著者
本田 正美
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.507-508, 2018-03-13

公共分野における情報システム開発では、これまで数々の失敗が積み重ねられてきた。なかには、約55億円をかけた特許庁の基幹系システム刷新プロジェクトの頓挫のような事例も存在する。情報システム開発には失敗が付きものであり、それは公共分野においても例外ではないのかもしれない。一方で、公共分野の特性ゆえに失敗を招いている可能性もある。そこで本研究は、公共分野における情報システム開発の失敗に関する事例分析を行う。具体的には、2017年10月に明らかとなった京都市における基幹系システムの刷新プロジェクトの遅延を取り上げ、この事例を分析することにより、公共分野における情報システム開発の失敗の要因について議論する。
著者
本田 正美 梶川 裕矢
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:21888906)
巻号頁・発行日
vol.2018-DPS-176, no.6, pp.1-6, 2018-09-06

自由に二次利用可能な形式でデータを公開するオープンデータの取り組みが広がりを見せている.日本での取組済の自治体数は,2018 年 7 月時点で 300 を超える.そのような中で,実際に提供されているオープンデータについては,その量や内容に相違が存在している.本研究では,かような自治体におけるオープンデータの取り組みにつき,自治体としてどのような契機でその着手に至り,その結果としてどのような自己評価を行っているのか事例分析を通して明らかにする.
著者
本田 正美
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第26回全国大会
巻号頁・発行日
pp.461-466, 2011 (Released:2012-03-20)

Since the late 1990s, in order to adapt to the information society, e-government policy initiatives have been deployed around the world. However, the concrete contents of the initiatives are different in each country. The reason is thought to be mentioned that the e-government policy initiatives have been affected by the existing institutions and policies in each country. It seems that, among countries with different systems, new policies that are thought to have same purposes would differ in its contents. In this study, therefore, it analyzes the relationship between existing institutions and e-government policy initiatives. Specifically, it considers the relationship between freedom of information system and e-government policy initiatives in the United Kingdom. Based on the consideration, it reveals the characteristics of e-government policy in the UK.
著者
本田 正美
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第22回全国大会
巻号頁・発行日
pp.276-281, 2007 (Released:2010-01-22)

行政と市民の連携が叫ばれている昨今、その両者が日ごろから情報を共有し、自治体経営に関して同じ問題意識を持つ必要性が高まっている。それゆえに、行政と市民を繋ぐ広報広聴制度の重要性が増している。本研究では、特に行政の広聴制度に着目し、この制度を参加者流動型と参加者固定型の二つに分類して、その現状について報告する。そして、今回は横浜市の実列を紹介しながら、広聴制度とICT の関係や今後の課題について考察する。
著者
本田正美
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.451-453, 2014-03-11

オープンガバメント及びにオープンデータが世界的な潮流となり、日本でも新たな取り組みが展開されている。オープンデータの推進によって、公開されたデータを利用した新たなアプリケーションが開発されるなど、公共サービスの新たな提供のあり方が構想されているのである。ただし、オープンガバメントの基本的な理念として政府の透明性の向上があり、オープンデータもその一環として位置付けられるものである。本研究では、現在必ずしも透明化が実現していない分野として政治資金の流れに着目する。その流れの一部は政治資金収支報告書に記載され、選挙管理委員会に提出されて、その一部が現状でも電子的に公開されている。本研究では、その公開の現状を確認するとともに、オープンデータの推進の中にあって、あるべき公開の方法や可視化の方法について検討する。
著者
本田 正美
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第17回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.65-70, 2020 (Released:2020-06-19)

2012年に電子行政オープンデータ戦略が策定されて以降、日本政府および自治体においてオープンデータの取り組みが推進されている。オープンデータの推進が唱導される前から情報提供として情報を能動的に公開している自治体が存在している。本研究は、オープンデータと情報提供の関係に着目する。情報提供というかたちで情報を能動的に公開してきた自治体はオープンデータの推進という新たな政策課題を前にして、より適合的な動きを取ることが出来たのではないかという問いを立てる。かような研究上の問いについて、本研究では日本の都道府県を対象に実証分析を行った。その結果、47都道府県において情報提供を積極的に行ってきた団体がオープンデータにも積極的に取り組んでいるという関係は見出せなかった。情報公開担当部署とオープンデータ担当部署が異なることがその原因として考えられる。
著者
本田 正美
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.14, pp.1-6, 2014-05-07

