著者
加藤 修三 中瀬 博之 沢田 浩和 佐藤 勝善 原田 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.188, pp.217-222, 2008-08-20
被引用文献数
5

本論文は現在IEEEにて進められているミリ波(60GHz)システムの標準化(IEEE802.15.3c)のアップデートするとともに、その超高速性(マルチGbps)を生かしたミリ波システムの新しい応用,Super Digital Home及びSuper Infbrmation Portalを提案する。これらは来るべき"次世代移動通信システム"の核の一つとなるであろう。
著者
横枕 一成 三瓶 政一 原田 博司 森永 規彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.598, pp.25-30, 2005-01-20
参考文献数
11
被引用文献数
1

次世代移動通信システム(B3G : Beyond Third Generation)の候補として開発されているDPC-OF/TDMA(Dynamic Parameter Controlled-Orthogonal Frequency and Time Division Multiple Access)システムは, 伝送方式としてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式を採用しており, システム帯域全体を64サブキャリアからなる複数のサブチャネルブロックに分割し, 端末の規模やサービスに応じて複数のサブチャネルブロックを使用することで, 様々な種類の端末を同時に収容可能なシステムである.この場合, 下り回線においては, 基地局が送信する共通ハイロット信号から各端末が自律的に必要な帯域分の伝搬路特性を推定する方式が必要となる.そこで本検討では, DPC-OF/TDMAシステムの下り回線において, 使用するサブチャネルブロック数によらない伝搬路推定方式を提案する.提案方式では, インバルス性が高く, 各サブキャリアの位相を変化させることでインバルスの立つタイミングを容易に変更可能なCI(Carrier Interferometry)をベースとしたバイロット信号を用い, インバルス応答を推定する.各端末では, 各サブキャリアのタイミング制御用の位相を補償する際, 使用するサブチャネル数に応じて異なる位相量で補償することで, 必要な帯域分の伝搬路特性を推定する.提案方式を計算機シミュレーションにより評価した結果, 各サブキャリアの伝搬路特性を高精度に推定でき, 使用するサブチャネル数によらず端末が自律的に必要帯域の伝搬路特性を推定できることを確認した.
著者
張 立 須山 聡 鈴木 博 府川 和彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.359-364, 2008-02-27

移動通信において周波数利用効率の向上が期待されるインターリーブ多元接続方式(IDMA)に対して,チャネル推定を含むターボ信号検出を適用し,その伝送特性を明らかにする.IDMAとしては,周波数帯域を有効に利用できるOFDMを用いたMC-IDMA,別名OFDM-IDMAを検討する.送信側の誤り訂正符号は,畳み込み符号と繰り返し符号を結合して低符号化率にしたものを用いる.受信側はターボ信号検出を行い,繰り返し処理におけるチャネル推定にはソフト判定指向形チャネル推定(SDCE)を適用する.初回は符号化されたビットの対数尤度比(LLR)が分からないので,パイロット・シンボルを用いてRLSアルゴリズムによりチャネル推定を行う.データ区間ではそのチャネル・インパルス応答の推定値を用いて単純な軟判定を行い,さらにMAP復号器で誤り訂正符号の復号を行う.繰り返し処理では,MAP復号器からのLLRを用いてレプリカを生成し,受信信号との平均2乗誤差が最小になるようにチャネル・インパルス応答をLMSアルゴリズムを用いて推定する.計算機シミュレーションにより,提案したチャネル推定法を備えるMC-IDMAが良好な特性を実現できることを示す.また,MC-CDMAとの比較を行い,時間拡散および周波数拡散のMC-CDMAよりもビット誤り率(BER)が優れているが,チップインターリーブを行う周波数拡散MC-CDMAとBER特性が同等となることを示す.
著者
藤原 淳 須田 博人 安達 文幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.98, no.601, pp.77-82, 1999-02-18

本検討では,ターボ符号および上りサイトダイバーシチをW-CDMAに適用し,サイトダイバーシチ合成周期をパラメータとして,特性の評価を行った.その結果,合成周期が10msから80msにわたり,サイトダイバーシチによる合成利得が得られることを確認した(最大ドップラー周波数f_Dが80Hzの場合),さらに,サイトダイバーシチ状態において,ターボ符号の特性を,従来法である畳込み符号とRS符号の連接符号と比較し,シャドウイングあり,なしの双方の場合において,ターボ符号の特性が従来法を上回っていることを確認した(f_Dが80Hzの場合).f_Dが5Hzの場合においても,シャドウイングを考慮した場合には,ターボ符号は従来方式より優れた特性を示すことを確認した.
著者
林 真樹 北出 崇 渡辺 昌俊 宮 和行 加藤 修 本間 光一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.97, no.134, pp.25-30, 1997-06-24
被引用文献数
11

