて,ダークツーリズムと呼ばれる観光学の先端領域を ICT の観点から捉え直す.Recently, "Dark Tourism," a relatively new concept in tourism studies, is becoming increasingly popular. Unlike traditional tourism, dark tourism can hardly be considered a leisure activity or hobby. The main purpose of dark tourism is to succeed to local grief or mourning for the dead. ICT is expected to play a big role in enabling people to enjoy this kind of tourism. This study aims to reconsider dark tourism, an important area in tourism studies, in terms of ICT, taking actual cases into account.
著者
中村 雄祐 美馬 秀樹 増田 勝也 鈴木 親彦
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014-CH-102, no.5, pp.1-5, 2014-05-24

人文学・社会学における学際研究とはどのようなものなのか,これからどのように発展させていくのか.我々は,東京大学大学院人文社会系研究科に 2000 年に設立された人文社会系の学際的研究・教育プログラム,「文化資源学研究専攻」 を対象に研究領域の形成過程を分析している.具体的には,文化資源学研究専攻の授業シラバス (2013 年時点で約 600 件),および修士論文 (2013 年時点で約 80 本) の 「論文要旨」 「参考文献一覧」 を対象として,報告者の一人である美馬 (東京大学知の構造化センター准教授) が中心となり開発したテキスト分析システム MIMA SEARCH を用いて解析し,中村 (東京大学大学院人文社会系研究科准教授)・鈴木 (同博士課程) がその解釈を行っている.今回は,シラバスと修士論文要旨についての分析・解釈を報告する.
著者
永崎 研宣 清水 元広 下田 正弘
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-6, 2013-01-18

コンピュータ上で外字を扱うことは,人文学研究,とりわけ古典を扱う場合には避けることが難しい事柄である.やみくもに外字を増やすことは望ましいことではないが,字形の違いをなかったことにしてしまうことには潜在的な問題がある.したがって,包摂を前提とする UCS 符号化文字集合をそのまま全面的に導入することは困難である. SAT 大蔵経テキストデータベース研究会では,外字の扱いを巡って検討を重ねてきており,近年普及しつつある IVS を利用することで UCS 符号化文字集合の適切な利用方法を模索することを開始すると同時に,約 3000 字の漢字に関して IRG に対して符号化提案を行った.本稿では,そこに至る検討過程について報告するとともに,外字を UCS 符号化提案した際の具体的なデジタル技術の活用の仕方についても紹介する.As a result of the process of encoding all texts in the primary canonical collection of Buddhist scriptures composed in classical Chinese, called the "Taisho Shinshu Daizokyo," (collection of Buddhist canonical texts compiled during the Taisho era) the SAT Daizokyo Text Database Committee began to address UCS encoding of unencoded ideographs contained in this collection. This paper describes the usage of digital technologies for this work and discusses some technical issues concerning unencoded characters in the humanities.
著者
研谷 紀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.1-5, 2013-07-27

2010 年代より普及した、タブレット端末に対応する Digital Cultural Heritage が多数開発され公開されてきている。タブレット端末が普及する黎明期に、どのような文化資源を対象としたコンテンツが発売されたかを把握することは、将来 Digital Cultural Heritage の歴史を編成する上で、重要な記録となろう。記録を行う上では、文字によるメタデータの形で残すことが必要であるが、どのような項目を遺すべきかについて検討する必要がある。また、メタデータ情報を形成する場合、Apple 社の Apple iTunes Store などの公開頒布サイトで公表されているメタデータを活用することが考えらえる。本試論では、主に公開頒布サイトで公開されているメタデータが Digital Cultural Heritage の記録を遺すメタデータとしてどの程度有効であるかを検証する。その上で、タブレット向けの Digital Cultural Heritage の存在をどのように後世に残していくかについても検討する。Digital Cultural Heritage has been developed and published for the tablet machine which spread out in 2010s.It becomes important for considering and descripting about the history of Digital Cultural Heritage in the future to record content of it. Although literal metadata should be reserved, we should consider what kind of element should be adapted. And, one method of constructing metadata is adapting metadata which published in Apple iTunes Store .In this tentative study, I verify the availability of metadata which published in Apple iTunes Store as preserved and succeeded metadata for Digital Cultural Heritage. Moreover, I considered how to record existence of Digital Cultural Heritage for tablet in the future.
著者
守岡知彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-7, 2013-07-27

