著者
江熊 要一
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.623-628, 1974-06
被引用文献数
3
著者
大川希
雑誌
精神医学
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.727-735, 2001
被引用文献数
9
著者
阿部 又一郎
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.1131-1135, 2010-11
著者
長谷川 和夫
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.16, no.11, pp.965-969, 1974-11
被引用文献数
2
著者
佐藤 寛 下津 咲絵 石川 信一
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.439-448, 2008-05-15

抄録 本研究では,わが国の一般中学生におけるうつ病の有病率について検討を行った。中学1~2年生328名(平均年齢13.3±0.6歳)を対象に,大うつ病,気分変調症,および小うつ病に関する半構造化面接を実施した。その結果,うつ病の時点有病率は4.9%(男子2.2%,女子8.0%),生涯有病率は8.8%(男子6.2%,女子12.0%)であり,約20人に1人が面接の時点でうつ病の診断基準に該当し,約11人に1人がこれまでにうつ病に罹患した経験があることが示された。自殺念慮はうつ病群の31.3%,非うつ病群の2.6%でみられ,自殺企図の既往歴はうつ病群の18.8%,非うつ病群の1.9%において認められた。
著者
館農 勝 中野 育子 白木 淳子 館農 幸恵 金澤 潤一郎 白石 将毅 河西 千秋 氏家 武 齊藤 卓弥
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.1403-1411, 2018-12-15

抄録 近年,ADHDの診断を求めて精神科を受診する者の数が増えている。今回,ADHDの診断補助ツールとして活用可能な25項目から成る質問紙を開発した。質問紙はHokkaido ADHD Scale for Clinical Assessment in Psychiatry(HASCAP)と名付け,0点から4点の5件法で回答を求めた(100点満点)。ADHD群104名(平均63.4±15.8点)と健常対照群361名(平均27.5±17.5点)の結果から,感度,特異度を求め,カットオフを設定した。その結果,HASCAP合計点45点で,感度83.7%,特異度83.1%であった。今度,さらにデータを集積し,より実用的な質問紙にしていきたいと考える。
著者
門家 千穂 氏家 寛 和気 洋介 岡久 祐子 黒田 重利
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.187-190, 2004-02-15

はじめに DiGeorge 症候群,軟口蓋心臓顔貌症候群(velo-cardio-facial syndrome),円錐動脈幹異常顔貌症候群(conotruncal anomaly face syndrome)は症状に共通点の多い疾患であるが,これらはすべて22番染色体長腕11領域の微小欠失を持つことから,最近は22q11.2欠失症候群と呼ばれることも多くなってきている。22q11.2欠失症候群は元々小児科領域の疾患であったが,近年,本症の成人例では高率に統合失調症様症状を呈するという報告が相次いでおり,その罹患危険率は一般集団の約25倍とされる7)。一方,統合失調症の2%に22q11.2の微小欠失が認められ,これは一般集団の80倍である4)。本邦では22q11.2欠失症候群で統合失調症様症状を呈した例の報告は調べたかぎりでは7例3,5,8)しかなく,その臨床像の特徴の描出にはさらなる症例の蓄積が必要である。今回,我々は統合失調症様症状を呈した22q11.2欠失症候群の1例を経験し,その臨床像と治療反応性において若干の知見を見いだしたので報告する。
著者
加藤 敏
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.719-727, 2013-08-15

はじめに グローバル化が加速度的に進む現代の高度資本主義は,就労者にとって大きな試練になっている。多くの職場はコンピュータ管理を通し,就労者に対し間違いを許さない厳密性と完全主義を徹底し,消費者,あるいは顧客に落ち度がないよう細やかな気遣いを徹底する他者配慮性を前面に打ち出す。つまり,職場自体が完全主義で他者配慮,良心性を旨とするようになっている。このような規範は,職場の「(偽性)メランコリー親和型化」と特徴付けることができるだろう。それは確かに正しいものだが,平均的な人が従うには心身の限界を超える危険を内包し,生きる意味を剝奪しかねない点で,「過剰正常性」あるいは「病的規範」という性格を帯びている。このハードルの高い課題に応える途上で,うつ病,ないし双極障碍の発症を来す事例が増えているのは由々しき事態である。 筆者は,このような問題意識のもとに,気分障碍の一亜型として「職場結合性気分障碍」(職場結合性うつ病,および職場結合性双極障碍)を提唱している2)。暫定的な診断指標の概略を挙げる。①発病の主な誘因が職場での過重労働にある。過重労働の判断は,労災認定の判断基準において定められた,1か月あたり100時間を超える時間外労働をしているという基準を目安にしている。②対人関係や自己同一性の双方でのパーソナリティ機能の上で問題を来す明らかなパーソナリティ障碍はなく,基本的にはもともと安定した社会機能を持っている。③伝統的診断で内因性うつ病,ないし躁うつ病と診断される。 職場における気分障碍のなかには,DSMやICDの公認の診断体系では,うつ病や双極障碍とすぐに診断するのが難しい病態を呈する事例が少なくない。そこで,本稿ではこの種の病態の代表例をいくつか挙げながら,職場における気分障碍の臨床的特徴を浮き彫りにし,その上で,職場連携を含む治療の要点を述べたい。
著者
岡田 靖雄
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.657-660, 1998-06-15

