著者
岡田 裕 金田 重郎
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2009-IS-108, no.2, pp.1-8, 2009-05-29

オブジェクト指向は,情報システム設計のための強力なツールである.しかし,現実には,業務全体のデータ整合性と組織間の連携関係を見出し,かつ業務専門家からの処理要求をうまく設計に活かすことは,とりわけ初学者にとっては難しい.本稿では,MASP アソシエーションが提案している 「概念データモデリング (CDM)」 を 「責務駆動設計 (RDD)」 と組み合わせることで分析・設計工程をより一貫したものとし,分析結果を設計工程にそのまま生かす手法を提案する.実システム (A 自治体向けの CMS) に適用した結果,ビジネスモデルの本質を見直すことができ,それを生かした責務を持つオブジェクト設定が可能となった.結果的に,将来のビジネス機能の追加に伴う改造が容易なモデル実現が可能となったと考える.
著者
二見 晋平 藤本 貴之
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.18, pp.1-7, 2010-03-10
参考文献数
3

近年,競技性を持ったコンピュータゲームが 「e-sports」 と呼ばれ,注目を集めている.特に欧米を中心に e-sports を新しいスポーツの一つとしてみるような動きも始まっており,商業的な成功を収めつつある.しかしながら,日本ではコンピュータゲームである 「e-sports」 は,未だまだ 「遊戯」 の域を出るものとは考えられておらず,その認知度も低い.また,コンピュータゲームそのものが 「内向的な遊び」 と捉えられているため,その競技性も認められていない.本論文では,e-Sports が持つ競技性について議論し,それが身体性を拡張に及びす影響について言及をする.そしてそのトレーニングを支援するための e-Sports Learning System を提案する.Recently, the computer game with the playability is called "e-sports". And, "e-sports" is paid to attention as one of new sports. However, "e-sports" is still thought as "Toy Game", and are low levels of acknowledgment in Japan. Moreover, the playability is not admitted. In this paper, we discuss the playability of "e-Sports", we propose "E-Sports Learning System" to improve physical strength in Real World.
著者
飯塚 佳代 鈴木 釈規 石川 雅之 飯塚 泰樹 吉田 享子
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.2, pp.1-8, 2011-08-29

災害対策は,大別して 「公助」・「共助」・「自助」 がある.現在まで行われている多くの対策や研究は国や自治体を中心とした 「公助」 であるとされているが,実際に助かった人の多くは 「共助」「自助」 によるものであり,その重要性が叫ばれている.本稿では,大学のキャンパスなどに代表される施設において共助を支援するためのユーザ参加型キャンパス内リアルタイム被災情報マップを提案する.PlaceEngine の位置情報を活用することにより,ユーザが自分のいる位置を把握しながら情報を登録できるしくみを組み込んだ.There has been great improvement in various disaster prevention countermeasures and their researches. However, most of the countermeasures that have been implemented are classified as "kojo" which are implemented by public sectors (in Japanese). Therefore, it is considered that the importance of both "jijo" (countermeasures implemented by the individual) and "kyojo" (countermeasures implemented by mutual assistance) is increasing, because in actual fact many people survive in times of disaster by mutual assistance or self support. In this paper, the authors propose a system that facilitates disaster situation information transmission by users in the facilities such as university campuses, in order to address these prevention issues. PlaceEngine is implemented for this system to allow users to estimate the current location easily by utilizing Wi-Fi devices.
著者
岡田 将太朗 奥野 拓
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2021-IS-158, no.5, pp.1-4, 2021-11-27

本研究の目的は,マインドフルネスを用いてスマートフォン依存症を容易に改善できる仕組みを実現することである.そのために,マインドフルネス認知療法を支援するスマートフォンアプリを構築する.本研究ではマインドフルネス認知療法の一種であるマインドを用いる.マインドは,出来事や思考に対する自身の感情を擬人化して扱う手法である.自身の感情を擬人化し客観的に観察することにより,その感情を引き起こした出来事や思考に対するストレスを軽減させるという効果がある.本研究にて構築したアプリでは事前にユーザに,依存しているアプリとそのアプリを制限したい時間帯を設定してもらう.その後,設定した時間帯に依存アプリを開いた場合にのみ,本アプリが自動的に起動する.ユーザはその際に浮かんできた思考や出来事を記入する.記入後,それらの思考や出来事に対する感情が推定されるため,その感情を観察することでマインドを行う.しかしながら,先行研究においてスマートフォン依存症者にスマートフォンを通じてマインドフルネス認知療法を行うことや,推定された感情を観察してマインドを行うことの有用性については検証されていないため,本研究では脳波や構築したアプリから取得するデータを用いて,それらの有用性についても検証を行う.
著者
出崎 達也 小板 隆浩
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2020-IS-154, no.12, pp.1-2, 2020-12-05