アニメやマンガ等の高度に記号化されたキャラクターを身体や衣装等で表現するコスチュームプレイ (コス) はキャラクターというものを考える上で重要な示唆を与えてくれる対象だといえる。コス文化は現在世界に広がっているが、日本のコスは極度に写真指向になっており、パフォーミングアートを中心とする諸外国のありようと大きく異なっているといわれる。また、写真の扱われ方や評価軸においても独特の世界を作っているように思われる。こうした日本のコス写真のありようを研究する上では写真の収集・分析が欠かせないといえるが、自動化・省力化のためのツールやコス写真コーパスの実現可能性について議論したい。
著者
田辺 浩介 高久 雅生 江草 由佳
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.1-6, 2013-01-18

本稿では,FRBR モデルに基づく書誌管理システム,特に Work/Expression の関連性の登録に着目したシステムを試作した結果について報告する.本研究では,関連管理システムを開発し,国語教科書の書誌データを収録している既存の目録システムに対して, FRBR の Work/Expression 関係に基づいた著作の関連データを付与できるようにした.This article reports on the development of a cataloging system based on FRBR model, especially focused on Work/Expression relationship. In this research, we developed an entity-relationship management system based on FRBR model, which can add Work/Expression relationships on the existing cataloging system that holds bibliographic records of Japanese language textbook.
著者
高橋 洋成
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.6, pp.1-7, 2013-07-27

本報告は,紀元前 14 世紀のエジプトとパレスチナとの間でやり取りされた書簡 (アマルナ文書) の電子化について,これまでの経緯,現状および将来の展望について報告する.具体的には,TEI/XML を利用して画像・文字・翻字・言語解釈の各データを有機的に関連付ける方法と,作成されたデータを開かれた言語研究のネットワーク (LLOD) に参加させていく必要性について述べる.This paper describes the background and current approach to the digitalization of Amarna letters, most of which were diplomatic documents between Egypt and Palestina in 14 BCE. Using TEI/XML, images, cuneiforms, transliteration and linguistic analysis are systematically combined, which in turn are intended to contribute to the open network of linguistic studies, called LLOD.
著者
永崎 研宣 苫米地 等流 下田 正弘
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-8, 2013-01-18

SAT2012 は,テキスト・データベースの利便性を高めるべく,パラレルコーパス等を構築するとともに,様々な他のリソースとの連携機能を盛り込むなどして公開された新たな Web サービスである.本稿では, SAT2012 構築に際して採用した人文系データベースの構築手法や他のリソースとの連携手法について,近年の Web 技術やデジタル・ヒューマニティーズの手法の流れの中に位置づけつつ報告し,テキスト・データベースの新たな可能性について検討する.The SAT2012 is a new version of a Web service that delivers online Buddhist scriptures along with various cooperative resources as a way of bringing forth the optimum possibilities of a textual database. As the result of a collaborative effort, the SAT database is now seamlessly interacting with several online projects that deal with CJK ideographs, as well as field-oriented bibliographical databases. This paper describes the technical aspects and management of the collaborative works of the SAT2012 by comparing it with recent trends in current Web technologies and the digital humanities, at the same time discussing the possibilities of textual databases in general.
著者
須永 哲矢 堤 智昭 高田 智和
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.2, pp.1-6, 2012-07-28

国内規格JIS X 0213に定める「漢字の字体の包摂規準」の,明治前期漢字活字に対する有効性を,当時の雑誌『明六雑誌』の電子化を通じて検証した.『明六雑誌』第1号,第26号の2冊,計7,442漢字を対象に調査を行ったところ,JIS X0213文字集合のみで処理した場合のカバー率は86%であった.これに対し包摂規準を適用して処理を行うと,199設定されている包摂規準のうち81が実際に使用され,カバー率も98%まで向上することが確認できた.The domestic standard for kanji character codes, JIS X 0213, prescribes the "unification standard of kanji character forms", a regulation to be applied to kanji variants. The paper examines the effectiveness of the unification standard over the printing types of the early part of the Meiji period, using "Meiroku Zasshi" as a sample. In the course of construction of an electronic corpus of "Meiroku Zasshi", we conducted research upon 2 issues (1st and 26th). Among 7,442 kanji printing types included in the sample, 86% initially correspond to the character set of JIS X 0213. When the unification standard is applied to the processing, with 81 out of the total 199 detailed regulations being employed, another 12% printing types are newly processed, increasing the total processing rate to 98%.
著者
市村 太郎 河瀬 彰宏 小木曽 智信
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.1-8, 2012-10-05

本稿では,国立国語研究所 「通時コーパス」 プロジェクトの一環として検討されている, 『洒落本大成』 『虎明本狂言』 の電子化について,構造化仕様・文書型定義を示し,割書や発話表示等,資料特有の形式の扱いや,それに伴う課題等について論ずる.This paper describes the specification and Document Type definition(DTD) for digitized documents of "Sharebon" and "Toraakira's Kyogen", as part of NINJAL Diachronic Corpus Project, and discusses its characteristic properties, styles and issues.