著者
梅村 祥之 伊達 彩斗
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2017-MUS-115, no.39, pp.1-6, 2017-06-10

国土地理院の地図情報から山の形状を表す標高データのカーブを得て,メロディラインを生成するシステムを開発した.そのようにして大量に作成したメロディの中に良いフレーズが何箇所か存在する.それらを人が選定して,つなぎ合わせることによって曲にまとめた.このようにして作成された曲 2 曲と,プロの作曲家によって作曲された既存曲 3 曲の計 5 曲について,26 名の評価者に曲の良さを 5 段階評価してもらった.その結果,本法による生成曲の良さは既存曲と同程度であることが確認された.
著者
二宮 洸太 中村 聡史
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2021-MUS-130, no.33, pp.1-8, 2021-03-09

音楽ライブに参加する観客は演奏に合わせてサイリウムを振る,ヘッドバンギングをするなど,アーティストや他の観客との一体感や非日常感を楽しんでいる.また,ライブの模様を,インターネットを通じて配信する配信ライブも多く行われているが,自宅でひとりで鑑賞することが多く,アーティストや他のファンとのかかわりや一体感が希薄化する問題がある.そこで,配信ライブ中の視聴者間の一体感を向上させることを目的に,ライブ中に行われるヘッドバンギングを媒介として,その動作を検知し,タイミングを視聴者間で共有するシステムを提案する.本研究ではポケットに入れたスマートフォンのセンサデータを使い,ヘッドバンギングの予備動作からヘッドバンギングの推定に関する検討を行った.具体的には,ヘッドバンギング中のセンサデータに関するデータセット構築を行い,機械学習により,予備動作からヘッドバンギングの推定を行った.その結果,93.5% の精度で推定を行うことができた.
著者
横山 真男
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2015-MUS-107, no.14, pp.1-6, 2015-05-16

西洋クラシック音楽では純正律や平均律で楽器を調弦して演奏を行い,また,作曲家もこのルールで音楽を提供してきた.しかし,現代音楽においては既存の半音 12 音による音階にあてはまらない新しい音を模索してきており,たとえば半音をさらに細かくした 1/4 音や 1/6 音といった微分音や,平均律とは異なる民族的な音律を導入したりする試みがなされてきた.本発表では,黄金比により計算された音律と,その手法で調弦したヴァイオリン属による音楽の作曲手法を提案する.
著者
大石康智 亀岡 弘和 持橋 大地 永野 秀尚 柏野 邦夫
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.9, pp.1-8, 2010-07-21
被引用文献数
1

本報告では,歌声のF0動特性をノート単位で編集し,歌い方を多様に変形できる歌声合成インタフェースの実現を目指し,その動特性のモデリングとモデルパラメータ推定に関する新しい解法を提案する.F0動特性は線形2次系に従うと仮定し,その生成過程を完全に確率モデルとして表現する.そして,EM法に基づいて,効率的なモデルパラメータ最適化アルゴリズムを導出する.最終的に,推定された2次系の振動を制御するパラメータと各ノートの音高を表すパラメータを個別に操作し,生成されたF0系列に基づいて歌声音響信号を変形して合成する"Vocal Dynamics Controller"を実装する.We present a novel statistical model for dynamics of various singing behaviors, such as vibrato and overshoot, in a fundamental frequency (F0) sequence and develop a note-by-note editing and synthesizing interface for F0 dynamics. We develop a complete stochastic representation of the F0 dynamics based on a second-order linear system and propose a complete, efficient scheme for parameter estimation using the Expectation-Maximization (EM) algorithm. Finally, we synthesize the singing voice using the F0 sequence generated by manipulating model parameters individually which control the oscillation based on the second-order system and the pitch of each note.
著者
大串 健吾
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2015-MUS-107, no.2, pp.1-4, 2015-05-16

音のピッチ知覚については長い間実験と議論が行われてきた.時代の変遷と共に,聴覚理論は変化してきた.この報告では,聴覚理論の変遷を簡単に紹介する.また複合音のピッチがその基本周波数に対応する純音のピッチとはわずかに異なることを示す実験データを取り上げ,この現象をどのように説明すべきかについて新しい観点から述べる.
著者
内田 遼 矢向 正人
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2011-MUS-93, no.12, pp.1-6, 2011-12-04

中世からルネッサンスまでの協和・不協和に関する西洋音楽理論は,声楽曲を念頭においている.この事実をふまえ,亀岡・厨川,小畑,Sethares による協和性理論を再検討し,歌声の協和性の分析を試みる.
著者
松崎 裕佑 梅村 祥之
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2016-MUS-110, no.14, pp.1-6, 2016-02-22

