著者
中島 孝 津田 貴生
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.J55-J60, 2014 (Released:2014-01-24)
参考文献数
5

テレビ放送のニュース番組において,高い機動性を持つヘリコプタによる空撮映像は,重大な事件や災害を取り扱う場面で威力を発揮する.空撮映像に地図情報を重畳することができれば,視聴者に状況をわかりやすく伝えることができるが,空撮映像上の地名を即座に特定するのは困難であった.今回,ヘリコプタから撮影した映像の地図情報を取得し,リアルタイムに空撮映像に重畳する「スカイマップ」システムを開発した.本システムは,ヘリコプタ側に搭載されたセンサの位置情報・姿勢情報,またカメラの雲台情報・レンズ情報から,これらをもとに空撮映像上の位置と,地図情報の関連付けを行う.さらに,事前に地図情報に優先度などを付加することで,地図情報を空撮映像に重畳した際の視認性を高めている.本論文では,本システムの詳細を述べるとともに,東日本大震災などでの活用事例により,本システムの有効性を実証的に示す.
著者
大谷 貴美子 尾崎 彩子 小島 憲治 神田 真由美 南出 隆久 高井 隆三 中島 孝 高畑 宏亮 大谷 晃也
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.356-365, 2001-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
25

We investigated the relationship between the frothing and foam stability of beer and the surface properties of various kinds of drinking vessel (glass mugs and 6 kinds of ceramic mugs), whose size and shape were almost the same. Although the initial bubbles produced when pouring beer into a mug have been thought to depend on the gas created by the mechanical stirring and on the air adsorbed to the surface of the beer mug, we considered that the frothing and foam stability of beer in the mug might also be related to the shape and size of scratches and on the wettability of the surface of the beer mug. The mechanism for continuous bubbling was investigated by a theoretical equation which showed that the size of a bubble produced on the surface of the beer mug was significantly correlated with the wettability and shape of scratches on the surface, and that the place where a bubble was continuously produced was where air remained to form the nucleus of the next bubble after the previous bubble had been released.
著者
諸藤 美樹 梶山 渉 中島 孝哉 野口 晶教 林 純 柏木 征三郎 隅田 郁男 花田 基典
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.64, no.8, pp.1013-1018, 1990-08-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
21

九州地方は, HTLV-IのEndemicareaとされているが, その中でも佐賀県は, 比較的陽性率の低い地域と報告されていた.今回, 佐賀県北部の唐津, 東松浦地区における抗ATLA抗体陽性率を検討するため, 1985年9月から10月にかけ唐津赤十字病院を受診した患者757例を対象とし, 抗ATLA抗体をEIA法により測定した.1. 全患者の抗ATLA抗体陽性率は, 13.7%(757例中104例) で陽性率は加齢と共に上昇し, 60~69歳で最高の21.1%に達した.2. 性別の陽性率は, 男性9.6%, 女性17.8%と有意に女性が高率であった (p<0.001).3. 悪性腫瘍患者を除く患者の居住地別陽性率は, 玄海灘に面する鎮西町, 肥前町, 浜玉町が高く, 沿岸部と山間部の比較では, 有意に沿岸部が高かった (p<0.001).4. 疾患別では, 新生物が26.1%と最も高率で, ATLが100%, ATL以外の悪性腫瘍でも, 25.9%と高く, HTLV-I感染がATLのみならず, 他臓器癌とも関わっていることが示唆された.
著者
小林 憲弘 小坂 浩司 浅見 真理 中川 慎也 木下 輝昭 高木 総吉 中島 孝江 古川 浩司 中村 弘揮 工藤 清惣 粕谷 智浩 土屋 かおり 寺中 郁夫 若月 紀代子 加登 優樹 小関 栄一郎 井上 智 村上 真一 金田 智 関 桂子 北本 靖子 堀池 秀樹 米久保 淳 清水 尚登 髙原 玲華 齊藤 香織 五十嵐 良明
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.223-233, 2017 (Released:2017-11-10)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

水道水中の臭素酸イオン (BrO3-) を既存の告示法よりも高精度かつ迅速・簡便に分析するために, LC/MS/MSによる測定方法を検討し, 臭素酸イオンを高感度に検出でき, さらに水道水中に含まれる他の陰イオンを良好に分離可能な測定条件を確立した。さらに, 本研究で確立した測定条件が全国の水道水に適用できるかどうかを検証するために, 水道事業体等の23機関において水道水に臭素酸イオンを基準値 (0.01 mg L-1) およびその1/10 (0.001 mg L-1) となるように添加した試料を調製し, 各機関で最適化した様々な測定条件で試験を行った。その結果, いずれの機関においても厚生労働省が示している「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」の真度, 併行精度および室内精度の目標を満たしたことから, 本分析法は水道水中の臭素酸イオンを基準値の1/10 (0.001 mg L-1) まで高精度に分析可能であると評価した。
著者
中島 孝
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.491-496, 2017 (Released:2017-11-28)
参考文献数
5

