著者
古田 敬幸 西村 寿彦 大鐘 武雄 小川 恭孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.683, pp.49-54, 2004-02-25
被引用文献数
2

周波数選択性フェージングをうけるMIMOチャネル環境において,遅延波を取り込み結合推定,系列推定を行う手法は,最適な復号方法であるが遅延波数や送信ストリーム数増加に伴う計算量の増加が問題となる.そこで,誤り訂正符号を用いた周波数選択性フェージング環境下MIMOシステムにおいて,Sphere DecodingやM-Algorithimを適用しメトリック計算量削減を図る.本稿では,周波数選択性フェージングのSDMとE-SDMおいて,各種計算量削減アルゴリズムを適用し,メトリック計算量の削減効果と特性劣化の関係について検討した.
著者
工藤 理一 西森 健太郎 鷹取 泰司 常川 光一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.682, pp.105-110, 2005-02-24

近年、周波数帯域を広げずに高速伝送を実現するMIMO(Multiple Input Multiple Output)-OFDM伝送が注目を集めており各機関で様々な検討が行われており、中でも固有ベクトルを用いた送信指向性制御を用いたEigenmode SDM(E-SDM)が、受信局での演算負荷を減らし、理論的に最大の伝送容量を実現する技術として知られている。しかし、ハードウエアを用いて実環境において、誤り訂正を含め広帯域で行った伝送実験の報告はされていない。そこで我々は最大100MHzという広帯域で動作可能な4×4MIMO-OFDM伝送特性評価装置を試作し、実環境においてE-SDMによる通信を行った。本報告では、屋内無線LANを想定し、802.11aをもとに作成したフレームフォーマットを用いて、E-SDMによる伝送品質改善効果をBERにより明らかにする。
著者
西森 健太郎 工藤 理一 鷹取 泰司 常川 光一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.682, pp.99-104, 2005-02-24

近年, 周波数帯域を広げずに高速伝送を実現するMIMO(Multiple Input Multiple Output)-OFDM伝送が注目を集めており各機関で様々な検討が行われているが, ハードウエアを用いた実環境における検討を行った例はあまり見られない.そこで我々は100MHzという広帯域で4×4MIMO-OFDMの伝送特性評価が可能な装置を試作した.本報告では, 本装置の概要と屋内実環境における測定結果を示す.また屋内無線LANを想定した環境において誤り率特性を評価することで, 本装置を用いた場合に達成可能な周波数利用効率を明らかにする.
著者
堀 哲理 東野 武史 塚本 勝俊 小牧 省三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.380, pp.1-6, 2010-01-14

高度道路交通システム(ITS: Intelligent Transport Systems)におけるマイクロ波帯の周波数のheterogeneous無線サービスを,車車間中継を介して車内の無線端末へ提供するための広帯域異種無線通信基盤を構築することが求められている.本研究では,既存の無線サービスをその信号形式を変更することなくミリ波帯へ周波数変換し,車内の移動体端末へ転送する際の,車車間マルチホップ無線チャネルの信頼性を向上させるため,車載マルチアンテナを用いた空間分割多重化(SDM: Space Division Multiplexing)の適用を提案し,その特性評価を行う.
著者
三代沢 正 門永 達郎 千崎 祐介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.264, pp.117-120, 2005-09-01

放送等の番組内において紹介され残しておきたい地図情報、レシピなどは放送中に視聴者が書き写すなどしておく必要があった。今回のサービスはデジタル放送のデータ放送の特徴を生かし、放送番組と連動して印刷データーを放送波にのせて送出することによって、視聴者はそれらの情報をプリントして保存しておけるようになった。ARIB規格のSTD-B24で規定された印刷機能の規格化に関わり、それを使い実現した。メガポート放送では「使うテレビ」を合言葉に高機能番組を開発してきたが、今回の番組はBSデジタル放送から「お出かけマップ」や「料理のレシピ」などの生活に役立つ情報を番組と連動して印刷できる機能を実現した。本件ではその番組の概要を紹介する。
著者
池田 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.308, pp.21-26, 2012-11-14