■島村俊一の狐憑病調査 憑きものに関心をもつものにとって,本誌の「シリーズ・日本各地の憑依現象」はありがたい。その第2回「山陰地方の狐憑き」3)は島村による現地調査にふれていないので,『東京医学会雑誌』の第6巻(1892年)から第7巻に8回にわたり連載された「島根県下狐憑病取調報告」8)の内容を紹介したい。 島村は1891年(明治24年)7月8日に出張を命じられて14日に東京を出発。尾道で1名の狐憑病患者をみ,23日松江着。出雲・石見・隠岐の3国をめぐり啓蒙講演もし,8月29日に松江をたって9月2日帰京。その間に人狐憑き29名(男9,女20),犬神憑き(外道憑き)2名(男女各1),狸憑き1名(男),野狐憑き2名(男)の計34名をみた。名称はちがっても同病なので狐憑きと概称すると島村はいう。診断は錯迷狂〔パラノイア〕4,躁狂4,ヒステリー狂およびヒステリー15,酒精中毒症3,続発痴狂1,老人痴狂1,マラリアおよびチフス3,関節炎1,肺癆1,卵巣のう腫1。狐憑きとされた状態像は,躁状8,錯迷5,熱性譫妄5,ヒステリー発作15,腫物1である。患者が狐憑きとみとめられたのは,責めをうけたのちに自白してが10名,他よりただちに狐憑きと目されたのが24名である。
著者
新村 秀人
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.671-681, 2019-06-15

抄録 マインドフルネス療法におけるマインドフルネスと森田療法におけるマインドフルネスである「あるがまま」とを比較した。マインドフルネス療法では,瞑想を通じて注意制御・情動調整・身体知覚に努め,自己意識をメタ認知に引き上げることにより症状へのとらわれから脱しようとする。一方,森田療法では,目の前の必要なことをするという身体の動きにより,症状をそのまま感じる心の流動性の獲得を目指し,生の欲望が動因となる。両者の大きな違いは,第一に,マインドフルネス療法は,主体と客体を分けて考える二元論で,有心を前提とするのに対し,森田療法は,主体と客体,心身を分けない一元論であり,無心を目指すこと,第二に,マインドフルネス療法は,言葉を用いて意識化することを目指すのに対し,森田療法は,言葉にせずに意識化を離れるようにすること,第三に,森田療法は症状の受容のみならず,日々の生活活動への積極的参与を促すことである。
著者
小田 晋
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.13, no.11, pp.1083-1090, 1971-11
著者
稲垣 貴彦 森田 幸代 大川 匡子 辻川 知之 山田 尚登
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.27-32, 2010-01-15

抄録 潰瘍性大腸炎は大腸粘膜の炎症性疾患であるが,粘膜障害の重症度と臨床症状の重症度との間にかい離がみられる場合があり,心理社会的ストレスへの曝露や人格の偏りが臨床症状の重症度や再燃に関与すると考えられている。 我々は,潰瘍性大腸炎の緩解と再燃を繰り返した後に大うつ病性障害を合併し,認知療法を試みたところ,潰瘍性大腸炎の消化器症状の緩解期間の延長が得られた症例を経験した。粘膜病変には変化がないにもかかわらず,それまで再燃を繰り返していた潰瘍性大腸炎が緩解状態を維持していたことから,認知療法的かかわりが潰瘍性大腸炎の消化器症状に対し軽減効果を示したと考えられる。 潰瘍性大腸炎は,併存する精神疾患に対してだけではなく,その身体症状に対しても精神科医が多分に治療的関与するべき疾患であると考えられたので報告する。
著者
波多野 和夫 浜中 淑彦
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.93-106, 1982-01-15

Munkが実験的手段を以って精神盲Seelen—blindheitの概念を創設して後,この生理学上の新しい創造は急速に臨床研究に取り入れられた。かくしてすでに3年前,Wilbrandは有名なモノグラフ原注2)に於いて,それまでの症例をまとめ,自から行った重要な観察を加え,後に議論の対象となるはずである現象に対する極めて詳細な理論をも提出することによって,精神盲の臨床の章を総括的に記述し,ある一定の合意を取り付けるという課題に取り組むことが出来たのであった。 Wilbrandの著書以来,精神盲の特殊な問題に対する詳細な臨床的研究は私の知る限りでは公表されていない。しかし近縁領域たる読字障害や書字障害,あるいは半盲や失語の関連については多くの著者によって専門的研究が行われている。私はここでBrandenburg原注3), Batterham原注4),Bruns und Stoelting原注5), Freund原注6)の研究を挙げておく。さらに「失行と失語」という表題の下に精神盲の症状をも考察したAllen Starrの研究も知られているが細部に渡る詳細な観察が行われたわけではない。
著者
市川 宏伸 齊藤 万比古 齊藤 卓弥 仮屋 暢聡 小平 雅基 太田 晴久 岸田 郁子 三上 克央 太田 豊作 姜 昌勲 小坂 浩隆 堀内 史枝 奥津 大樹 藤原 正和 岩波 明
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.399-409, 2018-04-15

