- 著者
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松方翔吾
寺澤洋子
松原正樹
北原鉄朗
- 雑誌
- 研究報告音楽情報科学(MUS)
- 巻号頁・発行日
- vol.2013-MUS-99, no.39, pp.1-5, 2013-05-04
本研究は,トランペット演奏時の口唇周囲の筋活動を解析することを目的とする.口唇周囲の筋肉は口の形(アンブシュア)を一定に保つために深く関わっており,アンブシュアを保つことはトランペットを上手に演奏するために必要とされている.従来研究では,音の高さや強さ,楽器習熟度の観点からトランペット演奏時の口唇周囲の筋活動を解析していたが,プレイヤーの演奏可能な音域や他楽器の演奏経験を考慮していなかった.そこで我々は,それらの問題を解決するために,口唇周囲の筋活動(上唇の口輪筋,下唇の口輪筋,口角下制筋,口角挙筋)を表面筋電図を用いて解析した.その結果,次のことが分かった.(1)低い音より高い音を演奏中の方が筋活動が活発になるが,その度合いは演奏者の演奏可能な音域によって変化する.(2)初心者は上唇より下唇の筋活動の方が活発であり,熟達者はその違いはない.そして,トランペットと同様に唇を震わせて演奏する金管楽器の奏者は,初心者と同じような筋活動を示す.