1 0 0 0 OA 脊髄の可塑性

出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.49, no.9, pp.564-578, 2012-09-18 (Released:2012-10-19)

随意運動の制御における脊髄神経回路の役割を再考する…関 和彦 564受動歩行におけるヒト脊髄反射の興奮性動態とその可塑的変化について…中島 剛,中澤 公孝 567脊髄伸張反射の可塑性をもたらす神経機構…船瀬 広三 573
著者
橋本 圭司
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.370-373, 2016-05-18 (Released:2016-06-13)
参考文献数
9

『発達障害者支援法』においては,高次脳機能障害は発達障害の中に含まれているが,高次脳機能障害診断基準から発達障害は除外されている,という紛らわしい実情がある.医学的には,生まれつきの高次脳機能の問題を発達障害と呼び,後天性脳損傷による高次脳機能の問題を高次脳機能障害と呼ぶことに異論はないであろう.近年は発達障害の概念も,知的障害から独立した高次脳機能障害へシフトしている.発達障害児やその家族には「病前のイメージ」というものが存在しない一方で,高次脳機能障害児の場合,本来あるべき機能への復活や回復に固執してしまいがちになる.つまり,ハビリテーションとリハビリテーションの違いがそこには存在している.
著者
片岡 利行
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.765-769, 2016-10-18 (Released:2016-11-17)
参考文献数
12
被引用文献数
1

母指および指関節は手根中手関節,中手指節関節,指節間関節からなる.母指はつまみ動作や握り動作など手の機能の中で中心的な役割を果たしている.その中で,母指の手根中手関節は中手指節関節や指節間関節と比べて,関節の自由度が高く,屈曲伸展,内外転,回旋動作が可能で母指のkey jointとされている.一方,指では手根中手関節の動きは限られており,軽度の屈曲伸展運動を認めるのみであるが,中手指節関節は,屈曲伸展に加えて,内外転も許容し,関節の自由度が高く,指のkey jointとされている.本稿ではその母指ならびに指の関節の構造と機能について解説する.
著者
村岡 慶裕
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.23-26, 2017-01-18 (Released:2017-03-28)
参考文献数
11
被引用文献数
1

筆者は,20年ほど前に,慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンターにて,手関節装具を併用し,微細な随意筋電を信号源として,電気刺激で手指伸展をアシストするIVESを開発した.その後,前記センターと,国立病院機構村山医療センターで,神経科学研究や臨床的エビデンスを積み上げながら,約1,000万円かけて改良してきた.IVES装置は,知財マネジメント,医療機器としての製品化・薬機法承認・事業化をすでに2008年に達成した,純国産リハビリテーション医療機器のパイオニアであり,現在,年間約400台販売され,保険診療の中で広く活用されている.本稿においては,純国産医療機器開発の成功事例として,IVES装置の開発経緯や歴史,今後の展望について紹介する.
著者
百崎 良 安保 雅博
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.82-86, 2017-02-18 (Released:2017-05-22)
参考文献数
14
被引用文献数
1

リハビリテーション(以下,リハ)患者における栄養評価の重要性が見直されている.リハ患者において低栄養の合併は高頻度にみられ,適切なリハ処方のためにも早期の栄養スクリーニングが必要である.特に低栄養の病態把握はリハの方針決定の参考となるため,リハ科専門医にとっても重要なスキルであると考えられる.妥当性の確認されている栄養スクリーニングツールとしてはPG-SGA,MNA-SF,GNRI,CONUT,MST,MUST,NRS-2002,PNIなどが挙げられるが,それぞれ長所や短所があるため,状況によって使い分ける必要がある.リハ患者の適切な栄養状態把握は,リハ医療の質を向上させることにつながる.
著者
関屋 昇
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.668-676, 2008-10-18 (Released:2008-10-24)
参考文献数
31
被引用文献数
1

The six major determinants of gait, as proposed by Saunders et al., were reviewed. The results showed that each of the first three determinants (pelvic rotation, pelvic list, and stance phase knee flexion) have only a minor effect on decreasing the vertical displacement of the center of gravity (COG). The major determinant of COG displacement is heel rise, and the second is the inclination of the lower extremity in the stance phase. In spite of the assumption that decreasing the COG displacement decreases gait energy consumption, the energy required for walking with a flat COG trajectory increased dramatically. Therefore, the major gait determinants as defined by Saunders et al. should be corrected in terms of both the COG displacement and energetics.
著者
中島 孝
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.14-18, 2017-01-28 (Released:2017-03-28)
参考文献数
6
被引用文献数
5 1