神経・筋疾患には,筋萎縮性側索硬化症,脊髄性筋萎縮症,球脊髄性筋萎縮症,シャルコー・マリー・トゥース病,遠位型ミオパチー,筋ジストロフィー,先天性ミオパチーなどがあり,疾患ごと,個人ごとの症状の差があるものの,四肢の筋萎縮,嚥下や発声構音器官の障害,呼吸筋の萎縮がおきるため,重度のコミュニケーション障害を引き起こす.これらの疾患は治療法がないため,栄養,呼吸管理などの全身症状をコントロールし,身体機能などの適したリハビリプログラムを通して,コミュニケーションと社会・心理サポートを行い患者自身の主観的評価(Patient reported outcome)を高めることが必要である.介助者を伴うコミュニケーション支援では透明文字盤,口文字法などがつかわれており,制度的な支援が必要である.介助者を伴わないコミュニケーション支援としては,さまざまなメカニカルスイッチ,視線入力装置など患者コミュニケーションデバイスがあるが,進行した病態では徐々に使用できなくなるため, 筋萎縮など障害が高度になり,随意的な運動ができなくなっても意思伝達のために使用可能な機器の新規開発が必要である.サイバニクス技術により開発されたサイバニックシステム「HAL」は,サイバニックインタフェース/サイバニックデバイスにより構成されるが,この技術を駆使することで,生体電位信号を高感度で検出し意思伝達を可能とするサイバニックインタフェースとして「CyinTM(サイン)」が実用開発された. 15例のALSなど神経・筋疾患の重症例に対して, 試験機器AI02を使い臨床試験を行い性能と有用性を検証した(JMACCTID: JMA-IIA00280).この装置は障害者総合支援法の補装具費支給制度「重度障害者用意思伝達装置」の生体現象方式として普及が可能である.
著者
中島 孝則 岩田 政則 縄田 修一 齋藤 博 中村 有貴 小林 靖奈 山元 俊憲 松田 佳和 木村 正幸
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.702-707, 2012-11-10 (Released:2013-11-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1 3

We tried to optimize the formulation for the hospital preparation of mianserin hydrochloride (MS) suppositories. MS as the raw material for the preparation was obtained from Tetramide tablets (MS-T), which were ground. The physicopharmaceutical properties of MS suppositories with bases of Witepsol H15 (H15), Witepsol W35 (W35) and Witepsol S55 (S55) were compared to choose the optimal base for the suppositories. The preparation strength correlated negatively among the three bases. The heat of fusion of MS-H15 suppositories was significantly low relative to MS-W35 and MS-S55 suppositories. The average drug release rate of MS-H15 suppositories exhibited the highest level on moment analysis. Comprehensive evaluation of the properties of MS suppositories, including the heat of fusion due to the solubility of the preparation and the drug release rate indicated that H15 was the optimal base for MS suppositories. Additionally, we examined the optimal mixing rate of ground MS-T and H15. The preparation strength positively correlated with an increased mixing rate of ground MS-T. The mean dissolution time (MDT) of suppositories was reduced with an increased mixing rate of ground MS-T. These results suggested that 0.10 g ground MS-T combined with 0.8 g H15 as the base was the optimal formulation for the hospital preparation of MS suppositories.
著者
中島 孝一
出版者
北海道大学
雑誌
哲学 (ISSN:02872560)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.右63-右77, 2005-07-17

In this paper I characterize the method of Wittgenstein's later philosophy as "quasinatural historical consideration" and sketch its important aspects. What is essential to his way of dealing with philosophical problems is to invent imaginary language games in order to compare them with the facts of our real language games. These imaginary language games are invented by modifying various facts of "natural history" of existing language games. They make our own particular ways of understanding our language visible and enable us to survey (übersehen) its grammar. From this perspective we will be able to interpret Wittgenstein's later writings on diverse subjects consistently and properly.
著者
大戸 智絵 栗田 拓朗 瀧沢 裕輔 中島 孝則
雑誌
日本薬学会第141年会(広島)
巻号頁・発行日
2021-02-01