近年,移動体通信のトラヒックは飛躍的に増加しており,高いシステム容量と耐障害性のある柔軟なネットワークが要求され国内外を問わず多くの研究が行われている.無線メッシュネットワークは学術や産業団体の両方から多くの注目を集めており,コスト効率の高い広帯域無線接続を提供する重要なネットワークインフラとなっている.本稿では無線メッシュネットワークのメッシュルータ配置問題へのアプローチ,無線メッシュネットワークの研究動向,そしてこの分野での将来の方向性について述べる.
著者
臼井 健 中内 清秀 北辻 佳憲 横田 英俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.75, pp.81-86, 2011-05-26
被引用文献数
1

3G、WiMAXやWiFiホットスポット等の異種無線アクセス環境が整う中で、定期的な位置の登録やストリーミング配信等端末に対して継続的な通信を要求するサービスが増えつつある。そのようなモバイルネットワークで、サービスの大規模化や大容量化、高可用性、継続性を確保するために、従来の技術のように端末に対して水平・垂直ハンドオーバを適用することや固定的なサーバ・クライアントモデルを適用することだけでは限界がある。そこで筆者らは、新世代ネットワークにおいて端末の移動に加えて、端末に対するサービス提供側の処理の移動まで含めたトータルなモビリティである「サービスモビリティ」を実現する新しい通信アーキテクチャを提案する。本稿では、上記の「サービスモビリティ」のコンセプト、技術要件、アーキテクチャの設計、要素技術の実装方針を示す。
著者
渡辺 貴文 森戸 貴 南 正輝 森川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.39, pp.113-118, 2007-05-10
被引用文献数
4

数千台単位で広範囲にセンサノードを分散配置する無線センサネットワークにおいて,電源の確保は1つの大きな課題である.既存の無線センサネットワークのノードは一次電池による駆動を前提としているが,電池交換の手間や費用などを考えると各ノードはバッテリレスで駆動されることが望ましい.そこで,当研究室では太陽電池等の発電素子をエネルギー源として用いることで,1次電池使用時よりも長期間稼働させること目標としたセンサネットワークシステムである"Solar Biscuit"(以下SBと省略)の開発を進めてきた.しかしながら,太陽電池より得られる電力が微少かつ不安定なSBのノードでは消費電力の徹底した削減が必要となる.本稿では既存のMACプロトコルのうち最も省電力であるスケジュールベースの通信に電波時計による時刻同期を組み合わせ,SBにおいてより省電力な通信を実現する方法について報告する.
著者
西浦 升人 長谷川 晃朗 金 鍾玉 山口 明 小花 貞夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.498, pp.1-5, 2007-01-18
被引用文献数
4

現在,有限な周波数資源の有効利用の実現に向けて,コグニティブ無線技術の研究開発が盛んに行われている.コグニティブ無線技術とは,周囲の電波環境を認識し,その状況に応じて無線リソースや通信方式を適応的に使い分け,周波数の有効利用をはかりつつユーザの所望する通信容量・通信品質を満足する技術である.また昨今,ストリーミング配信や音声・ビデオ通話といったリアルタイム性を必要とする通信の需要がますます高まっていることから,例えばビデオ会議中に巨大なファイルダウンロードの必要が生じるといったような,要求品質特性の異なる通信が一端末上で同時に発生する状況が今後ますます増えてくると予想できる.筆者らは,そのような状況においても各端末ユーザが各通信において所望する通信容量・通信品質を満足できるようにするために,複数の無線システムの適応的同時利用を前提としたコグニティブ無線アクセスネットワークの実現に向けた研究開発を行っている.本稿では,コグニティブ無線アクセスネットワークの概要について説明し,その後,コグニティブ無線アクセスネットワークにおいて,上述のようなユーザ所望の通信容量・通信品質を満足するために必要となるQoSルーティングのフレームワークについて述べる.
著者
石國 裕一 近堂 徹 前田 香織
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.203, pp.7-12, 2011-09-01
参考文献数
9

インターネットを利用した映像配信サービスは,利用者の要求や視聴形態が多様化・高度化してきている.これらの変化や要望に対して,配信プラットフォームでは柔軟かつ迅速に対応していくことが求められる.本稿では,利用者の要望する映像の加工などの機能拡張が容易なビルディングブロック方式を採用したゲートウェイによる映像配信プラットフォームの設計と実装について述べる.本プラットフォームの特徴は,ゲートウェイの各機能ブロック(モジュール)の連携を管理・制御することによりユーザからの多様な要求に応じた映像加工処理を柔軟に行える点にある.
著者
中田 侑輝 上岡 英史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.219, pp.7-12, 2012-09-20