近年,リモートワークを取り入れる企業が急速に増えている.しかしリモートワークには目の届かない所でちゃんと働いているかわからないといった不安の声が多くあり,遠隔での労働状態を把握することが一つの問題となっている.遠隔での状態を把握するための手段としてアイトラッカー等を設置し視線に関する情報から状態を分析する研究がされているが,特別な機器を必要とする手法は配備に費用がかかり,手法の大規模な実践が困難となる課題を抱えている.そこで本研究はアイトラッカーを使用せず視線情報を得る手法として PC 等に備わった web カメラから視線情報を予測する技術に注目し,この技術での視線予測精度を評価しながら労働状態の分類にアイトラッカーに代わり用いることの可能性を調査した.
著者
桑原 希尽 江崎 和博
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2014-IS-129, no.2, pp.1-5, 2014-09-03

ソフトウェア開発プロジェクトの成功率は低く,その多くがプロジェクト崩れとなり失敗に終わっている.一般的に,成功率は約 30%と言われており,いかに失敗プロジェクトが多いかということが分かる.そこで,プロジェクトの計画段階で,プロジェクトの失敗するリスクを推定することができれば,計画段階でリスク対策を織り込むことによりプロジェクトの成功率を改善できる可能性がある.本研究では,まず第一歩として,プロジェクトにおけるリスクマネジメントの研究に関する動向を調査した.本論文では,その調査結果について報告する.
著者
伊藤 永悟 藤本 貴之
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2015-IS-132, no.5, pp.1-4, 2015-06-06

近年,コンピュータは高機能かつ多機能なものとなった.開発環境も洗練されたため,多様なプログラムを低労力で実現することが可能である.しかし,プログラミング初心者にとっては,開発環境を整えること自体が大きな障害となる.また,短い記述で多くの処理を実現可能であるため学習のために求められるプログラムが複雑化しやすい.初心者向けに広まっているビジュアルプログラミング言語は,あくまで記述を視覚化して直感的にしたに過ぎない.この問題を解決するため,本研究では単純な計算を機械式計算機のメカニズムを用いて多くの段階を経て計算させることで,単純なプログラムを通じたプログラミング教育を可能とするシステムを提案する.
著者
金田 重郎
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2011-IS-117, no.7, pp.1-8, 2011-08-29

Object 指向は,英語圏で開発された概念であり,英語の認知構造が反映されている.しかし,我が国の学生・SE は,日本語に 「翻訳」 されたテキストを用いて,Object 指向を学んでいる.例えば,「オブジェクト指向は,対象世界の 『もの』 に着目して,ビジネスを分析する手法」 とされる.しかし,認知文法では,英語の Object は,日本語の 「もの」 とは一致せず,可算概念 (名詞) と対応する.Person は,Object であるが,Water は Object ではあり得ない.Event は Object である.一方,Object を 「もの」 と認識してしまうと,「発注」 等の 「イベント」 を Obejct として扱うべきか否かを悩むことになる.日本語によるヒアリング結果・仕様記述をクラス図へ変換する作業は,日英翻訳に等しい.そこに,日本語で Object 指向を学ぶひとつの困難性がある.この問題を解決するためには,Object 指向の学習に認知文法の学習を取り入れ,機械翻訳におけるプリエディットと同等の作業を,クラス図の作成時に,を行う必要がある.認知文法は,この変換作業におけるプラクティスとして利用できる.
著者
小高 文博 佐藤 建吉
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2011-IS-117, no.8, pp.1-4, 2011-08-29