人間が作曲する場合,最初にコード進行を想定し,そのコード進行に基づいてメロディを生成するコード作曲法が用いられる.これをコンピュータアルゴリズムに置き換え,あらかじめコード進行を与え,その根音となる音高を骨格となる音符とし,骨格と骨格の間に非和声音などを用いて肉付けとなる音符を数個補い曲を生成するシステムを開発した.この手法で生成した曲を,心地よさとバラエティの豊富さの 2 つの面で楽曲コーパス中の実存曲と比較する主観評価実験を行った.その結果,バラエティについては,実存曲の方が富んでいるものの,心地よさについては,生成曲の方が心地よい曲が多いという結果を得た.
著者
増田 聡
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2016-MUS-110, no.12, pp.1-5, 2016-02-22

文化的表現の類似が見出されたとき,われわれはしばしば 「パクリ」 という語でそのことを指し示す.2015 年に話題となった五輪エンブレムの 「パクリ」 疑惑は記憶に新しい.現代の日本では 「パクリ」 は剽窃とほぼ同義の言葉として用いられる.だがこのような 「パクリ」 概念,表現の類似を所有権の侵害たる 「盗み」 として把握する考え方の出現はさほど古いものではない.「パクリ」 概念は 80 年代に現在の意味を獲得し,それまでの 「剽窃」 「盗作」 と異なったコノテーションをともなって表現の類似を指し示すようになる.本講演では 「パクリ」 概念の来歴とその背景を辿りつつ,いくつかの 「剽窃」 事例を音例に基づいて検討し,「表現の所有と盗み」 がどのような文脈のもとで捉えられているかを探る.
著者
大崎誠
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.28, pp.1-1, 2013-08-24

「初音ミク」 誕生が産んだ CGM ムーブメントをエンターテインメントの方向に伸ばした 「Project DIVA」 シリーズ.そして Project DIVA シリーズの販促イベントとして実施した所,世界にインパクトを与えた 「ミクの日感謝祭」.本講演では Project DIVA (アーケード) を構成する技術とその歴史,「ミクの日感謝祭」 に代表される 3D ライブのテクニカルな部分を紹介する.
著者
村主 大輔 馬場 隆 森勢 将雅 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.3, pp.1-8, 2012-01-27

日本ではカラオケや DTM の普及によって音楽活動がますます一般化され,年間 200 組以上のアーティストがメジャーデビューしている.それに伴い,新たなジャンルや歌唱スタイルが生まれることは少なくない.その一つの例として,ポピュラーソングに沖縄や奄美大島などアーティスト出生地の特色を出した音楽表現のスタイルが近年注目されるようになっている.そこで本研究は,歌唱スタイルが特徴的な奄美大島出身歌唱者の歌い回しに注目し,一般歌唱を奄美大島出身の歌唱者の歌い回しにするシステムの開発を目指す.具体的には,「グイン」 と呼ばれる奄美大島出身歌手の歌唱音声を歌唱特徴の定量的な分析を実施し,その分析結果に基づいて,一般歌唱に 「グイン」 を付加するシステムの概要と,その動作結果について報告する.The recent spread of "Karaoke" and DTM has been promoting music production more generally, and more than 2 hundreds musicians make their debuts in Japan. This leads emergence of new singing styles. Among them, "Okinawa-style" or "Amami-style" is typical one that has been popular recently. We have been developing an assistance system for designing "Okinawa-style" or "Amami-style" vocal melodies. In this paper, we report acoustic analysis of "Amami-style," especially singing style called "guin" and propose a "Amami-style" singing generator, called "Guin-Resonator."
著者
武田 一哉
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2016-MUS-111, no.3, pp.1, 2016-05-14

机の前の本棚の目に着く場所に 2 つの学位論文を置いている.一つは学生時代の指導教官であった池谷和夫先生の論文 「形成振動板に関する研究」 もう一つは,若手教員時代の上司であった板倉文忠先生の論文 「統計的手法による音声分析合成系に関する研究」 だ.共に電電公社の研究所で執筆された 2 つの論文である.物理数学の集大成のような前者と,確率数理を駆使した後者.おなじ 「音学」 の論文でありながら,この 2 つの論文のアプローチには,12 年間という出版年の違い以上に本質的な違いがある.物理学としての音学から,情報学としての音学へ,我々はそんな変化の中で音学を研究して来たのだ.そして思い返せば,この音学の変化こそ,データサイエンスという巨大なパラダイムシフトの前兆であったのだ.
著者
大浦圭一郎 間瀬 絢美 山田 知彦 徳田 恵一 後藤 真孝
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.1, pp.1-8, 2010-07-21
被引用文献数
3