新医療機器を健康保険適用とするためには,治験で効能・効果と安全性を検証し,医療機器製造販売承認を受ける必要性がある.HAL医療用下肢タイプは,医師主導治験において,希少神経筋8疾患を対象として,歩行運動療法の短期有効性と安全性が検証され,2016年9月から健康保険で使用可能となった.HAL使用の歩行運動療法(サイバニクス治療)は随意運動意図を装着者から生体電位として読み取りerrorless学習を達成するニューロリハビリテーションである.添付文書,適正使用ガイド,安全使用講習などを受けた医療従事者により長期有効性を含む使用成績調査が行われている.適応拡大治験が実施されており,今後複合療法も期待される.
著者
渡部 喬之 鈴木 久義 小貫 祐介 長島 潤 迫 力太郎 川手 信行
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
pp.17027, (Released:2018-09-28)
参考文献数
21

目的:脳卒中患者におけるやむを得ない転倒判定チェックシート(以下,判定シート)の,信頼性と予測的妥当性を検討した.方法:検者5名で脳卒中転倒者20例に対し判定シートを評価,また2名は同様の対象に再評価を行い,検者間でのFleissのκ係数,検者内でのCohenのκ係数を算出した.予測的妥当性の検討は,対象の脳卒中転倒者123名の中から判定シートを用いてやむを得ない転倒者を抽出し,その他の転倒者との間で,再転倒割合,運動FIMを比較した.結果:判定結果のFleissのκ係数は0.838,Cohenのκ係数は1.000であり,高い検者間・検者内信頼性を認めた.やむを得ない転倒者の再転倒割合は,その他の転倒者に比べ有意に低かった.運動FIMは有意に高く,やむを得ない転倒者は一定以上の能力回復を認める傾向にあった.考察:判定シートの信頼性と予測的妥当性が高いことが示された.判定シートで転倒の質を評価することは,転倒後の患者指導などに使用できると考える.
著者
青木 重陽
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.280-286, 2016-04-18 (Released:2016-05-20)
参考文献数
47

前交通動脈瘤破裂患者は,記憶障害を呈することが多く,前脳基底部との関連性が議論されている.また,実際には複数部位の脳損傷を伴うことが多く,さまざまな症状を呈することにもなる.戦略獲得訓練や代償手段の導入が考慮されるが,使用すべき残存機能の部分も障害されていることが多いため,より丁寧な対応が求められる.転帰については,発症1年を過ぎても症状が残っていることが多く,情動面と社会面に課題を残す者が多い.このように発症後時間を経た後に顕在化する情動面や社会面の課題に対しても,リハビリテーションの必要性があることが指摘されている.
著者
菊川 素規 菊川 玲子
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.46-51, 2008-01-18 (Released:2008-02-13)
参考文献数
5

脳卒中や頭部外傷後に高次脳機能障害を後遺している患者の中には,回復期リハビリテーション(以下,回復期リハ)開始時に,情動障害のためリハ治療が困難なケースがある.バルプロ酸ナトリウム(以下VPA)は精神科領域では抗てんかん薬としてだけではなく気分安定薬として用いられている.情動障害を抑制しリハ効果を高めるために,VPAを使用し,その有用性を検討した.山口リハビリテーション病院回復期リハ病棟(60 床)の2006 年 8 月~2007 年 4 月の新規入院患者のうち情動障害コントロールの目的で7 例にVPAを処方した.情動障害の効果判定には脳卒中情動障害スケール(以下JSS-E)を用い,リハ効果判定にはBarthel Index (以下BI)を用いた.JSS-E,BIともに,処方前に比べ投与後有意にスコアが改善し,回復期のリハにおいて,情動を改善しリハ効果を高めるためにはVPAが有効であることが示された.
著者
谷掛 万里 降矢 芳子 形岡 博史 川原 誠 平野 牧人 上野 聡
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.535-540, 2008-08-18 (Released:2008-09-18)
参考文献数
16
被引用文献数
1