現在の日本では、政治活動に関わる資金の流れは政治資金規正法で規制されている。政治家は政治活動を行うにあたっては、政治団体を設立することが必要とされ、その団体が使用した資金については、毎年、政治資金収支報告書にまとめて、総務省や都道府県の選挙管理委員会に提出しなければならないのである。具体的には、主に紙ベースで提出された報告書が PDF という形で電子化されて公開されている。これをまとめれば、行政が受け取ったデータをただ公開するに留まっているのである。これでは、政治資金の動きの透明化という政治資金規正法の目的を達するには不十分である。そこで、本研究では、政治資金の公開に関わる現行制度を確認した上で、オープンガバメント・オープンデータの推進という背景の下に、情報社会の進展に適合した新たな政治資金収支報告制度の設計案を提示したい。In current Japan, the flow of the fund about political activity is regulated in the Political Funds Control Law. As for the politician, it is required to establish a political organization on performing a political activity. The fund which the organization used lists so in a political fund report and must submit it to the Ministry of Internal Affairs and Communications or the board of elections of the metropolis and districts every year. Specifically, a report submitted on the basis of paper is computerized mainly by Portable Document Format and is shown in website. In other words, the data which the government received are merely shown. In such situation, transparence of the movement of the political fund is insufficient to achieve the purpose of the Political Funds Control Law. Therefore, in this study, it confirms a current system about exhibition of the political fund. Under the background called the promotion of opening government and open data, it shows design plan of the new political fund income and expenditure exhibition system that adapted to progress of the information-intensive society.
著者
本田 正美
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR MANAGEMENT INFORMATION (JASMIN)
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
pp.219-222, 2023-01-31 (Released:2023-01-31)

2019年の厚生労働省による「毎月勤労統計調査」の不正など、政府統計の品質に対して疑念が生じる事態が相次いでいる。一方で、総務省統計局は、公的統計に関わる品質保証活動を展開している。本研究は、この公的統計に関わる品質保証活動に焦点を当てる。公的統計に関わる品質保証活動の現状はどのようなものなのか。そして、その課題はどのようなものなのか。総務省統計局が公開している情報を基に事例分析を行う。
著者
本田 正美
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2019年秋季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.54-57, 2019-12-25 (Released:2019-12-23)

保有するデータを自由に二次利用可能なかたちで公開するオープンデータの取り組みが広がりを見せている。オープンデータを提供する主体として主に行政機関が想定されており、そこで公開されるデータはオープンガバメントデータと称されることもある。ここで行政機関をオープンデータ提供の主な主体としたが、自治体にあっては議事機関である議会に関わるオープンデータの提供についても、数は少ないとは言え、その事例が見られるようになっている。本研究では、その事例の考察を行うことで、議事機関である議会に関わるオープンデータの取り組みにつき、その現状と課題を論じる。
著者
本田 正美
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:21888647)
巻号頁・発行日
vol.2015-EIP-68, no.13, pp.1-6, 2015-05-22

選挙期間中のインターネットの利用は,公職選挙法で定めるところの選挙期間中の文書図画の使用制限に抵触するとして,これまでは禁止されてきた.しかし,2013 年の公職選挙法改正により,選挙期間中のインターネットの利用が認められ,例えば,候補者が選挙期間中に自身のWebサイトを更新することや電子メールを利用した選挙運動も行うことが出来るようになった.ところで,公職選挙法では,選挙運動は選挙期間中にしか行えないとされている.選挙運動とは,特定に選挙において特定の候補者への投票や非投票を促す行為を指し,広く政治的な運動全般を指す政治活動にも包含されている.選挙期間以外で選挙運動を行うと,事前運動として取り締まりの対象とされていたのである.本研究は,2013 年のネット選挙の解禁後の選挙運動のあり方を見ることで,ネット選挙の解禁に結実した情報技術の浸透が公職選挙法の想定するところの政治活動と選挙運動の区別という枠組みを融解させたことを明らかにする.この作業を通して,日本の選挙制度について再考の必要性があることにつき議論を行いたい.
著者
本田 正美
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第24回全国大会
巻号頁・発行日
pp.354-359, 2009 (Released:2010-02-26)