抄録 小児ADHDの症状評価で世界的に汎用されるADHD-RS-Ⅳは,海外にて成人ADHDに対応する質問(prompts)と組み合わせて成人向けに使用されている(ADHD-RS-Ⅳ with adult prompts)。本研究は,日本語版promptsを作成し,日本人の成人ADHD患者36名および非ADHD成人被験者12名を対象に,その信頼性および妥当性を検討した。その結果,評価者内および評価者間信頼性の指標である級内相関係数は高く,内部一貫性の指標であるCronbach αは高い値を示した。CAARS日本語版およびCGI-Sとの相関で検討した妥当性も良好であり,かつADHD患者と非ADHD被験者との判別能力を検討するROC解析においても優れた結果であった。成人用prompts日本語版は,ADHD-RS-Ⅳとともに用いることで,成人ADHDの症状評価の手段として有用であると考えられた。
著者
三田 達雄 中井 隆 村上 直也 北村 登 小川 恵
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.1006-1008, 1993-09-15

MRI検査に伴い被検者はしばしば一過性の不安や恐怖に見舞われる3〜5,11,12)。時には不安や恐怖は恐慌にまで至り,検査を中断せざるをえない場合もある3,5,8,9)。また,検査後に閉所恐怖7)や空間恐怖10)が生じ,長期間持続したとの報告もある。このようにMRI検査の心理的侵襲性が最近注目されているが,被検者をMRI検査と類似の状況におくCT検査の心理的侵襲性については報告がない。ここで提示するのはCTおよびMRI検査が空間恐怖の結実ないし増悪の契機となったと考えられた症例である。この症例の一部はすでに紹介している3)が,本稿では両検査の空間恐怖の結実・増悪の過程への関与を詳しく報告する。また,両検査における空間恐怖的状況を比較したい。
著者
岩瀬 真生 高橋 秀俊 中鉢 貴行 梶本 修身 志水 彰 武田 雅俊
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1291-1296, 2003-12-15

はじめに Trail Making Test(TMT)とは,1枚の紙に書かれた1から25までの数字などの指標を順に鉛筆でなぞるという簡易な認知機能検査である4)。TMTは1950年代に開発され神経内科領域で主に前頭葉機能を評価するために使用されてきた。 TMTは従来脳障害の判定に有用であるといわれており,左半球障害者や前頭葉障害者などではカテゴリーチェンジのないTMT-Aに比してカテゴリーチェンジのあるTMT-Bの成績が極端に悪くなると考えられている。TMT-A,B課題双方ともに成績が低下する場合には,情報処理あるいは注意力の全般的機能障害が示唆される。統合失調症患者においてもA,B課題双方ともに成績が低下し,A課題の障害に比してB課題の障害が高度であるという報告が多い。 梶本らはタッチパネルディスプレイを用いてTMTをコンピュータ化したAdvanced Trail Making Test(ATMT)を開発した2)。ATMTは原版のTMTを改変して,visuospatial working memory(VWM)の定量評価を可能にした。ATMTは原版のTMTと比べいくつかの利点がある。(1)タッチパネル上に表示された数字ボタンに直接指で触れて課題を遂行するようにし,1回のボタン押しごとの反応時間測定を可能にした。(2)数字ボタンを25までに限定せず長時間の連続測定を可能にした。(3)数字ボタンの位置が固定され,VWMにより成績向上が可能な課題(ATMT-B課題)と数字ボタンの位置が1回のボタン押しごとに変化し,課題の遂行が視覚的探索のみによる課題(ATMT-C課題)とを作成し,両者の比較によりVWMの定量評価を可能にした。ATMTは短時間で大量かつ定量性の高いデータを得られる上に,課題の教示がほとんど不要なため容易に検査を施行でき,小児から高齢者までさまざまな精神疾患へ応用可能と考えられる。 本論文では,ATMTによるVWMの評価方法を概説する。さらに,健常者と統合失調症患者の少数例でVWMの評価を予備的に開始しており,その結果について述べる。
著者
河合 逸雄
出版者
医学書院
雑誌
精神医学 (ISSN:04881281)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.45-53, 1983-01-15

抄録 異常脳波を呈した離人症4例について,その症状と脳波所見の縦断的検索を行った。初診時の脳波所見は2例において,棘波,鋭波が見出され,1例はδ波を含む徐波の混入,1例は徐波の群発が認められた。 離人症以外に4例中3例は間脳症的症状を,別の3例は機会性けいれんを併発する。 4例とも離人症は生活史的にある程度了解されるが,疾病論的には神経症,てんかんいずれも属し難いと思われる。離人症消退時4例とも脳波は正常化した。この際1例を除き,脳波正常化におよぼす薬物(特に抗けいれん剤)の影響は否定される。 ここにあげられた離人症例は特殊な型であろうけれども,離人症の病態機序として間脳の機能異常,脳機能の未熟性などを推論した。また,脳波が,個体の転換期において,変化すること,いかなる精神症状も生体の機能変遷として捉えられることを論じた。