近年のソーシヤル・ネットワーキング・サービスの著しい発展により誰もが簡単に情報を発信することが可能となった.これらのサービスは企業の広報などにも利用されており,個人においても有効に活用することで世間に対して影響を与えることが可能である.そこで本稿では,影響を与え得る投稿文の文法的特徴抽出を行い,誰もが再現できるようなパターンを導き出す.本稿で利用した文法的特徴は,投稿文における品詞の割合及び品詞列の割合である.これらについて,影響力のある投稿と一般的な投稿とで比較,考察した.
著者
梶原 大輔 上浦 大智 藤田 貴大 前田 香織 相原 玲二 西村 浩二 岸場 清悟
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.409, pp.81-86, 2005-11-10
参考文献数
5
被引用文献数
5

MAT-MONETは筆者らが提案している複数インターフェースに対応したモバイルネットワークアーキテクチャである.本稿ではDHCPやルータ広告に相当する, MAT-MONETにおけるアドレス割当プロトコルについて述べる.また, モバイルルータが多段で構成されたモバイルネットワークにおいてモバイルルータの移動情報を配下のモバイルルータやモバイルノードに伝えるための移動通知プロトコルについて述べる.このとき, モバイルノードは複数インタフェースをもつことを前提としており, 移動通知情報にはインターフェースの優先度が含まれる.
著者
小清水 郁 上岡 英史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.398, pp.1-6, 2009-01-15
参考文献数
5

本稿では,時々刻々変化するユーザ環境に追従したサービス提供を実現するために,3軸加速度センサだけを用いて瞬時にユーザの行動状態を推定するアルゴリズムを提案する.具体的には,ユーザの行動が急激には変化しないと思われる約3秒間という短時間のデータに対して,適切な閾値設定や簡単なデータ解析を施し,立っている,座っている,歩いている,走っている,階段を移動している,エレベータに乗っている,エスカレータに乗っている,という7つの行動状態の推定を瞬時に行う.本稿では,提案アルゴリズムを実験データに適用し,ほとんどの行動状態を約90%以上の精度で瞬時に推定できたことを報告する.また,さらなる推定時間の短縮による推定精度の関係,モバイル環境を想定した際のサンプリング周波数と推定精度の関係について検討する.
著者
李 斗煥 山田 貴之 芝 宏礼 山口 陽 上原 一浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.441, pp.129-134, 2010-02-24
参考文献数
11

Rapid developments and changes of wireless radio environments require a unified platform which can flexibly deal with various wireless radio systems. To satisfy this requirement, we proposed a heterogeneous network system which is composed of flexible access points and protocol-free signal processing part. As a partial fulfillment of the proposed system, we employ compressed sensing technology to realize a highly flexible and efficient radio wave data reception and transmission. Compressed sensing is a new framework for solving an ill-posed inverse problem of sparse signal. Direct translation of compressed sensing in the sense of wireless technology is as follow: radio wave data can be received, transmitted, and reconstructed using sub-Nyquist rate information without aliasing provided that radio wave is sparse. Considering the scarce usage of frequency resources, compressed sensing is suitable for various scenarios in wireless technology. To provide a full understanding of our approach, we first provide basic knowledge of compressed sensing. Then, describe new radio wave data compression methods which provide a highly efficient radio wave data transmission.
著者
神山 剛 鈴木 敬 野田 千恵 竹下 敦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.39, pp.1-6, 2007-05-10

近年では,携帯端末のブラウザを用いたショッピングサイトの利用など,ユーザ情報をWebフオームへ入力する機会が増えている.携帯端末における入力操作は従来に比べ格段に向上しているが,なおユーザの負担を強いるものである.ユーザの入力支援を行う技術の一つとして,自動入力エンジンがある.本稿では,まず従来の入力方式と比較した自動入力エンジンの入力効率を測るための評価方法の検討をし,プロトタイプを用いた評価実験から自動入力エンジンの有効性を示した.次に評価結果の分析から,さらなる改善の必要性を示し,ユーザインタフェースと連携した改善を行うことを提案し,評価によりその効果を示した.
著者
関和 裕介 小林 岳彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.277, pp.7-12, 2009-11-05
被引用文献数
1