【目的】アトルバスタチン錠とエゼチミブ錠は脂質異常症に対して処方される薬剤であり、二剤を配合したアトーゼット®配合錠も処方される。しかし、それぞれ単剤については一包化調剤が可能であるが、配合錠では光及び酸化を避けるため服用直前にPTP シートから取り出すこととの指示があり、一包化調剤することができない。そこでアトルバスタチン錠5mg(アトルバスタチン錠)とアトーゼット®配合錠LD(配合錠)を一包化調剤し、曝光条件で保存した際の主薬安定性について比較検討した。【方法】5銘柄のアトルバスタチン錠ならびに配合錠をPTPシートから取り出し、無包装品、セロポリ分包品、遮光品をそれぞれ用意し、25℃、60%RHの条件下にて総照度が120万、240万lux・hrになるまで曝光した。保存後の錠剤より主薬を抽出し、HPLCにより含量測定を行った。【結果】アトルバスタチン錠について、無包装品ならびセロポリ分包品ともに曝光後の主薬の平均含量残存率は、銘柄間で若干の差違はあるものの95%以上であった。また、配合錠に含まれるアトルバスタチンの含量残存率も、無包装品およびセロポリ分包品ともに95%以上であった。各遮光保存品について、含量低下は認められなかった。同条件で保存した配合錠中のエゼチミブについても、含量低下は認められなかった。【考察】光安定性について、アトルバスタチン錠ならびに配合錠の両製剤間で差異は認められず、一包化後も同様の安定性を保っていると考えられた。今後、溶出性についても検討する予定である。
著者
道下 慈英 中島 孝寛 八重嶋 克俊 衣笠 竜太
出版者
日本スポーツパフォーマンス学会
雑誌
スポーツパフォーマンス研究 (ISSN:21871787)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.298-304, 2022 (Released:2022-12-20)
参考文献数
23

本研究では,セーリング競技のフルハイクアウトの姿勢を模したハイクアウトテストを実施し,その持続時間および下肢への負担の観点から,フルハイクアウトの有効な足首の使い方を明らかにすることを目的とした.足関節を背屈させ舟状骨上にフットベルトをかけるフォーム(NAV)と,足関節 を底屈させ中足骨上にフットベルトをかけるフォーム(MET)でのハイクアウトテストを行い,持続時間と膝関節伸展筋群の筋活動電位(EMG)を比較した.EMG の電極は内側広筋(VM),外側広筋(VL),および大腿直筋(RF)の筋腹に貼付した.MET の持続時間(95 ± 18 秒, 平均値と標準偏差)は,NAV の持続時間(73 ± 20 秒)よりも有意に長かった.全ての対象者は股関節角度を維持できなくなったことにより測定終了したことから,フルハイクアウトの持続時間を決定するのは股関節屈曲筋群の筋持久力であると考えられる.しかし,フォームによる各筋のEMG に有意な違いは認められなかった.股関節屈曲にも寄与するRF に関して,フォームに関わらず,時間経過に伴うEMG の振幅が増大することが確認された.以上のことから,フルハイクアウトの姿勢を長時間持続させるフォームとして,足関節を底屈させるMET が有効であると示された.
著者
粂田 一仁 伊藤 敏博 小川 栄司 中島 孝 亀井 且有 井上 和夫
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会論文誌 (ISSN:13425668)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.122-133, 1994-04-15 (Released:2011-10-13)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

A ceramic kiln is a two-input/two-output system where temperature and atmosphere (hydrogen or carbon monoxide) inner it are controlled by fuel and a damper. The ceramic kiln has a huge heat capacity and is a nonlinear system because the combustion characteristics in the kiln is always changing due to interference of temperature and atmosphere. Experts, therefore, have been controlling it based on their experimental knowledge.In this paper, we try to control the ceramic kiln by fuzzy control. First, we make a kiln model based on the combustion theory. Next, we choose membership functions of the fuzzy controller while simulating the fuzzy control of the ceramic kiln using the kiln model and fuzzy production rules given by experts. Finally, we make experiments on the fuzzy control for a real ceramic kiln in Shigaraki, Shiga Prefecture, and show some experiment results.
著者
菊池 蘭 伊藤 創馬 太田 美鈴 日高 慎二 瀧沢 裕輔 栗田 拓朗 中島 孝則
雑誌
日本薬学会第140年会(京都)
巻号頁・発行日
2020-02-01