現代社会を支える情報システムは,巨大化し階層化された複雑なシステムであるが,複雑化した仕様によるシステム完全理解の困難さによる実装の不完全のため,未来に障害となりうる要因を宿命的に抱えているシステムとも言える.情報システムの核となるソフトウェア開発プロセスの信頼性向上や生産性向上を目的とした言語や開発方法・技法が生まれたが決定打はない.これは,プログラミングの開始時点ではまだ設計工程が完了形ではないにも関わらず,製造工程として,プログラミングを行うためである.プログラミングを設計工程としてとらえ,詳細設計とプログラムコードを同時に表せるような設計記法の可能性について考察する.
著者
児玉 公信
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2019-IS-147, no.7, pp.1-8, 2019-02-28

SESSAME WG2 の 「話題沸騰ポット」 の分析モデルには疑問がある.そのモデルでは,「ふた」 や 「給湯口」 がクラスとなっている.「ポット」 というシステムにおいて,「ふた」 や 「給湯口」 はどれほどのデータや責務を持っているというのだろうか.経験的に,このモデルは少なくとも二つの目的を混合していると感じる.一つはポットの制御システムの設計,もう一つはポットの物理的構造の設計,すなわち部品表である.従来の部品表のモデルは 「品目」 クラス間の再帰関連で記述され,そのインスタンス群は木構造となる.ここでは,「ふた」 や 「給湯口」 は 「品目」 クラスのインスタンスとされる.しかし,製品が多仕様化する現代では 「ふた」 や 「給湯口」 などの部品のバリエーションが多数あり,それゆえその間のリンクには明確な制約が必要となる.これを記述する部品表は Fowler のいう分析モデルの知識レベルにあるが,これまでデータモデルの視点でしか議論されないできた.本報告では,こうした多仕様の部品表を記述するためのモデリング要素としてステレオタイプ <<item>> を提案し,「話題沸騰ポット」 の多仕様版のモデルを記述してみる.この作業を通して,制御システムとのモデルの分離を試みる.
著者
橋本 英明 藤本 貴之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.1-4, 2013-11-25

近年,アニメは日本を代表するデジタルコンテンツとして世界で広く認知されるようになり,今までの子供のためのものといった認識や,趣味,娯楽の域を越え,世界に誇れる日本の文化になりつつある.また,「プリクラ」 や 「面白カメラアプリ」 が流行していることから,人物を撮影し,加工するものは需要が高まっていると考えられる.そこで本研究では,撮影した人物にスーパーデフォルメ加工を施すことによって,ちびキャラ化 (2 頭身化) させるスマートフォンカメラアプリケーションを提案する.本システムにより,撮影した人物のちびキャラ化 (2 頭身化) をカメラアプリケーションのみで誰でも容易に作成することが可能である.ちびキャラとは,スーパーデフォルメと呼ばれる手法で描かれた頭身の低いアニメキャラクターである.概ね 2 頭身であり,そのユーモラスな風貌は若年層からの人気が高く,漫画やアニメだけでなく CM などのマスコットとして,応用利用されている.そして,本システムの仕組みはブルーバックで人物を撮影し,首の位置に 「境界線」 を合わせる.これにより自動で人物の頭と胴体の比率を変更しスーパーデフォルメを実現する.Today, Japanese animation is a digital contents which represents Japan, and it become worldwide that me really proud of. Also, Print Club (Purikura), the picturetaking machine which you could add some hand drawing or grafttii, and "unique effect camera app" become really popular in Japan. So we know there are some market of addeffect picture. In this paper, we propose the camera app which makes two heads high picture of person as a effect. By this system, you could take two heads high picture pretty easy without using any special systems.
著者
金田 重郎
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.1-9, 2009-11-24
参考文献数
20
被引用文献数
1

本稿では,MASP アソシエーションが提唱する 「概念データモデリング (CDM)」 を,C.S. パース (Charles Sanders Peirce) を創始者とするプラグラマティズム哲学の視点から分析し,CDM をブラグマティズム実践として再定義する.具体的には,1) CDM が採用している 「オブジェクト指向」 は,プラグマティズムの 「実在物」 の思想を背景に持つと考えるのが自然であり,2) オブジェクト指向を導入しつつ,動的モデルを通じて,データ状態が変化するオブジェクトに焦点を絞る CDM のアプローチは,中村善太郎の 「要 (かなめ) の 『もの』 『こと』」 を自動的に組み込んでいる.但し,パースの論文は 1870 年代に発表されたものである.その後も,クワイン,ローティなどの現代プラグマティズム哲学者によって研究は発展している.これらの理論的進展を CDM に準用することにより,CDM のあるべき姿を明確化できる.This paper analyzes theoretically the Conceptual Data Modeling (CDM) approach, proposed by the MASP association in Japan, from the philosophical view points of C.S.Peirce's Pragmatism. The analysis shows that CDM itself is equal to the investigation process of Peirce's Pragmatism. Also, the necessity of the object-oriented approach is described based on the "Real Thing" concept of Peirce's pragmatism. The object-oriented approach is an essential part of CDM to reveal a "To Be" model in the application domain. However, the major papers of the Peirce's pragmatism were published in 1878 and are not new. The some modern pragmatism philosophers, such as W. V. Quine, and R. Rorty, have already improved the Peirce's theory. Thus, this paper also shows that their theoretical improvements set up new aspects of the CDM approach.
著者
本田 正美
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2014-IS-127, no.3, pp.1-6, 2014-03-10