筆者らは次世代移動通信システム(FPLMTS)に向けてW-CDMA/TDD方式に基づくシステムを提案し, 計算機シミュレーションおよび実験装置による特性評価を行ってきた. W-CDMA/TDDシステムでは, 上下回線の伝搬路の可逆性を活かして, 基地局における送受信スペースダイバーシチやオープンループ制御での送信電力制御を容易に実現することができる. 今回, 提案システムの新たな実験評価装置を開発しフェージングシミュレータを用いた室内実験を行い, 送信電力制御誤差, 平均BERはシミュレーション結果とよく一致することを確認した. 最大ドップラー周波数200[Hz]程度まで, 送受信スペースダイバーシチ, およびオープンループ送信電力制御が有効に機能し, 等2波レイリーフェージング環境下で平均Eb/No=3〜4[dB]で平均BER=10^<-3>を実現することを確認し, 提案システムの実用性を実証した.
著者
雛元 孝夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.391, pp.119-124, 2009-01-15

現代制御理論,ディジタル制御論,ディジタル信号処理の間には理論的側面からみて幾つかの共通点や類似点が存在する.これらの三者は互いに影響し合って発展している.特に,状態空間アプローチでは学問分野の区別がつきにくい.ここでは,制御と信号処理の融合という観点からディジタル信号処理に関連した状態空間アプローチについて,黎明期から最近の発展まで簡単に復習する.
著者
徳田 清仁 中林 昭一 菊池 典恭 畑本 浩伸 浅野 欽也 金子 富 阿部 智
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.440, pp.83-88, 2010-02-24
被引用文献数
1

高度道路交通システム(Intelligent Transport Systems: ITS)の開発目標の一つに先進安全自動車(Advanced Safety Vehicle: ASV)がある.本論文では,車群通信技術をベースにITS用に割り当てられた複数の無線周波数の有効利用を図るマルチバンド車々間通信(Multi-Band Inter Group & Inter Vehicle Communications: MBIG-IVC)システムの可能性検討結果について述べる.MBIG-IVCシステムは,出会い頭衝突防止を中心としたASVで検討中の安全運転支援アプリケーションに対して,サービスエリア拡張とシステム容量増大に有効であることが明らかになった.
著者
久万 善広 梅比良 正弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.239-244, 2008-02-27
被引用文献数
4

周波数領域等化を用いるシングルキャリア伝送(SC-FDE)方式はOFDMに比べてPAPRが小さく、周波数選択性フェージング下においてOFDMと同等の特性が得られるが、サイクリックプレフィックス(CP)の挿入が必要であり、周波数利用効率が低下するという問題がある。本文では、オーバーラップFDEを用いたゼロCPシングルキャリア方式(ZCP-SCFDE)を提案し、計算機シミュレーションにより特性評価を行ったので報告する。
著者
中澤 勇夫 雨宮 将稔 清水 裕之 秦 正治 広瀬 敏之 佐藤 英昭 木村 滋 小寺 隆三 阿部 宗男 杉田 邦博 水谷 太蔵 光武 雄一郎 工藤 栄亮 野原 学 吉川 憲昭 鈴木 文雄 関 和彦 小川 博世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.568, pp.141-148, 2000-01-20
被引用文献数
1

第三世代移動通信システム(IMT-2000)は、世界各国で使用可能なグローバルサービスを目指す位置づけから1992年ITUにおいて世界共通の周波数(2GHz帯)の割当が行われた。国内のIMT-2000の2GHz帯導入に際しては、既存システムとの干渉特性を明らかにする必要がある。このため、(社)電波産業会(以後ARIB)では平成8年度より調査検討会を設置し、導入が期待されているCDMA方式による移動無線と、IMT-2000に割り当てられた周波数帯を用いている既存の固定無線との周波数共用の可否、及び周波数共用を可能とする条件を明らかにするために、計算機シミュレーションおよびフィールド実証試験について調査及び試験分析を行ってきた。本報告はこの内、フィールド実証試験についての調査及び試験結果の報告であり、相互干渉モデル、試験システム、広帯域伝搬路特性、電界強度特性等について述べる。
著者
竹田 真理 サギャムウォン ジャトゥロン 塚本 勝俊 小牧 省三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.185, pp.13-18, 2004-07-08