【目的】ベルソムラ錠の有効成分であるスボレキサントは、覚醒物質オレキシン受容体を可逆的に阻害する新しい作用機序の睡眠薬である。従来の睡眠薬に耐性ができた患者など広く使用されているが、服用直前にPTPシートから取り出すこととされており、一包化調剤は避けられてきた。そこで、ベルソムラ錠分包品の保存安定性について検討を行った。【方法】ベルソムラ錠をセロポリ製分包紙に分包し、シリカゲル入アルミ袋またはアルミ袋に入れ、25℃60%RHまたは40℃75%RHの条件下で保存した。また冷蔵庫での保存も試みた。4週間後、錠剤の質量、直径と厚みを測定すると共に溶出試験を行った。また各条件下で保存後のスボレキサント含量についてHPLCにて定量を行った。【結果】25℃60%RHならびに40℃75%RHの条件下において、分包後4週間でシリカゲル入アルミ袋に保存したものは錠剤の質量、直径と厚みが減少し、溶出速度の低下が認められた。これに対しアルミ袋中で4週間保存したものでは、やや質量の増加が認められたものの、溶出速度の変化は認められなかった。冷蔵庫内での保存においては、分包したまま保存したもの、アルミ袋中で保存したもの共に質量や溶出速度の変化は認められなかった。加えて、全ての保存条件においてスボレキサント含量の変化は認められなかった。【考察】ベルソムラ錠分包品はアルミ袋中に保存するか、冷蔵庫内で保存することにより安定であり、長期保存が可能であると考えられる。
著者
中島 孝子
出版者
The Health Care Science Institute
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.39-51, 1998

日本の医療は, しばしば「3待って3分間しか診療してもらえな」と批判される。これは,主に大病院で観察される現象である。長時間待つことが予想されるにもかかわらず,患者はなぜ,多くの医療機関の中から大病院を選択するのだろうか。<BR>第一に,医療保険制度の存在により医療需要がもともと多いことが指摘できる。一般に医療保険があると,ないときに比べて医療サービスに対する需要は高まる(中西他,1991)。第二に,情報が供給側に偏在していることが挙げられる。一番目に,通常,患者は医師ほど医学的知識を持たない。二番目に,小規模の医療機関と大病院が緊密に連携していない可能性がある。三番目に,ある特定の医師の能力の高低を,患者は正確に評価できない。患者が大病院を志向する理由として,上のような不確実性の存在が挙げられる。つまり,患者は,設備やスタッフの充実した大病院に行くことで,これらの不確実性に対して一種の「保険」をかけているとみることができる。<BR>本論文の目的は,以上の状況を単純なモデルによって説明することである。<BR>モデルでは,患者が直面する不確実性は,病気の重症化の可能性の程度と,小規模医療機関がとる行動に由来すると単純化する。結果として,これらの不確実性のために,患者は長時間待つにもかかわらず大病院へ行くことを選ぶ。その傾向は,病気の可能性が高いほど,金銭的なベネフィットを重視する小規模医療機関の割合が大きいほど強くなる。逆に,大病院での待ち時間が長くなると,小規模医療機関を選択するようになる。また,重症化の可能性が小さいタイプにおける重症化の確率が大きくなると,患者は大病院を選択する傾向を強めるが,重症化の可能性が大きいタイプにおける重症化の確率が,患者の行動に与える影響は一定ではない。
著者
吉野 彰 大塚 健司 中島 孝之 小山 章 中條 聡
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌 : 化学と工業化学 = Journal of the Chemical Society of Japan : chemistry and industrial chemistry (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.8, pp.523-534, 2000-08-10
参考文献数
18
被引用文献数
3 2

携帯電話,ノートパソコン,カムコーダー等の電源として広く用いられているリチウムイオン二次電池の開発経緯と技術動向について述べる。導電性高分子ポリアセチレンの研究がこのリチウムイオン二次電池の開発の原点であった。ポリアセチレンを二次電池の負極に用いようとの試みが炭素質材料負極へと展開し,ほぼ同時期に見いだされた正極材料であるリチウムイオン含有金属酸化物LiCoO<SUB>2</SUB>と組み合わされ,現在のリチウムイオン二次電池が完成した。商品化されて以降の電池特性の改良,特に容量の向上は著しく,現在では商品化当初の約2倍になっている。この容量向上は主として負極炭素質材料の改良により達成されてきた。この背景には&pi;電子化学という新しい学問領域の進歩があり,次々に新しい炭素質材料が開発されてきた。<BR>今後,これらの改良開発によりリチウムイオン二次電池の特性はさらに改善されていくものと思われる。