A 19-year-old girl was admitted to our hospital with nausea, vomiting, hiccups, constipation and syncope. After hiccups or vomiting sinus arrest developed and lasted more than 5-8 seconds. She lost consciousness every one hour. Based on an electrocardiographic diagnosis of sick sinus syndrome (SSS), a temporary pacemaker was implanted. The next day, although her syncope and bradycardia disappeared, she had orthostatic tachycardia of over 120 beats/minute and swelling of the legs, which led to a diagnosis of postural orthostatic tachycardia syndrome (POTS). Neurologically, she showed the right-sided tongue deviation and parasympathetic system disorders revealed by coefficient of variation of R-R interval (CVR-R), the Achner eye-ball pressure test, the valsalva ratio, and the head-up-tilt test. Brain MRI disclosed a small hyperintense lesion on a T2-weighted image with gadolinium enhancement in the right dorsal medulla including the hypoglottis nucleus and the posterior nucleus of vagus. After steroid pulse therapy (methyl prednisolone 1 g/day×3 days, 5 times) was administered, this lesion became smaller and finally disappeared. Before the lesion disappeared, she was able to begin rehabilitation by wearing elastic stockings and treatment with midodrine hydrochloride. The following year, she developed other MRI-proven brain lesions, suggestive of demyelination. Such a spinal and temporal distribution of lesions led to a diagnosis of multiple sclerosis (MS). A case of POTS caused by MS has not been reported previously, however, MS often affects the medullary paraventricular regions associated with autonomic failures. Autonomic failures often prevent patients from experiencing early rehabilitations. We should promptly give symptomatic treatment against autonomic failures, which leads to good patient recovery not only in patient vitality but also functionality.
著者
粳間 剛 上出 杏里 互 健二 安保 雅博
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.662-672, 2014 (Released:2014-11-12)
参考文献数
28

目的:頭部外傷後の器質性の高次脳機能障害と非器質性の精神障害の統計画像解析所見の特徴を明らかにすることを試みる.方法:頭部外傷後の,うつ群6 例,高次脳機能障害群6 例,そして,健常対照群6 例を対象として,全症例にTc-ECD SPECTとMRI 3D volumetryを施行し,結果を統計画像解析した上で,3 群間でStatistical Parametric Mapping(SPM)比較した(2 sample t test, uncorrected p<0.01).結果:対照群と比し,うつ群と高次脳機能障害群で共通して,前部帯状回などの内側前方領域に,有意なTc-ECD低集積と灰白質容積減少を認めた.この所見は,うつ群より高次脳機能障害群に有意に強かった.高次脳機能障害群では,これら機能異常所見と形態異常所見の両者が,より深部の領域に広がったが,うつ群では,機能異常所見のみが背外側領域に向かい広がりを見せた.結論:本研究により,頭部外傷後の高次脳機能障害と非器質性の精神障害の形態・機能画像所見上の新たな特徴が示唆され,今後の研究的・臨床的アプローチ開発の新たな作業仮説が示された.
著者
山田 深
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.9, pp.676-680, 2016-09-18 (Released:2016-10-20)
参考文献数
3
被引用文献数
1

「ICF CORE SETS-Manual for Clinical Practice」の日本語版である「ICFコアセット 臨床実践のためのマニュアル」は,各ICFコアセットの日本語名称を公式なものとして示し,ICFコアセットの利用方法についての解説を日本語化したものである.個々の用語は原則として「ICF国際生活機能分類―国際障害分類改定版―」に準拠する形で訳出した.ICFコアセットの日本語化がなされたことで,わが国においても統一した基準の下で,医療,福祉の分野において幅広くICFが活用されていくことが期待される.
著者
下園 由理香 有馬 美智子 海 唯子 下堂薗 恵 川平 和美
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.613-619, 2007-10-18 (Released:2007-11-06)
参考文献数
10
被引用文献数
2

Although visual field defects are common disorders in stroke patients, rehabilitation treatments have developed slowly. In this study, we report a case of a 35-year-old man with quadranopsia and visual agnosia due to right occipital hemorrhage. He had no upper limb motor impairments and began to work as a dental mechanic one month after the stroke, but had to retire because of difficulty in making dental implants. He failed to find things in his lower left visual field, and could not perceive fine differences in slope and depth. He was admitted 2 months after the onset and received occupational therapy for visual agnosia, and treatment for quadranopsia one month after admission. The treatment for quadranopsia was performed using a newly designed computerized visual field training machine consisting of a personal computer system which displayed a fixing point for the eyes at the center of the computer display, and a visual stimulation point at areas between residual vision and quadranopsia on the computer display accompanied by a response warning sound after the patient indicated using a switch when he found the visual stimulation. The visual stimulations contained 20% placebo (no visual stimulation). The computer also calculated the percent of correct responses. After one month of continuous occupational therapy only, his visual agnosia improved but his quadranopsia did not. However, his quadranopsia did improve after repetitive visual stimulation using the computerized visual field training machine. In conclusion, quadranopsia might be improved by repetitive visual stimulation.