メッシュ形ミリ波無線エントランスネットワークのアプリケーションとしてはインターネットアクセス,VoD配信,ホットスポット基地局エントランス等が考えられ,マルチメディアが混在するネットワークである.このネットワークに各アプリケーションのQoSを満たしつつ,ネットワーク全体のリソース利用効率を向上させるルーティングを導入する.本研究ではネットワーク内で主要なアプリケーションとなるテキストデータとストリーミングデータに注目し,各アプリケーションのQoSに基づくルーティングコストを用いた経路選択により,それぞれのトラヒックのQoSを満たしつつ,ネットワーク全体の資源利用効率を上げる,アプリケーションベース無線ルーティング方式を提案する.
著者
サギャムウォン ジャトゥロン 藤原 淳 大矢 智之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.25, pp.61-66, 2006-04-14
被引用文献数
1

各ノードがビームフォーミングを行う無線メッシュネットワークにおいて、負荷分散を実現する通信経路設定を行った後に、異なる経路間で干渉を与える可能性のあるリンクに対して、より与える干渉が少ないリンクを通信経路とし、その新たな経路に基づいてアンテナのビーム方向を制御する方式を提案する。提案方式によりネットワークの合計スループットが向上することを計算機シミュレーションにより明らかにした。
著者
石橋 功至 落合 秀樹 河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.305, pp.91-94, 2006-10-12
被引用文献数
1

近年,遅延ダイバーシティ(Delay Diversity)技術が再び注目を集めている.遅延ダイバーシティは送信信号を複数のアンテナから時間遅延させて送信することでダイバーシティ利得を得ることのできる非常にシンプルな送信ダイバーシティ技術である.一方,周波数分割多重(OFDM)と差動符号化振幅位相変調(DAPSK)の組み合わせは,高い周波数利用効率とシンプルな送受信回路系が実現できる技術として知られている.OFDMに遅延ダイバーシティ技術を用いた場合,各アンテナで与えられる時間遅延がガードインターバル長を超える必要性があり,周波数利用効率を著しく低下させてしまう.この問題を解決する手法としてOFDM変調信号を巡回させながら遅延させる巡回遅延ダイバーシティ(CDD)という技術が提案されている.本稿では,巡回遅延ダイバーシティを用いた符号化DAPSK変調方式を提案し,計算機シミュレーションを用いて,提案方式が任意の送信アンテナ本数分のダイバーシティ利得が得られることを示す。また,提案方式のパラメーターの最適化についても議論する.
著者
原 嘉孝 森川 博之 水町 守志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.95, no.390, pp.21-26, 1995-11-27
参考文献数
12
被引用文献数
4

パケット交換型移動通信システムの構築に向けて、スロット付アロハをマルチセル構成に拡張した場合のシステム構成について検討を行なう.マルチセル構成法としては、与えられた帯域をクラスターサイズに分割し,セル間で繰り返し使用する方式がよく知られている.そこで、解析ではさまざまなクラスターサイズのもとでシステムスループットを導出し、各システム性能の比較を行なう.システムとしてはセル間のスロット同期が完全である場合と不完全である場合を扱う.解析の結果、クラスターサイズ1の方式がよい性能を発揮することが明らかになった.また,この方式ではセル間のスロット同期の必要性が大きいことも明らかになった.
著者
堀越 淳 生越 重章
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.271, pp.61-65, 1999-08-26
参考文献数
1

1999年5月16日から5月19日にHouston, Texas, USAで開催された第49回IEEE VTC'99-Springの報告を行う。IEEE Vehicular Technology Conferenceはこれまで(1994年Stockholm, Swedenの特例はあったが)北米大陸で年1回5月に開催されていた。近年の移動通信の急激な進展により発表件数は毎年増加しており、昨年のToronto, Canadaでは参加者1000人に達せんとするほどの急増ぶりであった。このような状況のもと、今年より春(VTC-Spring)、秋(VTC-Fall)の2回開催となり、VTC'99-SpringはTexas州Houstonで開催された。今大会はIMT-2000標準に関して3月末以降に残された課題に関する関心の大きさを象徴してか、参加者は700人を超えて、やはり盛況であった。ここでは、各トラックで発表された研究動向を報告する。
著者
船田 龍平 Baykas Tuncer Sum Chin-Sean Wang Junyi Lei Ming Rahman Azizur 木村 亮太 西口 嘉紀 荘司 洋三 原田 博司 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.103-108, 2008-02-27
被引用文献数
1