The aim of this paper is to analyze how to encourage civil participation at e-government in Japan. First, this article surveys histories of e-government in Japan, and confirms that Japanese e-government development policy gives priority to the digitalization of public administration. But this article assumes that e-government consists of digitalization of public administration and civil participation. Second, this article analyzes 'Revised Local Autonomy Law' and 'Public Offices Election Law' in Japan, from the view point of interpretation of a law. Third, based on the analysis, it examines how to encourage civil participation, especially political participation, by using ICTs, and considers how to revise those laws. Finally, it concludes that more research will be required in order to encourage civil participation at e-government.
著者
本田 正美
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第18回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.37-41, 2021 (Released:2021-06-21)

2016年に、官民データ活用推進基本法が施行された。同法は、都道府県に対して官民データ活用推進計画の策定を義務付けている。この計画の策定義務化に伴い、都道府県におけるオープンデータの取り組みが進み、全都道府県でオープンデータに取組済となっている。本研究は、都道府県で策定された官民データ活用推進計画に着目し、オープンデータの推進が唱導されるなかで、法律で策定が義務付けられたデータ活用に関する計画においてオープンデータはいかなる位置付けが与えられたのか実証分析を行った。その結果、オープンデータの位置付けには二つの側面があり、オープンデータが「データ公開の取り組み」と「データ自体の取り扱い」の二つの側面から定位されていることが示唆された。ただし、都道府県の官民データ活用推進計画において、オープンデータについて政策の指標が設定されず、オープンデータの定位が不十分な事例も一定数あった。
著者
本田正美
雑誌
第75回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.487-488, 2013-03-06

2000年のIT戦略本部の設置以来、日本政府は電子政府政策を推進してきた。IT戦略本部が中心となって、2001年に「e-Japan戦略」が策定されて以降、2010年の「新たな情報通信技術戦略」や2012年の「電子行政オープンデータ戦略」に至るまで、電子政府に関わる戦略が策定されてきた。本研究では、それらの戦略に基づき推進されてきた日本の電子政府政策を紐解き、電子政府政策がインフラの整備からインフラを利活用したサービスの開発、そして、サービス提供基盤の開放へと各段階を辿ってきたことを示す。この作業を通じて、ICTの普及に代表される情報社会の進展に対して、政府が如何なる対応を図ってきたのか、その説明を与えたい。
著者
本田 正美
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.137-141, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
11

自由に二次利用可能な形式でデータを公開し、その利用の促進を図るオープンデータの取り組みが広がりを見せている。日本政府においては、2012年に「電子行政オープンデータ戦略」が策定され、各種の取り組みが展開されているのである。政府CIOポータルの「オープンデータ100」には、オープンデータを活用したアプリケーションが36事例紹介されている。この事例数を見ると、日本では、オープンデータの取り組みは自治体も含めて広がりを見せているものの、その利用は必ずしも広まっている状況にはないと判断される。これはオープンデータとして公開されるデータの量は増加しても、その利用が広まっていないということで否定的な評価を下される要因になり得る。しかし、公共機関によるオープンデータについては、まずは公共データの公開に注力されているのであって、それだけではアプリケーションの開発などに直結せず、公開と利用を一旦は分けて考える必要がある。
著者
本田 正美
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.2014-IS-127, no.3, pp.1-6, 2014-03-10

第 125 回情報システムと社会環境研究発表会において、「「電子政府」 の変遷に見る社会環境と政府の情報システムの相互関連」 と題する研究発表を行った。この研究発表では、「電子政府」 が意味してきた取組みについて日本の事例を振り返ることによって、政府の利活用する情報システムが社会環境によってその内容を規定されてきたことを示した。現在、電子政府に関する最新の動向として、オープンガバメント・オープンデータの推進があげられる。このオープンガバメントやオープンデータの推進にあっても、政府と社会環境の相互作用の中で、新たな取り組みが生み出されている。本発表では、自治体広報紙に関するオープンデータの推進に関する実証実験など具体的な事例を取り上げながら、「電子政府」 が示すところの意味の変遷と今後の展望について検討したい。
著者
本田 正美
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.210-215, 2014-05-24 (Released:2014-12-01)
参考文献数
6

オープンデータの推進が世界的な潮流になり,各地で様々な取り組みがなされる中で,オープンデータにまつわる課題も見え始めている.そこで,本研究では,自治体広報誌のオープンデータ化に着目し,その実現へ向けた課題を明らかにする.具体的には,NPO法人ASPICのオープンデータ研究会が行った自治体広報誌オープンデータ実証実験の結果などを参考にし,特にデータの整理や登録において生じる課題について明らかにする.