近年,コンピュータによる歌声合成が注目を集めている.中でも隠れマルコフモデル(hidden Markov model; HMM)に基づく歌声合成では,歌い手の特徴を歌声データと対応する楽譜から自動的に学習することができる.2009年12月,無料のオンラインサービス「HMM歌声合成システム: Sinsy」を開始した.ユーザーは楽譜をウェブサイトにアップロードすることで,任意の楽譜に対応した歌声を合成することができる.但し,Sinsyの歌声モデルには70曲で学習した特定話者モデルを用いており,新しい歌い手の歌声モデル追加の際の収録コストが高くなる問題があった.本稿ではSinsyのシステム構成について述べるとともに,話者適応手法により少量のデータから所望の歌い手の特徴を再現した歌声を合成することを検討する.A statistical parametric approach to singing voice synthesis based on hidden Markov models (HMMs) has been grown over the last few years. In this approach, spectrum, excitation, and duration of singing voices are simultaneously modeled by context-dependent HMMs, and waveforms are generated from HMMs themselves. Since December 2009, we started a free on-line service named "Sinsy." By uploading musical scores represented by MusicXML to the Sinsy website, users can obtain synthesized singing voices. However, a high recording cost may be required to train new singer's model because a speakerdependent model trained by using 70 songs is used in Sinsy. The present paper describes the recent developments of Sinsy and a speaker adaptation technique to generate waveforms from a small amount of adaptation data.
著者
糸山 克寿 後藤 真孝 駒谷 和範 尾形 哲也 奥乃 博
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.3, pp.1-6, 2009-07-22

本報告では,楽曲の楽器パート音量操作によってユーザがクエリをカスタマイズすることが可能な類似楽曲検索手法を提案する.楽曲の雰囲気やジャンルは楽曲を構成する楽器およびその音量バランスと強く関係する,という仮説に基づく.楽曲の音響信号を楽譜に基づいて楽器パートへと分離し,その分離信号の音量を操作することで楽曲の音響的特徴を変化させる.楽曲の音響特徴はガウス混合分布で表現され,楽曲間の類似性を分布間の Earth Movers Distance で定義する.実験により,歌声,ギター,ドラムスパートの音量を操作した際にジャンルシフトが起こることを示す.This report presents a novel Query-by-Example (QBE) approach in Music Information Retrieval, which allows a user to customize query examples by directly modifying the volume of different instrument parts. The underlying hypothesis is that the musical genre shifts (changes) in relation to the volume balance of different instruments. Our QBE system first separates the musical audio signal into all instrument parts with the help of its musical score, and then lets a user remix those parts to change acoustic features that represent musical mood of the piece. The distribution of those features is modeled by the Gaussian Mixture Model for each musical piece, and the Earth Movers Distance between mixtures of different pieces is used as the degree of their mood similarity. Experimental results showed that the shift was actually caused by the volume change of vocal, guitar, and drums.
著者
河原英紀
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-6, 2014-05-17

「音声の多くの部分を占める有声音は、なぜ、ほぼ周期的なのか?音声の大部分が周期的であることは、聴覚にとって良いことなのか?」 という素朴な疑問から始まった STRAIGHT は、音声研究のためのツールとして広く用いられるに至っている。ここでは、STRAIGHT の基礎となっている 「ピッチマークへの同期を必要としないピッチ同期分析」 によるパワースペクトルと瞬時周波数の表現を簡単に振り返り、最近発見された、周期性による干渉を排除した群遅延の新しい表現を紹介する。
著者
Bonada Jordi Blaauw Merlijn 才野 慶二郎 久湊 裕司
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-100, no.24, pp.1-6, 2013-08-24

音声,特に強め表現を伴う歌声においてはしばしば声帯振動に基本周期外の不規則な挙動が見られる.本稿ではこのような声質を持つ音声を再現するためのスペクトルモーフィングに基づいた音声合成手法について述べる.本手法は,ターゲットとなる声質を持った音声サンプルの励振源に相当する成分と,入力音声のスペクトル包絡を用いて合成を行うものである.まず,声質ターゲットサンプルに対し,その基本周波数を入力音声の基本周波数に合わせこむための時間領域リサンプリング処理を行う.その後,声質ターゲットサンプルのスペクトルの元々の包絡構造をなるべく復元するように,調波成分の再配置を行う.最後に,そこに入力音声の調波の振幅と位相を適用することで,入力音声の音色と声質ターゲットサンプルの声質を併せ持つ音声信号を得る.その音声信号と入力音声を任意の比率でモーフィングすることで,声質ターゲットサンプルの声質を任意の分量だけ持つ音声が合成可能となる.本稿では,グロウルの声質を持つ音声を使用した歌声合成および主観評価実験を行った.
著者
津島 啓晃 中村 栄太 糸山 克寿 吉井 和佳
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2017-MUS-116, no.14, pp.1-7, 2017-08-17