第 125 回情報システムと社会環境研究発表会において、「「電子政府」 の変遷に見る社会環境と政府の情報システムの相互関連」 と題する研究発表を行った。この研究発表では、「電子政府」 が意味してきた取組みについて日本の事例を振り返ることによって、政府の利活用する情報システムが社会環境によってその内容を規定されてきたことを示した。現在、電子政府に関する最新の動向として、オープンガバメント・オープンデータの推進があげられる。このオープンガバメントやオープンデータの推進にあっても、政府と社会環境の相互作用の中で、新たな取り組みが生み出されている。本発表では、自治体広報紙に関するオープンデータの推進に関する実証実験など具体的な事例を取り上げながら、「電子政府」 が示すところの意味の変遷と今後の展望について検討したい。
著者
小林 裕史 堀田 恭平 高田 尚樹 藤本 貴之
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.20, pp.1-6, 2010-03-10

本論文では,旧世代の機器と,現代のコンピュータ技術を接続した装置を提案する.本研究ではそのような試みを 「想い出のデザイン」 と呼んでいる.「想い出のデザイン」 とは,旧世代の 「想い出」 を喚起させつつ,新しいコンピュータ技術による新感覚のシステムを開発することを意味する.本研究で進めている複数の 「想い出のデザイン」 事例を紹介し,とりわけ,「黒電話」 をモチーフとした 「想い出のデザイン」 の開発について詳述する.In this research, we propose the device that connects old generation's equipment with modern computer technology. A new sense system by a new computer technology was developed rousing old generation's "Memories".
著者
吉田 信明 田中 正之 和田 晴太郎
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21888809)
巻号頁・発行日
vol.2016-IS-138, no.7, pp.1-8, 2016-11-26

動物園における業務は,動物の飼育や,来園者向けサービス等,日々変化する状況への対応が求められる非定型的な業務が大半である.京都市動物園では,これらの業務の記録を,自由形式のテキストを中心とした 「飼育日誌」 としてシステムに蓄積し,検索可能としている.しかし,記録者の主観や日々の課題意識の変化等により質にばらつきが生じやすいため,このような自由形式の記録は,日常の業務報告としては十分であっても,飼育知識として事後に活用することが困難である等といった課題がある.本研究は,著者らがこれまでに開発した,飼育日誌管理システムで,これらの課題を解決することを目的としている.その方策を検討するため,著者らは,2014 年度に京都市動物園で作成された飼育日誌を対象として,主題や,その時系列的な変化等について分析を行った.本稿では,この分析について説明し,課題解決に向けた検討を行う.
著者
久保田貴大
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.1-3, 2014-03-10

選挙における投票を電子化することには以前から関心がもたれており,実際に,地方選に電子投票機が用いられたこともあった.2013 年のネット選挙解禁とも相まってインターネットでの投票にも関心が高まっている.本研究では,日本におけるインターネット投票の実現の可能性や,その制度の導入までの課題について,安全性,コスト,法制度の三つの観点から調査・検討した.特に,JCJ-Civitas 投票プロトコルを基にした,「攻撃者が投票者と物理的に同じ場所にいて投票者の端末を監視する」 という攻撃に対処するようなプロトコルを提案する.
著者
亀井 邦裕 児玉 公信 細澤 あゆみ 成田 雅彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.3, pp.1-7, 2013-09-05