マルチギガビット伝送を可能とする60GHz帯のミリ波PANシステムにおける主要なアプリケーションの一つとして,HDMI伝送等の数Gbpsの帯域を必要とするビデオストリーミングが有望視されている.このような高速かつ高品位な通信を行うためのフレーム設計においては,従来の無線LANのようなフレーム設計とは異なる手法が要求される.本稿では,高速且つ高品位な通信に適したミリ波WPAN用のフレームの設計手法を提案する.提案手法により,プリアンブル,ヘッダの誤りに起因したブロックノイズ,もしくはストリーミングの瞬断という問題に対処するため,60GHz帯WPANに求められる諸要件を考慮しつつ,プリアンブル,及びフレームヘッダをペイロードと同程度の簡易なアーキテクチャで,且つペイロード以上の良好な特性を有するように設計が行われる.また提案手法を用いて構築されたBeaconing・Signaling用の制御フレームと,データ通信用のフレームのフレーム構成にっいて述べ,特性評価を行うことにより提案フレーム構成の妥当性を確認している.
著者
小頭 秀行 吉田 晴人 前原 文明 高畑 文雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.460, pp.157-162, 2003-11-14

レイリーフェージングにより特徴づけられる無線環境下においてTCP / IP伝送を行う場合,有線環境と比較して劣悪な通信状態が発生することから,ビット誤りに起因するパケットロスが生じ,スループット特性が大幅に劣化することが知られている.その対策として,通常,下位層に自動再送要求(ARQ),空間ダイバーシチ,一方向誤り訂正(FEC)が適用される.本稿では,TCP性能評価のための汎用的なツールの一つであるネットワークシミュレータnsを用いて,各種フェージング対策技術を適用したときのTCPスループット特性を取得することを目的として,それらの技術を適用したときのパケット誤りモデルを2状態マルコフ過程に基づき生成するとともに,生成されたモデルの妥当性を正確なパケット誤りパターンに基づくスループット特性と比較することにより検証する.
著者
迫田 和之 國弘 卓志 藤田 千裕 石見 英輝 鈴木 三博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.98, no.435, pp.75-80, 1998-11-27
被引用文献数
9

PDCシステムをベースとしたFrequency Hopping(FD)システムについて検討した。PDCシステム(ハーフレート)のTDMAフレーム長は40[ms]で6TDMAを構成しているが、充分なインターリーブを行っておらず, また強力な符号化がなされていない。そこで, 短いTDMAフレームを定義し, FHを伴うスロット間インターリーブを行うSFHシステムを検討した。なお, 検討したシステムにおいては結合力の強い強力な符号化と精度の高いパワーコントロールを採用する。変更したパラメータを用いてリンクレベルおよびシステムレベルのシミュレーションを行った。実用のためには解決しなくてはならない問題が存在するものの, 原理的にはSFHシステムが従来に比べて大きなシステム容量を実現できる可能性があることが確認できた。
著者
岸本 直人 倉島 敦子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.11, pp.33-37, 2003-04-10

従来,音声・映像サービスの主観品質評価試験を実施するには,専用設備を有する実験室と専任スタッフによる監督が必要であり,試験会場は限られ,試験日程の調整も必要であった.そこで,誰もが都合の良い場所・都合の良い時間帯で主観品質評価試験に参加できる環境を構築する目的で,被験者自身による簡易な操作だけで主観品質評価試験を実施できるPCツール(ポータブル主観品質評価ツール)を試作した.本稿では,試作ツールの特徴を紹介し,品質評価性能の検証結果について報告する.
著者
堀池 元樹 笹岡 秀一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.374, pp.7-12, 2002-10-11
被引用文献数
34

陸上移動通信における盗聴対策として,通信路の不規則変動に基づいて鍵配送なしで秘密鍵を共有する方式を提案した.提案方式は,時分割復信で通信を行うシステム形態を想定し,伝送路の遅延プロファイルを相互に測定し,時変周波数特性に変換し,鍵の生成と鍵共有を図るものである.また,提案方式では,鍵生成誤り対策として伝送路特性の測定時間差の補償,同期加算処理による雑音軽減,鍵の不一致の訂正法などを適用している.計算機シミュレーションの結果,現実的な条件設定の下で秘密鍵の共有が可能であることを確認した.
著者
青山 明雄 水口 博則 吉田 尚正 後川 彰久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.97, no.399, pp.51-58, 1997-11-26
被引用文献数
14

著者らは、これまでに次世代移動通信システム (IMT-2000) に向けてDS-CDMAに基づくセルラシステムを提案し、その試作システムの開発、室内/屋外実験を通して実用性検証を進めてきた。本稿では、CDMAシステムで高精度にマルチパスのタイミング同期を行うパスサーチ方式を開発し、試作システムを用いた室内/屋外実験により、開発方式の有効性を確認したので報告する。実験の結果、約0.625ms間隔毎に挿入されたパイロットシンボル (3 シンボル) を利用する方式において、相関値を6または9シンボルに渡り同相加算する方法が雑音抑圧に優れ、80msのパスサーチ時間でパスを検出できることを示す。また、遅延プロファイルから複数パスのピーク検出を行う場合、0.25チップ分解能において最小選択パス間隔は0.75チップが最適であることを示す。