本稿では,音楽コーパスから和音系列とメロディに関する生成規則を統計的に学習し,それに基づいてメロディへの和声付けを行う手法を示す.従来の和声付け手法には,一拍ごとのコードの遷移を表現した隠れマルコフモデル(HMM)に基づく手法がある.しかしこの手法では,音楽理論において重要とされているコードのリズム,コードの機能(tonic, dominant, subdominant),コードの階層構造を明示的に表現できない.この問題を解決するため,確率的文脈自由文法による和音系列生成モデル,拍節マルコフモデルによるコードのリズム生成モデル,コードの条件付きマルコフモデルによる音高系列生成モデルからなる階層的生成モデルを提案する.さらに,提案モデルを用いてメロディに対する和音系列の推定を行うため,潜在変数であるコード記号とそのオンセット位置のそれぞれをsplit-mergeサンプリングという新しいサンプリング手法を含むメトロポリス・ヘイスティングス法に基づいて更新する手法を提案する.評価実験よりHMMに基づく手法に対して提案手法の和声付けタスクにおける精度が向上したことを示せた.
著者
土井啓成 戸田智基 中野倫靖 後藤真孝 中村哲
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.5, pp.1-9, 2012-08-02

歌声の声質には,歌手の個人性が反映されており,他者の声質に自在に切り替えて歌うことは難しい.そこで我々は,歌声の声質を他者の歌声の声質へと自動変換することで,任意の声質での歌唱を実現する手法を提案し,歌唱という音楽表現の可能性を広げることを目指す.従来,統計的声質変換に基づく歌声声質変換が実現されていたが,提案手法では様々な声質に少ない負担で変換可能にするため,多対多固有声変換を導入する.これにより変換時に数秒程度の少量の無伴奏歌声さえあれば,任意の歌手の歌声から別の任意の歌手の歌声への声質変換が実現できる.しかし,その声質変換モデルの事前学習データとして,ある参照歌手の歌声と多くの事前収録目標歌手の歌声とのペアから構成されるパラレルデータセットが必要で,その歌声収録は困難であった.そこで提案手法では,歌唱表現を模倣できる歌声合成システム VocaListener を用いて目標歌手の歌声から参照歌手の歌声を生成することで,その学習データ構築を容易にする.実験結果から提案手法の有効性を確認した.
著者
長濵 裕太郎 中村 滋延
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.17, pp.1-4, 2013-12-16

ゲーム音楽は,使用される場面に相応しい楽曲か否かが重要となるが,「場面に相応しい楽曲が有するべき音楽的特徴」 は未だにまとめられていない.そこで本研究では,一定の歴史と人気があるゲームシリーズの音楽を場面ごとに分類し,共通する音楽的特徴を 「場面に相応しい音楽が有するべき特徴」 として抽出した.その抽出結果をもとに,原曲データと場面名を入力することで,入力された場面に相応しい楽曲となるよう原曲データの各種音楽的要素の値を変更して出力する自動編曲ソフトウェア 《SYGMA》 を制作した.It is important for video game music to be appropriate to a game scene; however, features that appropriate game music should possess are typically poorly organized. This study classifies music used in popular games according to game scenes, and determines the common features that the game music should have for a scene. Accordingly, <<SYGMA>>, automatic arrangement software, is developed, which changes input music data into more appropriate music for a particular scene.
著者
山岸 祐己 斉藤 和巳
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MUS-96, no.2, pp.1-6, 2012-08-02

動画共有サービスに投稿されている楽曲動画の評価法を提案する.一般に,楽曲動画は再生数等の絶対数の推移を用いてランキングされるため,上位にランクインするのは楽曲動画集合のうちの僅かな上澄みであることが多い.これに対し,動画情報に統計的な正規化を施してランキングを行うことにより,全ての楽曲動画を平等な評価基準にかけることを試みる.さらに,動画に対して外的に与えられた情報のみで動画同士の歪み距離を計算し,類似した楽曲動画を探索する手法も提案する.提案法は,いずれも動画共有サービスの特性を上手く利用していることを示す.
著者
中間 亮佑 中村 滋延
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.16, pp.1-4, 2013-12-16

本稿は筆者が制作した演奏システム 《GURURI》 について解説していくものである.《GURURI》 は,主にライブ録音された音源を素材として,それをマルチチャンネル再生することで,音像移動によって演奏を行うライブ・パフォーマンスシステムである.さらに,音像移動や変調される様子がスクリーンに映し出される.鑑賞者はその視覚的情報と,どの方向からどの音が鳴っているかという聴覚的情報との対応性をもとに,音の空間性を強く意識しながら耳を傾けることができる.This paper introduces a rendition system called "GURURI," which carries out multi-channel spatialization in live performances using sound movement and recorded sounds. It projects images that expresse sound movement and other sound information on a screen. On the basis of this relation between visual and auditory information, the audience can concentrate on a sound space.