ビジネスシステムにおいて代金計算に伴う消費税の計算は必須であるが,消費税率の段階的引き上げや特例の導入などが見込まれている中で,税制改定に追随し,適用時点に応じた税額計算を,合理的に行う必要があるここには,過去の取引データの遡及的な修正も含む.このための概念モデルのあるべき姿を,取引 (商流) データおよび代金 (金流) データのモデルを含めて提案する.Calculation of consumption tax accompanied with the price calculation is inevitable in the business information system. However, it will be more difficult to catch up the tax revision and calculate the tax reasonably in accordance with the applicable time, because of expected gradual increase in the tax rate and uncertain application of special exceptions. In addition, the calculation must include retrospective fix of transaction data in the past. In this paper, we propose the conceptual model for consumption tax calculation, which can be an ideal one, because it includes models of the transaction representing commercial distribution and billing as the example of money distribution, which are the organizational basic activities.
著者
児玉 公信
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.4, pp.1-7, 2009-09-07

生産管理システムと金融業務システムは,まったく異なるように見える.作業の計画と実行を,時間軸に配置された予定イベントのネットワークとその実績ととらえ,個々のイベントを勘定パターンで表現し,在庫 (残高) の時間的推移を追跡できるようにすること,業務プロセスを生産計画 (契約) のライフサイクルを管理するものと見なすことで,共通の概念モデルで扱うことができる.この実装に向けて,計画を立てるための知識システム,計画の実行を予定と実績のイベントとして記録する実行システム,計画のライフサイクルの進行を促す業務インタフェース,これらの状況をモニタする報告システムからなるシステムアーキテクチャを設定する.そのうえで,2 つのビジネスの本質的な共通性と特殊性について議論する.Though production management systems and financial operation systems seem quite different, they can be dealt with using a common conceptual model by making the following assumptions. (1) Business plans and plan executions can be described as a network of planned tasks and their results. (2) By describing each task using the Account Pattern, the value-flow over time can be tracked. (3) Business processes can be defined as several series of events that make progress in the life cycle of the production plan or the contract. To implement this model, a system architecture was designed consisting of a Knowledge System to create the networks, an Execution System to record the events of plans and results, a Business Interface to move the life cycle of the plan or the contract forward, and a Reporting System to monitor the business situation. In this report, we discuss the commonality and variability between two types of business systems based on the above model and system architecture.
著者
伊藤 永悟 藤本 貴之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-5, 2013-11-25

近年,急速にスマートフォンが普及し,2016 年には,国内で出荷される携帯電話の 80% 以上がスマートフォンになると言われている.高機能なスマートフォンには,既存の携帯電話 (いわゆる,ガラパゴス携帯電話 『通称:ガラケー』) にはない様々な機能が具備され,パソコンいらずとまで言われる程度に利便性が高められている.しかしながらその反面,インターフェース設計やデザイン構造的に使いづらいと考える層はビジネスマンを中心に少なくない.現在では,通常の音声会話では 「ガラケー」,インターネット利用時では 「スマホ」 という使い分けをした 2 台所有者は多い.そこで,本研究では 2 台持ちによる不便性を解消するために,スマートフォンでガラケーの利用勝手を完全にシミュレートした 「スマホのガラケー化」 アプリケーションを実現した.We develop a system has feature-phone-style-interface on smartphone. Some workers have both a feature phone and a smart phone. This system makes less confusion for the workers. They can use similar input-interfaces on the both types of phones.
著者
平山 雅樹 新野朝丈 児玉 公信 松澤 芳昭 太田 剛
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.1-7, 2011-03-07

学生が初めてのソフトウェア開発プロジェクトを経験する中で直面した問題について報告する.対象とする開発プロジェクトは,企業が実際のシステムを外注する際に使用した仕様書を基にしており,企業のソフトウェア開発と同程度の品質を目指すものである.プロジェクトの規模は10人月程度で,アジャイル開発プロセスが試みられた.現在進捗している段階まで,生じた問題について記述して種類を整理した結果,作業の目的の理解不足とリスクの意識不足に起因する問題であることが分かった.In this paper, we report our experience that students faced in the first IS (Information Systems) development project. The project was driven by the RFP (Request For Proposal) which was used in the real situation when the project owner ordered to developers. Although the developers were not students, students tried to develop the system as the same quality as professionals do. Agile process was applied to the project, and the size of the project is approximately ten man-months. Now the project has proceeded to the middle of the goal, and problems that were happened in the project until now were described and classified. Then we have found that the problems are caused by "losing the objective of the work" and "lack of focusing the risk management".