携帯通信端末の高性能化・低価格化,および通信・放送インフラストラクチャの高度化・大規模化により,携帯インターネット,位置情報サービスや電子マネーサービスなどのモバイルマルチメディアサービスは飛躍的な進歩と普及を遂げている.しかしながら,実用化されたサービスの全てがビジネスとして成功し広く普及しているわけではないし,順調にサービスが提供されているとは限らない.本報告では,(1)2009年3月にサービス終了となったモバイル衛星放送サービス;(2)2009年から2010年にかけて相次いでサービス終了となる携帯電話のPTT(プッシュ・ツー・トーク)サービス;および(3)日本における携帯電話サービスで頻発したエラーに焦点を当て,失敗に至る経緯,海外との比較ならびに失敗要因の分析を示す.
著者
栗田 弘之 加藤 淳也 川島 正久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.315, pp.13-18, 2007-11-08
参考文献数
10
被引用文献数
1

近年、公衆無線LANによるアクセス環境が普及しつつある。一般に公衆無線LANではIPアドレスの動的割当てが行われるため、接続ごとにIPアドレスが変化する。SIPなど永続的なIDをIPアドレスにひも付けてサーバに登録するアプリケーションを利用する時、IPアドレスの変化に対してサーバが保持する登録状態が追従できないと意図しない端末への誤転送が生じる。本論文ではIDにもとづいたIPアドレスの貸出しを行うネットワーク接続制御方式を提案し、意図しない端末への誤転送を防止する。またIPアドレスを詐称した端末によるパケットの奪取を防止するため、IPアドレスの詐称の抑止方式を提案する。
著者
辻 宏之 大堂 雅之 三浦 龍 丸山 正晃 鈴木 幹雄 笹本 尚史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.677, pp.139-143, 2003-02-26
参考文献数
4

2002年6月から7月にかけて,米国ハワイ州カウアイ島で実施された高度20kmの成層圏に滞空する無人ソーラープレーンを用いた世界初のIMT-2000通信実験が行われた.この実験で約200km離れたオアフ島からの干渉波による通信品質の劣化が観測され通信障害が発生した.本報告では,この干渉波の解析とアレーアンテナを用いた干渉波軽減について報告する.
著者
橋本 遼 高田 善規 新熊 亮一 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.40, pp.81-86, 2010-05-13
被引用文献数
1

情報発信者が人々に情報を受信させるための手法として,人をノード,友人関係のつながりをリンクとしたソーシャルグラフを経路とするクチコミ情報伝播が注目されている.クチコミ情報伝播では,人に必要な情報や信頼できる情報が届きやすいことが報告されている.しかし,人の送信行動に関わる心理的負担(コスト)が問題となり,情報の伝播が止まったり,情報の広がりが遅くなることがある.この問題を解決するために,送信行動に伴うコストを補償するためのインセンティブ報酬付与が提案されている.本稿では,送信者に対して付与する報酬に条件を与え,受信者が情報に対して反応行動を起こしたときのみ報酬付与を行う方式を提案する.この方式は,支払う報酬の総和を増やすことなく,受信者の反応行動を促進させることができる.これを示すために行った社会実験について報告する.
著者
中村 康久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.543, pp.1-6, 2004-01-06
被引用文献数
2

ユビキタス社会の到来により、通信に対するニーズは、「人対人」から「人対機械」、「機械対機械」と急速に進化し、転換期を迎えている。象徴的な「機械」である自動車の情報化も実現フェーズヘと移行している。本項では、まず、ユビキタス化の方向性を明らかにした上で、「テレマティクス」の概要、ドコモの考える戦略といった基本的な考え方について解説する。そして、具体例について、車情報活用サービス、車情報配信サービス、ドコモの出資提携するサービスについて事例を交えて解説する。更に、標準化に向けた取り組みについて解説する。最後に、NTTドコモが取り組む「テレマティクスの取り組み」について総括を行う。